2012年01月31日
幼児の風邪やインフルエンザの漢方相談を断られる理由
アオジ posted by (C)ヒゲジジイ
ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 30歳〜39歳の女性
ご職業 : 主婦・主夫
簡単な御住所 : 関東地方
ご意見やご質問をどうぞ : 夜分に申し訳ありません。初めてメールさせていただきます。
インフルエンザについての漢方薬の質問をさせてください。
8ヶ月、二歳半の子供がいます。日ごろから風邪などは解熱剤や風邪薬は使わず 治るのを待っています。
もちろんインフルエンザにもしかかったとしても、タミフルは使わずに治したいと思っていますが、何も使わず自然にとゆうのも勇気がいります。
何軒か漢方薬局に相談に行きましたが、こんなに小さい子供に出す漢方薬はない、または漢方薬を出してくれる病院に行ったほうがいいと言われ、全て断られました。
先生のブログ内にも何度か書かれていましたが病院では、麻黄湯や葛根湯しか出してもらえないだろうと 私も思っています。
市販の漢方薬を見てもだいたいが五歳未満は服用できません。本当に風邪やインフルエンザ時8ヶ月、二歳半の子ども達に飲ませられる漢方薬はないのでしょうか。
また市販のものでも量を減らして飲ませれば可能なのでしょうか。
今年もまたインフルエンザが流行だしどうしたらいいのか不安です。
せめて漢方薬が服用できればと思うのですが。
お忙しい中、すみません。よろしくお願いします。
アオジ posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:
小児の病気は治るのも早いかわりに、悪化するのも早い場合も多く、大人と同様には対処できない部分があります。
それゆえ、うかつに漢方薬をお出しして効果が出ずに悪化した場合に責任を取ることはできないと考えて、販売を自粛しているのかもしれませんが・・・
ご指摘の通り、錠剤類の漢方薬は5歳以上でなければ服用不可ですが、多くのエキス顆粒や細粒状、あるいは粉末状の漢方薬類は2歳以下でも服用してよいように表示されている漢方薬も多いはずです。
但し、肝心な涼解楽(銀翹散製剤の顆粒剤)などは確かに5歳未満は服用不可となっていますねっ!
ところで、村田漢方堂薬局では十五年以上、成人男女以外は、よほどの常連さんなど気心の知れたご家族で無い限りは、小児や大きな子供さんでも漢方相談販売をすべてお断りしているのが現状です。
その理由は、行儀の悪い親子が増え、見るに耐えないからです。薬局内を駆け回り、ガラス戸は叩く、喚き散らして乱暴狼藉。親は止めようともしない。
当然、こちらは親子を叱り付ける羽目になる。だから親御さんが当方の漢方薬の愛用者でない限りはお子さんの漢方相談には乗りません。
このことから類推するに、日頃こらかかりつけの漢方薬局を見つけ、ご両親のいずれかが足繁く健康相談を通じてまずは親御さんの方がそこの常連さんやお馴染みさんになれば、気心が知れてそのうち、子供さんの病気にも相談に乗ってくれるようになると思います。
親御さんがその漢方薬局で体質に合った漢方薬を販売してもらい、そこの漢方ファンになれば、きっと半年もしないうちに子供さんの急性疾患でも漢方相談に乗ってくれるようになることでしょう。 絶対にとまでは言えませんが・・・
但し、やはり表示が5歳未満は服用不可となっているものまでは無理でしょうけど。
錠剤類は5歳未満が不可なのは、恐らく咽喉に詰めて窒息する危険性を危惧してのことらしいですが、涼解楽などの顆粒や細粒剤の一部も5歳未満は不可となる理由まではこちらでは分かりません。
販売する薬局は首を傾げることでも守らざるを得ないのが現状です。
ところで、当方でも常連さんのご家族の子供さんの急性疾患に請われれば販売してよい範囲のものはお渡ししても、必ず小児科にもかかもらっています。(もしも明らかに間違った漢方薬が病院から投与された場合は、しっかりとアドバイスを欠かすことはありません。)
結論として、小児の場合、あえて漢方薬に頼らずとも、病院の小児科にかかるのは常識的な行動だと思います。そして医師の治療方針を遵守すべきだと思います。
最初に述べたように、大人と違って小児の病気は治るのも早いかわりに、悪化するのも早い場合も多く、大人と同様には対処できない部分があるからです。
取り急ぎお返事まで。
アオジ posted by (C)ヒゲジジイ
折り返し頂いたメール:おはようございます。
さっそくのお返事ありがとうございました。
漢方薬局で断られた背景、納得しました。まずは常連さんになることからなのですね。
市販の薬は飲めるものもあるとのことで安心しました。しかし、市販されているとはいえ素人が漢方薬を子供に飲ませてしまっていいものか…(一応先生のブログで勉強させていただいていますが) 悩むところです。
先生のおっしゃるように病院での診察は絶対条件だと私も考えています。
ただ、熱が出てすぐ行っても「風邪でしょう」 と解熱剤が出されるだけで、3日以上熱が下がらない状態でないと何も検査はしてもらえません。しかし、高熱を出す最初の3日間が不安なのです。
インフルエンザに関してもどうしてもタミフルに抵抗があるのです。
近くで漢方薬を出してくれる小児科は一応見つけてはありますので、とりあえず相談をしてみようと思います。
支離滅裂な文章になってしまってすみません。
お忙しいなかお返事をいただきましてありがとうございました。 とても参考になりました。
アオジ posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:
>市販されているとはいえ素人が漢方薬を子供に飲ませてしまっていいものか
とありますが、そのために漢方薬局の薬剤師によく相談して利用すべきで、素人判断は禁物です。
また、逆に言えば相談を受けて漢方薬を販売する薬剤師の方も、不安を持たれる人には奨める気にはならない慎重な人も多いと思います。
たとえば、とくに村田漢方堂薬局では、不安を持たれる人にはお互いに時間の無駄と考え、説明も説得も、いずれも端から断念しています。
やはり小児科の先生の指導に頼られるべきです。
FSC_3511 posted by (C)ヒゲジジイ
折り返し頂いたメール:
お返事ありがとうございます。
先生のおっしゃられる通り、小児科の先生の指導を仰ぎたいとおもいます。
ありがとうございました。
FSC_3508 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 07:48| 山口 ☀| 新型コロナウイルス・風邪やインフルエンザ・咽喉痛・扁桃炎
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2012年01月29日
受験生の憂鬱
IMGP9332 posted by (C)ヒゲジジイ
【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾
【 年 代 】:40〜49歳の母親が十代後半の子供さんのご相談
【 住 所 】:関東地方
【 お問い合せ内容 】:
1?歳の娘についてご相談いたしたくメールを差し上げました。よろしくお願いいたします。
おととしの夏ごろから学校でのストレス、睡眠不足からか頭痛肩こりが常にありました。秋頃からは排卵期が始まると37.3度前後の微熱、倦怠感、憂うつ感、頭痛が起きるようになり、生理が始まっても熱が下がらずその状態は続き、生理が終わった頃にやっと体調がよくなるような状態が続いています。
そのため(学校生活のストレスもあってと思いますが)昨年1月から朝起きられなくなり登校ができなくなりましたが、4月にはなんとか起床して登校できるようになりましたがまた10月末から起きられなくなりました。
昨年10月5日に脳外科にて診察、舌や腹部などを見ていただき、水がたまっている状態のようなのでということで五苓散を処方していただいたところ常にあった頭痛はよくなりました。
しかし生理前後の症状はよくならないため、11月4日に産婦人科へ受診しましたら、体は触らずに当帰芍薬散を処方され1日2回2週間ほど飲みました。
11月18日に、通院を続けていた脳外科の先生にご相談し触診もしていただき、飲みやすく(セロリの味がだめでシナモンは大丈夫)長く続けられるものということで桂枝茯苓丸に変えました。
12月2日に、脳外科の診察日でしたので、その間排卵期がありましたが変わらない状態だったこと(そんなに直ぐにきくものではないのかもしれませんが)微熱が出ることや憂うつ感がひどいことから、加味逍遙散に変え今年1月10日まで1日2回で(1回のときもあり)飲みました。本人はあまり変わらないと言っていますが、同じような症状はありましたが排卵期に前のように1日中横になっているような状態ではなかったように思います。
しかし本人があまり変わらない感じがするということと、飲みにくくて続けるのが難しいというので、前に処方され飲みやすかった桂枝茯苓丸を(まだ飲み切っていなかったので)飲んだところ(私の判断で行ってしまいました)体が楽になり気分も「よしやろう!」という感じになると言いました。処方してくださった先生に相談しましたところ、楽になるようだからということで桂枝茯苓丸を続けることになり、再び飲み始めてから1週間弱になります。
