2011年07月22日

アトピー性皮膚炎に対する漢方薬の配合変化の実際

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CSC_6520a posted by (C)ヒゲジジイ

 タイトルはやや大袈裟。

 今年の5月は例年に無く、順調に経過していた新人さんたちも一時的に異変が生じることが多く、同時に5月以降にアトピーの新人さんも目立ったということは既に過去のブログで述べた通りである。

 順調に経過していた人で異変が生じた人の多くは、三物黄芩湯を追加するか、あるいは六味丸系列の方剤を三物黄芩湯に切り替えることで直ぐに鎮静化する人が最も多かった。

 5月以降の新しい人では、加味逍遥散を中止して五苓散に切り替えた途端に速効が得られた人もいた。高温多湿の季節には利水滲湿剤が活躍しても不思議は無い。

 新人さんの中にはもう一歩のところで足踏みしている人もいる。

 ところで、5月の異変に配合変化の指導を素直に聞けずに、あー云えばこう切り返して埒が明かないので、その後の漢方相談を打ち切らざるを得なかった人もいる。
 昨今では希に見る出来事であったが、堪え性のない男性が紛れ込んでいたことは残念でならない。

 同じ男性でも素直に指導を受け入れ、積極的に配合テストに協力される人は、一時的な異変が生じても一部の配合変化によって順調なペースを取り戻している。

 また別の男性は、この季節でもまずまず順調だからと服用ペースを落して様子を見ている人がいるが、秋の乾燥期になると、きっと慌てることはほとんど想像に難くないはずだが・・・これが男性特有の咽喉もと過ぎれば熱さを忘れるのタグイ。

 アトピー以外の湿疹でも、病院からステロイド内服薬を投与されるほどの人が、数度目の弁証論治で的確な配合方剤が得られた途端に「症状がもっと軽くなったら次第に服用回数を減らしてもよいでしょうか?」と、こんな早い時期から病状の重大さを自覚されない人がいるのも男性特有のものかもしれない。

 ちょっと調子がよいくらいで服用回数を減らしたりすれば元の木阿弥になるのは必定。
 漢方薬の服用を減らす前に、ステロイド内服薬のリバウンドを生じない安全な離脱をはかることこそが必須事項であろう。

 同様にアトピーの新人さんで数度目の配合変化によって速効が得られた人の中には、これまで毎日ステロイド軟膏を塗布していた人もあり、塗布する面積が劇的に減っているとはいえ、今後は徐々にリバウンドを生じないペースで徐々にステロイドの離脱を果す必要がある。

 いずれにせよ、アトピー性皮膚炎では、その人個有の四季折々の皮膚症状の変化の傾向に沿った配合変化の法則を掴む必要があるだけに、漢方相談の中では最も相談時間と弁証論治の労力を要し、実に手間ひまのかかるアレルギー疾患である。

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posted by ヒゲジジイ at 21:09| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする