2011年02月27日
癌転移予防の抗癌剤および転移癌における抗癌剤(原発は虫垂癌)
シジュウガラ posted by (C)ヒゲジジイ
タイトルの問題について参考になる文献が文藝春秋3月号に、近藤誠氏が書いているので読んで欲しいと切り抜いた記事を持参された。
既に一年半近く当方の漢方薬類を免疫力アップの目的で本腰を入れて利用されている。(ある理由から当初は何度もお断りした経緯もあった。)
初めて来られた当時は、原発の固形癌(虫垂癌)の手術後に発した転移巣が複数あり、腹水なども伴って全身状態があまり芳しくなかった。
主治医から極めて厳しい宣告を受けておられた人だが、その後、転移巣の多くが消失したかに見えた時期がしばらく続いた。
ところが、しばらく前に一部に転移巣が再度出現し、医師の奨めによって抗癌剤治療を受けたが、抗癌剤の効果は一向に見えない。
しかしながら各種の本腰を入れた漢方薬類の連用のおかげか、副作用もほとんどなく、白血球も正常を保ったまま、各部の転移癌による自覚症状こそまったくない。
このような折に、上記の近藤誠氏の記事を読まれ、医師の奨めるまま、あらたな抗癌剤治療を続けてもよいものだろうか、という疑問が生じたといわれる。
一年半前の医師の宣告とは裏腹に、その頃とは別人のように健康体そのものの状態であれば、近藤誠氏の理論によれば、抗癌剤治療は却って寿命を縮める可能性が出て来ることになる。
過去、漢方薬類を常用されて以後、とても状態がよくなっているからといって、医師の奨めにしたがって強い抗癌剤治療を行なったために、明らかにそれがアダになった転移癌患者さん達に数知れず遭遇している。
近藤誠氏が「寄せては返す波の音」のように繰り返し発言されている内容は、尤もな事だと思われてならない。
IMGP7208 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 19:03| 山口 ☁| 大腸癌・直腸癌・虫垂癌による転移ステージ4・腹膜播種・腹水など
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2011年02月26日
投与された病院の主治医にご相談下さいっ!
IMGP6272 posted by (C)ヒゲジジイ
昨今は巷のほとんどの病院のみならず診療所でも安易な保険漢方が投与され、ピント外れの方剤による不快反応による苦情が多く、主治医に遠慮して、当方のような漢方専門薬局にお問い合わせ電話が絶えない。ありがた迷惑の極みである。
巷の病院ではかなりな比率で漢方薬の誤投与が横行しており、聞くにに耐えない問題ではあるが、合成医薬品のような重大な副作用はほとんどあり得ないので「投与された病院の主治医にご相談下さい」と答えて関わりを避けている。
麻黄湯や小青竜湯の乱用のみならず、昨今は大建中湯の乱用も目に余る。
心臓疾患や高血圧を持つ高齢者にも麻黄湯を平気で投与されるお医者さんたちの勇気には、心から脱帽する。
無知ほど怖いものは無い、などというあまりにも正鵠を射るがごとき失言は、口が裂けても漏らしてはならない。ビギナーズラックは漢方の世界でも実際にある。
現実にあった事例として、高血圧と心疾患を持たれるご老人が「寒気を覚えたときに服用すると直ぐに身体が温まってとても重宝している」ということで、主治医がいつもたくさんくれて余っているからお前達も利用せよ、とてそれを貰って来た中年世代の娘さん。
「どうしたものだろう?」というご相談には・・・なんと答えるべきやっ・・・やっぱり主治医にご相談下さいっ!
ともあれ、内緒でこのブログだけには無難な正解を書いておこう。
心疾患や高血圧体質のご老人では、一時的に麻黄湯の適応証があるように見えても必要最小限に留めておくべきで、もしも不必要に連用すれば、麻黄湯特有の副作用が出る可能性がとても高い。
IMGP6795 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 00:11| 山口 ☁| 病院の保険漢方による誤投与あるいは危険な配合
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2011年02月22日
大柴胡湯で生理痛が楽になったお話し
IMGP6154 posted by (C)ヒゲジジイ
おたより:東海地方の内科医師
30代後半の女性です。ちょっと太っていて(患者さんのお話ではお産をして10kg以上太ってしまったそうです)肩コリ・便秘と体重をなんとか減らしてください、とのことで約1カ月まえに受診なさいました。
舌はうすく黄色の苔、みぞうちに痞えがあり、胸脇苦満もありました。大柴胡湯を処方しました。
2週間あとの再診で、便秘が改善し肩コリが消失したそうでした。これは著功例かもしれないと考え、おなじく2週間処方しました。そして本日受診されました。
患者さんは開口一番、「いままで生理がめちゃくちゃでひどくつらかったですが、今回の生理はすごく楽でした。あのくすりはそちらにも効くんですか」とのことでした。
私も、生理困難症があると初めからお聞きしていなかったので、「そんなこともあるのかな」と心の内で思いながら、患者さんには、「よくあることのようですよ」と口から出ていってしまいました。
つぎに患者さんは、「これだけいろいろ良くなるのであれば、きっと体重も減りますよね」とおっしゃいました。
「いちおう運動してくださいね」とお返事していました。
村田さんの長年の経験症例のなかでは、このような事例はけっして珍しくはないと思いましたが、やはり「漢方薬恐るべし」と実感しました。
それから、このブログ上で恐縮ですが、関東で開業準備なさっている先生(ひょっとして開業なさったかも)のご健闘を祈願しております。
漢方の世界は大変面白いですし、やりがいたっぷりです。
スズメ posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:ブログへのご協力ありがとうございます。更新を怠っていたのでさいわいですっ!