しかし、前に近所の●●薬局という漢方の相談薬局の方から頂いた(数年間に亡くなられました)本に、「冷えのぼせの症状であっても、現代の人は体が弱っているのでこの薬は使用しない方がよいということもあります。」とあったこと、また先生のHPにも単独では用いない方がよいことが書いてあったこと、また不眠のため昨年12月頃から朝4時頃に眠るという状態が続いているのですが、まだ1回ではありますが、今朝は7時まで眠れなかったそうで、強すぎるのだろうか、このまま飲んで良いのだろうかと気になりました。
娘は身長160?、体重50?、中肉中背、色白ではなくくまができやすい。すらっと手足が伸びている感じ。血圧は上が100 下が60、貧血の検査をしましたが貧血ではありませんでした。食は普通、便秘下痢でもありません。足や顔のむくみ時々あります。足の冷え感がありますが、微熱のためのぼせやほてり感があるときもあり、脇の下にうっすら汗をかいている時もたまにあるとのこと。
生理はまだ間隔が定まってはいませんが、22日〜38日で、1週間ほどです。経血の量は普通で塊はないとのことですが、加味逍遙散を飲んでいる間はいつもと違い少量で直ぐに固まってしまうような感じだったそうです。足裏から膝までのマッサージを毎日とはいきませんが行っています。
受験生なので常にそのことが心配、不安なのでストレスを抱えた状態ではあると思います。
昼夜逆転してしまい、朝4時前後に寝て昼12時半頃起きます。心療内科で睡眠薬を処方され飲んだこともありますが効きません。起床後は、頭が重く倦怠感がありますが勉強を含め普通の生活をすることはできています。桂枝茯苓丸を飲むとその状態が楽になるそうです。
長くなってしまいましたが、どうかよろしくお願いいたします。
FSC_4532 posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:
「桂枝茯苓丸は単独で用いないほうがよい」というのは一般論で、例外もありますからそれだけで調子がよいのなら単独で連用しても構いません。結果オーライです。
但し、不眠などもう一歩効果が不十分であれば、加味逍遙散か四逆散を併用して試してみる価値はあると思います。
文面からすると加味逍遙散はあまり効果がないようですので、四逆散と桂枝茯苓丸を併用してみる価値がある思います。
勉学に励む受験生にストレス除去に男女にかかわらず四逆散は有効なことが多く、フィットすれば心身ともに疲労回復効果も抜群です。微熱の解決にもなるかもしれません。
桂枝茯苓丸がフィットするような体質では、四逆散の併用テストしても問題が起こることはほとんどあり得ず、ただ効果があるか弱いかの問題だけです。
なお、頭痛に五苓散がよく効いたとのことですので、五苓散は現在常用されてなくとも、いつでも頓服的に使用できるように常備されておくほうが無難です。
あるいは五苓散の少量も常用していたほうが無難かもしれません。桂皮(シナモン)が桂枝茯苓丸と二重になるので、五苓散の量をうんと減らして、四逆散と桂枝茯苓丸と五苓散の少量の併用がよりフィットするかもしれない?
以上は、あくまで文面から類推した一つの配合の工夫ですので、必ず地元の中医学に詳しい漢方薬局か中医学の専門医師のところで処方を考えてもらうのが一番です。
一般の病院やクリニックの医師の漢方知識は、一般で想像される以上に、それはとてもとてもプア〜です(苦笑。
以上、昼休みの間に書いた返事ですので読解不足もあるかもしれませんが、取り急ぎお返事まで。
DSC06806 posted by (C)ヒゲジジイ
折り返し頂いたメール:
お忙しい中早速のお返事をありがとうございました。
四逆散というお薬をお知らせいただきありがとうございました。
調べましたら、自転車で行ける距離の所に中医学による漢方薬局がありました。
早速相談に行ってみようと思います。
この1年半、本人も辛そうで、どう対処したら良いのか試行錯誤の日々でした。
最近では本人も早く体調を回復したいと願うようになっていますので、先生のお返事を基に、良い方向に向かうのではないかと明るい気持ちになりました。
ありがとうございました。
DSC07153 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 10:22| 山口 ☀| 漢方と漢方薬関連の御質問
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2012年01月27日
タキサン系抗癌剤の副作用による足のしびれ、感覚の麻痺に牛車腎気丸?
FSC_4600 posted by (C)ヒゲジジイ
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年齢 : 30歳〜39歳の女性からのご質問でご本人は60代の母上
簡単なご住所 : 東海地方
具体的な御職業 : 専業主婦
お問い合わせ内容 :
肺癌を患う母(6?才)が、タキサン系抗癌剤の副作用による足のしびれ、感覚の麻痺に悩んでおります。
そのような症状に、牛車腎気丸が効果ありと耳にしました。
本人が期待しており、試したいのですが、副作用にある間質性肺炎が心配です。
今のところ癌は肺のみですが、先々月、抗癌剤の副作用と思われる肺炎で生死をさまよったため、体力が落ちており、特に気になっております。
主治医は多少のしびれがあっても、命があるのだからよしとしないと!との考えで、しびれに関する相談はしずらいのです。
このような質問は受けられない類いかと思いますが、率直なご意見を伺いたくよろしくお願い申し上げます。
FSC_4602 posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:
いまさら言ってもしようがないことですが、
>抗癌剤の副作用と思われる肺炎で生死をさまよった
といわれるように命の危険をおかしてまで抗癌剤を使用する意味がどれだけあったのか、甚だ疑問です。
ましてやそれに加えて「副作用による足のしびれ、感覚の麻痺」とは、踏んだり蹴ったりという言葉がまさに相応しいように思います。
過去、体力がないから抗癌剤はしないほうがよいだろうと言われていた癌患者さんが、当方の漢方薬で体力が付いたのをよいことに、主治医が大変喜ばれて「これなら抗癌剤に耐えられるだろう」と強行したために、あっというまに転移が拡がって極端に死期を早め、明らかに逆効果だった例を何度も経験しています。
逆に固形癌とは異なって多くの血液癌では・・・・・たとえば現在も適切な抗癌剤と漢方薬の併用によって骨髄にもほとんどダメージを受けず、常に白血球はほとんど正常値を維持し、四期の悪性リンパ腫がぐんぐんよくなっている例を現在進行形で目の当たりにしています。
ともあれ本題の牛車腎気丸ですが、もしも母上の体質が肺熱や肺陰虚の兆候があれば、絶対に使用すべきではありません。
もしも使用すれば、牛車腎気丸中の附子や桂皮、とりわけ附子によってますます肺熱や肺陰虚を増長するので、禁忌です。
母上の現在の体調が、牛車腎気丸が本当に適応するかどうかは、地元の中医学に堪能な漢方薬局か、知識のある医師に直接訪問されてしっかり確認すべきです。
肺炎を起こした後だということから類推すると、肺熱が残存していることがあり得るので、しっかり専門家にみてもらうべきです。
以上、ご要望のあくまで個人的な「率直な意見」として、忌憚無く述べさせて頂きました。
FSC_4322 posted by (C)ボクチンの母
折り返し頂いたメール:
早速のお返事ありがとうございました。
もともと体力のある方だと自負していた母、主治医との関係も良好に築いており、治療に関して信頼しきっておりました。
しかし不具合をまっすぐ伝えられない関係は良好とは言えなかったか...早く気付くべきでした。
離れて暮らしているため(実家は関東です。)信頼のおける薬局を探すのも、相談に付き添うのも容易ではないですが、後悔しないよう探してみようと思います。
IMGP4013 posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 20:15| 山口 ☁| 抗癌剤や分子標的薬の副作用や抗癌剤おぴよび分子標的薬治療の是非の問題
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2012年01月26日
板藍根の疑問
XSC_9939 posted by (C)ヒゲジジイ
ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 30歳〜39歳 の女性
ご職業 : 主婦・主夫
簡単なご住所 : 四国地方
お問い合わせ内容 :
初めまして。いつもホームページを拝見させてもらっています。
今、行っている漢方薬局で、『ロタウィルスや、インフルエンザが流行りだして、嘔吐恐怖症だから嫌だな』と話した所、【板藍根】が良いと進めて頂きました。
二歳の娘にはダメだが、小学1年生には大丈夫だとの事で、購入しました。
村田先生のホームページにも書いてあったなと思い、再度拝見させてもらいました。
そして、他に見ていたら、赤ちゃんでも大丈夫。と書いてる所もあれば、【傷胃】【熱証が認められず、脾胃虚寒証、寒湿中阻証に属している人は禁止】とか溶血反応、泡を吹いた。など書いてる所(日中健康科学会)があったりします。
私が行っている所は、そういう事は知らなかったり、他のホームページを見ても、ほとんどの人が大丈夫のように、書いています。
村田先生の長年の経験から、このような副作用の例はあるのでしょうか?
板藍根も、病院できちんと体を見てもらい、購入する方が良いのでしょうか?
長々と申し訳ありませんが、お時間がある時(お忙しいのはblogを見て分かっているのですが…)で結構ですので、気長に待っております。
宜しくお願い致します。
XSC_9978 posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:
板藍根は「熱証が認められず、脾胃虚寒証、寒湿中阻証に属している人は禁止」というよりも禁忌ですので、そのような状況下で使用するものではありません。
逆にいえば、そのような体質の人に使う根拠が皆無ですから、当方でもそのような人に販売することがあり得ないので、問題が生じたことも皆無です。
別の言い方をすれば純粋型の「熱証が認められず、脾胃虚寒証や寒湿中阻証」の人に遭遇すること自体が稀で、たとえ遭遇してもそのような純粋型の虚寒証の人に板藍根を販売する発想自体があり得ないことになります。
>板藍根も、病院できちんと体を見てもらい、購入する方が良いのでしょうか?
というご質問は最善のように見えて、やや首を傾げてしまいます。
一般病院の医師で、どれだけの人が板藍根のことを知っているのだろうか? という疑問です。
現実には「板藍根」の存在すら知らない医師ばかりで、この名前だけでも知っている医師がいるとしたら、砂の中に混じる砂金の一粒を見つけるくらいに超稀です。
但し、中医学を得意とする日本全国の医師(といっても人数はそれほど多くありませんが)や当方のブログに時々登場される東海地方の内科医や関東地方の医師たちは当然、板藍根のことは熟知されています。
結論として、不安に思うものは決して口にしないのが最善ですが、どうしても飲みたいと思われる場合は、中医学に詳しい漢方薬局で、純粋型の「熱証が認められず、脾胃虚寒証や寒湿中阻証」ではないかどうかをよく確かめてからのことです。
でも、かなり不安を持たれているようですので「君子危うきに近寄らず」です。飲まないのが最善でしょう。
むしろこちらの長年の経験から言えることは、不安な気持ちで飲まれて良かったことはほとんどありません。
取り急ぎ、お返事まで。
IMGP3933 posted by (C)ボクチンの母
折り返し頂いたメール:
御返事ありがとうございます!
村田先生をホームページでしか知らないのに、信じきっている私ですので、先生から御返事を頂くと不安が飛ぶのです。(こういう人間もダメかもしれませんが…)ホームページからも、なぜか安心感が伝わってくるのです。
私が行っている薬局さんは、板藍根について村田先生のおっしゃる内容すら説明もありませんでした。ひたすら『赤ちゃんから大丈夫だし、皆さん飲んでます』だったので、気になりました。
先生から御返事を頂けて良かったです。
他の漢方薬局を探してみます。
これからも、ホームページを拝見させて頂きます。
ありがとうございました!
IMGP3827 posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 17:03| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問
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2012年01月25日
他の漢方薬局や他の方法を考えるべきか?
IMG_6862 posted by (C)ボクチンの母
ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : ご本人は20歳〜29歳の女性で代理の母上からのご質問
ご職業 : 公務員
簡単なご住所 : 関東地方
お問い合わせ内容:
少し長くなりますが宜しくお願いします。
2?歳になる娘の相談です。
7年前17歳の時受験のストレスからか生理が1年程止まりました。その後戻りましたが生理不順と量が少ない状態が今も続いてます。
受験が終わりニキビ(?)がひどくなり6年前初めて皮膚科を受診しそこから4年半処方されたセレスタミンを飲み続けました(1か月に2〜3錠)。
2011年2月に別の皮膚科でセレスタミンの怖さを聞き即やめました。
3月4月5月はセレスタミンを飲まないのに落ち着いていましたが6月に入って急に右頬だけぶつぶつと赤みができて何軒か皮膚科に行きましたが不信感がつのり、8月に初めて漢方薬局へ行き漢方煎じ薬を開始しました。
が、肌は一向によくならず 11月にはまったく問題のなかった左頬も悪くなり現在は両頬同じ状況になってしまいました。
悪化しているのに飲み続けているのは肌以外に・・・生理不順が少しずつ改善している。
便秘の改善、体重が少しずつ増えている。食欲もある。鬱気味だったのが少し前向きに・・・などから、体の中から良くなって肌が良くなってくると信じてきたからです。
でも最近とくに今までに無く赤みとぶつぶつが広がり、24歳の女の子にはあまりにもかわいそうで顔のことなので本当に辛い思いをしています。
そこでお聞きしたいのは、煎じ薬をしっかり飲み毎日の生活にも気をつけているのに一番治って欲しい肌が悪化している場合、他の漢方薬局や他の方法を考えるべきなのか、ということです。
現在仕事のストレスがかなりあるようです。
書き忘れましたが 2011年2月に2週間右頬だけにプロトピックをぬっています。
本当にどうしたらいいのか毎日悩み続けています。
どうか先生のお考えをお聞かせください。お願いいたします。
IMG_6861 posted by (C)ボクチンの母
お返事メール:
たいしたアドバイスはできませんが、そこの漢方薬局では皮膚の状況に応じて常々配合変化の工夫を行っておられれば、しぶとく通い詰めれば、最終的に病状の裏をしっかり把握して、皮膚にフィットした配合を見つけてくれることと思います。
もしも同じ配合の漢方薬ばかりで配合の工夫をまったくされないところであれば、即刻、漢方薬局を変わるべきです!
但し、いずれの漢方薬局でも、しっかり時間をかけて弁証論治を行ってくれる熱心な漢方相談でなければ、なかなかフィットした配合は得られるものではありません。
季節に応じ、状況に応じて臨機応変の配合変化を行ってくれるところでなければ、頑固な皮膚病は簡単に治るものではありません。
流れ作業のような漢方販売を行っているところでは、まぐれ当たりの時以外は、ほとんど効果は得られません。
症状が悪化しても、しばしば好転反応として誤魔化される場合がありますが、好転反応が生じることは稀なことですので、悪化した場合はほとんどが好転反応ではなく、漢方薬がフィットしてない証拠と思うべきです。
ところで、貴女のように代理のご家族が心配してメールや電話で相談というのは、過去の経験からどうしても話半分にしか取ることが出来ません。
本当に困っていれば、本人の意思と行動が伴うはずだと思うからですす(暴言、多謝)。
【編集後記】
熱心な漢方相談を行ってくれるところでは、効果が出なければ繰り返し弁証論治をやり直し、あらゆる方向から検討してくれるはずである。
昨今経験した例で、以前既に書いたように思うが?近畿地方から半月〜一ヶ月毎に真面目に通って来られるアトピーの男性が、半年経つころには一定の効果を得て7割以上は改善して安定しているのに、足の裏だけがまったく効果が得られない。
足の裏にもアトピーが出るものかな〜?と思いつつも、一年経過してもやはり足の裏だけは無効。
ところが、一年以上経って流石に閃くことがあった。
アトピーで入院までしたことのある人だから、足の裏が他の皮膚病であるはずがないと勝手に思い込んでいたが、もしや水虫ではないか?と、ためしに水虫によく効く華陀膏を塗ってもらったところ、即効でみるみる改善していく。
このように長く通えば、体質を知り尽くすことになって、急がば回れということもある。
但し、効果が出ないどころか、悪化するような漢方薬を十年一日の如く押し通し、配合の工夫をほとんどされない漢方薬局であれば、即刻、他所に変わるべきである。
IMG_6870 posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 00:02| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問
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2012年01月24日
若返りの漢方
XSC_9704 posted by (C)ヒゲジジイ
【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾
【 年 代 】:30〜39歳の女性
【 職 業 】:パート・アルバイト
【 地 域 】:近畿
【 お問い合せ内容 】:
若返りの漢方というのをみて、できたら購入したいのですが金額や効能など教えてください。
XSC_9598 posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:
何か誤解されているのではないでしょうか?
当方のブログの「2010年06月16日 若返りの漢方薬」あるいは「2010年08月19日 漢方薬で若返る女性たち」の内容をしっかり読まれてはおられませんか?
