2012年01月21日

子宮筋腫は桂枝茯苓丸が専売特許とは限らない

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KSC_1224 posted by (C)ヒゲジジイ

 すでに本ブログの2011年01月10日 みずから少腹急結の典型的な徴候を訴える女性で取り上げたことだが、閉経後に子宮筋腫が4個残ったまま、それが災いして腰痛や下腹部膨満感や膀胱の圧迫不快感など様々な症状に苦しむ女性。

 定石通り、桂枝茯苓丸加薏苡仁を主軸として猪苓湯、田七末などでその作用を増強したつもりが、いつになく効果が見えない。

 実際のところ服用もやや不真面目で飲み方もまばらだから、中途半端な服用では止むを得ないかも、と思っていたが・・・

 このまま行くと手術になりそうだと医師に告げられたところで、過労と精神的なストレスが昂じた折、少腹急結の典型的な徴候をみずから訴えることがあった。
 このことはその当時のブログにも記した通りで、すなわち左下腹部の異常など、典型的な桃核承気湯証の訴えである。

 そこで桂枝茯苓丸を中止して、桃核承気湯に切り替えた途端、みるみる様々な自覚症状はすべて雲散霧消するに至った。

 次の検査では四個あった子宮筋腫はいずれも萎んで小さくなり、主治医からもこれで手術の必要が無くなったことを保障された(笑。

 めでたしめでたしで、その後も継続服用することで現在に至るまで当然のことながら、まったく再発の兆候は皆無。

 子宮筋腫は必ずしも桂枝茯苓丸が適応するとは限らないという、とても重要な教訓である。

 子宮筋腫の相談では実際の現実問題として、過去の多くの経験でも、桂枝茯苓丸でもなく桃核承気湯でもなく、牛膝散やあるいは折衝飲こそ主方でよかった例も実に多い。

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ZZZ_8463 posted by (C)ヒゲジジイ