関東の先生も今月初旬に開業され、千客万来で目下大忙しのことと思います。落ち着かれたらきっとブログにも御報告頂けることと楽しみにしています。
ところで、御報告頂いた大柴胡湯による生理痛に対する効果、漢方薬は実に面白い・・・実に同感です。
四逆散ではしばしば経験することですが、大柴胡湯にも四逆散と同様に柴胡、芍薬、枳実が配合されていますので、四逆散と同様の調気疏肝作用により、肝気鬱結が解消され、これによって筋膜の柔和を得て月経困難症が改善されたものと思われます。
以前、子宮内膜症による生理痛が激しい人に、意外にも芎帰調血飲第一加減では生理痛にはまったく効果がなく、そのかわりに重度の顔面の吹き出物は短期間で消失しました。なんとも不思議なこともあるものです。
そこで方剤を変えて四逆散に切り替えた途端、あの激しい生理痛が雲散霧消してしまいました。
このような奇妙な経験もしています(苦笑。
IMGP5471 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 21:23| 山口 | 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実
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2011年02月19日
多量のCa沈着のために冠動脈カテーテル治療(PCI)が困難な人達の漢方薬
IMGP4986 posted by (C)ボクチンの母
胸苦しさが続き心筋梗塞の診断で入院されたやや高齢の女性。
カテーテル治療を行なったものの多量のCa沈着のために冠動脈カテーテル治療(PCI)は失敗に終わった。
投与される合成医薬品では胸苦しさは取れず、以前、ご主人の心疾患と高血圧治療のサポートとして購入されていた上質の牛黄製剤を服用したところ、期待通りの即効を得て無事退院できた。
ロータブレーターによってCa沈着部分を削り取る設備も認可も受けてない医療機関がいまだに多いらしく、ロータブレーターの設備のあるところでなければ治療は不可能らしい。
牛黄製剤使用後は何とも言えない胸苦しさが完璧に消失しているので、他の漢方薬の併用とともに牛黄製剤を常用していかれることになった。
入院治療で何の効果も出ず、入院中の牛黄製剤の服用によってのみ病状が改善された事実は誰も否定できない。
それで思い出すのが十数年前、同様のCa沈着のために何度も冠動脈カテーテル治療(PCI)を試みても失敗に終わった女性が、人に紹介されて来られたのはよいが、牛黄製剤や麝香製剤などを奨めると、このようないかにも医薬品らしい漢方薬は御免蒙りたいと言われる。
医薬品らしくないおだやかな漢方薬で冠動脈カテーテル治療(PCI)が成功するように血管を柔らかくしてほしいという、無理難題に近い依頼である。
ところが当時、タバコを吸って閃くものがあり、現在では第3類医薬品に属する漢方系の医薬品とともにある種の健康食品を併用してもらったところ、数ヶ月後、これまで再三再四失敗してきた冠動脈カテーテル治療(PCI)が見事成功。
以来、十数年、同様の内容を現在も継続して二度と再発することがない。
上記の女性にも同様の内容の併用を奨めているのだが、冠動脈カテーテル治療時の血管の入り口が化膿した。そのために随分難儀した問題もあって同様の治療方法は懲り懲りされている。
それゆえ、当面はカテーテル治療は考えず、少なくともしばらくは速効性のあった牛黄製剤を持続されることになるだろう。
同じく冠動脈カテーテル治療(PCI)が困難だった女性。
既にペースメーカを入れており、八十歳を超える高齢のためにあらゆる西洋医学治療は困難を極め、上質の牛黄製剤や麝香製剤の即効だけが頼りとなり十年以上も元気でおられたが、数年前から音信が途絶えた。
ともあれ、我が薬局ではこの金曜日は送り注文が少ないかわりに直接の来訪者が続き、夕方には疲労困憊で上質の牛黄製剤のお陰で何とか無事生き延びることができた。
ヒゲジジイ自身も日々牛黄製剤の恩恵を深く蒙っているが、この金曜日にも漢方薬の効果を心から喜んでくれる人達が続いて精神的には救われている。
上述の心筋梗塞の牛黄製剤の即効例のみならず、腎不全の兆候があった人が半年前よりクレアチニンもBUNも完全に正常範囲を持続するようになり、めでたく社会復帰。
5日前の新人さんが、僅かこの5日間でも明らかな効果を得て報告と補充に来られていた。
諸症状のために牛黄製剤等様々な漢方処方を利用されている同年代の方が漢方薬だけで血圧がほぼ安定していることなど。
漢方薬は体感的に自覚症状が軽減されるて体調が良好に感じる反応が出れば、明らかに方証相対(日本漢方用語だが)している証拠であるから、体調がよくなると同時に「免疫力」こそ向上するに違いない。
それゆえ、長期に亘って漢方薬を利用されている人で、癌や悪性腫瘍が出現したケースは村田漢方堂薬局で観察する限りでは極めて希である。
ともあれ、金曜日にしては充実した内容とはいえ、やっぱり疲労困憊の1日で老体には応えた。
DSC_9186 posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 00:06| 山口 ☁| 心筋梗塞および狭心症
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2011年02月18日
天候不順と一緒で仕事量も日毎に激変っ!
