2011年08月30日

もう結構ですっ

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KSC_6853 posted by (C)ヒゲジジイ

 世の中には病名ばかりを振り回し、素人考えで「血行を良くする漢方薬はありますか?」などと問い合わせてくる電話が多いが、茶の間の医学的な思考の域を脱することができない。

 病気の原因はすべて冷えであるなどと実に短絡的で幼稚な流行を信じて、ニンニク療法や今はやりの生姜ブームなどに乗せられ、過剰な温め療法により、ますます熱性炎症を助長していよいよ病気を治りにくくする。

 このような人達に弁証論治の合理性をいくら説明しても、延々と血行、ケッコウと主張し続けられるので、こちらの方こそ結構ですと早々にお断りせざるを得ない日々である。

 縁なき衆生と言うべきか(苦笑。

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KSC_6775 posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 19:34| 山口 ☁| とんでもない話や、信じられない困った話 | 更新情報をチェックする

2011年08月28日

遠来者を観察するに県民性はやっぱりあるような・・・

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GSC_4836 posted by (C)ヒゲジジイ

 ときおり常連さんと話題に上るのが県民性の問題。

 テレビでも県民性に関連した番組があるそうだが、受付嬢と常連さんが談論風発。

 考えてみれば村田漢方堂薬局の遠来者を思い出してみると、確かに県民性はあるような・・・。

 たとえば神奈川県から来られる人は、総じて根気があって少々ではへこたれない。
 三十年来の常連さんすらおられるくらいで、例外もあったにせよ、若い人達も根気が続く人が多い。
 同様に京都府近辺および関西地方、あるいは大分県や福岡県も近隣だけあって根気のある人が多い(笑。

 ところが同様にやや近隣の中国・四国地方の某県や九州の某県から来られる人は、過去不思議とほぼ全員が速効が得られているのに、なぜか皆長続きしない。
 根気のない県民性なのだろうと断言したくなるほどである(苦笑。

 また某県からは神経質な人が多く、繰り返し同じ質問ばかりが続く。だから神経質な県民性なのだろと思ってしまう。

 また某県から来られる人は、そえほど大した距離でもないのに「遠路はるばる」という大げさな表現を繰り返す人が多い。
 彼等彼女等を見ていると、ハッタリの県民性なのだろうか?と考えてしまう。

 以上、主観に過ぎるナンセンスなことを書き連ねたが、本日撮影の鳥さんたちをアップするための方便記事に過ぎない(呵呵大笑。

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BSC_8361 posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 01:06| 山口 ☁| 漢方相談室での談話風景 | 更新情報をチェックする

2011年08月26日

◎◎病は漢方薬で治りますか? 経費は1ヶ月でどれくらいかかりますか?

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XSC_1024 posted by (C)ヒゲジジイ

 電話の問い合わせで最も多いのが、

 ◎◎病や△△△△症は漢方薬で治りますか?

 失礼なものでは「オタクの漢方で◎◎病が治った人がいますか?」という質問もとても多い。

 これらと同時に多い質問は「1ヶ月分の経費はどのくらいかかりますか?」

 前者の答えは「分かりません」

 後者の答えも「分かりません」ではあまりにすげないので「ネットでご覧下さい」⇒村田漢方堂薬局における漢方薬類の販売価格について

 上記のような最も多い質問の場合は、いずれも敢えて村田漢方堂薬局に通わなくとも、地元の病院や漢方薬局の漢方薬でも十分治せるレベルのありきたりな内容が多い。

 あるいはそうでなくとも、まだまだ漢方薬に賭けてみようという情熱と真摯さが感じられないので、婉曲にお断りする方便として・・・

 「治りますか?」という質問には、真実を語る受付嬢だから「分かりません」とお返事するばかりでなく、一定期間、直接通い詰めることができない人は無理なのです、と明確に伝えているので、がシャリと電話を切られてオワリっ。

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DSC_0150 posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 23:18| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2011年08月25日

熱中症にはやっぱり牛黄が大活躍

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XSC_1446 posted by (C)ヒゲジジイ

 午後、来訪者が誰もいなくなったのを幸いに、裏庭に出て夢中で上記のような雀の飛翔シーンを撮影して、まずまず満足のいくシーンが撮れたので薬局に戻ると、気が付かない間にお馴染みさんがやって来て受付嬢と話し込んでいた。

 ヒゲジジイの僅かな息抜きの時間だからと、皆が遠慮して敢えて呼び戻さず、そっと遊ばせてくれるので実に申し訳ない(苦笑。

 それはともかく、中年男性が先日、エアコンが壊れた車に乗って熱中症になり動悸・息切れ・大発汗・激しい不安感で内科に罹ったところ、たいしたことないから不安なら心療内科に罹るようにと回され、そこでは安定剤や漢方薬の半夏厚朴湯?などが投与されたが、一向に効果がない。

 その日から数日経っているのに、不安感や身体の不調が取れないという訴えに、牛黄単味を2回分渡していたら、期待通りの速効を得た。

 病院治療ではいずれも効果がなかったが・・・といって職場環境がとても暑い環境に置かれているので、安定剤や半夏厚朴湯?などで症状が改善されるはずもない。

 慢性的な熱中症であろうから、手っ取り早くは適宜、牛黄を利用しながら、水分補給や身体を冷やす工夫を続けることである。

 熱中症には生脈散や西洋人参も良いけど、牛黄製剤の速効性にはかなわないだろうから、両者を併用するくらいの方が無難だが、牛黄だけでも速効が出やすいので、折々の頓服にも便利である。

 重度の熱中症では命に関わるので必ず病院で受診すべきであるが、病院に辿り着くまでのつなぎとして牛黄を利用するのは救命薬として極めて有用であろうと思われる。

 病院に駆けつける道中に頓服で使用しておけば、生命の危険レベルを大きく下げることができることだろう。

 ともあれ、健康に経費を惜しまない人達は、この夏を乗り切るために、各種の牛黄製剤の自分にフィットしたものを頓服で使用するよりも常用するに限るとて、毎日2回、欠かさず服用している漢方ファンが多い。

