2011年06月30日

熱中症対策として有効な漢方薬

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CSC_4442 posted by (C)ヒゲジジイ

 昨今、地元近辺で会社勤務の男女から熱中症対策に有効な漢方薬の指南を求める相談が増えている。

 社内のエアコンの温度設定が28度で、しかも皆がパソコンを使っているので、そのパソコンから吐き出す熱気が半端じゃないので、日々蒸し返す暑さだという人もいた。

 3月の天変地異に遭遇するはるか以前から、例年、長引く不況対策で電気代節約とばかり、各社でエアコンを弱めた夏の勤務に悲鳴を上げている人達が多いのである。

 ある常連さんの相談では複数の人間に体質を選ばずに使用できそうな対策方法を伝授願いたいというので、昨年の夏に実際に有効だった多くの人に共通した方法を指南しておいた。

 中医学的な考えからは常用するのに適切なのは西洋人参で、生脈散も悪くはないが、温性の朝鮮人参や五味子が入ることに個人的には疑義を感じるので、生脈散を奨める気にはなれない。

 但し、中医学的に最も推奨すべきは生脈散中の朝鮮人参を西洋人参にかえ、麦門冬と五味子と相俟って、理想的な熱中症対策となるのは中医学世界では常識中の常識だが、この日本ではとんでもない非常識となる(苦笑。
   ⇒参考文献:生脈散(しょうみゃくさん)のお勉強

 ともあれ、水分補給を心がけることは常識としても、熱にうだって体温上昇とともに頭痛を感じれば、地竜や牛黄製剤が相応しい。

 熱中症の場合は、クーラー病(クーラーで冷やされて頭痛や吐き下し)とは異なり、命の危険があるので、怪しい兆候が出れば直ぐに病院に行くべきであるが、上記のような中医学的な予防と応急処置をすることで、例年、それで救われた人もいるので、実績のある方法としてちょっと記してみた。

 個別的には、体質に応じて弁証論治にもとづいた漢方製剤を常用してもらって熱中症対策を行なっている人もいることは言うまでもありませんよ。

 蛇足ながら、クーラー病の場合は、多くは藿香正気散や葛根湯あるいは五苓散や猪苓湯や参蘇飲など、弁証論治にもとづいた適切な方剤で対処すれば、滅多なことで命に関わることはほとんどあり得ないでしょう。

 危険なのはやっぱり熱中症なので、あやしいと思ったら病院に直行すべきですねっ!

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CSC_4136 posted by (C)ヒゲジジイ

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FSC_6124 posted by (C)ヒゲジジイ


posted by ヒゲジジイ at 18:59| 山口 ☀| 熱中症や冷房病 | 更新情報をチェックする

2011年06月29日

藿香正気散と猪苓湯の応用

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ESC_4386 posted by (C)ヒゲジジイ

おたよりとご質問:エアコンで身体を冷やし過ぎて頭痛・吐き下しを生じた北陸地方のおなじみさんのその後

 先生の書かれた藿香正気散合猪苓湯の応用を読み、改めて藿香正気散合猪苓湯を服用しました。

 実はこの前までは、頭痛を早く鎮めたいため、藿香正気散を2包服用していました。 そこで、本命の三仁湯の代用とする場合に書かれてあった、

「藿香正気散をやや少量とし、猪苓湯と薏苡仁各エキスをやや多目にするとかなり代用 可能である」

を参考にし、藿香正気散と猪苓湯の割合を1:1にしたところ、お通じの状態が改善し、浮腫みも幾分楽になりました。

 改めて、さじ加減の重要さを認識しました。

 そこで、熱感が強い際の、薏苡仁の服用は、私の場合は使用できるでしょうか? ちなみに、わきの下や、くびのまわりの疣も結構あります。

 あと猪苓湯について「猪苓湯が滑石茯苓湯に変わるとき」も読みなぜ多汗に使用するのか、大変理解できました。以前にも読んでいたつもりなのですが…

 よろしくお願いします。

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ESC_4731 posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:藿香正気散の応用は多岐に亘りますが、それ以上に猪苓湯の応用範囲はもっと多岐に亘ります。

 今回のおたより、的確な応用をして頂き、嬉しく思います。

 ご質問の件、
> 熱感が強い際の、薏苡仁の服用は、私の場合は使用できるでしょうか?

 薏苡仁の性は微寒ですので、熱感が強い人にはますます安心して使用できます。疣があればなおさら一石二鳥という部分もありますっ!

 もしも両手足のほてりまで強い暑がりの人では、瀉火補腎丸や知柏壮健丸では十分な効果が発揮できない人でも、三物黄芩湯がしっかり効果が出る場合があります。但し、陰虚火旺の証候が存在することが必須条件ではありますが・・・。

 なお、ご承知の通り、藿香正気散を不必要に継続服用し過ぎると、乾燥性が強いために粘膜組織まで乾燥させてしまうことがあります。(但し、小青竜湯の乱用から来る弊害ほど強いものではありません。)

 長期連用する場合には、過度な粘膜の乾燥性を未然に防ぐ意味でも藿香正気散に適量の猪苓湯と薏苡仁を加えることでも防げることが多いようです。

 それでもなお粘膜の乾燥性が気になる場合は、藿香正気散に西洋人参を併用する方法があります。もちろん藿香正気散に適量の猪苓湯と薏苡仁西洋人参を加えることも可能です。

 面白いことに、これらの配合ではクーラー病と熱中症を同時に予防する実に欲張った配合ともなっています(笑。

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ESC_4281 posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 23:07| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2011年06月28日

「他の病院に移っていいよっ」と医師に言われてしょげ返っている人達

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CSC_4043 posted by (C)ヒゲジジイ

 足腰が痛い婦人が、整形外科で投与された薬を飲んだら全身の脱力感から動けなくなった。

 電話をかけて医師に相談すると、若い男性ならその2〜3倍の量を平気で服用している安全な薬だが(注釈:大変危険な話!)あと一週間続けるのがイヤなら他所の病院に移っていいよっと言われたことで大変なショックを受け、当方の受付嬢に涙ながらに相談している。

 ついては、二十年前にも同様に腰痛で病院治療で治らなかったのが、当時、村田漢方堂薬局の漢方薬でしっかり治った記憶がある。
 今回は経費的な問題もあって病院に駆け込んだのが間違いの元だったと後悔されている。

 皮膚病で内服のステロイド剤を出された男性が、内服ステロイド剤の副作用を心配され、投与された皮膚科の医師にあらためて相談したら、服用がイヤなら他の病院に移って構いませんよっと言われた。

 お医者さんたちも忙しいから、少しでも苦情を訴える患者さんが鬱陶しいので、「嫌な客には売るな」という方針なんでしょうねっ

 と、病人さんの布団をはぐようなズバリ的中の解説をしてあげたのは・・・やっぱりヒゲジジイっ

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CSC_3884 posted by (C)ヒゲジジイ

タグ:医師の横暴
posted by ヒゲジジイ at 20:05| 山口 ☁| とんでもない話や、信じられない困った話 | 更新情報をチェックする

2011年06月24日

例年になくこの5〜6月はアトピーの新人さんが目立っている

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FSC_4333 posted by (C)ヒゲジジイ

 今年の5〜6月は気候不順のせいか、天変地異も手伝ってか、アトピーが悪化しやすい傾向が強く、アトピーの新人さんが続いている。

 今日もやや遠方からアトピーの新人さんが訪れた。

 と、書いたところで急に眠くなったので、パソコンを閉じて寝ようと思う。

 未明までオリンピック男子サッカーの2次予選を観戦した睡眠不足の影響か、ブログを書き始めた途端、強烈な睡魔 Z zzzz・・・

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FSC_4276 posted by (C)ヒゲジジイ




 
posted by ヒゲジジイ at 23:17| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2011年06月23日

明日、金曜日は疲労困憊必至となる理由

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DSC_4861 posted by (C)ヒゲジジイ

 昨日は東京と千葉、本日は京都からと遠来者が続く。
 月、火、土曜以外の水、木、金の多くはそれほど混雑することはないので、それぞれの人達に漢方相談に十分な時間が取れた。

 明日もあまり忙しくはならないはずの金曜日だから、予定通りヒマであって欲しい。
 金曜日の未明までサッカー男子、オリンピック代表の2次予選の実況放送があるため、それを観戦しないことには眠れないからである。
 年寄りの冷や水、明日は仕事前からダウン寸前となること必至なので・・・。


 先生が元気な間に・・・と言って来られる新人さんが目立つ昨今、こんなことで倒れたらシャレにもなりませんから、明日はそっとしておいて欲しいのです(苦笑。

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IMG_4628 posted by (C)ヒゲジジイ



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2011年06月20日

藿香正気散証の季節到来

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FSC_3213 posted by (C)ヒゲジジイ

北陸地方のお馴染みさんからのおたより:

 昨日は急に気温が上がり、エアコンをガンガンかけたせいか、朝から頭痛で、吐くは下すはのオンパレードで、午前中は急遽仕事を休んで寝ておりま した。

 その際藿香正気散を服用したのですが、それも吐いてしまうという有様で、その際冷たいお茶で服用したのがまずかったのかと思い、ぬるめの お茶で服用したところ、吐くことがありませんでした

 やはり寒湿困脾のせいでしょうか? お陰さまで7割がた治まりました。


【編集後記】 藿香正気散証を的確に見抜かれ、村田漢方堂薬局から折々に購入されて常備薬として保存されている藿香正気散をすかさず服用されて速効を得た実例報告を頂いた。

 とても興味深い点は、冷たいお茶で服用した場合は受け付けず、ぬるめのお茶で服用したら吐かなかったというところ、これこそ典型的な寒湿困脾による現象である。

 蛇足ながら、例年のことだが、暑い季節に新幹線に乗車して、過度の冷房によって藿香正気散証を呈する人が実に多い。
 幸か不幸か、今年は節電の必要に迫られて、新幹線も冷房温度を上げるということだから、それだけでも藿香正気散証を呈する確率は格段に低下すること請け合いである。

 新幹線は、これまでがあまりにも冷房を効かせ過ぎだったように思われる。

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FSC_3104 posted by (C)ヒゲジジイ

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2011年06月19日

因果はめぐる・・・

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CSC_2838 posted by (C)ヒゲジジイ

 あてにしていた子供は故郷を出たまま帰って来ない。
 いずれ帰るといっていたが、嫁の考えに同調して遠くの地で子煩悩な家庭を築いたまま、もはや戻りそうにない。

 嘆き悲しむ高齢のご夫婦や一人暮らしのご老人たちの嘆きを耳にする機会が増えた。

 しかしながら、よくよく話を聞いていると愚痴をこぼされる人たちの中には、同様に故郷を捨ててて親の期待に添えなかった人たちが多いのである。

 まことにお気の毒ながらも因果はめぐる、としか言いようがないような・・・

 これらに類似した様々に内容は異なっても要するに「子供に裏切られた」という愚痴を聞かされることの多い団塊の世代以降の人たちだが、慰めようもないので・・・

 「因果はめぐるで、その子供さんたちもいま子煩悩でも、いずれ同様に自分の子供さんたちに将来裏切られるのですよ〜」

 とうっかり思わずこのような禁句を漏らしてしまうこともあるのだった(滝汗。

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DSC_3820 posted by (C)ヒゲジジイ

タグ:因果応報
posted by ヒゲジジイ at 07:55| 山口 ☔| 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする

2011年06月18日

遠方で急な病気に漢方薬を望む人たち⇒常備薬をそろえてますかっ?

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CSC_3108 posted by (C)ヒゲジジイ

 慢性疾患の漢方相談から縁ができた遠方の人たち。
 その中の多くの人たちが、急な病気にも漢方薬を望む人たちが多いのは結構なことであるが、電話やメールで相談を受けても、各種の急な病気に対処できる漢方製剤や生薬製剤あるいは中草薬類を常備されてない人達ではどうしようもない。

 急な疾患に対処するには各種の基本方剤を揃えておく必要があるが、あらかじめ常備している地元の常連さんたちか、遠方でも完全に漢方薬に嵌った人たちに限られる。

 ところが、常備薬をほとんど揃えてない人たちが、急な疾患に対処する漢方薬を教えて欲しいと連絡があっても、教えるほうも無力感ばかりが先立ってしまう。

 最低限揃えて欲しいのは、天津感冒片と涼解楽(いずれも銀翹散製剤)、参蘇飲、葛根湯、藿香正気散、猪苓湯、黄連解毒湯に五苓散や茵蔯五苓散に茵蔯蒿湯、地竜、板藍茶や白花蛇舌草など。

 体質によってはさらに辛夷清肺湯や小陥胸湯加味製剤や柴胡桂枝湯や補中益気丸なども必要となる。

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CSC_3116 posted by (C)ヒゲジジイ


 
タグ:漢方常備薬
posted by ヒゲジジイ at 00:35| 山口 ☁| 漢方常備薬および漢方薬長期連用による効用について | 更新情報をチェックする

2011年06月17日

新製品の漢方エキス製剤=優劣の吟味

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CSC_2315 posted by (C)ヒゲジジイ

 漢方薬は合成医薬品とは異なり、原材料が天然自然の生薬だけに、しばしば効能に優劣が生じるのは止むを得ない現実があるように思われる。

 但し、白朮であるべきところを蒼朮で代用するなどは、もってのほか、このような錯誤を犯した漢方薬は問題外。

 エキス製剤においても品質の優劣に五月蝿いヒゲジジイや受付嬢だから、しばしば各社の新製剤の現実的な優劣の吟味を依頼されることが多い昨今。

 先日も優れた新製剤の分消湯の製剤に遭遇して、従来品の他社製品とは雲泥の差の効能を発揮するのにおどろいたが、やはり従来品は蒼朮が省略されているために効果が激減することは想像にかたくなかったものである。