高感度撮影 ISO12800 posted by (C)ヒゲジジイ
今週は予想外に月曜日がヒマで火曜日と水曜日が激変、とりわけ水曜日には常連さんたちの送り注文が激増し、店頭にも常連さんやお馴染みさん、あるいは電話での応対が重なって・・・それにメールの応対も加わって老夫婦二人で死ぬかと思った(苦笑。
トウゼンこの日にも「ちょっとお訊ねですが・・・」の電話は毎度のこと。
午後二時にようやく時間が空いて遅い「朝食」をとろうとしたら・・・典型的な解毒症体質の新人さんが来られて遅い朝食はお預けっ。
よくぞ生きてたな〜っ。
木曜日はお陰でヒマになり、ホッと一息と思いきや、午後遅くなって常連さんや二度目の人達など延長戦となって神経が昂ぶり、この時間になっても目が冴えたまま・・・明日はまともに身体が保つのだろうかっ?
もともと水曜日と木曜日、金曜日は割合暇で、のんびりと漢方相談が出来る日頃であるが、今週の水曜日ばかりはほんとうに倒れるかと思った。
仕事をするからには、見かけによらず全精力を注ぎ込んでしまうから疲労も甚だしい・・・というよりもいよいよ心身ともに老い耄れた証拠に違いない。
むかしは仕事を終えて、夜はチヌを求めて釣りに出かけ、ほとんど徹夜しても平気だったのに・・・(泣。
IMGP6969 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 01:35| 山口 ☔| 繊細でデリケートなヒゲジジイ
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2011年02月16日
小青竜湯で主訴に効果がありながら副作用
IMGP1203 posted by (C)ヒゲジジイ
ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 30歳〜39歳の女性
簡単なご住所 : 関西地方
お問い合わせ内容 : 産後風邪を引くと気管支炎からマイコプラズマ肺炎になる事が多くなり、処方箋薬が全く効かず、病院を変えて見ましたら小青竜湯の漢方を頂きました。
1回目服用後、胃の弱い私はすぐに胃もたれ、吐き気、がしました。
2回目服用後、顔面蒼白、胃痛、吐き気が続き、3回目服用後には、激しい気管支炎特有の咳はなくなり快適になりましたが、その後、胃の調子が悪く、便秘と太っているので下痢は嬉しいのですが、胃の痛み、食欲不振、口・喉の渇きが続いています。
気になるのでもう一度医者に受診し、副作用の話をしましたが、漢方薬の副作用は聞いた事がないしもうもう少し続けて見てと言われました。
初めての小青竜湯なのですが、このまま続けても大丈夫でしょうか?
もし服用を停止する場合、どのぐらいでこのような胃の症状はなくなるでしょうか?
IMGP1212 posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:
「漢方薬の副作用は聞いた事がない」とはハテナ?です。
麻黄の配合された漢方処方は体質によっては軽度の副作用は十分にあり得ます。
もう一度、主治医によく相談された方がよいと思います。
但し、咳に効いていながら副作用が出るとは不運と思えますが、胃腸に対する副作用が強そうで 「このまま続けても大丈夫」かどうかは、こちらでは分かりません。
やはりもう一度、主治医にしっかりご相談して見て下さい。
取り急ぎ、お返事まで。
K-r posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 00:02| 山口 ☀| 小青竜湯の誤投与や乱用による不快反応や副作用
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2011年02月15日
昨今、吐き下しや下痢・発熱が巷では流行っているようだが・・・
DSC_9146 posted by (C)ヒゲジジイ
寒い冬なのに、あるいは寒い冬なればこそかもしれないが、ノロウイルス感染を思わせるような下痢発熱や吐き下しの症状が流行っているらしい。
常連さんやお馴染みさんが、知人や友人達が、吐き下しや下痢発熱する人などが多いが、自分がなったら何を服用したらよいか、以前、教えてもらっていたが念のため、また教えて欲しいという依頼が続く。
多くは五苓散や胃苓湯証、あるいは藿香正気散証を呈するものだが、素人さんには見分けは付かないだろうし、合併していることも多いので、手っ取り早くは五苓散と藿香正気散を併用して、板藍茶で服用すれば、うまくいけばかなりな即効がでるはずだと指南している。
漢方ファンなら当然の如く、五苓散や藿香正気散、あるいは胃苓湯製剤などは常備薬である。
DSC_9147 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 00:21| 山口 ☔| 漢方薬や漢方系健康食品の長期連用によるメリット
