2011年02月01日
家庭の名医
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重症化したアトピーで本州の端に辿り着き、苦労に苦労を重ねてようやく寛解する頃には、いつの間にか様々な漢方薬の配合変化の折に服用した経験から、様々な処方運用に習熟した人達が意外に多い。
未婚の娘さんだったり、子供さんもおられる家庭の主婦だったり。
いつの間にか、それぞれのご家庭の名医になっていることに思わず微笑んでしまうことがある。
お父さんが夕食後に急性蕁麻疹に見舞われて、明日は病院に・・・という時に、さっそくお嬢さんが、まあ〜これでも試しに飲んでみたら、と言って渡したのが茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)で、速効を得たという例は実に多い(笑。
自身が連用中の方剤を急性蕁麻疹の両親に提供して速効を得て、ご両親までが大の漢方ファンになった例も珍しくない。
胃痛の父親に自分が使用している四逆散製剤あるいは小陥胸湯加味製剤や延年半夏湯製剤を指南する娘さん。
子供さんの口内炎に(過去アトピーで自分が使用していたことがある)茵蔯蒿湯を飲ませたら速効があったと報告されたお母さん。
ご主人が残業で疲労困憊で帰宅したのはよいが、咽喉腫痛を訴えてひどい悪寒とともにぐったりしているので、手持ちの補中益気湯に天津感冒片(銀翹散製剤)を併用させたら、明くる日にはケロリと治っていたと報告された例もある。
本来なら気虚感冒に適応する参蘇飲に天津感冒片の併用であるべきところを、気虚下陥の補中益気湯で代用することで著効を得た実例である。
その家庭の名医さんから先日、今年の冬は例年にない寒さのせいか、子供さんがひどいシモヤケがたくさんできたが、手持ちの漢方薬で何か有効なものはないだろうかと問い合わせメールが入った。
本来なら当帰四逆加呉茱萸生姜湯であるべきだが、お手持ちの補中益気湯や衛益顆粒(玉屏風散製剤)でも効果が出るかもしれない・・・とお返事していたところ、先ほど
「娘のシモヤケに補中益気湯を飲ませていたら、あんなにたくさんできていたシモヤケが1週間くらいですっかりなくなりました。漢方の力に感謝の毎日です!」というメールが送られて来た。
ご自身も一年以上の長きに渡る試行錯誤を伴う大変な苦労の末、ようやく消風散合大黄牡丹皮湯で、さしもの重症だったアトピーもほとんど寛解に近い状態に漕ぎ着けている。
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posted by ヒゲジジイ at 23:25| 山口 ☁| 漢方薬や漢方系健康食品の長期連用によるメリット
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