2011年10月20日
火神派(扶陽派、温陽派)の台頭
ASC_1146 posted by (C)ヒゲジジイ
昨今、中国では伝統的な中医学が衰退しつつあるなか、伝統医学を再生させる希望の星として台頭してきた火神派が注目を浴びている。
火神派は扶陽派または温陽派といわれ、腎陽を温補することが主体の流派で、現代中国の火神派の代表格の李可氏は、誤った食生活によって現代人の十中八九は陽虚となっており、真正の陰虚は百人に一人といない、と断言される。
各種疾患の治療方剤中には、附子、桂皮、乾姜が多用され、とりわけ附子の使用量においては、日本国内では滅多なことでマネできない大量使用を特徴としる。
(もともと附子は猛毒であるが、それを弱毒化して使用される。)
しかしながら、辺鄙な山村医療における救急医療の知恵から発達した流派であることを認識すれば、俄かに日本国内で安易に模倣することは些か疑問である。
事実、中国国内でも賛否両論あって、賞賛ばかりでなく激しい批判も飛び交っている。
日本にも火神派の崇拝者が増えつつあり、それゆえに次第に日本国内でも附子の崇拝者が増えつつあるので、本当に適切に使用されているのかどうか、十分に注意しておく必要がある。
附子剤を投与されるときは、しっかりとその根拠の説明を受けて、十分に納得して服用されたい。
蛇足ながら、瀕死の救急医療では、附子剤が大活躍することは古代中国から有名な事実であるが、現代社会でそれを行なえるのは、ほんの一握りの中医学あるいは漢方医学の専門医師だけであろう。
アサギマダラ posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 08:54| 山口 ☀| 中医漢方薬学
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