
ZZZZ4283 posted by (C)ヒゲジジイ
漢方の世界でも悪貨は良貨を駆逐する現象が折々に見られて情けない。
たとえば三十数年前のことだが、同級生の看護婦さんが、悪阻がひどく3日以上もまったく食事が摂れなくなって入院治療となったが、それでも一向に回復の兆しがない。
外出許可をもらって蒼白にやつれ、まるで死人のような姿でやって来られた。
小半夏加茯苓湯レベルではまったく無効で、当時の無い頭を振り絞って乾姜人参半夏丸を飲んでもらったところ、超即効を得た。
吐くものさえ無くなって乾嘔を繰り返していた重度の悪阻がピタリと止まり、そのお陰で直ぐに退院できた。
結果的には入院はまったくの無駄、その後も漢方薬のお陰で順調に出産。
当時使用した乾姜人参半夏丸は杉原達二商店製のもので、
【成分・分量】100g中、人参2.0g、半夏3.5g、生姜末2.0g
であり、つまり正しく乾燥生姜の粉末が配合されていた。
ところが昨今製造を中止されたというから、この方剤の需要が少ないのか、言い換えれば乾姜人参半夏丸の適応証を呈する人がそれだけ少ないのかもしれない。
現在も流通する他社製の乾姜人参半夏丸は正しい配合とは言えないので、適応証でも同様に即効が出るかどうかは覚束ない。
すなわち、人参、半夏、乾姜の配合であり、例によって飴色になるまで蒸して製した煨姜(ワイキョウ)もどきの似非乾姜である。
乾姜といったら必ず飴色に蒸した煨姜もどきの似非乾姜を使用して恬として恥じない日本の専門家達の学識を疑ってしまう
こんな馬鹿げたことをやっていたら本来の乾姜(乾燥生姜)に備わっている制吐作用が台無しになるではないかっ!
乾姜と言うからには文字通りに乾燥生姜のことだろうが〜バカっ、とつい本音で言ってしまいそうである(苦笑。

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