「若返りの漢方薬」とは特定の漢方薬を指して書いたつもりはない、としっかり明記しています。
できましたら本文を最後までしっかりお読み下さい。
要するに頑固な慢性病が漢方薬によって寛解するに従って、女性達がみるみる若返る現実を描写したまでのことです。
取り急ぎお返事まで。
XSC_9592 posted by (C)ヒゲジジイ
ラベル:若返りの漢方薬
posted by ヒゲジジイ at 08:41| 山口 ☁| 若返りや美容関連
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2012年01月23日
3年前に飛蚊症で一度来られた人がメニエールでメール相談
KSC_1752 posted by (C)ヒゲジジイ
【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾
【 年 代 】:20〜29歳の男性
【 地 域 】:近畿
【 具体的なご職業 】:飲食店 調理
【 お問い合せ内容 】:
お久しぶりです。覚えておられないかもしれませんが、一年半程前(編集者注:実際は3年近く前)に飛蚊症の件で店頭に直接お訪ねしご相談させていただいた●●という者です。
その節はお世話になりました。
その時は肝腎陰虚に湿熱ということで杞菊地黄丸と茵蔯蒿湯を軸に釣藤散と田七人参も状況に応じて服用するというアドバイスをしていただき、飛蚊症は消えないまでも気にならない程度になり、体調もよかったので、問題なく生活しておりました。
そして話が変わるのですが、先月急に片耳がこもったような感じで聞こえにくくなり、二日後くらいに沈むような眩暈が始まりその後回るような眩暈と吐き気で立っていられなくなりました。
嘔吐もありました。次の日には落ち着いたのですがまた二日後同じような眩暈が起きたので病院に行き、メニエールと言われました。
それから三週間程たちましたが、回るようなめまいはありませんが頭を振ったり歩くとふわっとしずむようなふらつきが続いています。
あまり動かしすぎると吐き気がし耳のこもったような違和感もたまにあります。病院では基本的に薬を飲んで様子をみましょうという事で利尿剤等を飲んでいますが症状は変わらずです。
命にかかわるような疾患ではないですが、不快感を相当感じており、またあの発作のようなめまいが定期的に起こるかもしれないと思うと不安です。
そこで村田様のサイトでめまいの症例を拝見させていただき、自分の体質的にも共通している部分があるのではと思い、質問させていただきました。
文面だけでは不十分なことは承知してますが、過去にみてもらっている事もあり、可能性として考えられる事だけでもお教え頂けないでしょうか。
また、飛蚊症の件が落ち着いてからは眼精疲労対策として杞菊地黄丸のみを自己判断で服用していたのですが、これがメニエール病の原因になる事はあるでしょうか?
もしそうであれば反省しております。
お時間のある時にでも返信頂ければ幸いです。よろしくお願いします。
KSC_1566 posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:
当時の相談カードを調べてみたら平成21年4月に初めて来られ、その後7月21日に杞菊地黄丸だけをお送りしてそのまま音信が途絶えていました。
その後もそちらで杞菊地黄丸を入手して服用されていたとしても、メニエールに対して杞菊地黄丸が災いしたということは絶対に有り得ません。
それどころか、メニエールに対しても最終的な体質改善時には杞菊地黄丸も必須となることが多いものです。
但し、メニエールの病因は風痰上擾など湿邪の存在が絡むことが多いので、痰湿の問題が主体となることが多いので、当時もこちらでお出しした釣藤散のみならず、半夏白朮天麻湯、(あるいは茵陳蒿湯も出していることから類推すると)温胆湯証があるかもしれないし、回転性目眩が強ければ沢瀉湯など。
しかしながら寒熱の問題が現時点でも当時と同じかどうかは不明なので、寒証に変化していれば真武湯証ということもあり得ることです。
いずれにしても総じてメニエールは中医学では比較的治しやすい疾患ですので、地元の漢方薬局でしっかり相談されることです。
通えるところで折々に顔を見せておかないと、こちらでは2年半のブランクがある貴方の体質を当時の相談カードを眺めても殆ど思い出すことすら不可能です(苦笑。
当時でも三ヶ月しかこちらで続かなかった人ですから、当然こちらに来られる必要はないので、必ず地元で互いに信頼関係が結べる漢方薬局を見つけるべきです。
幸いにメニエールは中医学やたとえ日本漢方でも服用者に根気さえあれば文字通り本当に「根治」が可能な疾患ですので、今度こそしっかり通えて長続きのするところで腰を据えてみて下さい。
なお、処方のヒントは上掲しましたが、例によって数種類の組み合わせが必要なことが多いので、素人療法は禁物です。
BSC_5815 posted by (C)ヒゲジジイ
折り返し頂いたメール
お忙しいところ、丁寧なご返信ありがとうごさいます。
近くの漢方薬局を見つけて、必ず完治させたいと思います。ありがとうごさいました。
【編集後記】
実際のところは肝腎陰虚に湿熱を伴っている場合に、こちらの指示通りに杞菊地黄丸だけでなく茵蔯蒿湯や風痰に配慮した釣藤散も併用していたら、そして折々に体質変化の点検を行っていれば、今頃になってメニエールを引き起こすことはなかっただろう。
遠来者の中には、フィットする配合が得られた時点で直ぐに無音となり、こちらに何の相談もないまま素人判断で配合を一部間引いてバランスの偏った節約した配合を続ける人があるようだが、それはちょっと考えものである。
遠来者の中にはこのように、フィットする配合が見つかった時点で、三ヶ月で音信不通となるケースが目立つが、その後はよそで漢方薬を調達されるため、こちらは心身ともに消耗する弁証論治に苦労した三ヶ月がまったく報われないのだが、それだけの問題ではない。
このように中焦や下焦の湿熱に配慮した茵蔯蒿湯や痰熱に配慮した釣藤散が欠けて、杞菊地黄丸だけを続行してややバランスを欠いた配合のために、メニエールを未然に防ぐことは出来なかった可能性は否定できない。
素人療法の問題点が集約されているように思われる。
蛇足ながら昨年だけでも、アトピー性皮膚炎の女性薬剤師や、血液疾患の男性など、その後の状況に応じた配合の微調整が必要になった時点で困るのは目に見えているのに、大丈夫なの?と危惧している。
いずれも効果が明らかとなった三ヶ月目で無音となっている。
類似した例でも関東から通われながら、折々に地元で漢方薬を調達したがるやや身勝手な人達がいて、これでは慈善事業に等しい仕事となるので、関東の内科医をご紹介したところ、やはりそこでも身勝手な行動が目立ち、却って大変なご迷惑をおかけすることになった(苦笑。
BSC_5582 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 07:43| 山口 ☔| 飛蚊症
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2012年01月22日
肥満体でたまたま大柴胡湯合茵蔯蒿湯の適応者であれば減量の確率はとても高い
2012年01月21日の茶トラのボクチン(7歳半) posted by (C)ボクチンの母
当方では「痩せたい」というただそれだけの甘ったれた目的で来局する人には「食わずに走れ!」のアドバイスのみで、お引取り願うのが常である。
肥満を治したいからという目的だけで来局される人は、経費を惜しみ、忍耐力の無い人が通例であった過去の刷り込みから、拒否反応が強い。
ところが病院や地元の漢方薬局などでどうしても治らなかった頑固な慢性疾患の漢方相談で、たまたまその人がかなりな肥満体であったというケースでは当然、真剣に当方の漢方薬に賭けてみようという意欲があれば、こちらは徹底的に弁証論治に全神経を集中する。(だから新人さんが来られると、終わった後の疲労が極端に激しい。)
たまたまその人の体質が大柴胡湯合茵蔯蒿湯適応者であった場合、ほぼ全員が体重がスムーズに減少し、ウエストもかなり減ってくる。
ところが大柴胡湯合茵蔯蒿湯適応者でも、もともと痩身であったり中肉中背である場合、つまり肥満ではない人たちが、いくら続けても病状は当然ながら急速に寛解しつつも、決して体重が減ることはないのだから、この点でもバランスの医学としての東洋医学の素晴らしさを実感できる。
昨今も実際に急速に減量が可能となっている人の例を他のブログ、2012年01月10日(火) またもやテレビ宣伝の防風通聖散製剤ナイシトールによる被害者が登場
の記事で紹介している実例が、逆流性食道炎と慢性肝炎などに対する各種方剤を併用してもらっている中に、大柴胡湯合茵蔯蒿湯も配合されているお陰で、急速に体重が減っている。
ここで強く注意すべきは、あきらかな大柴胡湯合茵蔯蒿湯適応者でなければ、決して服用してはならない配合である。
このことをいくら口を酸っぱくして書いても、防風通聖散や扁鵲(ヘンセキ)などをいくら服用しても効果が無かったり副作用に辟易した人が、このブログを拡大解釈して、きっと飲みたがる人が出て来るだろうが、日本語をもっとよく勉強して欲しい。
このブログの読者の半数は同業者という話がよく伝わって来るが、指名買いするような人には決して直ぐには販売すべきではない。
本当に適応するかどうかをしっかり確かめるべきで、肥満体で大柴胡湯合茵蔯蒿湯適応者は意外に少なく、むしろ中肉中背以下の人に多いくらいだから、肥満だからといって適応するとは限らない。
但し、当方の常連さんの中に肥満体の人はいない、という理由は大柴胡湯合茵蔯蒿湯適応者がたまたま多かったからに他ならない。
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2012年01月21日の茶トラのボクチン(7歳半) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 07:57| 山口 ☀| ダイエットや肥満症
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2012年01月21日
子宮筋腫は桂枝茯苓丸が専売特許とは限らない
KSC_1224 posted by (C)ヒゲジジイ
すでに本ブログの2011年01月10日 みずから少腹急結の典型的な徴候を訴える女性で取り上げたことだが、閉経後に子宮筋腫が4個残ったまま、それが災いして腰痛や下腹部膨満感や膀胱の圧迫不快感など様々な症状に苦しむ女性。