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2011年02月13日
荒れた天気でも千客万来の土曜日
写真を撮られるのが好きなヒヨドリ(本当の話) posted by (C)ヒゲジジイ
天気予報どおり荒れ模様の天気だったが、早々から続いて常連さんやお馴染みさんの男性達が漢方薬の補充に来られる。
前日がお休みだっただけに、荒れ模様にも関わらずお年寄りのお馴染みさんすらやって来られる。
ご主人が高齢(90歳前?)になられ、昨今は身体がスッカリ弱って何とならないだろうかと先日御相談に来られた折、(生まれる以前から知っているご夫婦だけに)例によって牛黄製剤を奨めていたところ、即効で元気になられ、一生続けさせたいということで奥様が補充購入に来られていた。
この嵐の中、転倒されなければよいがと少し不安になった。
(多くのご高齢者が同様に、各種存在する牛黄製剤の中から適切な製剤を常用されれば、ボケずに元気で長生きできる可能性がとても高いように思われるが、やや高価なものだけに牛黄製剤の恩恵を受けられるのは一部の人に限られるようだ。)
ところで、関西から来られた人は、今朝方はまだあちらでは雪を見なかったのに、新幹線の窓から広島で雪がはげしく降っているのを見たといって驚いた様子。
同じ関西近辺の人で、先日の相談兼補充に来られた折に、補充し忘れた薬を購入に来られる予定が、高速道路が一部不通となって来られないというメールもあった。
しかしながらこの荒れた天気の中、やや遠方の人達もいつものように来られた人が多かったので3時間ぶっ通しで途切れることがなかったとはいえ、不思議に定刻で終わった。
延長戦がなかったのは久しぶりかもしれない。
その間にはセッカチそうなお問い合わせ電話には、いつものように受付嬢が気を使いながらお断りしていた(苦笑。
IMGP6456 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 00:20| 山口 ☁| 漢方薬や漢方系健康食品の長期連用によるメリット
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2011年02月11日
明日は全国的に雪が舞うそうなので遠方から来られる人は場合によっては・・・
DSC_8414 posted by (C)ヒゲジジイ
明日は全国的に雪が降るらしいので、遠方から来られる予定の人が何名かおられるけど、場合によっては中止しなければならない事態もあるかもしれない。
下関は意外とそれほど気温低下は厳しくないようだが、それでも明日は3〜5度レベルで推移する予報が出ている。雪も降ると予報されているが、この気温なら積もることはないだろう。
明日の土曜日は例によって半ドンで、朝9時から昼12時までだが、ギリギリまで受け付けているので、毎週土曜日は延長戦が恒例行事になっている。
明日予定している人は、無事に往復できることを祈るばかりだが、一部で交通網が麻痺するようであれば、やはり中止される勇気も必要かもしれませんね。
といっても一月に寒さが厳しい日々が続いていたので、下関へ向かう交通網は慣れっこになって案外問題なく・・・と書いていたら雷がゴロごろっと呻いて通り去った。
DSC_8191 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 23:31| 山口 ☔| 繊細でデリケートなヒゲジジイ
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2011年02月10日
アトピー性皮膚炎の懲りない面々
DSC_7992 posted by (C)ヒゲジジイ
遠路はるばる関西から新幹線に乗って、昨年秋から通っているアトピーさんが、来られる度に痒みが減り、乾燥も減り、滲出液も完全に止まって、昨日の朝もみかけはほとんどアトピーと分からなくなって、こちらもホッと一安心。
ご本人も最近は六味系列の方剤と猪苓湯の配合比率の微調整実験のコツが分かってちょうどよい比率が見つかったということで、意外に勘のよい人だったと喜んでいたところ、いつになく腕の辺りをボリボリと掻いている様子が目に付く。
いつになく掻いているがどうしたの? と詰問すると、何だか今日に限って少し痒いけど、普段は昼間に痒くなることは滅多になくなっていたんだけど・・・
ところが何とナント、朝方に豚キムチを食べてやって来たというではないかっ!
先日も、丸一年、10日毎に往復8時間の遠路を通い詰めて、ようやく一定の安定した効果が持続するようになって社会復帰出来た重症のアトピーだった人が、こちらが気が付かない間に髪を茶色に染めているっ!
二度と髪を染めてはイケナイとあれほど口を酸っぱく注意していたのに、性懲りない面々である。
帰宅後にメールで追っかけて強く注意したら「自己責任でやってます」と来たっ!
