2010年12月30日
悪性腫瘍よりもはるかに怖い…心筋梗塞
我が家の庭の住人(メジロ) posted by (C)ヒゲジジイ
おたより:東海地方の美人薬剤師
悪性腫瘍のブログを見まして、お便りいたしました。
私も自分のガンを漢方で完治させて9年・・・油断はいけませんが、ガンは漢方+養生で普通に生活できる生活習慣病と捉えています。
私は西洋医学の治療は一切受けませんでした。
先生のおっしゃるとおり、ガンに罹ったからといって、慌てる必要は全くなく、むしろ無理のあったまちがった生活を振り返る良きチャンスです。
私の場合も、無茶な性格でしたので、随分と反省いたしましたヨ♪
若いころからリウマチなど大病ばかりしているのに、気力だけは有り余ってついつい頑張りすぎる性分・・・父にもよく諫められました。
今は十分におとなしいですよ。
ガンよりもはるかに恐ろしいのが血管系の病気です。
このクリスマスに、最高に仲良くしていた同市の薬剤師仲間を突然に亡くしました・・・。
いつも前向き、世話焼きでみんなを引っ張っていってくれる元気いっぱいの先輩で、薬剤師仲間で泣きじゃくりました。
働き盛りの55歳・・・・心筋梗塞でした。
ご家族に、サヨナラも言わず、本人が一番信じられないでしょう。
”えっ、オレって死んだの?何でみんな泣いとるん?”
と彼が言っているようです。
彼は処方箋の鬼、エビデンス薬剤師で、そういう意味では全く気が合わず、当然漢方のカの字も服用していませんでした。
元気ではあったけれど、オケツの強い顔色で、夜遅くまで精力的に薬剤師会の仕事などもしておりましたので、田七や牛黄製剤でも服用していたら、こんな結末にはならなかっただろうと、悔やまれてなりません。
自分も血管系のサラブレッドで、ちょっと無理すれば、すぐに血圧は200を超えるのですから、用心しなくてはと思います。
人はいつ突然に死ぬかわからないのですから、毎日好きな踊りを踊って、楽しく過ごさなきゃ・・・。
さきほども、杞菊地黄丸を口に放り込んだら、息道に入ってしまい、危うく命を落とすところでした・・・鼻から出てきましたけど・・・(笑)
お話が逸れましたが、11月、12月と今年は異常に血管系の病気が多いので要注意です。
あまりにも気になったので、消防署へ行って、救急車の出動台数を調べてきたところ、同市だけで一日60台平均・・・例年の3倍くらいだそうです。
そのほとんどが脳、心臓疾患とのことでした。
中医学的に見ると、この夏の暑さが原因と思えてなりません。
気候の変動も激しく、肺虚から肝木を抑えきれずに・・・という図式が浮かびます。
インフルエンザが流行りだしたら、ますます要注意ですね。
わが友、トンビ posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:このたびは時宜に適ったおたより、ありがとうございますっ!
昨今では悪性腫瘍はもっとも通常に見られる疾患となり、アトピー性皮膚炎のご相談者を上回るほどです。
現代社会の疾患としては実際のところ、アトピーで悩まれる人よりもはるかに多いはずだから当然のことかもしれません。
悪性腫瘍たとえ進行癌や転移癌でも多くは経過が長く、全体的には半数の人達は根治するのですから、脳血管系統や循環器系統に関わる突然死のほうが遥かに怖いですね。
先生のお仲間も心筋梗塞とは・・・昨年、警察官だった親友が急死したのも同様で、心筋組織が脆くなっていたため、そのまま心臓破裂で突然のことでした。
夜勤明けに、ちょっと気分が悪いから病院に行って来ると仲間に告げて、みずから運転して医師の診察を受けたところ、ことの重大さを察知した医師が直ぐに大きい病院にと手配している最中に、待合室で待っている間に心臓破裂。59歳でした。
自分の両親が亡くなった時には一滴の涙も流さなかったくせに、流石に悪友の死に直面したときは、人前も憚らず涙を流し続けてしまいました。
先生も、杞菊地黄丸で窒息死されたら笑うに笑われませんので、せいぜいお気をつけ下さい。
IMGP3716 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 00:52| 山口 ☁| 心筋梗塞および狭心症
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2010年12月28日
いよいよ明日29日(水曜日)で仕事納め
DSC_1963 posted by (C)ヒゲジジイ
今年も牛黄製剤のお陰でかろうじてダウンすることなく無事過ごすことが出来た。また多くの牛黄信者を量産した年でもあった。
いよいよ明日29日(コープの配達日でもあったかっ?)で仕事納め。
しばらく羽を休めるので、鳥撮に専念。
最近は遠征することも皆無となり、裏庭や近くの狭い畑でのんびりと・・・でも寒いので風邪の襲来が怖い。
年末ギリギリになって遠方から行ってよいかとのお問い合わせ電話が目立ったが、重大な疾患で通い詰めることは不可能なことが目に見えているので鄭重にお断りさせて頂いた。
遠路の旅の疲労で、そのために却って病状を悪化させることにでもなったら何のことはない。
こちらでは記憶にないことだが、親戚かご家族かの悪性腫瘍の件で電話で問い合わせたが、何のアドバイスももらえず実に不快だったとの抗議のメールがあった。
そしてこの抗議のメールをお前のブログに掲載せよっ!と・・・随分とこの世の中にはワガママで得て勝手な人がいるものだと感心する。
悪性腫瘍は一生のうちに二人に一人が罹る一般的な疾患となっている。
それゆえ当方にも病状を少しでもよい方に向けたいという願いから、漢方薬類を継続服用されている人が実に多い。
身内やご家族に癌患者さんがおられるからといって特別なことではない。
ヒゲジジイの父親は食道癌で亡くなった。このことは拙著「求道と創造の漢方」の前書きにも書いた。
母は高齢になって子宮体癌になったがこれは根治した。
このようであるから、ヒゲジジイ自身も癌にかかる可能性は決して低くはないだろう。
たとえ癌にかかっても人生を見つめ直す時間はしっかりあるはずだ。
ところが、先日も同年代の元気だった知人が急な発熱で、原因不明のままあれよあれよという間に亡くなられたという話を聞かされて些かショックを受けた。
昨年はヒゲジジイの親友が心臓破裂で急死した。
突然の急病で短期間で亡くなられるケースでは人生を見つめ直す暇などありはしない。
いずれのケースでも、もしかして日頃から一般漢方処方や牛黄製剤を利用されていたら救えたのではないか・・・たとえその時の牛黄製剤の頓服でもあるいは・・・もしかして・・・
因果な仕事が来年も続く(涙。
DSC_1980 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 20:49| 山口 ☀| 繊細でデリケートなヒゲジジイ
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2010年12月26日
身体の芯まで冷え込む本格的な冬が来たっ!
ヒヨドリを捕獲したハヤブサ posted by (C)ヒゲジジイ
極度に寒い朝、上空では弱肉強食の世界が繰り返されていた。
暗い空に、一瞬でヒヨドリを捕らえたハヤブサが、意気揚々と引き上げていく。
こんなときに限って、飛び回る鳥を撮影するにはやや不向きなカメラとレンズを抱えていた。
地上では可愛いメジロやスズメたちが寒さを凌いで、裏庭で休息している。
鳥が空を飛べるのが不思議で、いつしか、とてつもないあこがれとなっていたらしく・・・
自分も空を飛んでいる夢をしばしば見続けた。
いつしか成人するまで本当に自分は空を飛べるのではないか、という不思議な錯覚が付き纏った。
夢と現(うつつ)の境がなかった孤独なガキンコ・・・
晩年にさしかかって仕事をする以外では鳥撮に明け暮れる毎日。
あまり健康的な仕事とはいえない逆説的な境遇から・・・
ほんのしばしでも昔の夢の世界に戻る幼児帰り・・・
今年の仕事もあと3日間、29日の水曜日が最終日。
メジロ posted by (C)ヒゲジジイ
IMG_3646 posted by (C)ヒゲジジイ
IMG_4105 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 21:58| 山口 ☔| 繊細でデリケートなヒゲジジイ
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2010年12月24日
本当は怖くないヒゲジジイ(苦笑
メジロ posted by (C)ヒゲジジイ
ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 30歳〜39歳の女性
簡単なご住所 : 西日本地方
おたより : 大変長らくご無沙汰いたしております。◎◎の●●●●でございます。
厳しい寒さが続きますが、村田先生におかれましては風邪などおひきにならず元気でいらっしゃいますか。
早速ですが、昨日は両親が大変な失礼を致しましたそうで、申し訳ございませんでした。私は外出していたのですが、帰宅後聞かされるなり、顔が真っ青になってしまいました。先生も奥様もおそらくホッと一息つかれていた所だったと思います。
時節柄ただでさえお忙しいでしょうに、お手数をお掛け致しました。無理をお聞き下さり大変感謝しております。外出先の父が、自宅の母へ営業時間を問う電話を入れたところ、それを受けた母がそちらへお電話してしまったようです。(母はPCが扱えませんので、HPからの確認が出来なかったのです。)
電話嫌いの先生へ、あろうことか時間外にあんなお電話を差し上げるなんて、身も震える行為です。父母の無礼をどうぞお許し下さい。
ところで、父は奥様へ私が※※へ行っていないとお答えしたようですが(父はちょっと天然なのです)、予定通り2泊してまいりました。とても楽しく大変良い気分転換になったのですが、残念ながら旅行最終日に体調を崩してしまいました(鼻炎、のどの痛み、微熱)。帰宅後もそれが随分と長引き、良くなったかな、と思った矢先にまたぶり返したりと、つい先日まで体調の芳しくない日々が続いておりました。
そちらへは先月の頭に伺ったのが最後ですので、お薬を切らしてしまってから久しいですが、補充に伺いたいと切に切に思いつつも、寒さとだるさと(少々の怠け心と)で、彦島までの道程がひどく困難なものに思えてしまい、なかなか足を運ぶことが出来ませんでした。
先生に顔向け出来ない・・・と心苦しかったです。
幸い、数日前より体調も安定してまいりましたので、昨日は、恐縮ながらお薬は父に頼み、私は姉と久々の外出を楽しんでおりました。
先生と奥様と両親のお陰で、昨夜よりまたお薬を再開することができました。まじめに服用し、多忙な年末を体調を崩すことなく乗り切ろうと思います。昨日父が頂戴したのはとりあえずの量だけですので、年内中にまた私が改めて伺う予定でおります。その際はどうぞ宜しくお願い致します。
本日はせっかくの休日ですので、メールを差し上げるのもかえってご迷惑かとも存じましたが、取り急ぎお詫びとお礼を、と思いました。
奥様にも、くれぐれも宜しくお伝え下さいませ。それでは、先生もどうぞご自愛下さい。
メジロ posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:電話嫌いは「まったくはじめての人によるお気楽な問い合わせ電話」に対するのもので、常連さんやお馴染みさん、あるいは現在服用中の人達の連絡のために存在価値のあるお電話ですから、まったく気にされる必要はありませんよっ。
こちらへ来られるようになって既に半年近くもなるのですから、まったくお気楽にかつお気軽にお電話やメール頂いても構いませんので、どうぞお気遣いなく。
ところで
> ブログへの転載の可否: ブログへ転載を許可します
ブログに使わせて頂けるとはとてもありがたいことです(嬉々。
お元気そうな明るいお顔を拝見するのを楽しみにしています(笑。
ノスリを襲うトンビ posted by (C)ヒゲジジイ
折返し頂いたメール:早速のお返事ありがとうございました。
一家丸ごと無礼者の烙印を押されてしまったらどうしようとヒヤヒヤしておりましたが、そう言って頂けると大変安心いたしました。
一昨日は思わずへたりこんでしまうほどの狼狽ぶりでしたが、その姿を見て母は、「あなたにも恐れる人が1人くらいいてよかったわ」と傍らでケラケラ笑っていました。
先生は根は大変お優しい方であるとこれまでも肌身にしみて感じておりましたので、きっと今回の件も事情を説明すれば気にもお留めにならないであろうとは思いつつも・・・やはり恐ろしく・・・経歴半年とはいえ、お尋ねしてしまったことには変わりありませんし、あの母のことですのできっと能天気な口調だったと思います。
ですから、これも『ちょっとお尋ねしますが電話』の範疇に入れられてしまったらどうしよう・・・と少々焦ったのです。ブログの件は、お詫びしておきながら拒否反応を示すのはどうもなあと感じ、思わず転載可としただけだったのですが、嬉々として頂けたのならよかったです。
今後はお言葉に甘えて、もし何かあれば電話やメールに再トライしてみることがあるやもしれません。この度は大変助かりました。どうもありがとうございました。それでは、こちらこそまたお会い出来るのを楽しみにしております。
ウグイス posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 14:09| 山口 ☀| 漢方相談室での談話風景
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2010年12月23日
開業が近い関東地方の先生からのおたより
おたより:関東の内科医師
こんばんは。
みなさん…学術的な話題の一方で、自分は忙しさに流される毎日です。
かなり厳しい毎日を送っております。先日、薬草棚に薬草を入れて帰宅したのは午前4時でした。本日は10社以上の製薬会社が挨拶に来ました。帰ってきて「職員のシフト表」を作成し…現在午前3時です。殆どが生まれて初めての経験です。
先日は「防火管理者講習」に受講してきました。その最後に久しぶりの試験。簡単でしたので、どうにか合格でした(笑。でも、これから防火計画書を作り消防署に届けなくてはいけません。面倒くさいなぁ。。。
今週は、契約書と請求書のハンコを押してばかりです。先生にご紹介頂いた営業部長さんには大変よくして頂いております。その会社との契約書も、今日、記名したところです。きっと…この先生のブログを見ているだろうなぁ〜(汗。あ・契約書に添付する開院許可のコピーを取らなくては…。
職員は5名になりました。薬草の子守係が3名もいます。保健所から「調剤室に薬剤師を置いて欲しい」との要望もあり、「まさか、来ないだろうな…」と広告を出しましたら見事来てしまいました(泣。医院に薬剤師というのは…なんで?(笑
明日から、再度の改装が入ります。
あ・医師会の入会金や会費も払わなくては…(泣
開院できるんでしょうか…?
泣き笑いの日々です。
おやすみなさい。
御返事メール:開業の準備にご多忙を極められているご様子、37〜38年前を思い出します。
当時は、右も左も分からない中、毎晩徹夜に近い日々を送っていました。虚弱な愚妻は早くから寝て、一人で黙々と頑張っていました。ヒゲジジに付き合っていたら、私は死んでしまうよ〜と言われる日々でした。
漢方専門薬局を開業後も、殆ど毎日夜中の4時まで、専門書の読破に費やし、よくぞ過労死しなかったものと、今思い出してもゾッとします。
当時は私は二十代だから頑張れたので、先生のお歳を考えると・・・医者の耳に念仏でしょうけど(苦笑・・・あまり無理をされず、少しくらい開業日が延期になっても、体力を温存されて下さい・・・とっ
> 開院できるんでしょうか…?
こういう冗談は困りますよ。
こちらでも関東地方在住の2〜3名が、先生のご開業を首を長くしてお待ちしている患者さんがおられます。
お一人は通常の配合(数種類)で一旦は殆ど治っていたのが直ぐに再発し、その後は大黄牡丹皮湯だけは効くものの、それ以外の方剤を見つけるのに、関東から通うにはあまりにも遠過ぎる。毎回(交通費に)何万円もかけて通うというのは10日毎に来てもらうには無理がある・・・・。
もうお一人は、病院治療はおろか十年以上、あらゆる漢方薬がほとんど効を奏さず、とうとうこちらに一ヶ月ごとに通うと言われて来られたのはよいのですが、あきらかに葛根黄連黄ゴン湯と杞菊地黄丸の証がみられるのに、ほとんど効果が出ない。 (追記:たくさんある症状のうち、肛門周囲炎だけは大黄牡丹皮湯が奏効)。
前回のブログではどの漢方薬を飲んでも不快反応がでる稀有な例を取り上げましたが、そのようなケースとは異なり、絶対に合っていると自信を持ってお出ししても不快反応こそ皆無ではありますが、一向に効果が出ない。牛黄製剤ですら効果は微弱。こういうケースは超マレな事態で困惑しているところです(涙。
上記のお二人とも、それほど長く通って来られた訳ではありませんが、さいわい関東在住の方々ですので、頻繁に通える態勢でないと弁証論治は不可能と判断・・・ちょうどよいところへ先生がご開業とて、2〜3名を押し付けるようで甚だ恐縮ですが、皆さん首を長くして待たれています。
ともあれ、患者さんを治療される前に、先生が倒れては困りますよ〜っ。
いまにも飛びつきそうなウグイス posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 10:58| 山口 ☀| 中医漢方薬学問答
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2010年12月22日
殆どの漢方薬で不快反応が出る稀有なケース
思案するヒヨドリ posted by (C)ヒゲジジイ
ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 30歳〜39歳の男性
ご職業 : 会社員
簡単なご住所 : 日本国
お問い合わせ内容 : 殆どの代表的な煎じ薬(補気血剤、補陰剤、疎肝剤)服用することで口内炎や口腔内の粘つきがおこり便通が乱れ尿が多く出る漢方を投与すると唇が乾燥し継続服用できた漢方薬がない。
月2回エリスロポエチンを投与しザイロリックを一日一錠服用。中断するとヘモグロビンが8.0、尿酸値が7.0を超える。
午前中の倦怠感と過呼吸(深呼吸を何度もしたくなる)のような症状。時候の変わり目などに激しい回転性の眩暈と断続的に続く立ちくらみ。
エキス、丸剤など私の服用できるものがあるのでしょうか?