定石通り、桂枝茯苓丸加薏苡仁を主軸として猪苓湯、田七末などでその作用を増強したつもりが、いつになく効果が見えない。
実際のところ服用もやや不真面目で飲み方もまばらだから、中途半端な服用では止むを得ないかも、と思っていたが・・・
このまま行くと手術になりそうだと医師に告げられたところで、過労と精神的なストレスが昂じた折、少腹急結の典型的な徴候をみずから訴えることがあった。
このことはその当時のブログにも記した通りで、すなわち左下腹部の異常など、典型的な桃核承気湯証の訴えである。
そこで桂枝茯苓丸を中止して、桃核承気湯に切り替えた途端、みるみる様々な自覚症状はすべて雲散霧消するに至った。
次の検査では四個あった子宮筋腫はいずれも萎んで小さくなり、主治医からもこれで手術の必要が無くなったことを保障された(笑。
めでたしめでたしで、その後も継続服用することで現在に至るまで当然のことながら、まったく再発の兆候は皆無。
子宮筋腫は必ずしも桂枝茯苓丸が適応するとは限らないという、とても重要な教訓である。
子宮筋腫の相談では実際の現実問題として、過去の多くの経験でも、桂枝茯苓丸でもなく桃核承気湯でもなく、牛膝散やあるいは折衝飲こそ主方でよかった例も実に多い。
ZZZ_8463 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 10:04| 山口 ☀| 子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣チョコレート嚢胞・子宮腺筋症・卵巣嚢胞・卵巣嚢腫
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2012年01月20日
特殊例が多い村田漢方堂薬局では真武湯を・・・
ESC_8502 posted by (C)ボクチンの母
真武湯で過去、潰瘍性大腸炎をウチダのイオン化カルシウムと併用で根治に至り、その後の追跡調査も十数年、まったく再発は見られない。
その後、潰瘍性大腸炎で真武湯が適応する人にはいまだに遭遇しないが、脊髄小脳変性症など比較的特殊な難病にしばしば応用される。
線維筋痛症では即効を得たケースもある。
しかしながら、もともと真武湯は一般的には虚寒性の水様便や水分の多い泥状便に適応が多い。
その中でも昨今珍しい例では、頭痛・眩暈・水様性下痢に悩む人に、五苓散と加味逍遥散製剤で目眩と下痢はやや軽減するも、頭痛にはほとんど効果がない。
上熱下寒の兆候は明らかであるから、清熱舒筋の方剤を追加すると、頭痛は軽減するが水様性下痢が再開してもとの木阿弥になる。
そこでさらに真武湯とイオン化カルシウムを追加すると、下痢はほどなく緩解し、数十年ぶりでまともな大便を見ることが出来た。
これでようやく配合バランスが整い、頭痛、目眩・下痢ともに比較的順調に回復中である。
滅多に見られない典型的な上実下虚、上熱下寒の興味深い症例である。
ESC_8503 posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 00:54| 山口 ☔| 潰瘍性大腸炎・クローン病
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2012年01月19日
温経湯は温めるが温胆湯は温めない
IMG_0311 posted by (C)ボクチンの母
「温」がつく漢方処方は多いが、その代表的なものに温経湯(ウンケイトウ)と温胆湯(ウンタントウ)がある。
温経湯は衝任虚寒・瘀血阻滞の病機に対して温経補虚・活血行瘀の作用を発揮する。
一方、温胆湯は痰熱阻滞三焦の病機に対して清熱祛痰・疏暢三焦の作用を発揮する。
温経湯は手掌角皮症など掌の湿疹に多用して昔から著効を得ており、また女性のアトピー性皮膚炎の苔癬化したものに著効を得たこともある。
体外受精を繰り返して成功しない女性にこの温経湯であきらかに体調が向上して自然妊娠の可能性が見えて来ているのに、本人は体外受精に経費がかかるからと、このわずか1ヶ月分6〜7千円の経費を惜しんで、体外受精の合間の繋ぎにしか使わなかった馬鹿げた人もいた。
当方における不妊治療の実績では、過去、確率は相当高いのに、以来、この女性のことを教訓に、このような体外受精などを繰り返している途中の繋ぎに利用される人は、一切お断りすることにしている。
温胆湯は痰熱が上擾すると心神不安を引き起こしてパニック障害や不眠や動悸、清竅を上擾するとメマイやふらつきなどの症状が出やすくなる。
適応する不眠症に対しては朝昼は、最もシンプルな基本方剤の温胆湯製剤を服用し、三回目の夜だけ星火温胆湯(温胆湯+黄連・酸棗仁)を服用してもらうことで、重度の不眠症が1〜2年以上もかかってほとんど根治するに至った例もある。
慢性疾患の場合、いつも速効が出るとは限らず、やはり根気勝負になることがほとんどであるが、昨今、当方に来られる人は、頑固な病気でも、直ぐに速効が出るものと思い込んで来られる人が多いので、ちょっと困惑している。
たとえ速効が出ても、それで短期間で根治するはずもなく、速効が出たら出たで、直ぐに油断して、のちのち落胆を見るのが通常である。
しばしば見られるのが、自覚症状に明らかな速効が出ていても、病院の検査数値に反映する値が、わずかであるとその落胆は大きく、何年がかりになるのが当然の疾患でも、半年もしないうちに息切れする人もある。
ともあれ、温胆湯は脊髄小脳変性症などの難治性疾患にも、強力な補腎剤とともに併用してめまいやふらつきの改善補助に役立っているケースもあるが、いずれもかなり厳密な弁証論治を必要とする。
IMG_0320 posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 11:38| 山口 ☔| 中医漢方薬学
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2012年01月16日
肝胆膵系統が弱い人たちの複雑な病態
IMGP8076 posted by (C)ボクチンの母
折々に大柴胡湯証を呈する人で、折々に延年半夏湯証を呈する人が現在3名もおられる。
一人は病院で慢性膵炎との診断が下っている。
以前、加味逍遙散証に延年半夏湯証が合併している女性のことを書いたことがあるが、この人たちの共通点はいずれも女性であり、いずれも中医学的に見ても肝胆脾胃に問題があるが、自覚症状の共通点は全員、左肩こりが顕著で何らかの胃症状を伴っている。
さらには左側の背部の凝りを伴っている人が多く、また全員たまたま茵蔯蒿湯証を伴っている。
大柴胡湯と延年半夏湯を合わせて常用した方がよい人もあれば、時期によっていずれか一方でよい時期と、両者の併用が必要なときなど一定しない人もいる。
最も興味深い例では、これらに半夏瀉心湯証も折々に出現して、折々にそれぞれの方剤を使い分けているが、延年半夏湯は常時服用しておくほうが調子が良いと言われる。
現実的には、三方剤を常に併用していたほうが頗る体調がよいという結論が出ているようだ。
加味逍遙散合茵蔯蒿湯証の人では左肩凝りと胃症状が出ない限りは、延年半夏湯はもはや必要としない段階に来ている。
このような比較的複雑な病態に応じた方剤を見つけることができるのも、必要に応じて折々に直接通って来られ、じっくりと時間をかけて弁証論治を行うから〜、といってもこのブログでは方証相対を信奉するがごとき表現となっている(笑。
ところが中医学理論、中医方剤学、中草薬学を一定レベル学んだ上で方証相対論を実践することは、とても有意義で能率がよい。
現実的には弁証論治と方証相対論を平行して実践するのが、実は中医漢方薬学派の真骨頂でもある(呵呵。
IMGP8077 posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 16:10| 山口 ☁| 中医漢方薬学
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2012年01月15日
がんサポートに牛黄製剤
IMGP8188 posted by (C)ボクチンの母
癌サポートの目的で当方の漢方薬を利用される人は、アトピーで服用される人よりも遥かに多い。
初期癌や進行癌や転移癌でも、手術前から利用される人が多く、抗癌剤の副作用軽減の目的で利用される人も多い。
地元近辺で過去、当方の漢方薬類をがんサポートの目的で利用され、病院治療とも相俟って根治に到った人達からの紹介者が絶えることがない。
年齢層は、三十代〜八十代まで幅広い。
ところで本題だが、抗癌剤による白血球破壊の防御では、牛黄製剤を利用された人が顕著にそのチカラを発揮しているように思われる。
牛黄は麝香などとともに現代中医学では幅広い領域の抗癌中薬の代表的なものとなっており、一般の疾患でも多くの領域で重宝されるが、やや高価なのが玉に瑕。
オーストラリアや南米で産出されるが、昨今、豊かになった某国の買占めなどから、日本には以前のようにはスムーズに流通しなくなっているらしい。
漢方薬が第二のレア・アースと言われるが、牛黄もその例外ではない。
IMGP8200 posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 23:52| 山口 ☁| 悪性腫瘍・癌・ステージ4の進行癌や転移癌
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2012年01月14日
理想的な排便を求める?お問い合わせに対するお返事
ZZZ_7019 posted by (C)ヒゲジジイ
【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾
【 年 代 】:40〜49歳の男性
【 地 域 】:関東
【 お問い合せ内容 】:
あまりに膨大な量で、お問い合わせの主旨もやや不明ゆえ全文の9割5分以上を省略し最後のクダリのみ掲載
自分で、思いつく漢方薬をあげていきますと。
◆ 希望としましては 滋陰降下湯がいい気がします。 ややビャクジュツが不安ですが。それとも養陰清肺湯でしょうか。
しかし今は太さに対する即効性がほしいです。 即効性で下記のような薬でしょうか。これらを半分の量くらい飲むというのはどうでしょうか。
◆加味逍遥散 ・・・これはウサギのフンを細い便に変えたので。いいのではないかと。
◆実母散 太さやベトベトを直すのに効いたような記憶もしますが。 ベトベトより、なんといっても、細くしたいです。
◆潤腸湯 柔らかくするといえばこれですが。今は牙を向いているような気も?