 ところが新製品が優秀とばかりはいえず、自信満々で作られたはずのその製剤が、他社の従来品の方が遥かに有効性が顕著で、これでは新製剤は使えないな〜という現実にも遭遇している。

 その効果の優劣は劇的な違いが出る場合があるから不気味である。

 過去の例でも、猪苓湯製剤などは極めて多くの漢方製造メーカーから販売されているが、これほど優劣の差が激しい製剤も珍しいだろう。

 といっても、当方には当方の目的意識をもった猪苓湯の効能を目的としているだけに、猪苓湯製剤の吟味方法と効能の発揮する方向性で独自の視点で選択しているので、やや独断と偏見が混じる部分もあるのは止むを得ない。

 但し、数十年前に遭遇した顔面の皮膚病治療に、当方の販売する茵蔯五苓散合猪苓湯の各エキス製剤で著効を奏しながら、医療用の某社に切り替えた途端、三日で再発する現実に遭遇したときは、同じ処方名でも、効能には雲泥の差がでることに恐怖を覚えたものである(苦笑。

 製剤を切り替えて直ぐに再発した人も、当方で販売する茵蔯五苓散合猪苓湯の各エキス製剤に戻した途端、三日でほとんど回復した事実は、何とも説明のつかない問題のようにも見えるが・・・

 このケースにおいても、あとからよくよく考察すると、配合生薬中のまたもやっ!茵蔯五苓散中の白朮であるべきところが、医療用の方では蒼朮であったことの違いが最も顕著な問題点だったのかもしれない。

 さらには当方で使用していた茵蔯五苓散には煎液のエキスだけでなく原末生薬も配合されていた製剤であった。

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DSC_4032 posted by (C)ヒゲジジイ

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2011年06月16日

昔から市販の六君子湯が効くのに保険適用のツムラの六君子湯が効かない人がいる

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IMGP8604 posted by (C)ボクチンの母

 数十年来、某メーカーの六君子湯エキス製剤を愛用されていた女性。ここ数年はご無沙汰されていたので忘れていたが、先日、彼女の娘さん(中年)が代理で久しぶりに購入に来られた。

 それで思い出したのが、以前から口にされていたことで、同じ名前の医療用のツムラの六君子湯エキス製剤を服用しても効果が感じられないということだった。
 
 それで最近、久しぶりに胃腸機能が低下気味なので代理で娘さんが求めに来られたが、主治医ツムラの六君子湯では効果がないので、長年服用していた薬局の六君子湯を使うようにと奨められたというのであった。

 彼女のような例は極端にしても、少なくとも医療用でしばしば使用されるツムラの六君子湯には、肝心な虚証用の白朮(ビャクジュツ)が配合されずに、実証用の蒼朮(ソウジュツ)が配合された錯誤による影響が大きいと思われる。

 体質によってはこれほど極端に効果の差が出るのだから、天然生薬を用いた漢方薬は処方名が同じだからと言って、同じ効能を発揮できるとは限らない
 ましてや肝腎な脾虚に対処する白朮が使用されないで、脾虚には微効の蒼朮で代用されたのでは、六君子湯証があっても、この一味の錯誤によって効能に雲泥の差、天と地ほど効果に違いがあっても不思議は無い。

 それどころか、彼女の場合は、有効と無効の違いが歴然とするのだからメーカーの姿勢が問われる大きな問題である。

参考文献:白朮を蒼朮で代用する杜撰

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ペンタックス K-x posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 07:57| 山口 ☁| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2011年06月14日

重篤な疾患では遠路の旅は危険極まりないので・・・

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CSC_1478 posted by (C)ヒゲジジイ

ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 50歳〜59歳の男性
簡単なご住所 : 関西地方
お問い合わせ内容 : 肝臓癌の主人についてご質問させていただきます。主人は白内障と緑内障も患っているため、代わりにメールさせていただきます。