 面白いことに、各種の牛黄製剤の値段を聞いて「ちょっと高価なんですねっ」と引き気味だった人でも「こんなに効けば安いもんですねっ」とコロリと宗旨変えする人も多い。

 但し、問題は牛黄の品質には優劣がとても大きいこと。
 オーストラリア産を最高品質とするが、もっとも流通する南米産でも重要なのはビリルビン濃度が高いほど効果が優れているので、輸入量の少ないオーストラリア産に拘る必要はない。

 自慢じゃないが、ヒゲジジイは牛黄の品質に対する五感による吟味に優れており、過去、某メーカーさんの牛黄製剤のビリルビン濃度の優劣を異なる4つのロットを順番にすべて言い当て、同時にビリルビン値が一定レベル以下の製剤は有効性が激減するので、そのような低濃度の製剤を決して作らないように強く進言したことがある。

 それ以来、その某社はヒゲジジイの決めたビリルビン濃度の基準以上を遵守されているので、安心して販売できるのである(笑。

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XSC_1283 posted by (C)ヒゲジジイ

ラベル:熱中症 牛黄製剤
posted by ヒゲジジイ at 21:34| 山口 ☁| 熱中症や冷房病 | 更新情報をチェックする

2011年08月23日

アトピーの常連さんが工夫したユニークな配合(藿香正気散と三物黄芩湯)の質問

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ASC_4353 posted by (C)ヒゲジジイ

唐突な質問:

 夏風邪やクーラー病にはどうして藿香正気散を使うのですか?

 参蘇飲とか葛根湯じゃダメなんですか?

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ASC_4352 posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:

 証(一連の症候)次第で葛根湯もクーラー病に使います。

 首の真裏をモンで気持がよく、同時に首の真裏を温めると気持がよいときです。
 それがない場合は、多くは藿香正気散です。

 両方が合併することもあります。

 藿香正気散を使うことが多い理由は、http://cyosyu.exblog.jp/i34/

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ASC_4361 posted by (C)ヒゲジジイ

再度の質問:

 最近、藿香正気散を朝と夜に飲んでます。
 結構、常用しているんですが続けても大丈夫でしょうか?

 今は藿香正気散と三物黄芩湯がめちゃくちゃ効きます。

 藿香正気散がなければ夜寝れないです。

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KSC_3222 posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:

 連用して調子が良い場合は続けても大丈夫です。

 藿香正気散は乾燥性があっても、三物黄芩湯は潤す作用があるので、現時点ではバランスが取れている配合となっているから調子がよいのでしょう。

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KSC_3223 posted by (C)ヒゲジジイ

折り返し頂いたメール:

 なるほど、わかりました。

 それでは続けます。

 ありがとうございました。

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KSC_3224 posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 19:27| 山口 ☔| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2011年08月22日

断じて漢方相談には乗れない人達

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KSC_3222a posted by (C)ヒゲジジイ

 西洋医学治療に見捨てられたために、漢方薬に賭けてみようと真剣に決意して来られる人は、ほとんど毎日、新人さんとして受け入れている。

 また同様に、残念ながらほとんど毎日、お断りしている人達も多い。

 お断りするのは多くは電話相談で済まそうとする人達。
 とりわけ「わざわざ遠方から電話しているのですが・・・」と恩着せがましい口上があれば、受付嬢は逆切れされることを覚悟でお断りすることばかりに専念する。

 実に恩着せがましい連中ときたら、こちらがこころよい返事を返さなければ、逆切れしないまでも、突然一方的に電話を切るくらいのことは日常茶飯事。

 一方的に電話を切ってくれればこちらは幸いで、上出来ということになる。

 わざわざ遠方から電話するまでもないだろう、とこちらはありがた迷惑であることが分かってない人達。どうして恩着せがましい口上で電話をかけてくるのか、まったく理解に困しむ。

 こちらの流儀が理解してもらえない人には、漢方相談に乗ることは出来ない。
 はなから逆切れしそうな人達を受け入れるなんて問題外。

 しょっぱなから恩着せがましい口上を吐く連中ときたら、一歩間違えば逆切れする連中であることは、長年の経験から自信を持って断言できる。
 こちらにプレッシャーを最初から与えるような連中に、冷静な弁証論治ができるわけがない。

 不快感が先にたつと、もういけない。
 弁証論治どころか、いかに断って帰ってもらうか、逆切れされないようにとても気を使ってお断りするわけだが、それでも希には逆切れされてしまうことがある。

 あの逆切れする声や姿なんて、みっともなくて見ておれない。
 こちらはそんな輩を思いっきり張り倒したいところを我慢している。

 それにしても、片や真剣、真面目に来られる人もあれば、「わざわざ来てやったっ!」とばかりに恩着せがましい連中。

 納得したら飲んでやってもいいよ、という横柄な態度。
 あるいはもっとも手に負えない慇懃無礼。

 あるいは電話相談だけで何でも教えてもらうのが当然の権利とばかりに強引な連中。

 あげくはどうやって逆切れしてやろうかといわんばかりのおちょくり電話。

 弁証論治を行なうには、この人こそは漢方相談に乗ってあげなければ、という気分が充実する情況でなければ、どんなに脅されようと、ビクとも頭が回転しない。

 当然のことである。

 ひとたび弁証論治の作業がはじまると、多くは一時間以上も神経の集中を要するのだから、お気楽に相談されてはたまらない。

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KSC_3219 posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 22:34| 山口 ☔| 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする

2011年08月21日

懲りない面々(苦笑

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KSC_2920a posted by (C)ヒゲジジイ