◆防風通聖散 かなり警戒しますが・・・去年太さに効いた気がします。いや、逆で、太くなったような気もします。当帰四逆ゴシュユ生姜湯と一緒だったのでわかりません。
◆大承気湯 実や熱を下げるなら、これでしょうか。しかし、飲んだことがないものは、また太なるのではと不安もあります。
◆フォースリーンというDHCのサプリを、夕食の前に飲むと強めの便意がきます。(昼ごはんでは、なりません。 牛のときもそうでした。)
今日は、中二日だったので、そろそろ出そうか、と飲み、強い便意がきました。
突然にお騒がせし、本当に申し訳ありません。
何卒アドバイスのほど、お願いできれば幸いです。
ZZZ_7015 posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:
せっかくですが、あまりに長文で、残念ながら読み通すヒマと意欲を調達することがなかなか適いません。
お返事はとても遅くなるかもしれません。
ただ、断定して言えることは、
> ◇先生のところへ伺いたい
とも思いますが、給料が入っておらず、恐縮ですが、たいした量は買えません。
> ◇ただ、現在、冬の青春18切符というものがあり、山口へ行くチャンスかとも思います。
このような状況の場合は、仕事としてはまったくお受け出来ません。
昨今のブログにはしばしば書いていますように、頻繁(10日〜30日毎)に通える状況と一定の経費のお覚悟がなければ、たとえ一度来られても何のアドバイスも、漢方薬も一切お出し出来ません。
このような制約が多い条件下では、当方の思考回路はまったく作働しなくなりますので、来られるには及びません。
いずれ、メールで簡単にでも少しのアドバイス程度はお送りするつもりではありますが、それだけでご勘弁下さいませ。
ただ、繰り返し書きますように、あまりに長文なので、通読するヒマはなかなか取れないと思います。
取り急ぎ、お返事まで。
読後のお返事メール:
空いた時間ざっと拝読して、ちょっと驚きました。
大便の状態の理想を求められているのかもしれませんが、当方の漢方ではまったく不可能です。
当方のブログを7割りも読まれている人が、当方に相談されることにやや首を傾げてしまいます。
各医療機関を転々とされていますが、地元近辺の少しでも相性のあいそうなところで、腰を据えて末永く通い詰めるべきだと思います。1〜2年も通えば体質をしっかり把握してもらえることと思います。
ところで、たとえ貴方が地元近辺の方であって頻繁に通える状況でも、お悩みの内容から判断して、当方では到底お引き受けできませんとキッパリお断りする内容でした。
念のため、再度書かせて頂きますが、当方ではまったくお引き受け不可能ですので、あしからずご了承下さいませ。
乱筆乱文、多謝。
ZZZ_7014 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 14:52| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問
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2012年01月13日
アドバイス通りに臨機応変の配合テストが出来ないアトピー患者さんに送ったメール
ハイタカ posted by (C)ヒゲジジイ
村田漢方堂薬局ではアトピーでは超重症者ほどしっかり治って長期間続けて再発予防を行っている人がたくさんおられます。
いずれも最初は外出もできないほどひどく醜い状態だった男女です。中には自殺を考えるほど悲惨な人達も多かったのです。
その人達が長続きしてしっかり治っていくのも、早い人では半年も経たないうちに、多くの人は一年続けた時点で、こちらが与える多くのヒントを元に様々な配合実験を順次行って、工夫されるからです。
アトピーのように敏感な皮膚病は、本人自身が冷静に考えて、それぞれの工夫と観察力と推察力で創意工夫され、分らなくなったら直ぐに問い合わせるとき、こちらは様々な可能性のヒントを与え、それを元に実験してくれるから、重症者ほど却って最終的に治りがよいのです。
外出できないほどになると、仕事も止めて家に篭ってしまう悲惨な状態です。それを抜け出たいが一心で、遠路はるばる通い詰めた人達で、現在、その成果が稔って、現在服用量はうんと減っても、再発予防にずっと続けている人達がたくさんおられます。
その人達は、全員が、半年〜一年くらい経過した時点で、ほどほどの工夫や実験をみずからやる勇気と決断力が出たからです。
そのほとんどの人達は各地の皮膚科専門病院のみならず漢方専門薬局などで長期間、漢方薬の服用経験があって治らなかった人達です。
これまではどこの漢方でも、先生の言いなりで、自分で考えて工夫する余地はなかったけど、村田漢方堂薬局では色々とヒントをもらえて、自分でも考えて工夫ができ、なおかつ漢方薬の性質を理解でき、自分自身の身体の治療に自身も積極的に工夫できるので、自分自身が主治医になれると皆に喜んでもらえています。
これは、超重症者たちだからこそ、こちらのやり方の融通性に喜んでもらえているのだと思います。自分自身の考えや工夫が発揮できるので、治療のし甲斐があったと言われるわけです。
そろそろ●●さんも、自身での創意工夫を発揮してもよい頃だと思います。
多くのヒントとアドバイスをするのが、村田漢方堂薬局のような漢方薬局の薬剤師の役割であり、漢方薬局の薬剤師は独断的で権威主義的な医師達とは違うのですからっ!
これまでも繰り返し多くのヒントをアドバイスし、またメールでもたくさん書いていますので、ご自身で少しは工夫してみて下さい。
ハイタカ posted by (C)ヒゲジジイ
猛禽類はほんの一時期を除いて、常に単独行動。
空のローン・ウルフ。
我が友、ハイタカっ!
ハイタカ posted by (C)ヒゲジジイ
ハイタカ posted by (C)ヒゲジジイ
ハイタカ posted by (C)ヒゲジジイ
ハイタカに狙われる雀たち posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 08:27| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問
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2012年01月11日
漢方薬配合のピント調整について
ボクチンのアクビ posted by (C)ボクチンの母
おたより:関東の某内科クリニック院長(医師)
こんばんは。
年末には突然に伺ったのにも関わらず…色々とお話を頂き感謝しております。もちろん、奥さまにも親切にして頂き感謝致します。
昨年末は29日に医院が終わり、翌30日には北九州空港から九州に入り先生にお目にかかった後、福岡の患者さん方の所にお邪魔して大晦日の夜の飛行機で帰京しました。
大晦日の夜の東京への飛行機に乗る人は限られている様で、300人程度乗れる飛行機に乗ったのはわずか20人程度でした(笑。そういえば、昨年も同じように大晦日近くの飛行機で東京に戻りましたが、同じ時間の飛行機に乗った人は、同じように少なかったです。
さて、年が明け正月からは色々なことが立て込んでいて、2日はレセプト点検、3日は講演のスライド作り、4日からはアルバイトが始まり、そして5日からは医院が始まりました。そして、どうにか8日の日曜日に講演を終えました。80人ほどの薬剤師さんの前での講演に震えたりしました(苦笑。
そうですね。。。
病気を治していく患者さんの共通点は…治療する人を信じて諦めない患者さんだと感じます。
治療する医療関係者といえども神様ではありません。試行錯誤しながら治療を進めて行きます。ピントが合わない治療のこともあれば、ピントが合った治療をすることもあります。
もちろん、出来るだけ考えて治療しますので、力を出し切らないでピントが合わない訳ではありません。出来る限りの力を出してもピントが合わない時もあると思います。
また、病気の治療は一般薬でも漢方薬でも同じですが、薬を身体に投与してみないと動く方向が分からないことも多いものです。言葉を換えれば、薬を投与して身体の反応を見ながら薬を変えていくことが多いと実感しています。
ですから…患者さん方にお話したいのは、「治療のピントがしっかりと合わなくても許せる医療関係者を見つけること」が重要なのかも知れないと言うことです。そして諦めないで治療を進めるときに治療効果が出て治っていくものだと感じます。
ですから、治すのは医療関係者ではなくて患者さん本人だと感じてなりません。
以上、新春の思いでした(笑。
今年もよろしくお願い致します。
関東地方のある医療関係者でした…(笑
おやすみなさい。
IMG_0224 posted by (C)ボクチンの母
お返事メール:
こんばんは、とご挨拶にしても受信時間が夜中の2時53分になっていますが、睡眠の方は大丈夫でしょうか?
先生もあまり若くはないのですから、ちょっと心配になります(笑。
昨年暮れには、久しぶりの漢方談義、実に有意義でした。
> また、病気の治療は一般薬でも漢方薬でも同じですが、薬を身体に投与してみないと動
> く方向が分からないことも多いものです。言葉を換えれば、薬を投与して身体の反応を
> 見ながら薬を変えていくことが多いと実感しています。
これはとても重要なことですね。ところが、遠方からワザワザ来られる人の中には、当方の漢方薬を飲んだら、すぐに効果がでるものと思っていたらしく、数ヶ月続けてようやく7割程度とは、と残念がる人がいて、こちらの方が驚くことがあります。
数ヶ月で7割寛解なら良いほうで、確かに中には1ヶ月以内で一気に7割以上が寛解してしまうケースがあっても、逆に一年経ってようやく半減ということもあります。
よいケースばかりを期待しても、病気の裏にはそのまた裏があるので、そのために毎回時間をたっぷりかけて弁証論治を行っているわけですが、あらゆる医療機関で治らなかったケースではなおさら、ご指摘の「薬を投与して身体の反応を見ながら薬を変えていく」ことが弁証論治の原則でもあります。
幸いに、昨今はアトピーの軽症者や一部の勘違いの人達以外は、そのほとんどが熱心に頑張る人達ばかりで、気が抜けない変わりに、実に遣り甲斐のある仕事かもしれない(苦笑)、と我が「漢方相談販売業」をやや見直しているところです(呵呵。
それではおやすみなさいっ、というのは午後八時ではちょっと早すぎますね。
IMG_6200 posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 12:33| 山口 ☀| 中医漢方薬学問答
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2012年01月10日
後鼻漏も様々あるので頻繁に通える人でなければ無理
ハクセキレイ posted by (C)ヒゲジジイ
ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 60歳〜69歳の男性
簡単なご住所 : 関東地方
具体的な御職業 : 研究開発
お問合せ・ご連絡内容 : 慢性の後鼻漏に悩み続けており、あらゆる治療を受けたつもりですが、全く一向に回復しません。
散々Webを調べ貴薬局のWebに辿り着き、下記記事を拝見致しました。全く小生と同じ経緯症状で非常に驚き、早速メールを差し上げる次第です。
小生の今までの経緯と、現在の症状は以下の通りです。
1.年齢 6?歳(男)
2.身長 1??cm, 体重 ??kg 、ガッチリとした体格
3.健康状態 慢性「後鼻漏」の他は血圧血糖値:高め
普段、運動量多い。テニス:2回/週、ジョギング、水泳(週2回)
4.症状経緯
2005年9月 風邪をひき、喉を傷める(風邪には滅多に 掛かりませんが)風邪が悪化し「咳喘息」(数分置きに 激しい咳),病院にて「風邪」の治療を受ける。
10月:約一カ月で咳喘息が収まる。(鼻水、後鼻漏無し)
11月 後鼻漏が始まる。
12月 病院の耳鼻咽喉科を受診「蓄膿症」と診断され薬治療を受けるものの、一向に改善せず。
2006年-2009年 ◎◎大学●●病院(△△△県)耳鼻咽喉科受診
○○○○病院(東京都)
■■大学 東洋医学研究所にて漢方薬、鍼灸治療
▲▲医科大学耳鼻咽喉科受診、鼻骨の曲がり矯正手術 最後は、生理食塩水による「鼻うがい」の処方を 受けるも効果無し。
ファイバーによる検査でも「キレイですね」 「問題はありません」の診断。
この間、各種検査(アレルギー検査:異常なし、レントゲン・MRI検査,及び あらゆる抗生剤治療、手術を受けましたが改善せず。
2011年 症状は悪化するばかり、痰(鼻水)が濃くなりドロットした痰が常時ながれ出ており。就寝中も流れ出てき ており、喉に溜まり夜中も痰の吐き出し(ティッシで)が必要で安眠出来ず。
以上の状況です。もう治らないものかと思い詰めておりますが、村田様のお力をお借りし、何とか快方に向かわないものかと藁にもすがる思いでメールを差し上げる次第です。
村田様の漢方薬による治療で 少しでも改善させたく、何卒よろしく御助言のほどお願い致します。
Webで拝見しました下記内容の方と全く同じ症状です。
2006年12月01日 14年来の慢性鼻炎による後鼻漏
ハクセキレイ posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:
後鼻漏は蓄膿症が原因の場合は、たとえ大学病院に通い詰めても治らなかった例でも根治に近いレベルまで改善することが可能で、現在も(現在進行形で)貴方と同年代の女性が一年以上通い詰めて8割以上の寛解レベルに辿りついています。
しかしながら、蓄膿症が存在せずに続く後鼻漏の場合は個人差がとても大きいようです。
希薄透明でサラサラした後鼻漏であれば、藿香正気散(カッコウショウキサン)レベルで容易に止まり、中止すれば再発するので、折々に服用する杜撰な服用方法でも十分な人もおられれば、当方に来るまでに貴方と同様、あらゆる病院治療で効果なく、地元の漢方専門薬局などで様々漢方薬を服用しても無効という人では、一度来られたくらいでは、またその後のメール相談くらいでは正確な弁証論治が適わず、結局一年くらいであきらめてしまったのが、当方のブログで御覧になった女性が実例です。
また、東北地方からわざわざ来られた女性では、明らかに効果が出掛かっているのに、効果が安定しないのに業を煮やされ、わずか四ヶ月で無音となってしまった女性が5年前にもおられました。
また同様に関東から男性が一度だけ来られて数ヶ月であきらめた方もおられます。
遠方の人で一度っきりの来局では結果的に弁証論治が中途半端なままで、結局は遅かれ早かれ諦めた人達が過去この10年間に3名おられるわけです。
なお、貴方の場合はどろっとした(粘着性の強い?)痰となっているようですので、上記の藿香正気散は不適のようです。
漢方薬も既に試されているようですが、受診された日本漢方では無理だったようですので、是非、地元の漢方専門病院でも、あるいは漢方薬局でも、必ず弁証論治を基本とされている中医学派のところを見つけて、しっかり直接頻繁に通い詰めていけば、かなり寛解が出来るのではないかと思います。
過去の例でもあらゆる医療機関で治らなかった後鼻漏が8割以上の寛解状態に導けたのは、頻繁(といっても10日〜30日毎ですが)に通える人で根気のある人達ばかりでした。
但し、蓄膿症が存在しない後鼻漏の場合は、個人差があまりに大きく、御覧になった女性のようになかなかピントが合いにくいケースではなおさら頻繁に直接通える状況でなければ不可能だと思われます。
要するに通常の治療では治らないケースでは、その病気の裏には、裏のまた裏あることが多いので、たゆまず弁証論治をくりかえす互いの努力が必須となります。
是非、地元で通える中医学派の先生を見つけて下さいませ。
取り急ぎお返事まで。
ハクセキレイ posted by (C)ヒゲジジイ
おり返し頂いたメール:返事が遅くなりすみません。
ご丁寧な返事を頂き恐縮しております。 普通の漢方薬局の方は「売らんかな」の 姿勢であらゆる漢方薬を押しつけてくるのですが、村田様のとても丁寧親切に解説に甚く感激しております。