 5年前にC型肝炎から肝臓癌を発症し、6pの腫瘍が発見されました。すぐに肝動脈塞栓術を施術していただき、その後も半年に一度の割合で同手術をうけていました。
 2年前にどうしても消えない部分をラジオ波で焼却しほぼ完治と言われていました。

 昨年の夏に仕事が忙しく無理をした為か腹水がたまり始め、再度6pの腫瘍が発見されたので肝動脈塞栓術をうけましたが、リンパ節まで転移しているとの事で栓はせず薬を流すだけの手術となりました。

 その後腹水が増え、11月末に入院をしましたが、一週間後に肝性脳症を発症しました。
 お医者様からも覚悟するように言われましたが、幸い3日後に覚醒してくれました。

 12月末に退院し、現在も自宅療養中です。退院後も腹水が徐々に溜まり、アルブミンもあまり効かなくなったので3月より、◎◎の「●●●●●医院」(漢方医)で診察を受け「五苓散の3倍量」を処方してもらい、3週間程は徐々に腹水が減っていきましたが、その後は停滞してしまい、4倍量・5倍量と増やしたのですが改善せず、「茯苓四逆湯」・「茯苓四逆湯+白朮・猪苓・沢瀉」を一週間ずつ処方されましたが腹水が減る事はありませんでした。

 先日病院(漢方)からは他に処方できる物はありませんと言われてしまいました。
 掛り付けの病院からも、穿孔で抜くしかありませんといわれています。

 それでインターネットで色々と調べていたところ「補気建中湯」という言葉が気にかかりこちらのホームページにたどり着きました。

 一度そちらに行かなければならないと、言う事ですが腹水でお腹が臨月のようになっている主人が行けるかどうか分からないのですが、主人のような症状でも「補気建中湯」が少しでも可能性があるのか?

 もしそちらへ通院できない場合、他の漢方医でも処方する事はできるのか?等ご回答いただけると幸いです。

 長々と失礼いたしました。 お忙しい事とは存じますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

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CSC_1589 posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:重篤な段階で来られるには及びません。というよりも来られても困ります。

 そのために過去、専門家向けに補気建中湯について長々と書います。
 http://cyosyu.exblog.jp/i19/

 そちらの地元の漢方専門の医師か、あるいは漢方専門薬局でご相談下さい。

 一か八か、補気建中湯はどうだろう?と相談されれば、専門のところではどこでも入手可能です。

 繰り返しになりますが、そちらの地元でも簡単に入手できる処方ですので、専門家にご相談されれば、適不適を判断してくれますし、間違って飲んでも決して強い漢方薬ではありません。

 最終的には医療は賭けです。
 取り急ぎお返事まで。

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CSC_1677 posted by (C)ヒゲジジイ

おり返し頂いたメール早速のお返事、ありがとうございました。

 今までかかっていた漢方医か近所の漢方の薬局にお願いしてみる事にします。
 本当にありがとうございました。

 これからのご繁栄をお祈りいたしております。

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CSC_1137 posted by (C)ヒゲジジイ

【編集後記】 補気建中湯の著効例は拙著『求道と創造の漢方』に詳しい。

 その後も天地がひっくり返るような著効例にしばしば遭遇したが、残念ながらびくとも奏功しなかった例も現実には存在するのである。

 また、超末期とはいえないケースではしばしば分消湯を主体にした配合方剤で著効を奏した例も珍しくない。

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CSC_1783 posted by (C)ヒゲジジイ


posted by ヒゲジジイ at 22:58| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2011年06月13日

胃腸の弱いジクジク型のアトピーに対する六味丸投与はあり得るか?

桃源郷
桃源郷 posted by (C)ヒゲジジイ

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾
【 年 代 】:30〜39歳の男性
【 職 業 】:会社員(事務系)
【 地 域 】:関東地方
【 お問い合せ内容 】: いつもブログを拝見させていただいていますが、昨日の記事の中で、六味丸の中の地黄が体内の湿邪を助長しない様に細心の注意が必要であるとありました。

 私はアトピーを患っていてジクジクした湿疹があるので、今飲んでいる六味丸が自分の体質に合っているものなのか少し心配になりました。

 今、中医の先生(●●先生)に診てもらっていて、陰虚があるとの事で、六味丸と抑肝散を飲んでいます。

 皮膚に作用する薬は胃腸の調子が良くないので今、一時的に中止しています。

 細心の注意が必要とは、どの様な事に注意すれば良いのか、素人にでも分かる様に教えていただけないでしょうか?

 また、胃腸の弱いジクジク型のアトピーの人でも、飲める漢方薬はあるのでしょうか?