最後の砦と心得ており村田先生の所で服用できなければ漢方から退こうと思っています。
平均血圧100/58、体重●●、身長○○○宜しくお願い致します。
山茱萸の木で遊ぶメジロ posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:稀にどの漢方薬を飲んでも不快反応が出て服用できないと言う人が、当方の薬局においても38年間に2名ほどおられました。
きっと●●様も同様かと思われますので、残念ながらお断りせざるを得ません。
悪しからずご了承下さいませ。
【編集後記】 過去の二例というのは、随分昔の話だが、胃のもたれに悩まれる女性が、病院の薬はもちろん、あらゆる胃腸薬といわれるもの(漢方薬も含めて)、いずれを服用しても却って調子が悪い。
私に効く漢方薬はないだろうか? そこで六君子湯をお出しして、この漢方薬でも不快反応が出るようでしたら、万事休すと思われ諦めて下さいということで・・・後日、やはり受け付けなかったといわれ、継続相談を断念して頂いた例。
もう一例は、数年前、当方のブログを見たといって遠路はるばる泊りがけで来られた医療関係者。これまで有名な漢方専門医師のところで、様々な方剤を服用したが、いずれも不快反応が生じて続けることが出来ないといわれる。
そこで、適応すると思われる方剤を少量ずつ服用してもらったが、茵陳蒿湯以外は、すべて失格。そこで早々に諦めてもらった。
いずれの例も、効果がでませんということだけであるなら、純粋に証候に方剤がフィットしてないことが問題なのであるから、微調整の繰り返しでいずれはフィットすることは時間の問題である。
ところがほとんどの漢方薬で無効を通り越して不快反応ばかりが出るようでは、まったくお手上げ状態で、漢方薬をお出しするこちらの方が怖くなるので、早々にこちらの方からお断りさせて頂いている。
化学合成医薬品のように多かれ少なかれ副作用が付き物というのに比べれば、はるかに副作用や不快反応が出る可能性が極めて少ない漢方薬で、このような稀有なケースではご相談を遠慮させて頂かざるを得ないわけである。
DSC_0973 posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 15:31| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問
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2010年12月21日
うっかり在庫が切れていて叱られた話
山茱萸の木片を加えるシジュウカラ posted by (C)ヒゲジジイ
12月は年間で最も漢方薬の回転がめまぐるしい月である。
年越しを前に、常連さんやお馴染みさんたちがまとめ買いをされるケースが多く、店頭も送りも慌ただしい。
常連さんというより、本年半ばから新しく来られた蓄膿症と後鼻漏や耳鳴などで、辛夷清肺湯と抗菌中草薬でとても順調に経過していたところ、空気の乾燥する秋頃より、もう一歩の進歩が見られなくなった。後鼻漏が止まったと思うと、またふいに出て来ることがある。
そこで今年新発売になった小太郎の荊防敗毒散をためしに規定量の半分を追加、30包を20日で服用してもらう計算である。
その後、他の人にも販売してうっかり在庫が尽きて、早く調達すべきところを1日遅れのその日、10日も経たないうちに明らかに効果ありとて、早めだが補充しておきたいとやって来られた。
しばらく来れないから早めに補充に来たといわれるが、在庫がない。本日以外は月末でないと来れないがどうしてくれるっ!? とオバサンさんに叱られて平謝り。
12月は各メーカーさんも出荷量が増大してオオワラワ、こちらも同様である。
数十年も漢方薬局を経営していると、常連さんやお馴染みさんたちの補充量も半端ではないので、うっかり在庫を切らして調達を怠っているとたいへんなことになる(涙。
平素から在庫が豊富な各種高貴薬の牛黄製剤なども、長年愛用されている人達がまとめ買いされる時期でもあるから在庫管理を怠れない。
師走はスズメも忙しい posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 13:09| 山口 | 漢方相談室での談話風景
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2010年12月18日
ここは本州の端もハシ、やや辺鄙で閑静な住宅街
我が家の畑のジョウビタキ(メス) posted by (C)ヒゲジジイ
たまに市街地に出ると、あの喧騒と人通りの多さにめまいがする。
37年前の開局からしばらくは、親切な先輩同業者や知り合いの不動産業者などが、町中に出ないとやって行けないだろうと、本当に親身になって心配してくれた。
薬剤師免許が余っているのだからと、アルバイト先を見つけて紹介してくれたり、立地のよい土地を見つけてくれたり・・・本当に皆さんの親切は身に染みている。
ところが頑固者で当時はヒゲがなかったヒゲジジイではあるが、内心はやや迷いつつもアルバイトはおろか、あらゆるすべてのご親切をノーサンキュウとお断りしていて本当によかったと思う。
あの人通りと喧騒の街中で開業していたら、繊細でデリケートな精神は尋常ではおれなかったことだろう。
しゃべる声の大きさとは裏腹に、静寂を好み、動物は愛しても人間はあまり好きではない(苦笑。
あの目もくらむような人通りがあれば、しばしば「ちょっとお訊ねですが」のお気軽な通り客が物見由山に入って来られ、お断りするのに疲労困憊の毎日だったことだろう。
ここは本州の端もハシ、やや辺鄙で閑静な住宅街。
数十歩も歩けば小さな我が家の畑の木々があり、メジロやヒヨドリやシロハラが常住する。しばしばウグイスやジョウビタキ、シジュウガラなどがやって来る。
お隣さんの畑に逃げ込んだシロハラ posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 19:11| 山口 ☁| 繊細でデリケートなヒゲジジイ
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2010年12月16日
ほめ殺し?(苦笑
全身でアクビをするボクチン posted by (C)ボクチンの母
おたより:東海地方の美人薬剤師
先生は、長年ブログをやっておられ、次から次へと泉のようにネタが湧いてきて素晴らしいですね。
私の方は、毎週2本のメルマガを書き始め7年・・・時折スランプになることがあります。
毎日の店頭の相談例や、質問に対するアドバイスを載せてみたり、シリーズものを手がけたりと、いろいろ試みましたが、シリーズものは、前もって系統立てて記事を書いてゆけば良いので楽ですが、タイムリーな面白みに欠けたり、途中からの読者がよくわからない部分が出てきます。
それに対し、店頭での生情報は生き生きとして読者の反応も高いけれども、整理する段になって終始がつかなくなる。
などの一長一短があり、毎年暮れになると、来年の記事計画に悩まされます。
先生のところは、メインブログが素晴らしいことだけでなく、土台となる中医漢方のデータベースの豊富さ、そして専門化、細分化されているところが、本当に素晴らしいです。
私のメルマガは、1本はガンですが、1本は雑病ですので、要するにナンデモヤで、真剣な方が読まれない可能性が高いと反省しています。
継続が力なり・・・というより惰性で走っているような部分もありますが、来年も何とか試行錯誤しながらやってゆこうと思います。
今後ともどうぞよろしくご指導ください。
今年1年、本当にありがとうございました。(まだ早いかな・・・)
DSC_0067 posted by (C)ボクチンの母
ヒゲジジイのお返事メール:
今回頂いたメールはヒゲジジイを褒め過ぎですよ〜っ。
「整理する」ということが大嫌いで、以前の趣味のチヌ釣りの竿やリールはそこらうち中の部屋にいまだに転がっていますし、最近の鳥撮用のカメラやレンズも台所や居間に散乱しっぱなしです。
同様に中医漢方薬学と命名した独善的な中医学知識の断片も頭の中に散乱したままだから、ブログ類もHP類も中途半端なまま完成とは程遠い状態で、休眠状態のサイトばかりが転がってます(苦笑。
ブログをはじめた頃は、自由に書けることが面白いのと同時に、当時は製造中止が危ぶまれる茵陳蒿湯などをブログを通じて同業者に宣伝することで、メーカーさんに製造中止を思いとどまってもらおうという深謀遠慮があったり・・・(笑。
ところが現在では茵陳蒿湯の販売量は半端ではなくなっているので、たとえ同業者が使用されなくとも我が薬局だけでも十分な使用量となっています。
最近はうっかり特定の漢方製剤を書くと、(●●●●●●湯など)同業者に一斉に仕入れされて一時、品切れを起こして村田漢方堂薬局への供給が間に合わなくなりそうなことがあって以来、うかつにブログで推奨できなくなりました。
このときは流石に頭にきて、該当ブログのページを削除してしまいました。
だから最近は、具体的な方剤を記載するのも慎重に選んで書いているところですが、先日書いたなどはもはや普遍性のある方剤なので、書いても無難なところでしょう(笑。
このように我がままで頑固なヒゲジジですが、それに堪えてついて来てくれる人達が多いのは少しだけ感謝しているところです(苦笑。
この「少しだけ」としか書けないのはどうしてかっと自問自答したくなるところです・・・。
こちらこそたいへんお世話になりました。
来年も宜しくお願い申し上げます。
散乱する部屋でボクチンも呆れ顔 posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 20:18| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答
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2010年12月15日
アトピー性皮膚炎の優秀な生徒さん
ISO=12800のボクチン posted by (C)ボクチンの母
極めて例外的に子供さん達のアトピーの面倒を見てあげたのは、母親があまりに優秀な生徒さんだったから。
「ところで猪苓湯はどうなった?」
「私は現在使ってないし、子供達二人とも今は要らないみたいです・・・」
と勘のよい母親がついていると、全体的な配合変化のヒントを常々与えることで、実際の微調整は母親が自在にやってくれる。
もちろん微調整に躓いたら直ぐに問い合わせられるので、その可能性のヒントを与えるだけで、創意工夫される。
このようなご本人達の積極的な努力があるからこそ、重度のアトピーもしっかり寛解するわけである。
以上は本日実際にあった会話。
ISO=12800のボクチン posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 23:58| 山口 | アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2010年12月14日
胃が冷えたら年がら年中使える藿香正気散(カッコウショウキサン)
羽ばたくメジロ posted by (C)ヒゲジジイ
二十〜三十代の若い男女で漢方薬の便利さに嵌った人達に、しばしば重宝がられるのが藿香正気散。
彼ら彼女らは、この寒いのに冷やしたジュースやアイスクリームを冷飲冷食するに違いない?
胃腸が冷えて吐き気がしたり、痛んだり・・・藿香正気散(かっこうしょうきさん)を使えば即座?に症状が治まるものだから、不摂生が止まないのかどうかは?だが・・・というよりもほとんど皆が仕事がハードに忙し過ぎて常に過労気味の連中ばかり。
冷飲冷食をやってしまったのかどうかは皆に確かめている訳ではないが、少なくとも胃が冷える感触を訴えていることは全員共通する。
配合中には半夏厚朴湯の成分もしっかり含まれているので、神経が繊細な人達に良くフィットする傾向があるように見受けられる。
敏感な人では藿香正気散の燥性が気になって西洋人参でバランスを取る工夫をみずから考案された人もいる。
勘のよい人なら1年も経たないうちに、ヒゲジジイ流の中医漢方薬学の流儀をマスターされるので、創意工夫をされて自分に合う配合法則を試行錯誤しながら見つけてくれる。
つねづねウルサイほど徹底的に中医漢方薬学の流儀を教え込んでいるからに他ならない(笑。
我が家の畑のウグイスのボクチン posted by (C)ヒゲジジイ
ラベル:カッコウショウキサン 藿香正気散
posted by ヒゲジジイ at 23:43| 山口 ☀| 中医漢方薬学
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2010年12月11日
「免疫の不思議」の続き
シジュウガラ posted by (C)ヒゲジジイ
折返し頂いたメール:東海地方の美人薬剤師
先生がおっしゃられる通りのことを、私も経験しています。
アトピーの方では、ワクチンを打って妙に調子がよくなる方と、最悪になる方がみられますね。
もしも、ワクチンの基材に対するアレルギー反応がなければ、もっとわかりやすいかもしれません。
また、通年性のアレルギーがあり、年間を通してシンイセンキュウを買いに来られていた方なのですが、検診で乳ガンが見つかり、慌てて相談に来られました。
すでに、手術と抗ガン剤を予定されており、私の方では、免疫の低下を最小限にとどめるように漢方を処方しました。
術後、3クールの抗ガン剤をやられ、その後はホルモン剤を処方されておられましたが、すこぶる順調で、現在3年目。
リンパ節への転移等も見られず、”命拾いした!”と喜んでおられるのですが、治療中は不思議なことにアレルギー症状が全くなく、最もひどい杉花粉の時期も、何ともなかった・・・とのこと。
ところが、ガンが消えて、漢方処方もだんだんと遠のいたあたりから、またしてもアレルギーが出てきて、以前と同じように悩まされるようになった・・・。と言うのです。
本人は、”この症状が出るのは、調子が良い証拠、ガンがあるとアレルギーは出なくなるから、これでいいの!”という調子・・・・。免疫を調整する処方を続けていれば、バランスがとれてどちらにも良いのに・・・・。
それからもうひとつ面白い例としては、不妊症の方で、やはりハウスダストによる通年性のアレルギーがある方。
最初は、生理の状態からして血虚オケツが考えられたため、そちらに重点をおいた処方をしていましたが、あまりかんばしくなく1年過ぎても懐妊せずでした。
翌年の春に花粉症が相当ひどいため、本治法を切り替えて、免疫を調整するような、冬虫夏草、紅参、紫蘇等の処方に切り替えたところ、服用後1ヶ月半で妊娠され、アレルギーと免疫、そして妊娠の関係を体験することができました。
以後、不妊症の治療には、必ずアレルギーの有無をきいて、妊娠率が上がってきています。
人の体はとても面白いですね。
特に、ホルモン、免疫、自律神経のネットワークは大きく、体のあちこちでこれらがシーソー関係をとっていますので、そのバランスをどうとるかが鍵であり、腕のみせどころでもありますね♪
ジョウビタキ(雄) posted by (C)ヒゲジジイ
ヒゲジジイのお返事メール:免疫関連のご体験のご報告、ありがとうございます。とても興味深く、ブログの続きに助かります。
ところで、B型インフルエンザに罹って以後、急速に寛解していたアトピーの女性は、せっかく清熱解毒剤など一部の漢方薬を中止でき、 主軸の方剤類も半減することが出来ていたのに、案の定というか、インフルエンザのほとぼりが冷めたら、しだいにアトピーが牙を向きつつあります。
減らしていた服用量も次第に増加させる必要がありそうで、免疫システムのトウヘンボクはまるでヒゲジジのようです(苦笑。
キジバト posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 09:56| 山口 ☔| 中医漢方薬学問答
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2010年12月09日
免疫の不思議
ジョウビタキ(雄) posted by (C)ヒゲジジイ
おたより:東海地方の美人薬剤師
大変ご無沙汰しています。
随分と冷え込んで参りましたが、お元気でいらっしゃいますか?
こちらでは、胃腸風邪がかなり流行しています。
インフルエンザはまだまだ少ないようですが、風邪にかかった方は例年に比べて治りが悪く、長引いている方が目立ちます。
又、インフルエンザの予防接種をしたら、咳が止まらなくなった、吐き上げるお子さん、下痢が止まらないお子さん・・・が、本当に多いようです。
1,今年の夏は異常に暑かったために、冷たいもので、脾胃を傷めすぎたこと
2,肺と大腸を補い、冬に向けての体を養うための秋が短すぎたこと
が原因ではないかと思っています。
体が弱っているために、邪が追い出しきれず、いつまでも伏飲したり、の開閉も悪く、病が治りきらないうちに、新たな邪を引き込んでしまう方も見られます。
これからうんと冷え込み、インフルエンザが蔓延したら、かなり重症化する方が増えるのではないか・・・?と危惧しています。
それとは引き替えに、アトピー、アレルギーの方は、この冬比較的順調です。
どう分析したらよいのかわかりませんが・・・・。
ただ先生がおっしゃられるように、微調整はかかせませんね。
予防接種を打ってから、肌の調子が良いというアトピーの方もおられ、これは免疫のバランスなのでしょうか?
これから特に宴会シーズンに入るので、養生してもらわねばなりませんね(笑)
ジョウビタキ(雌) posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:おたよりありがとうございます。
予防接種を受けて、アトピーの調子がよいとは、本当に免疫というのは実に奇妙なシステムですね。
当方にも数ヶ月前より関西から二週間ごとに通って来られているアトピーの人が、数ヶ月目でB型インフルエンザに罹り、タミフルを服用して治癒して以後は、一段と寛解が得られて黄連解毒湯を中止できるまでになり、その他の清熱剤もほとんど使用する必要がなくなっています。
かと思えば、昨年春、重症のアトピーの女性が、数ヶ月でかなり順調に経過していたのが、インフルエンザに罹り、タミフルを服用した途端、爆発的な再燃となり、完全に振り出しに戻ってしまった人もおられました。現在は9割以上の改善を完璧に一年以上持続しています。
さらに免疫の驚くべき事例としては、一昨年の梅雨、関西からスキルス胃癌(印環細胞癌)とて、手術は怖いので漢方薬で治してくれと、とんでもない要求で来られた三十代の女性がおられました。
多少とも免疫力アップのお手伝いくらいはできるが、必ず手術は受けるようにとかたく約束して7月に手術の予定も決まりました。
そして手術前の検査を受けたところ、完璧に消えているというのです。漢方薬類を服用して一ヶ月足らずの期間でした。
ところが、それまでなんともなかった漢方薬類を服用すればするほど過去の持病だったアレルギー性鼻炎や気管支喘息が次第に再発して来るような気配で、次第に漢方薬を服用するのが困難になったといいます。(追記:漢方薬類を中止すれば直ぐに鼻炎も気管支喘息も完全に治まります。)
その年、主治医も滅多にあり得ることではないので、念を入れて毎月のように検査をしてくれても、まったく痕跡も残さず消えているということでした。
同じスキルス胃癌で地元の若い女性で卵巣転移した事例などの経験が上記の女性にもフィットしたとしても、通常ならアレルギー疾患にも有効であるはずの配合内容で、鼻炎や気管支喘息を誘発するような免疫ショックによってスキルス胃癌を退治できたのだろうと皆が想像したものでした。
ジョウビタキ(雌) posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 11:36| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答
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2010年12月08日
アトピーの漢方治療は悲喜交々
ジョウビタキ(雄) posted by (C)ヒゲジジイ
良くなったり悪くなったりの繰り返しで、まれにみる苦労を互いに強いられ・・・一時的に再燃したときには当方の漢方薬を服用する前よりも悪くなったと言われてムカっとし、もう我慢せずにステロイドをもらって来いと病院に行かせたものの、医師もさるもの、既に漢方薬で治りかけているのでステロイドは必要ない、お手伝いにビタミンCを投与するだけにしておくと言われる逸話もあった(笑。
夜間の強烈な痒みの恐怖で、寝るのが身震いするほど怖かったという人が、昨今は寝るのがとても楽しい日々であると述懐されるまでになった(呵呵大笑。
どんなに重症化していても根気のある者が、最後に笑う。
微調整の繰り返しで悲喜交々の繰り返しが続くうちに、ようやく必ずや光明が見えて来る。
昨今、バタバタと続いた新人さん数名のうち、一人だけが最初の速効がアダになったか直ぐに効果が薄れ、夜間の痒みにまだ苦しまれている。
微調整や配合変化のテストのテンポが遅れがちだが、弁証論治の追い込みの流儀をもっとしっかり学んでもらうほかはない。
恐怖の夜が、楽しみな夜になった人は五万といる。
しっかり安定した効果が出るようになる期間は個人差がとても大きく、通い始めて数回目以内という人もいれば、通常は数ヶ月から半年、長い人になると上記のように希に見る苦労を強いられた例では一年以上かかった。
安定した効果が得られても、季節的な変化に応じた微調整は欠かせない。
漢方薬の配合を完全固定できるのはホンの少数の人達に限られる。
DSC_8555 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 00:53| 山口 ☔| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2010年12月07日
血行障害に生薬製剤二号方
飛び立つ寸前のヒヨドリ posted by (C)ヒゲジジイ
先月の飛び石連休を三日連休として仕事から遠ざかって三日ぶりの仕事が始まり、高血圧が再発してしまったっ!
これは明らかに仕事のストレスによるものと思って柴胡加竜骨牡蛎湯を杞菊地黄丸や牛黄製剤や雲南田七、サイロなどとともに服用して直ぐにおさまったものの・・・
日々温度差が激しい折々、身体が冷えるとまた血圧が上昇傾向にある。そこで生薬製剤二号方を1包ずつ加えたところ身体が温まってしっかりと血圧が下がる。
生薬製剤二号方に使用される生薬は日本人向けに工夫した原料をヒゲジジイが厳しく選定したものだけに、穏やかに優れた効果を発揮する。
ある種の血行不良にはこの生薬製剤二号方の効果は絶大である。
卑近な例でも、血行不良により身体が硬直して激しい疼痛を発する人にも、よく奏功している。
というわけで、頼まれもしないのに、たまにはウチダ和漢薬さんの宣伝っ?
ハイタカ posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 13:16| 山口 ☁| 中医漢方薬学
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2010年12月03日
意外に西洋医学で見落とされている細菌感染やウイルス感染
歯肉炎が再発してご機嫌斜めのボクチン posted by (C)ボクチンの母
治りにくい慢性疾患でも前立腺炎や慢性骨髄炎あるいは慢性化した肺膿瘍などは、当然のことながら西洋医学的に細菌感染が問題であることは常識である。
ところが抗生物質治療では根治に到らず(意外に西洋医学にも盲点があるもので)却って漢方薬でほぼ完全寛解あるいは根治したという例は珍しくない。
他方では、一般西洋医学的常識では、細菌感染やウイルス感染とは無関係だろうと思われる疾患が、意外にも慢性的な細菌感染が合併しているために、あるいはウイルス感染が絡んでいたために、あらゆる西洋医学治療に抵抗していたという例が見られることがある。
それゆえ、通常の弁証論治では思いがけず効果が弱い場合に、抗菌作用に優れた中草薬や、抗ウイルス作用の優れた中草薬を加えることで、ようやくしっかりした漢方薬の効果を発揮させることが可能となる事例をおりおりに経験する。
ところで考えてみれば、いつの間にか常連さんたちの多くは、抗菌中草薬や抗ウイルス性中草薬を十年以上も常用されて各種感染症の予防に余念がない。
ヒゲジジイと違ってあのように徹底した健康管理に余念がない常連さんたちの現実こそ、元気で長生きの秘訣なのかもしれない。
「常連さん」というのは、初期には大変な慢性疾患を抱えて3〜10年くらい漢方治療に励んで、ようやく健康体に戻った頃には漢方薬にどっぷりと嵌って抜け出られなくなった人達。
言い換えれば、西洋医学にはない漢方薬の真の価値を認め、漢方薬を健康管理に徹底的に利用されている人達だから、いずれも15年以上のお付き合いになる。
漢方薬の真の実力を本当によく知っているのはこの常連さんたちにほかならない。
初期にはたとえ思うように効果を発揮しなくとも、何年も耐え抜いて真の健康を手に入れることが出来た人達ばかり。
ムクドリたち posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 20:13| 山口 ☀| ウイルス感染や細菌感染(痔瘻や各種歯科疾患など)
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2010年12月02日
最近のアトピーの新人さんは不思議と・・・
破れかぶれのジョウビタキ(オス) posted by (C)ヒゲジジイ
最近のアトピーの新人さんは不思議と真剣で真面目な態度で来られるのは男性ばかり。夏までは真剣な女性ばかりが続いて、男性が来られることは少なかった。
ところが秋になって真剣な態度で来られるのは男性ばかり。
新しく来られる女性はいずれも真剣味が足らなかったり、親に連れられてシブシブ来たというのでは、ヒゲジジイの気分はいっぺんに萎えて、弁証論治のフルコースが作働するはずもない。
弁証論治の「弁」の字が出るとしたら、及び腰で来られてはこちらもやる気がしないのでお断りの答弁に終始するばかり。
例年なら真面目な女性達が来られても不思議ではないのに、もしかすると、しだいに女性が男性化し、男性が女性化しているとか・・・・まさか、そんなこともないだろうと思うのだが・・・。
低空飛行を続けるるカラス posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 21:24| 山口 ☔| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2010年12月01日
一瞬の閃き
ジョウビタキ(雄) posted by (C)ヒゲジジイ
先日、やや及び腰でやって来た可憐な女性。
ヒゲジジイは珍しく超特急で閃くものがあり、ほぼ確実に速効が出るだろうという確信がもてる方剤が頭に浮かんだ。
しかしながら高貴薬に属する部類の漢方製剤だから、やや高価といえば高価。
ストレス性の病気のために長期休暇を取っているくらいだから、内容はかなり深刻なはず。
その割には経費を惜しんで煮え切らないので、通例ならキッパリとお断りするところだが、やっぱり可憐な女性はしばしば得をする。
というよりも、見ていてハラハラする病状でもあるので、試しに1日分だけでも服用してみなさいよ、ということになった。
常連さんやお馴染みさんでもない新人さんに、このような過剰な親切はヒゲジジイに限っては青天の霹靂である。
案の定、超速効を得て翌日混雑する薬局に追加購入に来られて嬉々とした様子。
そのまた10日後、昨日も元気で補充に来られていたので、これで一安心。
短期間で可憐な女性がうっかり落ち込んだ暗闇から、健康的な太陽の降り注ぐ世界に戻してあげた満足感。
一瞬で覚ったかのような頓悟、あるいは神の啓示でも受けたかのような閃きと超速効が、当然いつもいつもあるわけではないが・・・毎月最低一度くらいはあるかも・・・(苦笑。
ところが逆に、綿密な弁証論治を経ながらも、案に相異して期待する効果が出ないまま、半年あるいは一年以上も経過する内に、ある日突然閃いて確かな配合変化を経て、薄紙を剥すように寛解に向う人もおられる。
それが待てずに去って行かれる人も少数ながらおられるのは、神ならぬポンコツ頭のヒゲジジイゆえ、止むを得ない。
以上はすべて両極端なお話ばかり。
DSC_4969 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 00:36| 山口 ☁| 中医漢方薬学
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