呆れて物が言えない連中である(苦笑。
懲りない面々でも意外に面倒見がよいヒゲジジイ・・・最初の怖さが無くなって、意外にワガママが通用するジジイだと侮られている可能性無きにしも非ず(泣。
DSC_3827 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 00:25| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2011年02月09日
桂枝茯苓丸は正しく使用する限り有用性は計り知れないが適用を誤ると問題もある
おとうさんの膝の上 posted by (C)ボクチンの母
桂枝茯苓丸の名誉のために敢えて書いておきたい。
昨今、漢方薬の知識がほとんどないまま、保険漢方で人気を取りたい医師たちの桂枝茯苓丸の誤投与は目に余るものがあるとはいえ、正しく使用する限りにおいては、その有用性は計り知れない。
体質が適応すれば高血圧にも多少の効果が出る場合もあり、適応を誤れば癖のある方剤だけに多少とも不快反応が生じることも希ではない。
昨年も漢方にシロウトの医師から桂枝茯苓丸を誤投与され、主訴の眼精疲労と体力低下をますます悪化させていた女性に、補中益気湯に杞菊地黄丸を併用して服用してもらったところ、超速効が得られたが、中気下陥に肝腎陰虧が併存していたのである。
ところが、このような弁証論治が可能な市井の医師は、まだまだ極少数であろう。
実際のところ、保険漢方を投与しながら、瘀血や水毒は知っていても、中気下陥や肝腎陰虧という専門用語すら知らない医師の数は想像を絶するほどであろう。
それにしても、いまだに体力が中程度だの、中程度以下、あるいは体力が中くらい以上などの基準で方剤の選択がなされるという、実にあやふやな基準がまかり通っている堕落した日本漢方の現状には目を覆いたくなる。
ともあれ、桂枝茯苓丸の有用性と諸注意は既に他のブログで書いているので以下を参照されたい。
※桂枝茯苓丸(基本方剤の研究)
※桂枝茯苓丸料 (桂枝茯苓湯)
※桂枝茯苓丸の問題点
※体質によっては桂枝茯苓丸の単独使用は思わぬ弊害をもたらすという現実
※牛膝散製剤と補中益気丸(党参入り)で正解だった桂枝茯苓丸の誤投与
※桂枝茯苓丸の単独使用は思わぬ副作用をもたらすことがあるのは本当か?
DSC07228 posted by (C)ボクチンの母
ラベル:桂枝茯苓丸
posted by ヒゲジジイ at 00:49| 山口 ☔| 桂枝茯苓丸の有用性と副作用
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2011年02月08日
主治医は漢方薬について正しい知識を持ってるのかな?
シロハラが睨み付けて飛んでいくっ! posted by (C)ヒゲジジイ
ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 40歳〜49歳の男性
ご職業 : 会社員
簡単なご住所 : 関東地方
お問い合わせ内容 : こんにちは。
現在病院から処方されている漢方薬・桂枝茯苓丸 他について伺います。
私について簡単に説明します。4●歳、男性。20代後半から現在に至るまで、中性脂肪が300台と高い数値であり、また肝機能も非常に高い数値となっています。
身長1●●cm、70kgのガッチリ型の体格です。10年ほど前から顔の鼻を中心とした両頬が真っ赤になり、顔の皮膚もボロボロに荒れた状態です。
皮膚科でアトピーと診断され、評判の良い皮膚科と聞けば遠方でも通いましたが、殆ど効果の無いまま10余年が過ぎ、最近では諦めの境地でした。
更に4年ほど前からストレスによるものか血圧が上がり始め、150/90台後半で落ち着いて?おり現在推移しています。
前置きがスッカリ長くなってしまいいましたが、ここからが本題です。
そんな状況の中で、ある病院がアレルギー疾患について非常に評判が良いと聞き訪問してみました。先生は私の顔を見た瞬間に「血圧高いね」と言いました。
私は顔の赤みとボロボロの皮膚を診て貰いたいと話したところ、その赤みは「瘀血」によるものでアレルギーではないとの診断でした。早速「桂枝茯苓丸」と血圧降下剤を処方され帰宅して早速飲んでみたところ、僅かな時間で胸に違和感を覚えました。
最初は違和感だったのですが、飲む度に胸が苦しくなっていき、血圧も急上昇していきます。
病院に問い合わせても当番医が「桂枝茯苓丸で血流を良くする効果はあるけど、血圧は上がらない」と断言するし、血圧がネットで桂枝茯苓丸を調べてみても、血圧が上がるなどの情報は皆無です。
唯一貴店だけが「桂枝茯苓丸の問題点」として取り上げておられました。
このことから、多数の知識と経験をお持ちのことと考え質問している次第です。
桂枝茯苓丸は確かに血流を良くする効果があるようですね。であれば、医学のことは何も知らない私でも、詰まりかかったホースに勢い良く水を流したらどうなるのか程度は想像は付きます。
早速担当医が出勤した日に訪問すると、次に「ツムラ当帰湯」と「ツムラ人参養栄湯」を血液がサラサラになると処方されました。
すると人参養栄湯は1.5gで胸が苦しくなりましたが、当帰湯は胸の苦しさはありませんでしたので、引き続き当帰湯と血圧降下剤を飲んでみませんか?と言われています。
ところが効能を調べてみると当帰湯は、私の症状に効果があるのか?疑問です。
降下剤も出来るだけ少なく抑えてくれたりと、医師の一生懸命な気持ちは伝わってくるのですが、私にすれば「漢方薬について正しい知識を持ってるのかな?」と不安が先に立っています。
最初から合う処方は難しいとは思いますが、何か医師の方向が片手落ちになっているような気がしてなりません。
先生は如何お考えになりますでしょうか?ご意見を賜りたく。
IMG_1174 posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:桂枝茯苓丸は適応を誤ると不快反応が出るケースがありますが、多くは病院の医師から出された漢方薬で遭遇する機会がとても多いものです。
その理由は、多くの医師が漢方知識が浅いためと、もう一つは桂枝茯苓丸のエキス製剤には、本来は桂枝を使用すべきところを辛甘で大熱で腎陽を強く温補する桂皮=肉桂が使用されているからです。
桂皮は腎陽を強く温補するだけに過剰に投与すると、時に血圧を上昇せしめることがあるのは常識といえます。
のみならず、瘀血(オケツ)がほとんど存在しない場合に桂枝茯苓丸を投与すれば、何らかの不快反応が生じても不思議はありません。
ところで、高血圧のレベルはそれほどひどいとは思われませんが、それにしても顔面が真っ赤で血圧もやや高い人に、いずれも温補剤の人参養栄湯や当帰湯が投与されるとは、漢方を本当に勉強している医師であれば、ほとんどあり得ないと思います。
但し、冷え症、寒がりでいつも厚着をしているような体質であれば、これらの温補剤が適応する場合もあり得ますが、この場合には顔面に対する別の方剤の併用がほとんど必須となるように思いますが、何せ深いところの体質が分からないので断定はできません。
なお、桂皮はいずれの方剤にも含まれていますが、桂枝茯苓丸にもっとも多量に含まれています。
以上、取り急ぎお返事まで。
【編集後記】もしもこの患者さんが実熱証の体質者であれば、人参養栄湯や当帰湯は明らかな逆効果であり誤投与となる。
ともあれ、日本漢方の知識が浅い人にもっとも多い困った問題は、寒熱に対する認識不足が顕著である傾向が強い。
常々唱える「臓腑経絡ごとに寒熱虚実の弁証分析は必須である」と言ったところで、基礎知識の部分であまりにもレベルがかけ離れすぎているので、馬の耳に念仏である。
ジョウビタキ(メス) posted by (C)ヒゲジジイ
ラベル:桂枝茯苓丸 多くの医師が漢方知識が浅い
posted by ヒゲジジイ at 12:53| 山口 | 桂枝茯苓丸の有用性と副作用
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2011年02月07日
頑固な慢性疾患は五臓六腑の寒熱虚実が異なっている
飼い主の足にぶら下がって抱っこをせがむボクチン(笑 posted by (C)ボクチンの母
頑固な慢性疾患は五臓六腑の寒熱虚実がそれぞれにバラバラに異なっていることが多く、それゆえに西洋医学治療はおろか、一般的な日本漢方ではビクとも改善しないことが多い。
常々ブログでも書いていることだが、先日も東海地方の内科医の先生とお電話で話したばかりである。
東海の先生も、患者さんの中に臓腑経絡ごとに寒熱虚実がバラバラに異なっている病態に遭遇されているというお話。
さもありなむっ
中には直ぐには分析できないほど五臓六腑の寒熱虚実が複雑に錯雑しているケースもあり、正確な弁証論治を心がけつつ適切な漢方薬方剤の配合を熟慮し、時には数ヶ月〜半年以上もかかって試行錯誤の末、ようやく適切な基本方剤と微調整の傾向と対策が判明する根気の要る作業となることも決して珍しいわけではない。
だから、服用者もそれなりの覚悟と信念がなければならないが、その苦労に耐えた人達こそ明るい未来があるように思われる。
たとえ初回から速効が得られた人でも、裏には裏があったということもあり、初期の速効だけで安心できるとは限らない。
慌てて逃げるシロハラ posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 10:39| 山口 🌁| 中医漢方薬学
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2011年02月06日
悪性リンパ腫の漢方相談
DSC_3214 posted by (C)ヒゲジジイ
ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
ご職業 : 自営業の男性
簡単なご住所:日本国内
お問い合わせ内容 : 半年前ぐらいから右目が飛び出て、垂れている感じがありました。いろいろと眼科を受診したのですが「ガンケン下垂」と言われただけでした。
どうも目の内側からの圧迫のようなので、昨年の12月に再度違う病院を受診しました。MRIやCT、ペット検査の結果「悪性リンパ腫」と診断されました。
MRIとCTで両目の上あたり(とくに右の腫れが大きい)と肺に小さくリンパ腫が見つかり、MRIで足の付け根あたりと首に小さく腫瘍があるとのことでした。
まだ小さいこともあり、入院にて化学療法を行うとのことでした。仕事が多忙ということもあり、体の冷えや無理のしすぎのような気がいたします。
入院前に先生に漢方等を調合していただければと思いメールいたしました。予約等はどのようにすればよろしいのでしょうか。先生の薬局にお伺いするのは初めてです。よろしくお願いいたします。
DSC_7736 posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:悪性リンパ腫は漢方薬で容易に治るような病気ではありません。
でも、さいわい西洋医学の化学療法がかなり有効なことが多い腫瘍ですので、西洋医学治療にご専念下さい。
取り急ぎ、お返事まで。
DSC_7722 posted by (C)ヒゲジジイ
折り返し頂いたメール: ありがとうございます。
化学療法が有効な場合があることは存じております。
また、体力が極端に弱ることもあることも存じております。
少しでも体力等の温存や治療効果がいい方に向かえばいいと思いメール致しました。
漢方薬が難しいことも存じております。
なにかいい方法はないのでしょうか。
知り合いに聞きまして、先生の所ならいい方法を見つけてくださると聞いたものですから。
宜しくお願い致します。
DSC_7818 posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:ご意向、しっかり理解申し上げました。
直接来られて体質をしっかり把握してからのことになるとはいえ、血液リンパ系の癌・腫瘍類の場合、当方の流儀では多くの場合、最低限四種類(10日分で三万円弱の経費)の方剤が必要で、その中には第2類医薬品に該当する漢方薬が二種類含まれます。
それゆえ、現在の薬事法上では、通信販売を行えません。
最初に一度来られた時点では10日分の配合で様子をみてもらうことになりますが、その後の様子ではさらに服用量を増やす必要がある場合も有り得ます。
10日以後、漢方薬を補充されるには直接来られる必要があり(二回目からは代理の人でも可能ですが・・・)、第2類の医薬品に該当する漢方薬が含まれるため、通信販売は出来ません。(効果が明らかによい場合は、まとめ買いも可能となります。)
もしも、上記の条件でよろしければ、特別予約される必要はありません。
開業時間は「日曜・祝祭日休業 平日は午前9時〜午後6時まで 但し、土曜は昼12時まで」となっています。
詳しくは、http://murata-kanpo.ftw.jp/ および http://murata-kanpo.ftw.jp/u11571.html
あるいは http://murata-kanpo.seesaa.net/ を御覧頂くとさいわいです。
【編集後記】牛黄や麝香類の高貴薬を使用するために、通常の疾患よりもやや高額な経費がかかってしまうのが実情である。
これらの方法で、西洋医学治療による治療方法が皆無となってしまった慢性リンパ性白血病の患者さんが、当方の漢方薬だけで、根治しないまでも15年以上、現在に到るまで極めてお元気で過ごされている現在進行形の実例がある。
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posted by ヒゲジジイ at 00:07| 山口 | 悪性リンパ腫でステージ4・胃マルトリンパ腫
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2011年02月04日
コリン性蕁麻疹の漢方薬
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コリン性蕁麻疹は、もしかしたら病名漢方が通用するかもしれない。
以前、遠方から新幹線に乗って、重度のコリン性蕁麻疹に苦しむ若者が真面目に通って来ていた。
●●●●●という職業柄、春から秋にかけて発汗する機会が多く、派手に蕁麻疹が出て苦しみ抜いていた。
病院治療も漢方治療も、地元で様々に治療を求めて来たが、まったく見事にマッタク何も効かないと言うことだった。
当時、意外にもこれまで特別「コリン性蕁麻疹」という旗印の下、漢方相談を受けたことがなかった。
しかしながら、こちらには弁証論治という武器がある。
といっても舌の奥に黄膩苔があっても茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)ごときでは、びくとも皆目全然まるっきし効果がないっ!
二週間毎くらいに通い詰めてもらううち、なんてことはない、ピントが合って来ると驚くほどの効果がいかにも目覚しい。速効とはこのことである。
効果が出ると、あれほど懇願するような面持ちで通って来られた人が、何ともゲンキンなもので、突然来なくなった。
おそらく地元の漢方専門薬局に依頼して同じものを入手したに違いない。
ピントが合ってから続けてもらうことで、ようやくこちらにも利益が出て来るというのに、苦労だけを背負わされて何のコッチャっ、漢方相談も時に馬鹿らしくなって来る。
愚痴はともかく、その後、同じコリン性蕁麻疹に悩む大人のみならず、子供さんにも効果を試す機会があったが、いずれも速効性がある。ほとんど同じ方剤類で、もしかしたら病名漢方がかなりな部分可能であろかと思われる。
その方剤とは・・・症例数が少ないので、まだまだ症例を重ねて再現性を確かめてみる必要がある。
2009年07月27日
http://murata-kanpo.seesaa.net/article/124399039.html
初めまして。お忙しい所すみません。
僕は2?歳の男です。二年半ほど前から運動したり入浴後など汗をかいた時に出る蕁麻疹に悩まされています。上半身を中心に小さなぶつぶつが無数に出てものすごく痒いし周りからも気持ち悪がられて辛いです。汗をかけば出るので飽きることなく365日毎日出てきます。
当時、病院でコリン性蕁麻疹と診断され色々な抗アレルギー剤を一年間飲みました。
しかし、どれも全く効かず副作用で日中あまりにも眠いので漢方薬に変更しました。
それから一年間欠かすことなく漢方薬を飲み続けましたが、始める前と何も変わらず診察に行っても汗をかくからいけないんだと言われたり脈を見られるだけで、一向によくならず途方に暮れていた時にこのホームページを見つけ、隅々まで読みました。
僕は気楽になんて思っていませんし、本気で真剣に取り組んでいきます。
元々運動が大好きだったのでまた昔みたいに汗も気にせず気持ちよく運動できるようになりたいです。質問ではないのですが、生半可な気持ちじゃないことをお伝えしたくて送信しました。
休みが取れ次第そちらに伺おうと思っています。その時はよろしくお願いします。
DSC_9989 posted by (C)ヒゲジジイ
ラベル:コリン性蕁麻疹
posted by ヒゲジジイ at 23:06| 山口 ☀| コリン性蕁麻疹
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2011年02月03日
漢方薬はアトピー性皮膚炎にどの程度有効か?
DSC08204 posted by (C)ヒゲジジイ
最近、あるベテランの漢方専門(といっても保険漢方の範囲内)の医師の談話を読む機会があった。
要約すると、アトピーの漢方治療といっても、結局は西洋医学の皮膚科治療のサポートレベルであり、漢方薬だけでアトピーを治すのは困難だという主旨であった。
確かに保険漢方の範囲内では、使用できる方剤が限られているのでその点では自費の漢方とは大きな隔たりがあるように思われる。
軽症のアトピーではそれほど苦労はないだろうが、一定レベル以上のアトピーともなれば初回から目覚しい漢方薬の効果を発揮できたとしても、四季折々の配合変化がほとんど不可欠であり、うっかり油断できない極めてデリケートなアレルギー性疾患である。
ヒゲジジイも数十年の漢方相談の経験がありながらも、一定レベル以上のアトピーの人達には半年から一年間というもの、多くはお互いに苦労のし通しで、その苦労に耐えた人達だけが9割以上の安定した寛解が得られるという現実がある。
かと言って、半年から一年で漢方薬を中止できる人は軽症者に限られ、ほんとうに安定した寛解を得る為には、服用回数を減らすことはあっても数年以上の継続服用は必須に近い問題である。(再発組では5年以上継続している人も珍しくない。)
つまり、一年前後で寛解を得ても、その後もたゆまぬ体質改善および再発予防が必要となる。
一定レベル以上重症化していたのだから当然といえばトウゼンだが、漢方薬だけでほとんど完全寛解に漕ぎ着けるのだから、重症者に限って真面目な相談者が後を絶たない現実がある。
これが自費の漢方の強みといえば強みで、ステロイド外用薬が手放せない人でも、しばらくは必要に応じて併用していても、いずれは完全離脱も夢ではないどころか、自然に一週間に1〜2度塗るか塗らないかの段階に到達する時期が来るので、そこまで来れば、外見上は誰が見てもアトピーだとは気付かない。
昨今は大人の重症者ばかりの相談がほとんどだが、どこに行っても治らなかった人達の方が真剣真面目に頑張ってくれるので、中途半端で及び腰の人達よりも遥かに治りがよいのだから、世の中、実に皮肉に出来ている。
明らかな効果が出ているのに長続きしない人がいるのは、あるいは経費的な問題かもしれないが、たしかに最初の一年間くらいは月額数万円の経費はほとんど必須に近い問題である。
厳然とした事実として、あまり節約すると効果が出せない現実がある。これは経験した人達だけが実感するところだろう。
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posted by ヒゲジジイ at 21:10| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2011年02月01日
家庭の名医
DSC_7324 posted by (C)ヒゲジジイ
重症化したアトピーで本州の端に辿り着き、苦労に苦労を重ねてようやく寛解する頃には、いつの間にか様々な漢方薬の配合変化の折に服用した経験から、様々な処方運用に習熟した人達が意外に多い。
未婚の娘さんだったり、子供さんもおられる家庭の主婦だったり。
いつの間にか、それぞれのご家庭の名医になっていることに思わず微笑んでしまうことがある。
お父さんが夕食後に急性蕁麻疹に見舞われて、明日は病院に・・・という時に、さっそくお嬢さんが、まあ〜これでも試しに飲んでみたら、と言って渡したのが茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)で、速効を得たという例は実に多い(笑。
自身が連用中の方剤を急性蕁麻疹の両親に提供して速効を得て、ご両親までが大の漢方ファンになった例も珍しくない。
胃痛の父親に自分が使用している四逆散製剤あるいは小陥胸湯加味製剤や延年半夏湯製剤を指南する娘さん。
子供さんの口内炎に(過去アトピーで自分が使用していたことがある)茵蔯蒿湯を飲ませたら速効があったと報告されたお母さん。
ご主人が残業で疲労困憊で帰宅したのはよいが、咽喉腫痛を訴えてひどい悪寒とともにぐったりしているので、手持ちの補中益気湯に天津感冒片(銀翹散製剤)を併用させたら、明くる日にはケロリと治っていたと報告された例もある。
本来なら気虚感冒に適応する参蘇飲に天津感冒片の併用であるべきところを、気虚下陥の補中益気湯で代用することで著効を得た実例である。
その家庭の名医さんから先日、今年の冬は例年にない寒さのせいか、子供さんがひどいシモヤケがたくさんできたが、手持ちの漢方薬で何か有効なものはないだろうかと問い合わせメールが入った。
本来なら当帰四逆加呉茱萸生姜湯であるべきだが、お手持ちの補中益気湯や衛益顆粒(玉屏風散製剤)でも効果が出るかもしれない・・・とお返事していたところ、先ほど
「娘のシモヤケに補中益気湯を飲ませていたら、あんなにたくさんできていたシモヤケが1週間くらいですっかりなくなりました。漢方の力に感謝の毎日です!」というメールが送られて来た。
ご自身も一年以上の長きに渡る試行錯誤を伴う大変な苦労の末、ようやく消風散合大黄牡丹皮湯で、さしもの重症だったアトピーもほとんど寛解に近い状態に漕ぎ着けている。
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posted by ヒゲジジイ at 23:25| 山口 ☁| 漢方薬や漢方系健康食品の長期連用によるメリット
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