 お教えいただける範囲の事で結構です。
 どうかご享受のほど、宜しくお願いします。

桃源郷
桃源郷 posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール: 湿気の多い梅雨時には、地黄や熟地黄などの滋膩の薬物を使用すると、往々にして体内の湿邪を助長します。
 ましてや胃腸が弱い脾胃虚弱タイプのアトピー性皮膚炎に投与するときは地黄や熟地黄を使用するには細心の注意が必要です。

 ところで滲出液が常に漏出してジメジメタイプのアトピーで、しかも胃腸が弱いタイプであれば、多くは衛益顆粒(玉屏風散製剤)に猪苓湯の併用を主体に運用することが多いものです。

 但し、滲出液の漏出が長期にわたる人たちのほとんど全員が、長期にわたる津液の損耗から肺陰虚や脾陰虚が生じ、最終的には腎に影響して腎陰虚を引き起こしています

 腎は主水の臓であり、この主水の臓である腎陰の虧損によって体内の水分調節機能が破綻を来たしているため、たとえ梅雨時のような湿気が多い季節でも、六味丸系統の方剤を併用しないことには玉屏風散と猪苓湯だけでは体液の漏出をコントロールできないケースが多いものです。

 以上は、あくまで中医漢方薬学における一般論であり、現実に診て頂いている●●先生は、日本における中医学派の代表的な専門家(医師)ですので、信頼されてよいのではないかと思います。

【編集後記】 質問者の胃腸虚弱といわれる上記のメール内容からは中医学的証候を推測することはできないが、もしも脾虚水滞の兆候が顕著であれば、六味丸に含まれる地黄や熟地黄のような滋膩の生薬を用いると、ますます脾虚水滞を助長して胃もたれや軟便・下痢を誘発し兼ねない。

 それゆえ、たとえ腎陰虚が明らかであっても、補気建中湯などで脾虚水滞を治療する方剤の併用が必要となる。

 さらには、当帰や川芎が配合された抑肝散は、脾虚に対する白朮や茯苓の配合があっても、ときにアトピーに悪影響を及ぼす危険性なしとせず、ましてや脾胃気虚のレベルによってはますます胃腸症状を誘発し兼ねないので、配合には慎重を要する。

 但し、メールのお返事にこれらの注意点を書かなかった理由は、中医学の一流の先生に受診されているので、それなりの根拠があって投与されているものと思ったからである。

 しかしながら、通常であれば脾胃虚弱者に対する注意点として、上記の内容を念頭に置いて配合方剤を考えることは専門家として一般常識であるので、敢えて編集後記に記しておいた。

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IMGP6955 posted by (C)ヒゲジジイ

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2011年06月12日

5月の異変に意外にも三物黄芩湯が活躍

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FSC_2604 posted by (C)ヒゲジジイ

 三物黄芩湯エキス顆粒はもともと某社が製造販売されていたものの、流通量が少なく採算が合わないとて製造を打ち切って久しかった。

 そこで、ヒゲジジイが小太郎さんに新規製造許可を得るように強く要請していたところ、昨年、念願かなって補気建中湯などとともに新規の発売となっていた。

 今年の5月は例年に無くアトピーの新人さんたちの一時的な再燃や、数年ぶりに再発した人、とめはがつかなくなって遠路はるばる新たにやって来られた新人さんなどが目立った。

 その半数の人たちに三物黄芩湯が大活躍しているが、これも例年にない珍しい現象である。

 しかしながら、ジメジメした湿気が蔓延する梅雨時。
 三物黄芩湯や六味丸系列の方剤のように地黄の配合された方剤を使用する時には、体内に併存していることの多い重濁粘膩な湿邪が増長しないよう、細心の注意を払った配合が不可欠である。

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CSC_0567 posted by (C)ヒゲジジイ

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CSC_0761 posted by (C)ヒゲジジイ


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2011年06月09日

温め療法に熱中して熱中症になったらシャレにもならない

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IMG_9726 posted by (C)ヒゲジジイ

 冷えは万病の原因であると巷では喧伝され続けて久しい。
 たとえば、アトピー性皮膚炎の主因は「体内の冷え」であるそうなっ!???

 ニンニクを主体にした健康食品や生姜ブームが蔓延する昨今ではあるが、今夏は節電が奨励される過酷な時代である。

 猛暑の夏に、温め療法を続ける人たちが、同時にエアコンを節約して熱中症に罹り、あれよあれよと言う間に昇天されてはシャレにもならない。

 冷え過ぎるのも問題だが、温め過ぎるのも問題である。

 どうして中庸を保った考えができずに冷えばかりを問題視するのだろうか?

 この日本には幼稚な考えばかりが蔓延する。
 これが日本の国民性としたら、なるほどっとうなずけることがある。

 吉益東洞以来、日本の漢方はいつの間にか民間療法レベルに単純化され、体力のあるナシで処方を選定する幼稚な考えが定説となってしまった。

 複雑な陰陽五行学説を基礎に発展した中医学理論を荒唐無稽として蔑視する。

 だから、巷の医師達の投与する保険漢方の実体は見るに耐えない。

 五臓六腑の弁証すらチンプンカンプンの連中に投与される漢方薬。

 これが日本の最先端を走る最高の漢方薬だと信じ込まされている患者さんたちの多いことったらっ・・・実に噴飯物ではあるが・・・まあ、お好きにどうぞっ。

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IMG_9567 posted by (C)ヒゲジジイ

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タグ:温め療法
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2011年06月08日

平気でうそをつく人たち━虚偽と邪悪の心理学

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FSC_1395 posted by (C)ヒゲジジイ

 タイトルは書籍の題名で、草思社発行の「平気でうそをつく人たち」。
 副題は「虚偽と邪悪の心理学」である。

 日本の昏迷する政治状況を傍観していると、魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)している。

 なかでも最も唾棄すべきは、平気でうそをつく政治家たちが蠢(うごめ)いていることである。

 たとえば、うそつきの元総理が、うそつきの現総理をうそつき呼ばわりしたところで、うそつき同士の揉めごとなんて、もはや誰も二人を信用しないことだろう。

 翻って由々しきことには一般人の中にも彼らと同類の唾棄すべき人間が意外に多いことは言を俟たない。

 人間社会は常に争いが避けられない修羅の世界となるのも、そのようなうそつきが多いからである。二枚舌、三枚舌、挙句は四枚舌さえ見受けられる。

 ところが、うそつきは必ず地獄に落ちるとは限らないようだから、なおさら始末におえない(苦笑。

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2011年06月07日

どんなに功績があっても報われるとは限らない

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FSC_1088 posted by (C)ヒゲジジイ

 幕末維新史に燦然と輝く長州藩の精鋭「奇兵隊をはじめとする諸隊」は、戊辰戦争が終結するまでの6年半近く、多くの功績を残したことまでは有名だが・・・血で血を洗う倒幕が完了した後・・・意外にも、伊藤俊輔(博文)や山県狂介(有朋)など、一部の者を除いて悲惨な運命を辿る。

 一将功成りて万骨枯る(いっしょうこうなりてばんこつかる)とはまさにこのことで、その後の奇兵隊および諸隊の人々の辿った末路を思うに付け、同じ長州人として断腸の思いに駆られる。

 次元を異にするが、昨今、数十年来の常連さんが狭心症様の症状を訴える電話が入ったので、即刻病院で受診されるように強くアドバイスしたところ、病院に到着する頃には頓服で服用した牛黄製剤の効あって症状は雲散霧消していたが、念のため検査入院となった。

 結果は事なきを得てホッと一安心・・・ではあるが、その姉妹からは入院見舞いに行けと矢の催促の電話がかかり、前代未聞のこととて些かどころか大いに驚いた。

 前例のないこととて、主治医に迷惑がかかるので出来ない旨を伝えるが、後日になってもその姉妹からウジウジと「そんな冷たいところの漢方薬は二度と買ってやるなと言ったんだけどね〜」と嫌味な電話が続く。
 検査入院中に見舞いに行かなかったといって前代未聞の苦情を言い続けられるのだから、呆れ果ててものが言えない。

 三十数年来、病院嫌いの女性のありとあらゆる疾患を漢方薬ですべて解決して、今回の出来事もストレスによる一過性の狭心症だろうくらいの推察で、検査上でもまったく痕跡を残さず、血圧がやや高い以外には、あらゆる諸検査でまったく異常が見られない。
 ご本人からは感謝の言葉をしばしば聞くものの、その姉妹からはねっちりネチリと嫌味こそあれ、感謝のひと言も聞いたことすら皆無。

 ご本人はいまだに強く頼りにされているだけに、裏から姉妹による前代未聞の嫌味には腹を据えかねるが、ご本人のことを考えると見捨てるわけにも行かない。

 どんなに功績があっても恩をアダで返されるケースは、上はわが奇兵隊のような残忍な仕打ちを受けるレベルから、下は俗世間にもこのようにゴロゴロ転がっているものですね。

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posted by ヒゲジジイ at 00:07| 山口 ☁| 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする

2011年06月06日

東行庵に行って高杉晋作に再会したこと

東行庵の菖蒲
東行庵の菖蒲 posted by (C)ボクチンの母

 東行庵に辿り着く手前でトンビに出会い、

トンビ
トンビ posted by (C)ヒゲジジイ
 
 東行庵では高杉晋作と再会して地に墜ちた日本政府のテイタラクを報告し、

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IMGP6309 posted by (C)ボクチンの母

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IMGP6301 posted by (C)ボクチンの母

 帰りの途中には乃木浜総合公園に寄り道し、ヨシキリやダイサギを撮って、

ヨシキリ
ヨシキリ posted by (C)ヒゲジジイ

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IMG_4547 posted by (C)ヒゲジジイ

 ちょうど昼食時に帰宅して、食事を摂ったら急に疲れが出て夕方まで寝込んでしまった(苦笑。

東行庵の菖蒲
東行庵の菖蒲 posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 00:15| 山口 | 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする

2011年06月05日

救いようがない日本の漢方医学

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CSC_9284 posted by (C)ヒゲジジイ

 日本の漢方医学においては、いまだに「実は体力の充実している状態、虚は体力の衰えている状態」として、恬として恥じ入る風もない。

 たまたま「漢方医学」を検索して出て来た指導的立場にあるサイトで、このように書かれていた。

 こういう幼稚な概念でしか表現できない日本の漢方医学であっては、永久に進歩はあり得ない。

 「実は体力の充実している状態」という表現自体、錯誤も甚だしい。

 このような錯誤した概念で日本国中の医学部・薬学部の学生達が、漢方医学を学んでいるとしたら、クワバラ、くわばら・・・(冷汗

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CSC_9263 posted by (C)ヒゲジジイ


 
posted by ヒゲジジイ at 06:24| 山口 | 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2011年06月03日

日本語のむずかしさ

オオスカシバ
オオスカシバ posted by (C)ヒゲジジイ

 夕方5時、ヒマになったところでちょっと一休みのつもりで奥に入り、テレビをつけたら国会中継をやっていた。

 菅直人総理を追及する教養ある(と思っていた)某議員が、言質をゲンチと発音すべきところを、繰り返しさかんに「げんしつ」「げんしつ」というので、アレレッと驚いて、明らかに間違った言葉だが、誰も笑わないところを見ると???・・・辞書を引けば

「げんしち」「げんしつ」は誤読から生じた慣用読み。

 ということになっていた。通(どお)りで、独擅場(どくせんじょう)というべきところを、ほとんどの日本人が独壇場(どくだんじょう)という間違った表現をして恬(てん)として恥じない理由がよくわかった。

 これらも「一犬(いっけん)虚(きょ)に吠(ほ)ゆれば万犬(ばんけん)実(じつ)を伝う 」の類(たぐい)で・・・

 なるほどナルホドその伝でいけば、基礎理論があまりにも脆弱な日本の漢方界において、虚実中間証という錯誤した概念がまかり通るはずである(苦笑。

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GSC_5585 posted by (C)ヒゲジジイ

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2011年06月01日

現代日本残酷物語

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FSC_0400 posted by (C)ヒゲジジイ

 元気な間に身辺整理をしておくようにと、故郷を捨てた長男達に強く要請された老母達。

 常連さんの女性達の中に息子達からこのような残酷な要請をされた人が2名おられた。その息子達の一人は医師である。

 息子達から残酷な要請を受けた当時、彼女達は酷いショックでそれぞれに相談を受けた。

 そのお一人は既に長男から強引に二階に置いてある着物や書籍類をすべて処分されてしまったというっ!

 ヒゲジジイは8万冊の書籍をはじめ、たくさんのガラクタを溜め込んでいるが、愚息や愚娘には決してそのような口をきかせない。仮にもそのような口を聞こうものなら、往復ビンタを喰らわせてやる。

 お迎えが来るまで身の回りの大事な思い出の品々を整理する必要は断じてあろうはずがない。貴女達も同様にして、生き残ったものが整理すればよいのですよっと力説したものでる。

 数年前に二階に置いてあるものすべてを処分され、一人暮らしで九十歳近くになった三十数年来の常連さんは、とうとう今年になってまったく無音となった。
 もう一人は少し若いだけにまだまだ健在である。

 故郷を捨てた不届き者達が、どの面ぶら下げて言えるのだろうかっ。 

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IMG_8769 posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 00:03| 山口 ☁| 日本残酷物語 | 更新情報をチェックする