おとうさんの膝の上 posted by (C)ボクチンの母
桂枝茯苓丸の名誉のために敢えて書いておきたい。
昨今、漢方薬の知識がほとんどないまま、保険漢方で人気を取りたい医師たちの桂枝茯苓丸の誤投与は目に余るものがあるとはいえ、正しく使用する限りにおいては、その有用性は計り知れない。
体質が適応すれば高血圧にも多少の効果が出る場合もあり、適応を誤れば癖のある方剤だけに多少とも不快反応が生じることも希ではない。
昨年も漢方にシロウトの医師から桂枝茯苓丸を誤投与され、主訴の眼精疲労と体力低下をますます悪化させていた女性に、補中益気湯に杞菊地黄丸を併用して服用してもらったところ、超速効が得られたが、中気下陥に肝腎陰虧が併存していたのである。
ところが、このような弁証論治が可能な市井の医師は、まだまだ極少数であろう。
実際のところ、保険漢方を投与しながら、瘀血や水毒は知っていても、中気下陥や肝腎陰虧という専門用語すら知らない医師の数は想像を絶するほどであろう。
それにしても、いまだに体力が中程度だの、中程度以下、あるいは体力が中くらい以上などの基準で方剤の選択がなされるという、実にあやふやな基準がまかり通っている堕落した日本漢方の現状には目を覆いたくなる。
ともあれ、桂枝茯苓丸の有用性と諸注意は既に他のブログで書いているので以下を参照されたい。
※桂枝茯苓丸(基本方剤の研究)
※桂枝茯苓丸料 (桂枝茯苓湯)
※桂枝茯苓丸の問題点
※体質によっては桂枝茯苓丸の単独使用は思わぬ弊害をもたらすという現実
※牛膝散製剤と補中益気丸(党参入り)で正解だった桂枝茯苓丸の誤投与
※桂枝茯苓丸の単独使用は思わぬ副作用をもたらすことがあるのは本当か?
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ラベル:桂枝茯苓丸