2010年08月31日

現代社会にあっては使うのに不便な配合内容の漢方製剤

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 夏場に熱中症予防にしばしば使用されるべき生脈散(麦門冬・人参・五味子)は、温性の朝鮮人参の配合が邪魔して使う気になれない。
 
 中医学的には現代社会においては朝鮮人参のかわりに西洋人参が配合されてしかるべきだが、そのようなより合理的な配合方剤の医薬品製造許可が取得できる可能性は皆無に近い。

 朝鮮人参の配合された日本の生脈散製剤を夏場に使用するとしたら適宜、地竜などと併用するのが無難であろう。

 同様に、日本漢方や病院漢方でしばしばアトピー性皮膚炎で投与される白虎加人参湯も、配合生薬中の朝鮮人参が曲者で、西洋人参の配合こそフィットすることが多いはずであるが、このような理に適った方剤の医薬品製造許可が取得できる可能性も皆無に近い。

 それほどわが国の漢方事情は甚だしい後進性が歴然としているのだから情けない。

 その後進性をさらに裏付ける証拠に、「中医病機治法学」の日本語訳の書籍「中医臨床のための「病機と治法」 陳潮祖著 神戸中医研訳編」が絶版になってしまうほど、情けない日本の漢方レベルなのである。

 昨今の政治家達の性根の据わらない教養レベルといい、この国のバカさ加減にはほとほとウンザリさせられる。

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posted by ヒゲジジイ at 22:52| 山口 ☁| 日本漢方の情けない現状と限界 | 更新情報をチェックする