2010年04月22日

中医学や漢方医学の月刊誌や季刊誌など

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ボタン posted by (C)ボクチンの母

 専門の中医学や漢方医学類の雑誌類は、昔は熱心に熟読したものであるが、中医漢方薬学なるものに目覚めて以後、次第に自説の考察にばかり目が向いて、専門誌類に目を通すことは以前ほど熱心ではなくなっている。

 それでも某誌などは、漢方処方運用の実際の記事が豊富だから、暇つぶしに目を通すことも多い。

 たとえば、冷え症で当帰芍薬散を服用してすっかり改善し、元気もりもりとなっていた人が五年後に暑がりになっているのに方剤を変更することなくその後も更に5年間も馬鹿の一つ覚えのように継続服用しているうちにこんどは異常な暑がりになった例など。(「漢方研究誌」2月号)
 そのような患者さんの転医を受け入れて直ぐにそのことを見抜いた医師こそ流石である。

 要するに折々の弁証論治を怠っていると、時に見られる問題であるが、合成医薬品と異なって漢方薬の誤治とは可愛いものである。
 新患として受け入れた(名医と言っても過言ではない)医師の指示に従って当帰芍薬散を中止すると一週間もしないうちに速治している。

 某誌でもやはり臨床記事で、肺腎陰虚に陰虚火旺がみられたとあって、滋陰降下湯や麦門冬湯を投与されたのはよいとして、知柏地黄丸か少なくとも六味丸が投与されたわけでもなく、なんとっ!八味丸が投与され、この三方剤で速治されたとあるので、首を傾げた。

 そういうことなら腎陽虚も併存していたことになるはずだが、そのことは一切触れられてないが、おそらく六味丸が含まれているので八味丸中の附子と桂皮が邪魔になりつつも、何とか効果を出すことが出来たのかもしれない。
 というよりも、やはり腎の陰陽両虚証であったに違いない・・・などと暇つぶしに読むには面白い。

 ところが別の他誌の中には昨今以前より外装はとても立派になっても、記事内容が学者さんたちの執筆中心で、実際の臨床記事が極めて僅少だから昨今ではほとんど目を通さない。
 同業者からも同様な愚痴をしばしば耳にする月刊誌である。

 ヒゲジジイも長年執筆してきた雑誌でもあったが、連載を中止した途端、気が付いたら一年もその雑誌が送られて来なくなっていた。
 しかしながら、一年近くも気が付かなかったほど当時から次第に臨床とはかけ離れた学者さんたちの記事中心に傾きつつあった雑誌であったから、きっと読み通す興味を失っていたに違いない。

 このように医師や薬剤師の勉強にほとんど役立たない記事ばかりなら、経費の無駄だから発行を止めたらどうかと進言したくなるような雑誌も存在するのだった(苦笑。

ヒヨドリ
ヒヨドリ posted by (C)ヒゲジジイ


posted by ヒゲジジイ at 23:07| 山口 ☁| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする