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大柴胡湯製剤の効果・効能には・・・
がっしりとした体格で比較的体力があり、便秘の傾向のあるものの次の諸症:胃炎、常習便秘、高血圧に伴う肩こり・頭痛・便秘、肩こり、肥満症とあるが、実際には大柴胡湯適応者といえども、必ずしもがっしりとした体格で比較的体力があるとは限らない。
むしろみかけが華奢な女性が多いのは常々、このブログでも書いて来た通りだが、村田漢方堂薬局に訪れる人達はかなり虚弱体質が複雑化した人が多いから、大柴胡湯単方で使用することは少ない。
桃核承気湯や茵蔯蒿湯などと併用することが多いので、方剤の配合では日本古方派と一見変るところがない。
大いに異なる点は「がっしりとした体格で比較的体力が」ある人で適応者に遭遇することは比較的少なく、むしろ外見は華奢でひ弱そうな女性達に使用すべきときがとても多いことである。
華奢な女性達に意外に胆石症が隠れていたり、あるいは共通して心下痞硬を訴える。
また、中国では膵炎治療に大活躍の大柴胡湯であるが、大柴胡湯を敢えて西洋医学流の臓器で表現すれば、肝臓・胆嚢、膵臓関連の疾患に使用することの多い方剤といえよう。
ところで、どうして大柴胡湯証が「がっしりとした体格で比較的体力が」ある人などと限定して効果効能に記載されるようになったのだろうか?
どうせ、日本の頭でっかちの学者さんたちが、いかにも知ったかぶって僭越にもこのような効果効能に限定して決められたに違いない。
そもそも、日本ではどの専門分野でも、帝大出の権威ある学者さんたちがどこにでも口出しできるシステムとなっているように思われる。
先の地震でも学者さんたちの「想定外」という言葉を発するのを耳にタコが出来るほど聞かされてきたが、この漢方界でもきっと、大柴胡湯が華奢な女性達でも大いに適応があるなどとは、彼等にとっては例によってまたまた「想定外」であるに違いない。
たまたま今回は大柴胡湯の効果効能の記載を取り上げたが、他の多くの漢方製剤で記載される「体力」があるなしの記載についてはすべてにおいて大いなる疑義ある。
そもそも体力の良し悪しはどのようにして判断すればよいのかっ? 体力テストでもさせよ、というのだろうか???
納得できる説明をその学者さんたちに求めたいものである。
蛇足ながら、一見「がっしりとした体格で比較的体力」ありそうなヒゲジジイが大柴胡湯を服用すると、次第に倦怠感を感じ始める。明らかに大柴胡湯がフィットしていないからである。
ところが見るからに華奢な愚妻や、さらにもっと華奢で今にも腕が折れそうな愚娘が、この大柴胡湯によって様々な消化器症状が雲散霧消するのである。
つまりどんなに華奢に見える女性達でも、心下痞硬に胸脇苦満を伴っていれば大柴胡湯が適応する可能性が高い。
心窩部の痞えがスッキリ取れて次第に元気を回復するのである(呵呵。
心下痞硬があっても半夏瀉心湯証とは限らないのであるっ!
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