 今年は5月前後にアトピーの新しい相談者が急に増えたが、一部の例外を除いて多くは1〜2ヶ月以内の微調整の苦労が稔って、また中には初回から速効を得たり、こちらもホッとしたのもつかの間・・・。

 一見真面目そうに見えていた人が突然無音となった人もいれば、何年間もアトピーのために引き篭もっていた過去の地獄を忘れたかのように、暴飲暴食が止められず、漢方薬の服用も怠りがちで1日2回になることも多く、それでも5割近くは改善しているというから始末に負えない(苦笑。

 わかっちゃいるけど止められない「食事制限が出来れば明らかに5割以上の改善は得られているはず」とみずから反省する推察力はあっても、それとは裏腹にこの意志薄弱性は如何ともしがたい。

 本人の自覚があるだけに、こちらも苦笑して叱る気にもなれないのだった。

 頭の良い人でも意志薄弱性が同居することはそれほど珍しいことではないようです。

 片や昨年秋から来られていたアトピーの男性が、最近調子がよかったので漢方薬をしばらく中断していたら、またぞろ痒みが激しく勃発して来たとてメールでの報告があったが、どのようにお返事すべきか、苦笑するばかりであった。

 一方では昨年来、真面目に遠路はるばる通い詰め、真面目に服用しても一年過ぎて、まだ5割の改善が得られたかどうかという人もあるというのに・・・。

 アトピー性皮膚炎は個人差があまりにも大きいので、幸いにもしっかり効果が出ている人こそ、もっと真面目にやれば半年から一年以内に8〜9割の安定した寛解が得られるのは目に見えているというのに、世の中何とも皮肉なものですねっ!

 ところが、アトピー性皮膚炎くらいならまだしも、難病指定を受けるような難治性疾患で進行性を持つ脊髄小脳変性症やそのほかの重大な神経系の難治性疾患などで、西洋医学治療の限界を当方の漢方薬で明らかに改善できた時点で、いつのまにか無音になる人達には常にハラハラさせられる。

 一生涯漢方薬は継続すべきことをどんなにアドバイスしていても、旅行が可能になったのを幸いに、そちらに経費を注ぎ込むことにシフトしてしまったためか、いつの間にが無音となっていたところへ、突然再発して動けなくなったという報告があったりする。

 これらのケースではアトピーの懲りない面々と異なって、直ぐに取り返しが付くとは限らないので、苦笑する気にもなれない。

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KSC_0262 posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 08:06| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2011年08月16日

悪性リンパ腫も様々あって「皮膚の悪性リンパ腫」に対する医師の処方例

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KSC_2050 posted by (C)ヒゲジジイ

おたより:東海地方の内科医師

 最近経験した症例が個人的に興味深かったのでご報告します。

 60代後半の男性です。3年まえに近くの自家感作皮膚炎と診断されて当クリニックへ受診されました。

 全身に隆起性で乾燥した病変と発赤びらんが顕著で一部は湿潤でしたので、荊芥連翹湯・茵蔯蒿湯・猪苓湯・六味丸を処方しました。

 他にも病気があったらしく受診が不定期でしたが、奥さんがくすりをもらいに来院してみえましたので、一定の効果はあったものと考えていました。

 ある日、前立腺がんが発覚して某旧帝国大学の泌尿器科に入院され、手術をうけました。その際、皮膚科を受診することとなり、皮膚病変を生検されて、皮膚の悪性リンパ腫と診断され、同皮膚科の担当医からは「ステロイドしかないでしょう」と言われたそうです。

 同大学の血液内科にもコンサルトとなりましたが、「こちらでは手のだしようがありません」とのことだったそうです。

 私が勤務医のころに血液内科であったこともあってか、再診されて相談を受けました。
 私としても正直なところ開業医の対処できるレベルを越した病状でしたし、自信がありませんでしたので、その旨をお伝えして、ない知恵を絞りだして漢方薬を処方しました(荊芥連翹湯、サフラン、板藍根)。

 そのころサフランが皮膚の炎症を鎮静化する印象があり、また、板藍根には獲得性ではなくて自然免疫を高める印象を持っていました。

 2週間あとに受診されたときに、額の病変のボコボコ状態がやや平坦化していましたので、継続処方しました。

 4週間あとに受診されたときに、奥さんからお聞きするのに、「その前日に大学病院を受診しましたが、皮膚科の担当医の顔の表情が明らかに変わっていました」とのことでした。
 私もご本人を診て顔の病変がずいぶん綺麗になっていることに気が付きました。

 6週間あとの再診のときには、額はほぼ正常化し、顔面の隆起性の病変もほぼ平坦化し、一部は正常の皮膚に置換されていました。

 皮膚科の担当医によりますと、「ステロイド内服で病状の進行が抑えられればよし」ということだそうです。ですから、明らかに漢方薬が効いていると考えています。

 このほかにも最近進行がんの患者さんで一定の効果が得られていることを考えますと、「漢方おそるべし」との印象を強くしている昨今です。

 連日当地方は35度以上の酷暑で、商売道具の脳が壊れないように牛黄で活性酸素の発生をコントロールしながら励んでいますが、村田さんにおかれましてもお元気でお過ごごしください。

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KSC_2051a posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール: この度はまた、とても興味深い症例をご教示賜り、ありがとうございます。

 早速ブログに掲載させて頂きたいと存じます。(ご快諾下さることと信じてっ!)

