2011年12月20日
長期間の慢性疾患でも漢方薬は半数以上の人に速効が出ている
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漢方薬の実際は、たとえ長期間の慢性疾患でも、半数以上の人に最初から速効が出ているのが実際の現場である。
この事実をあまり強調して書かなかった理由は、皆がそれを期待されても困るからであり、たとえ初期の速効が出ても、長期間の慢性疾患がそれで直ぐに根治するわけではないからである。
この事実をここで書く気になったのも、関東地方から通って来られている乾癬性関節炎の人が「まさか、漢方薬がこんなに数日単位で速効が出るとは思わなかったっ!」と述懐されていたからである。
彼女の過去の経験では、地元では一般的に最初は15日分漢方薬を煎じ薬などを投与され、2回目からは30日分に切り替わるので、漢方薬の効果は遅いものと思い込んでいたといわれる。
ところが村田漢方堂薬局では10日毎に通わせて、数日間であっというまに速効が出た。
強い炎症がほぼ完璧に取れた15日過ぎた頃には、あれだけ著効を奏した清熱薬を頃合を見て一気に中止させて基本方剤だけにしてしまっても、7割以上の寛解を得たまま比較的安定した2ヶ月が経過している。(現在は1ヶ月毎の来訪に切り替え、途中の微調整は必要に応じてメール交信でアドバイス。)
今後は次第に現症を生じた原因のまた原因に遡った弁証論治を深めて行く必要があるので完全寛解を得るには、実際にはまだまだ期間が必要である。
とは言え、このような速効と安定持続した効果が得られているのも、エキス剤や単味の製剤を配合することで、臨機応変の配合変化が即座に行なえるので、あえて煎じ薬を出さない理由がよく分かったと納得される聡明な人である。
事実、このような方法だからこそ、2回目の10日が経たない間に交信したメールによって、炎症がほぼ取れた時点で、間髪を置かずに清熱薬を即中止してもらう芸当が出来たのも、この便利さからである。
ところが半数弱の人ではそれほどの速効が得られないものの、地道な努力でいつの間にか寛解して行くものだが、それでも頑固な慢性疾患を漢方薬で克服する道程は、最初から速効が得られた人であっても、初期の速効が得られなかった人も同様に、多かれ少なかれお互いに一定の苦労があることに変りはない。
むしろ最初から速効が出た人ほど油断しやすいので、過去の長期間の経験から言えることは、最初は鈍い効果で苦労の果てにようやく一定の寛解に持ち込めた人ほど、止むを得ず長期間の服用になってしまったとしても、理想的な完全寛解状態に持ち込めた例が断然多いのである。
早い時期に速効を得た人ほど油断しやすい傾向があるからに他ならない。
ところで、本日は新しく来られた人がしばらく待っておられたが同伴者が落ち着かず、順番がやって来た頃になって急に腹を立てたように帰って行かれた。
時間に余裕のない人は絶対に来ないで欲しい。
たとえ同伴者でもイライラと落ち着きのない人が来られると、それを見るだけでヒゲジジイの頭がフリーズする。
病院ほど待たせることはあり得ないのに、彼等や彼女等は病院では長時間待つことが出来ても、漢方薬局では「客を待たせるとは無礼だっ!」と言わんばかりの態度の人が後を絶たない。
薬局だからといってそんな侮蔑的な態度を取るから、こちらも梃子でも動かなくなる。
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posted by ヒゲジジイ at 21:01| 山口 ☁| 中医漢方薬学
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