2011年05月03日

ご高齢者の関節リウマチに対する漢方薬の考え方

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KSC_6671 posted by (C)ボクチンの母

ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 50歳〜59歳の男性
簡単なご住所 : 東海地方
具体的な御職業 : 薬剤師
お問い合わせ内容 : 初めてメール致します。

 漢方は全くの独学であります。先生のホームページを見させていただいたり、本を読んだりしております。

 先生にリウマチの治療で教えて頂きたいことがありましてメール致しました。
 80台半ばの女性で、5年ほど前にリウマチを発症、高齢でもあり開業医の勧める、専門外来での生物学的製剤の治療を拒否しアザフフィジンとロキソニンのみで治療中されていましたが、午前中の腕の痛みとこわばりが強く、また冬場は特に悪く、体を温めると気持ちが良いと使い捨てのカイロを多用されていました。

 舌所見は、舌質は淡紅で痩薄、舌苔は中央部のみ薄い白色に黄色があり、全体の潤いはありません。
 両手首の関節は腫れ熱があります。桂枝二越婢一湯加朮附湯または疎風定痛湯に地竜が基本にはなると先生のホームページで見させていただきました。

 高齢で舌の痩薄と乾燥が気になり、このような時には六味丸などを追加すべきなのでしょうか、それとも関節の腫脹があり追加しない方がいいのせしょうか。
 口渇は高齢のためかありません。

 先生のご助言を頂ければ幸いであります。どうかよろしくお願い致します。

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DSC02742 posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:拝復

 文面を拝見する限りでは、舌証のご報告からも気血両虚に肝腎不足の風寒湿痺の典型的な証候のように思われます。
 つまり独活寄生湯証が主体で、患部の熱証に対しては「適量の地竜」を適宜加えて対処できるように思います。

 あくまで「適量の地竜」であって、ときとして地竜が過度に冷やす場合は不要になる時期もあるかもしれません。といっても、患部の熱証が強い場合は、地竜は不可欠となるケースも多々あり得ます。

 ご高齢者にはときとして桂枝二越婢一湯加朮附湯中の麻黄や石膏などが差し支える場合もあり得ますので、なるべく使用を避けたいものです。
 
 以上、簡単ではありますが、取り急ぎお返事申し上げます。

KSC_5163
KSC_5163 posted by (C)ボクチンの母

おり返し頂いたメール:早々にご返事いただき、しかも本当に貴重なご指導をありがとうございました。
 村田先生からご返事をいただき感激し興奮しております。

 独活寄生湯は以前、本で痛痺に用いる漢方薬と読んだことがありましたが、まだ使用経験はなく、先生から教えていただき、調べたらクラシエからのみ販売されていました。
 早速使わせていただきます。

 先生のHPは銀翹散を調べていて偶然に発見し、以来、頻繁に(ほぼ毎日)拝見させていただいております。非常にクリアカットに説明される漢方理論に、気がつけば引き込まれ、先生のお書きになったページをあちらこちらに飛び回っており、そして、非常にありがたく読ませていただいております。未熟な薬剤師でありますが、これからも先生のご指導を賜れたならばこの上ない幸せであります。どうかよろしくお願いいたします。

 先生におかれましては、さぞやお忙しい日々をお送りのことと思いますが、病気で苦しむ方々のみならず、私も含め医療に携わる人々にとっても大切なお方であります。
 どうかご自身のご健康にも留意され1日も長く現役を続けられ、先生のクリアカットな漢方理論や厳しくも至極当然であるご意見を今後も発信され、我々を導きくださるよう切に願っております。

 本当に先生のHPを観てよかったです。ありがとうございました。
 また、先生に独活寄生湯を使用した結果をメールさせていただいてもよろしいでしょ
うか。

FSC_7245
FSC_7245 posted by (C)ヒゲジジイ

おり返しヒゲジジイのお返事メール:当方のブログやHPを読んで頂いているとて、少しでもご参考になれば幸いです。

 ところで、ご参考までに、独活寄生湯はクラシエさんだけでなく、イスクラさんこそ早くから独歩丸などの変名で発売されています(苦笑。

 ともあれ、理論通りに患者さんに効果が出てくれるとよいですね。

 例によって後日、ブログに利用させて頂きますので、悪しからずご了承下さいませ。

KSC_6730
KSC_6730 posted by (C)ヒゲジジイ

おり返し頂いたメール: 先生のブログに載せていただけるなんて光栄であります。どうもありがとうございます。

 独活寄生湯はイスクラさんからも出ており、そちらの方がが早かったんですね。実は、以前に先生のHPを拝見し、良質の銀翹散製剤がほしくてイスクラさんに販売の許可を申し入れたのですが、市内にすでに扱う薬局があることを理由に協力会から入 会を断られました。先生がお薦めの良質の銀翹散製剤がほしかったのですが残念でした。

 仕方なく銀翹散製剤はクラシエさんとウチダ和漢薬さんのものをおいて、もっぱら自分が飲んで効果を具合を比べています。
 友人の医師にも勧めたところたまに買いに来てくれますし、さらにその医師が患者にも紹介してくれて、「先生に言われた」と買いに来られることもあります。が、私が飲んでいる方が売れるよりも絶対に多いと思います。店主が休むわけにはいきませんから。

 先生、本当にありがとうございました。
 今後もご指導くださいますよう改めてお願い申し上げます。

KSC_6730a
KSC_6730a posted by (C)ヒゲジジイ




posted by ヒゲジジイ at 08:28| 山口 | 各種膠原病や関節リウマチやシェーグレン症候群など | 更新情報をチェックする