 当方でも日々、癌サポートとして漢方薬の有用性は個人差があるにせよ、相当なレベルであると確信しているほどです。
 それにしても皮膚の悪性リンパ腫の治療サポートとしての先生の処方はとても興味深い内容です。
 とりわけサフランの投与は、大いに学ばせて頂きました。
 
 悪性リンパ腫の患者さんについては、ちょうど以前のブログ2011年02月06日 悪性リンパ腫の漢方相談 でお問い合わせされた男性は、転移もあって第四期と診断されておられましたが、幸いにも抗癌剤が有効なタイプであったので、副作用の軽減も兼ねて当方の漢方薬でサポートすることとなり、高濃度の牛黄製剤を主体に雲南田七や白花蛇舌草などを積極的に利用され、現在では外見上、まったく分からないほどに改善されておられます。

 西洋医学治療と漢方薬類の連携がかなり理想的に行なえているケースで、ご高齢にも関わらず繰り返しの抗癌剤治療にも目だった副作用も出ず、矍鑠とされています。

 ともあれ、連日の猛暑に牛黄は本当に欠かせませんねっ!
 私はここ三十年以上、牛黄を服用しない日はほとんどなく、昨今のような猛暑ではなおさら、1日に何度もお世話なっています。

 先生のクリニックは明日からの由、忙しくなる前日に興味深いご報告を賜り、心から感謝申し上げます。

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KSC_2251 posted by (C)ヒゲジジイ

ラベル:悪性リンパ腫
posted by ヒゲジジイ at 22:49| 山口 ☁| 悪性リンパ腫でステージ4・胃マルトリンパ腫 | 更新情報をチェックする

2011年08月14日

連休前に嬉しい報告:少ない方剤による速効例

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ASC_1983 posted by (C)ヒゲジジイ

 前回のブログのような極めて理不尽な暴言を浴びたことは十数年ぶりだったが、いずれも暴言者は男性である。
 十数年前のケースでは、こちらもまだ若かったから「ふざけるなっ!」と激しく応酬したものだが、最近はとっても穏やかなジイサンになったものである(苦笑。
 
 ともあれ、連休前には不愉快なことよりも嬉しい報告がたくさん続いた。
 その中でも、珍しく極めてシンプルな配合で速効を得たものも数例みられた。

 職場が節電のために30度の職場環境で、慢性的な熱中症のようで、めまいやふらつきが止まらなくなった人には、通常なら牛黄製剤を奨めるところが、明らかに適応証に間違いない兆候がみえたので、葛根黄連黄芩湯に茵蔯五苓散の併用で速効があり、直ぐに纏め買いに再来された。

 アトピー性皮膚炎で、暑い季節になってますますいよいよ激しい乾燥と痒みにたまらなくなって新たに来られた人。
 病歴の長いアトピーでは、通常は速効が望めないことが多が、典型的な三物黄芩湯証を呈していたので、珍しく単方で10日間様子を見てもらったところ、9日目にやって来られて患部の熱感も痒みも乾燥も7割は軽減。

 7割の軽減といえば、重症の人たちの中にはその段階に到達するまでに半年〜1年かかることも珍しくないのに、とても運のよい人である。但し、油断大敵で、速効があった人ほど、服薬を怠りやすいので却って要注意。
 今後も季節変化を慎重に見極めていく必要があるが、三物黄芩湯は黄連解毒湯のようなやや対症療法的な方剤とは異なるので、かなり期待がもてるはず。

 重度の蜘蛛膜下出血で幸運にも手術が成功して九死に一生を得たものの、頭内朦朧感が執拗に付き纏う。
 まずはシンプルに牛黄単味で様子を見てもらったところ、服用後は症状は完全に雲散霧消。

 超速効であるが、おそらく服薬を怠ると再発する可能性も大きいので、各種脳血管障害の再発予防と年齢も考えて一生涯続けるのが望ましい。

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IMGP9520 posted by (C)ヒゲジジイ


posted by ヒゲジジイ at 12:37| 山口 ☁| 漢方薬および生薬・中草薬・漢方の即効例 | 更新情報をチェックする

2011年08月11日

怒鳴り散らす自暴自棄の男たち

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ASC_0699 posted by (C)ヒゲジジイ

 総じて女性達の方が我慢強い。
 とはいえ、みずから漢方薬を求めて来られるくらいの人では、男女の性別に関係なく自暴自棄に陥っている人は皆無。

 ところがしばしば、重大な疾患で自暴自棄に陥って困っています、と心配するご家族や親族が相談にやって来られるケースは案外と多いもので、その自暴自棄に陥っているというのは決まって男性である。

 そのようなご相談のケースでは、大変お気の毒とは思うものの、すべてお断りせざるを得ない。過去の苦い経験からは、多くの場合、泥沼の戦場に巻き込まれてしまうからである。

 今年だけでも数件、そのようなご相談にはとても気を使いながらも、すべてお断りして来た。

 ところが最近人に紹介され、ご本人は状態があまり芳しくないので代理のご家族の詳細な報告でお願いしたい、本人は漢方薬をとても飲みたがっているという断っての依頼。

 通常ならご本人不在で販売することはあり得ないのだが、ご紹介者の手前と熱心なご家族の情に負けて、うっかり販売してしまったのが間違いの元だった。

 10日が過ぎる頃、意外にもご本人を連れて来られたご家族は「お陰さまで少し元気になりました」と報告されるのを遮るようにヒステリックに否定の言葉を発するご本人。

 受付嬢が相談カードを取り出すのに手間取っている間に、連れて来られたご家族と話し合ってる間に、病人を待たせるとは何事かっ!と突然喚き散らすその男性。

 ブログに掲載するのも憚られる罵詈雑言には、実にまったく唖然とする。

 重大な疾患を抱えている人とは思えない、驚くべき剣幕である。

 直ぐに警察を呼んでやろうかと一瞬、考えたほどである。

 あまりに薬局風情のくせにと、コテンパンに貶める罵詈雑言には流石に呆れ果て、じゃ〜二度と飲まないでくれ、こちらも販売する気は毛頭ないからと宣告する。

 肩透かしを食らった怒りの主は、とっとと外に出て行きながらもまだ罵詈雑言を大声で喚き散らす。

 残ったご家族は平謝りされるが、こちらは二度と販売するわけにはいかないこと念を入れて宣告する。

 実際にはこのように自暴自棄の人だったわけで、紹介者の手前や御相談に来られたご家族の断っての依頼に、うっかり情にほだされたのが間違いの元だった。

 直接ご本人の確かな意思と意欲を確かめてからでなければ、迂闊に相談に乗ってはならないことを今更ながらヒシヒシと感じた事例。

 それがよりによって本日、ようやくヒマな時間が取れ、疲労が蓄積している隙の出来事。泣く子も黙るヒゲジジイのはずが、よっぽど見くびられたものである(苦笑。

 これが六十代の分別盛りの男性のすることだから、やっぱりこの日本はもう終わりだねっ。

 せっかくの連休前にケチを付けられてしまった。

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ASC_0318 posted by (C)ヒゲジジイ


ラベル:自暴自棄

2011年08月10日

治療院などで手足を触られて冷え症がひどいと診断される不可解

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ASC_9999 posted by (C)ヒゲジジイ

 しばしば各地の治療院(鍼灸や整体など)で、先生に手足を触られて冷え症がひどいと診断され、温める治療を施されたり、温め療法を奨められていたケースに遭遇する。

 それらの治療では治らない「右手の不具合」に対し、当方の漢方薬では清熱舒筋法でスムーズに寛解している。

 そもそも他人に触られて冷たいと感じるから冷え症と断定することに大いなる問題がある。
 このような他人に触れられて感じる相対的な冷えは、真の冷えとは言い難い。

 本人は暑がりだと感じている人なのに、しばしば治療院などで、先生が手足を触って冷たいからといって「冷えが巣食っている」と診断され、逆療法を施されている例にしばしば遭遇するのである。

 昔から鮨は女性には握らせない。女性の手は温かいからである。
 男性は相対的に手が冷たいので鮨職人は主として男性が従事するのは今も昔も変らない。

 それなのに、現実には女性に冷え症が多く、男性には冷え症が女性に比べて少ない。

 これらのヒントでも納得できない連中は、バカである。

 これらのことから昨今、疑っているのはサーモグラフィーである。

 少なくともサーモグラフィーの検査結果に中医学的な寒熱理論を安易に当てはめることは早計に過ぎるのではないかと怪しんでいる。

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ASC_9662 posted by (C)ヒゲジジイ


posted by ヒゲジジイ at 00:52| 山口 ☁| 温め療法や温補薬による弊害 | 更新情報をチェックする

2011年08月09日

今年のアトピーの新人さんはいずれも軽症に見えてしまうのは・・・

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IMG_6211 posted by (C)ヒゲジジイ

 今年はアトピーの新人さんがコンスタントに増え続ける。

 その多くがどうしても軽症に見える外見なのだが、いずれもご本人の苦しみようと悩みようは尋常ではない様子。
 だから相当に深刻なのは理解できるものの、これまで外見的にも重症の人たちを多く見過ぎて来たから、いずれも軽症に見えてしまうのだろう。

 重症の場合は、漢方薬が少し効いたくらいでも明らかに外見的に改善の兆候がはっきり確認できるのだが、外見が軽症に見える人たちは、いずれもご本人の痒みの軽減等の良し悪しの申告内容によって微調整の度合いがかなり左右される。

 確実に言えることは、外見的に重症度が強い人ほど根気が続いて安定した寛解が得られるまで頑張りぬく傾向が強い。

 とは言うものの、外見的に超重症であっても、思いがけず即効が出て急速に改善が得られた場合は例外で、一年も経たないうちに音信不通となって「咽喉もと過ぎれば熱さを忘」れる人も多い。

 当然のことながら「咽喉もと過ぎれば熱さを忘」れる人達の再発の危険性は大。
 
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KSC_0335 posted by (C)ボクチンの母


 
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2011年08月05日

日本漢方には温病学説は不要だそうですよ

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KSC_8557 posted by (C)ボクチンの母

 たまたま日本漢方のベテラン医師の論説が眼に入ったので通読して驚いた。

 温病学説は不要であり、銀翹散レベルのものは柴胡剤の加味で十分対応できるそうである。

 日本漢方には弁証論治に取って代わるような基礎理論は存在せず、日本漢方の優位性を証明するような理論も書籍もいまだに出て来ない。

 銀翹散レベルのものが柴胡剤の加味方で代用可能であるとは初耳だが、これ一つだけで温病学説不要論に繋がることには大いに首を傾げる。
 また温病学不要論の論拠として歴代の日本の各医家たちが呉有生の「温疫論」(1642年)を否定的に捕らえていたことを挙げているが、傷寒論と並ぶべき呉鞠通の「温病条弁」(1798年)が取り上げられない。

 驚くべきことに温病学で最も重要な「温病条弁」は完全に無視されている。

 銀翹散の出典こそ、この「温病条弁」であるが、まるで銀翹散が柴胡剤の加味で代用できる?からといって、「温病条弁」ごときは「温疫論」同様に論じるに足りないと言外に表現される如くである。

 各大学医学部で学ばれる漢方医学も同様の考えで推し進められるらしいが、お陰でヒゲジジイの仕事も永久に減ることは無さそうだっ(苦笑。

 弁証論治こそ漢方薬を有機的に使用する基本中の基本であるが、それに代わり得る理論が日本漢方にはやっぱりいつまでも見当たらないことは最初に述べた通りである。

【関連文献】
 ●温病学を学ばない日本漢方の杜撰
 ●日本の伝統医学と言われる「漢方医学」に欠落するもの
 ●日本漢方には「傷寒論」があっても「温病学」がないのは致命的かもしれない


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ASC_8914 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 00:27| 山口 ☀| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2011年08月03日

分消湯の腹部膨満感に対する効果

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FSC_8911 posted by (C)ヒゲジジイ

 分消湯はしばしば様々な原因による腹水や腹部膨満感に使用されるが、実証に属する場合に適応する。

 しかしながら、世間一般に良く見られる腹部膨満感にも応用可能で、ヒゲジジイ自身も一ヶ月前に突然11年ぶりに再発した尿管結石の疝痛発作時に併発した腹部膨満感に猪苓湯などと併用して効果があった。

 面白いことに、継続使用していると以前から折々に発生していた腹部のガスが減少した分、それに平行してほとんど「おなら」が出ることがなくなった。

 最近は疝痛発作が皆無となって一ヶ月近くなるので、分消湯の併用が面倒になって中止したところ、以前のように折々に「おなら」が出るようになった。

 ところが、ある女性の場合は、腹部が張ってガスが思うように出てくれないために膨満感に苦しんでいた。
 ところが分消湯を服用するようになって、気持ちのよい「おなら」が出て、腹部の膨満感が解消して「とても嬉しい」と喜んでおられる。
 おならが出ないために苦しんでおられたわけだから、この女性にとっては「おなら」は僥倖なのである。

 分消湯によって、「おなら」が折々に出ていた者が腹部膨満感の解消と共におならが激減する者があり、「おなら」が出ずに腹部膨満感に苦しんでいた人が、折々に「おなら」がスムーズに出るようになって腹部膨満感が解消する人。

 いずれも分消湯による効果であるから面白い。

 結局「おなら」談義に終始してしまった(苦笑。

 蛇足ながら、虚証(といっても虚実挟雑)に適応する補気建中湯も同様の作用があるが、昨今、村田漢方堂薬局では補気建中湯の顕著な疲労回復作用に注目して応用範囲がますます拡がっている。

FSC_8720
FSC_8720 posted by (C)ヒゲジジイ


ラベル:分消湯 腹部膨満
posted by ヒゲジジイ at 23:30| 山口 ☀| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2011年08月02日

やっぱり長期連用には不向きな小青竜湯

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BSC_7508 posted by (C)ヒゲジジイ

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾
【 年 代 】:60〜69歳の男性
【 地 域 】:関東
【 具体的なご職業 】:大学教授
【 お問い合せ内容 】: 2010年秋から咳に悩まされていました。
 少し埃っぽいところや換気の悪いところ等で咳き込んで苦しんでおりました。
 インターネットの漢方のサイトで、比較的体力がある私には小青龍湯がよいとの記事を見かけ、それをきっかけに5月連休明けから服用しております。

 このひと月以上の間、咳の悩みから解放され、優れた効能に感謝し、常用してきました。
また、風にさらされると涙が止まらない、また鼻水が止まらないという症状も同時に解消されたことも喜んでおりました。

 しかしひと月以上経過した最近では、咳の収まりが完全とは言えず、のどにイガイガ感を感じます。
 また、胸にわずかながら圧迫感のようなものも感じます。
 小青龍湯を飲み続けていてよいものかとの不安を感じています。

 日常生活では比較的食欲もあり、スポーツも適度にやっております。
 特に長距離サイクリングやジョギングなどを愛好しております。
 飲酒も若い時ほどには飲みませんが、平均してビール一本程度の日量は飲んでいると思います。
 全く飲まない日も週に一回以上はあります。
 タバコは止めて30年以上になります。

 なお、20年前から、春と秋(花粉の季節でしょうか?)には一時的に咳こむ習慣がありました。
 しかし時期を過ぎると自然に治っていました。
 その時には町医者に相談しても原因不明とされ、何も治療はしませんでいた。

 また、06年から10年までの4年間、空気のきれいな青森市に勤務したので、その期間は咳に悩むことは全くありませんでした。

 このまま小青龍湯を飲み続けてよいのか、あるいはほかのものに替えるべきなのか、アドバイスいただけますと助かります。

BSC_8019
BSC_8019 posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:小青竜湯がしばらくはしっかり効果を発揮していた模様ですが・・・

> しかしひと月以上経過した最近では、咳の収まりが完全とは言えず、のどにイガイガ感を感じます。
> また、胸にわずかながら圧迫感のようなものも感じます。

という点につきましては、様々な可能性が推測されます。

 小青竜湯は現時点でも一定の効果が持続していることに間違いなければ、という前提条件ですが、

(1)まず問題は「胸にわずかながら圧迫感」については、もしも配合中の麻黄が心臓に負担を与えている場合は即刻中止する必要があります。

(2)しかしながら、もしも気温の上昇に伴って、あるいは小青竜湯の温性の性質も加わって、胸部や心下部の水邪が熱化した場合は、小青竜湯に石膏を加えれば正解となります。胸を僅かながら冷やしたい時があれば、その可能性は大きくなります。

(3)もう一点、注目すべきは「咳の収まりが完全とは言えず、のどにイガイガ感を感じます。」という原因が、小青竜湯の強い燥性によって粘膜の潤いを奪い取ってしまっている場合は、小青竜湯の燥性が過剰にならないように麦門冬や西洋人参を加えることでバランスが取れます。

以上の三点について思い当たる節がおありでしたら、地元の漢方専門医院か漢方薬局で、上記の可能性を提示してご相談されれば、適切な処置をしてもらえるものと思います。

 但し、(1)の可能性が強い場合は、小青竜湯は中止され、麻黄の配合されない適切な方剤を見つけてもらう必要があります。

 以上、取り急ぎお返事まで。 

BSC_8032
BSC_8032 posted by (C)ヒゲジジイ

おり返し頂いたメール:早速ご回答ありがとうございます。
 昨日の夕方、今朝と小青龍湯を飲むのをやめてみました。

 まずのどのイガイガは解消しました。
 やはり乾燥しすぎていたようです。
 また、それに起因していたのでしょう。
 咳も収まりました。

 しばらくやめてみて様子を見てみます。

BSC_8090
BSC_8090 posted by (C)ヒゲジジイ

【参考文献】注意が必要な漢方薬(肺陰を損傷しやすい漢方処方)