本来は頻繁に伺い、直接指導して頂くべきですが、如何せん余りにも地理的に離れているため、通う事が困難なことが残念でなりません。
出来ますれば、インターネットを利用する"Skype"(TV電話)で面談し、漢方薬の処方を受けながら相談出来れば宜しいのですが、村田様の処方方針に沿わないかと思います。
当方の症状は ご指摘の厄介な「蓄膿症ではない後鼻漏」です。
症状が出始めた原因である「風邪をひき、その後 酷い咳喘息かかった」ことで、何らかの免疫系が壊れてしまったものかと思っております。
いずれにせよ、「地元で通える中医学派の先生」を見つけ出したいと思います。
お忙しい中、対応誠にありがとうございました。
御礼まで。
IMGP8492 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 00:20| 山口 ☀| 花粉症・アレルギー性鼻炎・蓄膿症(慢性副鼻腔炎)・後鼻漏
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2012年01月08日
防風通聖散製剤ナイシトールなどの副作用
IMGP7915 posted by (C)ボクチンの母
防風通聖散製剤ナイシトールの宣伝を信じて購入したり、病院で投与されて、その副作用に困惑して連絡する人があとを絶たない。
今回は、もう一つのブログに、
防風通聖散(ボウフウツウショウサン)過剰宣伝による弊害
と題して掲載している。
これまでも何回にも亘って各ブログに様々に防風通聖散の問題点を数多く書いて来たが、防風通聖散を賛美することは一切書かず、問題点ばかりを指摘しているためか、検索してもなかなか当方の各ブログは見付かりにくい。
それでも防風通聖散の服用で被害を蒙った人達は、執念で当方のブログに辿り着くらしい(苦笑。
世の中、漢方薬なら安心だと思い込んでいる人が多いが、安易に宣伝を信じて漢方薬を飲むだけで痩せようと考えること事態が、とても浅はかなことである。
本当に痩せたかったら「喰わずに走れ!」。
どうしても漢方薬に頼りたかったら、まだ他にもそれぞれ体質にフィットした各種の方剤があるので、時間をかけて相談に乗ってくれる漢方薬局に相談することだ。
但し、村田漢方堂薬局にだけは痩せる希望の相談は避けること。どうせまた開口一番「喰わずに走れっ!」と怒鳴られるだけだから〜っ(呵呵。
関連ブログ:
- 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
- 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)を指名されても絶対に売らない
- 一生涯販売しないであろう防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
- 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)製剤ナイシトールの副作用
- 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)の迷惑な問い合わせ
- 防風通聖散(ボウフウツウショウサン)過剰宣伝による弊害
- 防風通聖散の副作用
- またもやテレビ宣伝の防風通聖散製剤による被害者が登場
IMGP7615 posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 00:30| 山口 ☀| 防風通聖散の誤用による不快反応や副作用
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2012年01月05日
野鳥が減った原因やアトピーの漢方相談など
FSC_2476 posted by (C)ボクチンの母
【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾
【 年 代 】:60〜69歳の男性 )
【 地 域 】:関東
【 具体的なご職業 】:薬剤師
【お問い合わせ内容】 お世話になります。
相変わらず長男のアトピー治療に難儀しています。
自分の治療に限界を感じ再度村田先生の所に行くように説得しているこの頃です。
今日はその件でなく鳥の話です。
野鳥の会主催の探鳥会に行きましても「鳥がいない、鳥がいない」と、ぼやきがあちこちから漏れてきます。
11月頃は「寒くないのでまだ山に鳥がいる」という説でした。しかし寒くなれども一向に鳥達は来てくれません。
最近私がなるほどと思ったのは「地震の影響で磁場が変化し渡りに影響した」という説です。
昨日、ツグミの群れをみました。例年ですと11月頃に渡って来て1月頃は群れは解消し個別で地上にいる姿をみるものです。
なんとも言えませんが、これから少しは期待できるかもしれません???
最近では念願のコミミズクをみました。3日程観察に行きました。被災地の芦原が崩壊した事と関係してるのではと考えている方もいるようです。
シロハラ、シメ、アカハラ、アトリ、カシラダカ、アオジも少ないです。
ヒヨドリは去年より少ない感じですが、にぎやかですよ。珍しくトビを見ました。猛禽はノスリ、チョウゲンボウをよく見ます。いつも先生の鳥撮には脱帽です。
では失礼いたします。
DSC_4232 posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:やっぱり全国的に野鳥の来日(苦笑)が減っているのでしょうか。
昨年暮れにもNHKの地元の放送局で野鳥が減っているという特集をニュースでやっていました。なかでもとりわけ、シロハラやツグミ類が激減しているということでしたが、メジロも山から下りて来ないし、あのうるさいヒヨドリでさえ僅少です。
放送では春に北へ帰る途中のエサが不足していたためにシロハラやツグミ類が餓死したのではないかという推測のようでした。
しかし昨年の猛暑でこの冬の町の植物は悲惨な状態で、メジロが好む枇杷の実がほとんど全滅の状態をみかけます。我が家の枇杷もほとんど実ができませんでしたが、このような年ははじめてです。
ともあれ、ご子息のアトピーの件ですが、先生のようなベテランの専門家がついておられて難航される場合は、当方とて同様でわざわざ一度や二度来られても無駄足となることは必定です。
遠来者でも一年経つころには8割以上の寛解をみることが多いとはいっても、二週間毎に通って莫大な交通費を厭わない努力がようやく稔るのであって、それでも中には近畿地方から2週間ごとに一年半も欠かさず真面目に新幹線で通い詰めて半年で半減したものの、その後の一年というものはなかなか進歩は少なく難航している人が一名だけおられるくらいです。
のみならず、ベテランの同業者の子供さんの漢方相談というのは、正直言って、まったくモチベーションが上がりませんので、頭が恐らくフリーズ状態になり、お互いに時間の無駄となることでしょう。
以前来られたときにも、そちらでの治療方法で間違ってないはずだからと、こちらでは何もお出ししなかったのは、四季折々の配合変化は一度や二度来られたくらいでは何の工夫もできないからです。
ましてや説得してまで来られるのは、到底当方の受け入れ方針に反し、やっぱり頭はフリーズしますので、申し訳ないことながら、きっぱりとお断り申し上げる次第です(苦笑。
追伸: ご子息のアトピーの状態、当時来られた時点ではどうみても少なくとも7割以上は寛解している状態であり、これ以上をどうしろというのだろうっ!?と感じて驚いたことを思い出しました。
当方に来られる人は、ほとんどが重症者ばかりで、7割以上寛解が得られている状態の人はすべて元の薬局に戻るように説得して受け入れておりません。悪しからず。
IMG_4106 posted by (C)ヒゲジジイ
折り返し頂いたメール:早速のお返事ありがとうございます。その速さにびっくりしました。
また少し後悔しています。鳥のお話だけにしておけばと思いました。本人に暮れに「治す気がある
の?」と確認をしました。返事は「ま〜」と。目の前の本人が辛そうに掻いているのを見ますと、情けなくなるのです。
なぜ治せないか(もう少しコントロールできないか)と。徒に本人をいじり回している様な罪悪感を感じるのです。
日本の漢方会を見ますといろいろな先生がいらっしゃいますが、東洋学術出版社のアトピーの治療経験の載った本をみても納得出来る先生は村田漢方さんしかいないように心底思うのです。
根本は本人の治そうという気持がないとだめですよね。薬を煎じ「はい飲みなさい」では・・・・。
先生の立場になってみれば私も先生のように答えたかもしれません。ブログを毎日みている割にはつまらない事を書いてしまったと反省し、落ち込んでいる所です。煩わせて申し訳ありませんでした。
FSC_2048 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 23:51| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2012年01月04日
今年の正月は鳥が来ない(泣
新年に元気な雀たち posted by (C)ヒゲジジイ
正月前後はシーズンたけなわのはずなのに鳥が来ない。
例年やって来るメジロはおろか、シロハラやツグミも皆無。ヒヨロドリさえ滅多に姿を見せないし、うるさいカラスやスズメばかり。
正月前後は行事の合間に我が家の小さな畑に行って待ち受けるのだが、来ない。
今年もこの日本国に椿事が起きなければよいが、鳥達が集らない正月を迎えた年は一度たりともなかった。
本日4日が最後の休日だが、カメラを持てる時間も少ないだろうが、僅かの望みを託して頑張ってみる。
明日から仕事だが、そんなことは考えたくも無い(苦笑。
と言いつつも明日朝一番にやって来るであろう元気になったジイサンから、また同じ質問を繰り返される予期恐怖に慄くのだった(泣。
新年のカラス posted by (C)ヒゲジジイ
年明け前大晦日のムクドリ posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 00:32| 山口 ☁| 繊細でデリケートなヒゲジジイ
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