以下引用
注意が必要な漢方薬(肺陰を損傷しやすい漢方処方)地球温暖化と暖房設備充実の時代、連用を慎むべき漢方薬類について

 村田漢方堂薬局における37年間にわたる薬剤師2名による漢方相談販売の経験上から、肺陰を損傷しやすい漢方薬方剤や漢方薬物についての考察です。
 たとえば、小青竜湯や附子配合のいわゆる附子剤、とりわけ八味丸類の問題です。
 のみならず、藿香正気散(かっこうしょうきさん)という村田漢方堂薬局の愛用方剤でも、肺陰の損傷を警戒して長期の連用は避けるべきです。

 肺は嬌臓(脆弱な臓器)です。日本漢方では、「乱用気味」と言っても過言ではない「小青竜湯」や「八味丸」など、連用するに際しては注意が必要な漢方薬方剤であることを認識して頂きたいものです。

 なかでも小青竜湯に関しては、上記の藿香正気散とは比較にならない厳重注意が必要な漢方処方ですので、ブログに掲載した実例などの問題があるので、素人療法は厳に慎むべきです。

 医師や薬剤師であっても漢方薬についてはほとんど素人さんとかわりがないレベルの先生方があまりに多いので、医師に処方されたからと言って安心とは限りません。

参考文献:
耳鼻咽喉科で処方された小青竜湯による副作用
小青竜湯の長期連用による副作用?
高齢者には要注意の小青竜湯(副作用の認識がない勉強不足の医師たち)

 ともあれ以下の本論は専門家向けです。

 もともと例によって『和漢薬』誌連載の『中医病機治法学』の訳注における「訳者のコメント」中にバラバラに書き散らしていたものをまとめ上げ、現在の考察を加えたものです。

◆肺は嬌臓(きょうぞう)であるということ
燥性の方剤に潤燥薬「麦門冬」を配合する意義

 日本は湿潤な風土の上に、脾湿が内生しやすい食生活環境にあるので、潤燥法が必要なときにも、常に挟湿や脾運に対する配慮が必要である。
 また、これとは逆に燥湿・袪痰・行気・解鬱などを必要とするとき、大量の燥性の薬物中に一味の潤燥薬「麦門冬」を配合する意義は大きい。

 柴朴湯や半夏厚朴湯に麦門冬一味を加える必要性を示唆した拙文を、ちょうど二十三年前の『和漢薬』誌340号に「中草薬漫談(5)麦門冬」と題して述べて以来、喘息に対する柴朴湯加麦門冬については、すでに日常茶飯事の常識的なテクニックとして定着している。

 臨床上、わずか一味の麦門冬の有無により、効能に雲泥の差が生じ得ることは、看過すべからざる現象である。

 《顧氏医鏡》で指摘されているように、肺は嬌臓(脆弱な臓器)であり、寒に対しても熱に対しても抵抗力に乏しく、さらには湿に対しても、また燥に対しても抵抗力に乏しいので、麦門冬一味によって大量の温燥薬の行き過ぎによる肺陰の損傷を未然に防止し、肺陰を保護するのである。

 同様に、日本で繁用される補気建中湯・補中治湿湯のみならず、釣藤散などにおける麦門冬配合の意味を詳細に検討すれば、先人の用薬配合上の工夫を汲み取ることができるはずである。

 肺は気を主(つかさど)り、水道を通調するという二つの重要な働きを持ちながら、実体は極めてデリケートな臓器であることを充分に認識し、常に肺の実体である肺陰の保護を忘れてはならないのである。

◆風邪や鼻炎が生じやすい中医学的原因
だからといって小青竜湯を乱用してよいわけがない。肺は嬌臓!

 肺は呼吸を司り皮毛に合しているので、外邪の侵襲を最も受けやすいく、寒・熱・燥・湿いずれの刺激に対しても抵抗力が乏しい。
 感冒や鼻炎など、肺系統の疾患が日常的によく見られるのはこのためであり、またそれゆえに「肺は嬌臓」であるといわれるのである。

 それゆえ、辛温燥の性質が特に強烈な小青竜湯などを慢性疾患で連用するときには要注意である。たとえ「証」がピッタリであっても、決して過信してはいけない。
 短期間の使用なら問題も生じにくいが、少量の麦門冬や石膏を加えるなどして肺陰のみならず肺熱に対する配慮は不可欠である。
 定期的な確認が必要な漢方薬方剤であることを充分認識する必要がある。

 エキス剤の場合であれば、麦門冬湯や猪苓湯を適量併用することでも充分代用できる。
 猪苓湯中の阿膠によっても肺陰を保護することができ、茯苓には補肺作用もあるからである。

◆乱用され過ぎる「小青竜湯」と「八味丸」
アレルギー性鼻炎に小青竜湯トイレが近ければ八味丸確かに有効だが

 アレルギー性鼻炎には小青竜湯、クシャミ・鼻水には小青竜湯などと喧伝され、病名漢方として定着したかの感があり、一般病院や医院から咳が出れば小青竜湯、クシャミはもちろん鼻水もと、保険漢方で出されて証が合っていないために、肺陰を損傷して乾燥咳が却って悪化してガラガラ声になり、どうしようもなくなって村田漢方堂薬局に助けを求めにやって来られた人が何人いたことか。

 麦門冬湯で治まった人が多いが、肺熱まで誘発して小陥胸湯加減方製剤に辛夷清肺湯を合方しなければ治まらない人すらある。

 八味丸や牛車腎気丸も同様で、辛燥大熱の附子の配合が、肺陰を損傷するばかりでなく、同時に肺熱まで誘発して小青竜湯の場合と同様の処置が必要なことすらある。

 これらの乱用としか思えない出され方は、意外に同業の漢方専門薬局はもちろん、一般薬局でさえ、あまり遭遇しないで、殆どのケースが病院や一般診療所から処方されたものであるから、たまらない。言葉は悪いが、それらの尻拭いをいつもさせられているのは、我々漢方相談薬局なのである。
 
 これらの事実は、若い頃には遠慮があって「決してこの事実は口が裂けても公言できない」と思っていたが、そろそろ晩年に向かって行くにあたって、言うべきことを言っておかなければ、世の中のためにならないと愚考し、ありのままの事実を述べるのである。

 自分の子供たち二人も医者になっているばかりでなく、その配偶者も医者、親類縁者も医者だらけなのだから、何を遠慮することがあろうか。

◆辛温薬配合方剤の長期連用は慎重であるべし
小青竜湯や八味丸類・藿香正気散類は長期連用はできない場合がある

 これまで、あまりにも乱用されすぎた小青竜湯は、麦門冬湯や辛夷清肺湯が適応するような肺胃陰虚や肺陰虚に肺熱を兼ねるような証候を呈している患者さんに、辛温の細辛のみならず、本来は乾燥生姜および桂枝を用いるべきところを、日本の小青竜湯は辛燥温性の煨姜もどきや肉桂が配合されているので、なおさら肺陰虚を助長するのみならず、肺熱をさらに助長して、極端な乾燥咳とともに喀血まできたしかねないのである。

 もともと、小青竜湯は標治の方剤であるから、長期の使用は慎むべきであるが、適応外の人に投与すると、上記のような現象が起こっても不思議ではないのである。
 病院でもらった小青竜湯を、飲めば飲むほど声が枯れてきて、却って咳がひどくなったようだということも稀ではない。

 八味丸にしても、辛燥大熱の附子が配合されているので、昨今リバイバルしたのか、夜間多尿に八味丸系統の製品がテレビなどで宣伝されているようである。
 最近も、薬局で相談して買ったおかげで、確かに尿の回数は減ったがいっぺんに不眠症になり、毎晩目が覚醒して軽い煩躁状態を呈しているという。
 明らかに附子の軽度の副作用が認められるもで、即刻中止してもらい、附子抜きの「七味丸」に切り替えてもらった。

 もちろん、八味丸は重要な基本方剤ではあるが、腎陽虚が明らかでなければ使用すべきではない。
 肺陰を損傷して乾燥咳を誘発することも、稀ではない。
 長期連用にも定期的な確認が必要で、「肺は嬌臓」であるということを忘れてはならないのである。

 また、辛温香走の薬物が多く配合された藿香正気散は、湿困脾胃の病機に対する理気化湿の方剤として大変有用で、アレルギー性鼻炎などの一見、肺寒停飲の小青竜湯証と見られる場合でも、麻黄が不適応の患者に、苓甘姜味辛夏仁湯の煎薬やエキス剤が手元に無いとき、充分代用できることが多く、胃腸虚弱者には持って来いの方剤ではある。

 ところが幸か不幸か本方の「乾燥性」は相当な威力があり、本方証に間違いないときでも、症状が軽快した時点で中止するほうが望ましい。

 たとえば、クーラー病による頭痛に、シャープに奏効してそのまま夏中一ヶ月も連用していたら、ひどい嗄声を生じた例がある。
 直ぐに中止してもらい、麦門冬湯で速やかに回復したものの、本方の燥湿力は相当なものである。

 村田漢方堂薬局では、常連さんたちと「便利な乾燥剤」として有名な処方となっているが、本方の適応する証候(一連の症候)が解消した時点で直ぐに中止すべき方剤としても「常連さんたちの常識」となっている。

 このように、小青竜湯や附子剤、あるいは藿香正気散のような、日常的によく使われる方剤の使用は、「肺は嬌臓」であるということに留意して、乱用は慎むべきなのである。

 合成医薬品の副作用に比べると「かわいいもの」と言えばそれまでだが、明らかに適応証ではないのに誤治した場合の不快症状は、上記に述べたとおり相当なものなのである。
注意が必要な漢方薬(肺陰を損傷しやすい漢方処方)

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ASC_8116 posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 00:00| 山口 ☁| 小青竜湯の誤投与や乱用による不快反応や副作用 | 更新情報をチェックする

2011年08月01日

図々しいクレーマーが増え続けるネット社会の日本人

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GSC_2668 posted by (C)ヒゲジジイ

 電話で自分に合った漢方薬を教えて欲しいという図々しい電話がかかった。
 当然、受付嬢は鄭重にお断りした。

 相談があるから店主を出せ、といきなり図々しい電話にも、受付嬢は鄭重にお断りした。

 前者では早速、ウジウジと恨み辛みのメールが執拗に続いた。

 メールでいきなり罵りられることも珍しくない。

 「お前は本当に腕がいいのか、漢方のことを調べてもお前のブログばっかり検索されて先に進まない。死人増やす気か。治せないくせにブログなど書くな。」

 これが現代日本人の成れの果てである。

 だからますますいよいよ警戒して、迂闊には相談に乗れないという悪循環のようだが、現実には直接やって来る人たちは、古きよき時代の日本人的感覚の若者ばかりである。

 どうせコチトラ、老い先短い最終ラウンドに差し掛かっている。
 不遜で図々しい連中とは断じて付き合ってやるものかっ。
 慇懃無礼も同様である。

 最低限のマナーも守れない連中が多過ぎる。
 だからこちらもますます依怙地になる(苦笑。

 このブログが気に入らないからといって、匿名の罵りメールが毎年何通送られてくることかっ。
 卑怯でかつ卑劣、匿名者による罵詈雑言にもほどがある。

 とうとうここまで落ちた日本人。
 これが「世界に誇れる日本人」などとは、実に噴飯物である。

 「世界に誇れる日本人」とは、当方の常連さんやお馴染みさんのような人達のことである(笑。

CSC_7153
CSC_7153 posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 00:39| 山口 ☁| 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする