2010年04月30日

日本の漢方医学について

撮影者:関東地方の内科医師


おたより:関東地方の内科医師

 ブログの記事を拝見し、時代も変わってきているんだなと思いました。
 新しい東京タワーも350メートルまで高くなりました!

 大塚敬節先生も伝説の人になってしまいましたね。大塚先生とお話された経験を持っている人も、既に少なくなっているのかも知れません。
 自分が大塚先生に治療して頂いた経験からすれば、「とても優しい先生」という思い出が一番です。医者が患者に接するときの心構えを、自分の知らないうちに教えて下さった様な気もします。

 その大塚先生、そして大塚先生の師匠である湯本先生も、病気でお子さんを亡くされています。その大きな悲しみから学校で習った医学を捨てて、漢方の世界に飛び込んだ先生達で、お二人の生き方には感動を覚えます。

 その当時、漢方薬を扱う医者は気違い扱いされる様な時代でしたよね。一般の医者に相手にされない漢方を広めるには「患者さんを治療していくこと」が優先されたのかも知れません。そして、そんな先生達が漢方を現代に伝えていることは間違いない事実だと思います。

 さて、時代も変わり、漢方も一般的になり、多くの人が漢方薬を使うようになってきました。今、漢方に接している人達がすべきことは、次の時代に橋渡しすることなのかも知れません。理論的背景をしっかり考えようとする理系的頭脳の人達も漢方薬を使う時代に移りつつあり、次の段階へと漢方は進歩して行くのでしょう。

 自分も棺桶に入る前に何か書き残さなくては…(汗。(独り言→村田先生も一冊の本にまとめて下さったらなぁ・・・きっと1000ミリの望遠レンズが買えるでしょうねぇ・・・笑)

 そんなことを昼食を食べながら感じました。
 今日の病院の昼食は「ラーメンとチャーハン、ポタージュ、プリン…など」ですね。
 この内容のギャップが病院食らしいなぁ〜とか感じております(笑。

ゴイサギ
ゴイサギ posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:
貴重なおたよりありがとうございます。
添付いただいたタワーの様子、まるで天と繋がった風情ですねっ!

ところで、ヒゲジジイとて大塚敬節先生は、若かりし頃のアイドルでした。

大塚敬節先生の私淑者としての思い出

 この通りですが、伝統医学というものは「批判的に継承」されてしかるべきものだと思います。

 拙論の これからの「中医漢方薬学」 の後半部分にありますように、
●継承と発揚のために

 よりよい生を求めて、ヘーゲルはカントを、マルクスはヘーゲルを、フランスのデリダやドゥルーズ、ボードリアールなどポスト・モダニストたちはマルクス主義を批判し、ポスト・モダニストたちの思想的源泉はニーチェ思想であり、そのニーチェはカントやヘーゲルを批判し、若い頃に心酔していたショウペンハウエルさえも批判した。

(ニーチェは、西欧の形而上学は神や超越的な真理に逃避する負け犬や弱者の哲学であるとして根本的な批判を加えたことは周知の通りであるが、現代思想における近代最大の思想家とされるにいたっている。ちくま文庫の竹田青嗣著『ニーチェ入門』を参照。)

 このように、その時代における社会的な現実認識の上から、前人の哲学・思想的業績に批判を加えることを通して、ヘーゲルもマルクスもニーチェも、ポスト・モダニストたちも、それ以前の思想や同時代の思想に批判を加えつつ独自の思想を構築してきたのであり、彼らそれぞれの思想は、彼らの暮らした時代の社会的現実の要請から必然的に生まれた業績であるといえるのである。

 批判が加えられたそれ以前の思想あるいは同時代の思想は、たとえその時代に最高の思想と信じられていたものであっても、やがては次の時代の社会的現実の要請にマッチした新たな思想が構築されるための踏台とされる宿命を担っていたのであり、同様に新たな時代の要請で生まれた新思想も、やがては同じ運命を辿る可能性を常に孕んでいる。

 このように、前人の業績は常に踏台として批判が加えられる宿命と必然性を担って推移してきた近代から現代にいたる西洋思想の発展過程は、中医学の今後の継承と発揚の大いなるヒントを提供するものである。

 成都中医薬大学の陳潮祖教授が御高著『中医病機治法学』の中で述べられているように、中医学は「哲学理論と医学理論が結合した科学的原理や法則」であるだけに、時代の現実的な要請に応じた難治性疾患に対するハイレベルな治療効果を求めるなら、すでに公理とされているような原理や法則についての再検討と再確認を行いつつ、時代の要請にマッチした新たな理論や法則の可能性について、純粋中医学の領域内に留まらず、現代西洋医学における病理学・薬理学など、近縁する諸科学を動員して、絶えず追求模索する必要性と必然性が生じるのである。

 ところで、『現代思想を読む辞典』(講談社現代新書)の巻頭に今村仁司氏の次のような文章がある。

 「特権的な思想の『語部(かたりべ)たち』は、一方ではいやがうえにも古典的文献を崇め奉り、他方では現代・同時代の諸思想を上から見下したり、軽侮の念をもって無視したりしてきた。例えば、学者の卵たちが現代的諸思想の研究に志す場合、彼らは先生たちから叱られたものである。教育上、古典の研究から始める方が精神の発展のためにはきわめて生産的であるという理由から教師たちが現代ものに魅かれる弟子たちをいさめるのはまことに正当ではあるが、その限度を越えて現代的な思想はいっさいまかりならぬというに到っては病的というほかはない。この種の病的反応は現在でもいたるところにみられる。現代思想へのアレルギーは、古典崇拝の看板に隠れて自分で思索することを放棄した精神の怠慢を押し隠すことにほかならない。こうした思想状況はそろそろ終りにしなくてはならない。」(傍線部は引用者)

 ここで、傍線部分をすべて「西洋医学」に置き換えてみると面白い。つまり、本場の中国でさえ、日本の漢方界と内容は微妙に異なってはいても、中医学界の新しい世代と伝統を守り続けてきた世代との相克がみられるのである。

 ここで再び面倒なことであるが、今度は引用文の傍線部分をすべて「現代中医学」に置き換えてみて欲しい。このようにすれば、少し前までの日本漢方界の状況がそのまま映し出されるわけである。ところが、現在の中国側から見れば、7年前から村田による「中医漢方薬学」の提唱もむなしく、日本の状況は基礎理論の研究と運用をないがしろにしたまま、現在にいたってもほとんど変化がないままである、と認識されていることは前述の『日本漢方医学』と題された中国書籍の結論部分を引用した通りである。

 哲学・思想界では、その時代の現実的な要請に応じて、常に前人や同時代人の業績が踏台として批判が加えられつつ、同時代にマッチした新たな思想が構築されてきており、その時代の社会的な現実認識の上で必然性があれば、ニーチェ思想のような復活をとげる現象もみられるなどの経緯を観察していると、中医学の将来としての中西医結合の必然性や、日本漢方の「中医漢方薬学」の必然性が動かしがたいものとして見えてくる。

 以上、煩雑になりましたが、すべてはこれにつきると信じるものです(苦笑。

チュウダイサギ
チュウダイサギ posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 21:11| 山口 ☀| 日本漢方の情けない現状と限界 | 更新情報をチェックする

2010年04月29日

日本の漢方の実態

IMGP0051
IMGP0051 posted by (C)ボクチンの母

2010年04月21日 漢方処方の重要な薬味「乾姜」の問題について の続き

おり返し頂いたメール:お返事ありがとうございます。

 実は学生時代に、葛根湯を作ろうとした時、生姜4 と書かれていたので、 何も知らないまま、日局ショウキョウを 4g計り込んで、辛くて困ったことがあります。
 その時、はじめて、漢方でいう生姜と、日局ショウキョウが異なることを知りました。

 そういう経験から、ショウキョウは生のことをいうという認識でした。

 私は日本の漢方しか学んだことがありませんので、中医学のことは良く存知ません。

 ただ、村田先生のおっしゃるように、日本の漢方は理論らしい理論が無いと思います。

 漢方の入門書を読んでも、それと実際とが全く結びつかず、結局は、○○、××、△△という症状があれば◎◎湯 というような、いわゆる口訣漢方にならざるを得ないのが現実だと思います。
 病名漢方よりはましな気もしますが……。

 基本概念である虚実にしても、入門書では、汗をかくのは虚証としているのに、汗をかいている時に使う、麻杏甘石湯や越婢湯は実証用の薬方と、矛盾していても平気です。

 最近、『漢方の臨床』誌で、中村謙介先生が太陽病を熱証として良いのかということを提起され議論になっていますが、これも今まで(時々は話題になったものの)そう大きな問題になっていなかったのは不思議な所です。

 この寒熱については今もって良くわからない所があります。

 例えば、
1.砂糖は、よく体を冷えすと言われ、その理由としてサトウキビが南方の暖かい所で採れるからとしています。
 だとすると、北海道などで栽培される甜菜(ビート)から取れる砂糖は 温めるということになるのか?
 一般的な常識では、砂糖はカロリー源になるので、体を温めるような気もします。

2.唐辛子は体を温めると言われますが、もともと南方の植物で、本来は冷やすのではないか?
 実際、インドなどでは、唐辛子を含む香辛料を用いて汗をかき、結果として体温を下げると言われています。

3.越婢加朮附湯のように、石膏と附子が組み合わされたような薬方は、結局、体を温めているのか冷やしているのか?

 などなど、昔からの疑問が何十年とそのままです。初心者から脱出できません。

 大塚敬節先生の功罪は色々あると思いますが、やはり漢方は学でなくて術だとしてしまった所が最大の問題だったと思います。
 病気の治療という面だけで見れば、当時は学としてより術とした方が現実的な選択だったのかもしれませんが、そこで医学としての進歩は無くなったのではないかと思ってしまいます。

 日本の漢方は、将棋に似ているような気がします。
 将棋は、使える駒は決まっていますが、その使い方が名人と素人では異なります。
 将棋の駒を薬方と考えれば、同じように思われます。

 そして、中学生からプロになるような天才的な人もいれば、大人になってもヘボ将棋のままの人もいるように、漢方も、腕の差が大きいように思われます。

 それに、将棋にもある程度の理論(定跡)はあるものの、指す人の好みの型や戦法のようなものもあり、最終的には指す手を決めるのは、結局、理論というよりは直感です。

 これもいわゆる漢方に相通ずる所があるように思われます。

 朮の問題については、昔から混乱があったと思っておりました。
 最初に読んだ本(刈米先生の『生薬学』だったと思います)は、皮を去るかどうかで白朮と蒼朮を分けるとしていて、その後、植物が異なることを知りました。

 局方も昔は朮として記載しており、7改正か8改正の頃までは、白朮と蒼朮の区別がなかったと記憶しています。(かなりあいまいな記憶です)

 大塚敬節先生の影響が大きいとは知りませんでした。

 生薬の基原については 、他にも色々と問題があり、わかって使っている人は少ないのではないかと思います。

 特に日本の漢方は、薬方単位で使うことが多いので、その薬味にまで注意を払っている人は少ないと思います。

 その上、現在は、エキス剤が主流となり、生薬自体、ほとんど知らない人が多いのではないでしょうか?

 このような状態では、村田先生がおっしゃるような生薬の問題を取り上げても、余りピンとこない人の方が多いような気がします。

 思い付いた事を書いておりましたら、結局、まとまりが付かなくなってしまいました。

 この度は、わざわざお返事ありがとうございました。 サイトは時々拝見させて頂いております。
 今後とも、よろしくお願い致します。

IMGP0053
IMGP0053 posted by (C)ボクチンの母

お返事メール: とても貴重な体験談のご報告ありがとうございます。

 また、ブログに転載させて下さい。訪問者は同業者や各メーカーさんが多いので、きっと皆さんの参考と教訓にもなると思います。

IMGP0057
IMGP0057 posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 00:30| 山口 ☔| 日本漢方の情けない現状と限界 | 更新情報をチェックする

2010年04月28日

アトピーも感性の鋭い人ではアッと言う間に7割寛解

オオルリ
オオルリ posted by (C)ヒゲジジイ

 まだまだ油断がならないとは言え、感性の鋭い患者さんであれば、正確な報告能力と応用力を直ぐに発揮してくれて、見かけ上だけでも短期間に寛解に向かうことが出来る。

 配合変化のヒントを短期間に会得して、情況によって透かさず応用力を発揮してくれて、一ヶ月を過ぎる頃には急速に見かけ上は7割寛解したように見えるまでの進歩が得れらた人もいる。
 まだまだ今後の油断は出来ないとは言え、ご本人も大きな自信になったことと思われる。

 昨年もかなり重症でステロイドが効かなくなったばかりか激しい滲出液の漏出に見舞われた人でも、稀に見る判断力と応用力を発揮してくれて、半年過ぎるころには見かけ上は9割の寛解に漕ぎ着けた人もいる。

 この人たちの抜群の勘のよさは、これまで遭遇したいわゆる高学歴といわれる帝大出身者たちにありがちな硬直した頭脳を遥かに凌駕している(笑。

 こういう勘のよい人たちばかりであれば、さしもの重症アトピーなんて短期間で9割寛解に漕ぎ着けるのだから、大いにやり甲斐のある仕事である。
 
 といってもこのような感性の鋭いアトピー患者さんというのは、毎年1〜2名いればよいほうだから、きわめて例外的な特別な人達なのかもしれない。

オオルリ
オオルリ posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 01:04| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2010年04月27日

黄連解毒湯証の素人判断は要注意っ!

スズメ
スズメ posted by (C)ヒゲジジイ

 老体にはこたえる。連休前のためか日々慌しく少人数の薬局では交代が出来ないので日々バテる。

 関東などからの遠来者の新人さん達も半月に一度は通う決意で来られているが、当方のアトピー関連サイトやブログを熟読して、それをヒントに黄連解毒湯の医療用を東洋医学専門病院の医師に請うて使用したところ速効を得たのはよいが、吐き気が続くので、やはり当方のブログを参考にして六味丸を追加したらやや軽減したという。

 それ以上の配合変化は素人では無理なので遠路はるばるやって来られたわけだが、黄連解毒湯も六味丸も当方で愛用する製剤に切り替えてもらい、さらに茵陳蒿湯と猪苓湯を追加したところ、即日で吐き気は完全にやんだ。

 翌日は黄連解毒湯証にはややずれがあるようなので、他の清熱解毒剤に変更したところ、食欲が俄然出てきた。
 いくら速効があっても油断がならない場合があるのが黄連解毒湯の特徴でもある。(あるいは吐き気を生じた原因が医療用の黄連解毒湯の製法に問題があったのかも知れない?)

ジョウビタキ(オス)
ジョウビタキ(オス) posted by (C)ヒゲジジイ

ラベル:黄連解毒湯
posted by ヒゲジジイ at 19:47| 山口 ☁| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2010年04月22日

中医学や漢方医学の月刊誌や季刊誌など

ボタン
ボタン posted by (C)ボクチンの母

 専門の中医学や漢方医学類の雑誌類は、昔は熱心に熟読したものであるが、中医漢方薬学なるものに目覚めて以後、次第に自説の考察にばかり目が向いて、専門誌類に目を通すことは以前ほど熱心ではなくなっている。

 それでも某誌などは、漢方処方運用の実際の記事が豊富だから、暇つぶしに目を通すことも多い。

 たとえば、冷え症で当帰芍薬散を服用してすっかり改善し、元気もりもりとなっていた人が五年後に暑がりになっているのに方剤を変更することなくその後も更に5年間も馬鹿の一つ覚えのように継続服用しているうちにこんどは異常な暑がりになった例など。(「漢方研究誌」2月号)
 そのような患者さんの転医を受け入れて直ぐにそのことを見抜いた医師こそ流石である。

 要するに折々の弁証論治を怠っていると、時に見られる問題であるが、合成医薬品と異なって漢方薬の誤治とは可愛いものである。
 新患として受け入れた(名医と言っても過言ではない)医師の指示に従って当帰芍薬散を中止すると一週間もしないうちに速治している。

 某誌でもやはり臨床記事で、肺腎陰虚に陰虚火旺がみられたとあって、滋陰降下湯や麦門冬湯を投与されたのはよいとして、知柏地黄丸か少なくとも六味丸が投与されたわけでもなく、なんとっ!八味丸が投与され、この三方剤で速治されたとあるので、首を傾げた。

 そういうことなら腎陽虚も併存していたことになるはずだが、そのことは一切触れられてないが、おそらく六味丸が含まれているので八味丸中の附子と桂皮が邪魔になりつつも、何とか効果を出すことが出来たのかもしれない。
 というよりも、やはり腎の陰陽両虚証であったに違いない・・・などと暇つぶしに読むには面白い。

 ところが別の他誌の中には昨今以前より外装はとても立派になっても、記事内容が学者さんたちの執筆中心で、実際の臨床記事が極めて僅少だから昨今ではほとんど目を通さない。
 同業者からも同様な愚痴をしばしば耳にする月刊誌である。

 ヒゲジジイも長年執筆してきた雑誌でもあったが、連載を中止した途端、気が付いたら一年もその雑誌が送られて来なくなっていた。
 しかしながら、一年近くも気が付かなかったほど当時から次第に臨床とはかけ離れた学者さんたちの記事中心に傾きつつあった雑誌であったから、きっと読み通す興味を失っていたに違いない。

 このように医師や薬剤師の勉強にほとんど役立たない記事ばかりなら、経費の無駄だから発行を止めたらどうかと進言したくなるような雑誌も存在するのだった(苦笑。

ヒヨドリ
ヒヨドリ posted by (C)ヒゲジジイ


posted by ヒゲジジイ at 23:07| 山口 ☁| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2010年04月21日

漢方処方の重要な薬味「乾姜」の問題について

可愛い一人息子のボクチン
可愛い一人息子のボクチン posted by (C)ボクチンの母

年齢 : 40〜49歳の男性
御職業 : 会社員
簡単な御住所 : 中国・四国地方
具体的な御職業 : 薬剤師
おたより : 村田先生突然、失礼致します。

 私は、地方の中小企業の製薬メーカーの薬剤師をしております。製薬メーカーといっても、近年は健康食品がメインとなってしまっており、薬剤師としては働いているのかどうか怪しい状態です。

 時々サイトを拝見させて頂き勉強させて頂いているのですが、「生姜と乾姜の錯誤」http://www.choshu.info/kankyo.html に関連して、少し気になったことがあったので、投稿させて頂きました。

 先日、たまたま山田光胤先生の『漢方処方応用の実際』南山堂を見ておりました所、p.22の8.漢方薬の投薬法1) 薬物についてで、
〔生姜〕 傷寒論にある生姜は,なまのショウガである。〔乾姜〕 傷寒論の乾姜は,乾燥したショウガである.現在これを乾生姜と慣習上よんでいる.生姜の代りに乾生姜を用いるときは,1日分2.0gぐらいがよい. 市販の乾姜は,一度蒸したショウガを乾燥したものである.後世方ではこれを用いたようであるが,著者らは乾生姜を用いている.
とありました。
 また、『漢局の漢方』 清水藤太郎著 南山堂刊 昭和38年8月20日 でも、p.50に
ショーキョー ZINGIBER 生姜〔基〕 各地に栽培するショーガ科の多年草,ショーガZingiber officinaleの生の根茎.生のフルネ(ヒネショーガ)である.「姜汁」は生姜のしぼり汁である。
p.89に
カンキョー ZINGIVER SICCATUM 乾姜 乾生姜〔基〕 各地に栽培するショーガ科の多年草,ショーガZingiber officinaleの根茎のコルク皮を去り,石灰汁につけて乾かしたもの.日本薬局方の「ショーキョー」に相当する.ヒネショーガのコルク皮を去り,熱湯に入れて後乾かしたものを「三河干姜」又は「黒姜」と称する.
とあり、日本でも昔は、生のショウガを生姜、日局ショウキョウを乾姜と呼んでいた場合もあるようです。

 山田光胤先生と言えば、大塚敬節先生の流れを汲む日本漢方の第一人者と思いますので、なぜこれが本流にならなかったのかが不思議です。
 清水藤太郎先生も、局方の制定に関わっていらっしゃると思うので、日局ショウキョウが漢方の生姜と異なってしまったのか、不思議な気もします。

 ただ、山田光胤先生が、「市販の乾姜は云々」と書かれているので、当時から村田先生のおっしゃる「煨姜もどき」が乾姜として主流だったように思われます。なぜ、日本の乾姜が「煨姜もどき」になってしまったのかは不明ですが、もともと日本漢方でも、乾燥したショウガを乾姜としていた流れもあったということをお知らせしたかった次第です。まとまりの無い文章で申し訳ございません。

飛んでるとんでる
飛んでるとんでる posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:おたよりありがとうございます。

 山田光胤先生の『漢方処方応用の実際』は、三十数年前の古方派時代に熱心に愛読した時代もありました。
 生姜を乾燥させたものが乾姜であるから、わざわざ蒸して製造するなど不要な小細工であることはあまりにも常識的なことだと思います。

 その常識論を山田先生が書かれていたことは覚えていませんでしたが、山田先生のお考えが日本の漢方製剤に踏襲されなかったことはとても不幸なことだと思います。

 ところで白朮と蒼朮の問題ですが、白朮を蒼朮で代用してよいとされたのは山田光胤先生の岳父であられる故大塚敬節先生であったと言われますから、やはり方剤を構成する薬味の選定においては、日本古方派の限界があったのではないかと思われてなりません。

 白朮を蒼朮で代用する杜撰 にも書いています通り、玉屏風散中の白朮を蒼朮で代用しようものなら、方意を台無しにしてしまうことは、誰が見ても明らかなことでしょう。

 日本古方派は、日本の漢方復興に大いなる貢献があったことを認めるに吝かではありませんが、漢方医学発展における重要な中継地点であったと考えるべきで、いつまでも日本古方派に固執していては進歩はないものと考えています。

 ともあれ、マンネリ化しているブログの活性化にご協力頂き、ありがとうございました。

ツバメ
ツバメ posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 22:26| 山口 ☔| 日本漢方の情けない現状と限界 | 更新情報をチェックする

2010年04月19日

憂さ晴らし

深坂の自然の森公園
深坂の自然の森公園 posted by (C)ボクチンの母

 月曜日の昼、同年代のお馴染みさんが来られて、
「いつもいつも神経を消耗するお仕事で、きっとストレスが溜まって大変でしょう。時には山にでも行って憂さを晴らしたくなるのでは・・・?」と、

 実はおっしゃる通りで、昨日は深坂のため池へ行ってきましたよっという会話。

深坂自然の森公園
深坂自然の森公園 posted by (C)ボクチンの母
 
「何か珍しい鳥でも撮れましたかっ?」

「ノビタキという小鳥が撮れましたが、ちょっと遠く過ぎましたっ」

ノビタキ(オス)
ノビタキ(オス) posted by (C)ヒゲジジイ

 「他には珍しくも無いホオジロばかりでしたよ。」

ホオジロ
ホオジロ posted by (C)ヒゲジジイ

深坂の自然の森公園
深坂の自然の森公園 posted by (C)ボクチンの母

深坂自然の森公園
深坂自然の森公園 posted by (C)ヒゲジジイ

深坂自然の森公園
深坂自然の森公園 posted by (C)ヒゲジジイ

ラベル:野鳥の世界
posted by ヒゲジジイ at 19:40| 山口 ☁| 漢方相談室での談話風景 | 更新情報をチェックする

2010年04月17日

ブログの更新を怠ると心配されるばかりでなくあらぬ期待をされるので・・・(苦笑

DSC_5471
DSC_5471 posted by (C)ヒゲジジイ

 更新を怠ると、漢方薬を服用中の皆さんからは身体を壊したのではないかと心配され、同業者からはあらぬ期待をされて不愉快だから、しかたなく鳥の写真でも貼っておくことにする。

 同業者や一部の漢方製造メーカーが期待するような問題はないので肩透かしで残念だろうが、歳は取って体力的にはやや落ち目とはいっても毒舌だけはますます健在ですよっ。

 まあ〜心配されても仕方がないかもしれない。先ほど買い物から帰って来た愚妻が青ざめたショックの顔で、行きつけのとても親切だった店員さんが昨日亡くなられたとて、五十代そこそこの人だったとか。

 昨年にはヒゲジジイの高校時代からの用心棒、山口県警の友人が夜勤明けに心臓破裂で突然死。数年前には釣り友達が倒れてほとんど再起不能。

 こうしてみてくると善人ばかりが早世するので、ヒゲジジイもそろそろかもしれない(苦笑。

 亡き人を忍ぶることもいつまでぞ 
            今日の哀れは 明日のわが身を
                   (加賀少納言)


メジロ
メジロ posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 20:55| 山口 | 日本残酷物語 | 更新情報をチェックする

2010年04月14日

温度差が激しい毎日で受付嬢は麻黄湯でヒゲジジイは藿香正気散

ヒヨドリの渡り
ヒヨドリの渡り posted by (C)ヒゲジジイ

 温度差が激しい毎日で、数日前、同じ日に受付嬢も、ヒゲジジイも風邪気味?
 いずれも咽喉腫痛の兆候は皆無。

 受付嬢は寒気とともに頭も冷えると言って、以前なら麻黄細辛附子湯を服用していたところだが、昔(漢方薬とは無関係に)眼圧が上がったことがあったので、附子を使用するのを控えて代用?で麻黄湯を服用したら直ぐに寒気も頭の冷えも治まった。

 ヒゲジジイは鼻水とクシャミで、花粉症と紛らわしいが、もともと花粉症はない。日頃から冷蔵庫で冷やされた飲み物を摂取する習慣があるので、このようなときはやはり一年中藿香正気散が適応する。

 直ぐに治ったが、昨日もクシャミ鼻水が出て咽喉もむずむずしたので天津感冒片の1錠トローチと藿香正気散の併用一回で治って現在に至る。
 でも、もしかしたら花粉症に罹ったのかもしれないので、今後の経過観察が必要である(苦笑。

テレビを見るボクチン
テレビを見るボクチン posted by (C)ボクチンの母

 
posted by ヒゲジジイ at 12:19| 山口 ☁| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2010年04月11日

辛夷清肺湯証と小青竜湯証の鑑別が必要なことも多い

キタキツネ(撮影者:北海道の登録販売者)

おたより:北海道の登録販売者の●●さん

拝啓 ご無沙汰しております。北海道の●●です。

 4月も半ばに入りつつありますが下関市の方はだいぶ暖かくなっているのでしょうか。ブログ拝見しましたがそちらは桜が満開のようできれいですね。

  こちら北海道も空が青々となり、春を感じる日が増えてきています。例年、ゴールデンウィーク期間中頃から桜が見ごろとなる地域が多いので、花見はまだまだ先ですが過ごしやすくなってきました。

 写真は3月中旬に連休がとれたので小さい愚息、愚娘達をひきつれ洞爺湖温泉で一泊した帰りにオロフレ峠で撮った北狐です。
 3月半ばでも山頂付近は−10℃以下で一面の銀世界。そんな極寒の中でもたくましく生きていました。もちろんエキノコックスが怖いので 車内からの撮影です。

 さて、今回は花粉症のことです。北海道も4月に入り、遅ればせながら1日に数人は花粉症に効く薬はないかとたずねてきます。その中で病院で漢方を処方されたけど効果がなかったという方が相当数おられます。

 話しを詳しく聞いてみると、ほとんどの方が何らかの診察のついでに花粉症の薬を出してもらっているようでして、その多くは小青竜湯でした。
 自分は村田先生のブログを隅から隅まで見させて頂いていますので、すぐに、小青竜湯で効果がないならアレかと気づきます(苦笑)

 そうです、辛夷清肺湯証と小青竜湯証の鑑別です。

「津液が鼻や肺に停留する暇がなく、肺気が上逆してクシャミによって頻繁に鼻汁が排出されたり、咳嗽によって喀出されるような場合は、熱盛の状況であっても津液が熱で煮詰められ濃縮される暇がないので水様性の希薄透明な喀痰や鼻汁がみられることになる」
ヒゲジジイ注⇒重要参考文献:
   意外に鑑別が困難な「痰熱」と「寒飲」
) 

 村田先生の言われていた上記の文が頭に入っていたので、これはと思いよく説明したうえで、辛夷清肺湯のOTC薬であるチクナインを試してもらうとほとんどの方が軽快にむかいました。鼻の症状の他に目の充血や痒みも伴っている方には銀翹系の方剤を併用してもらい効果を上げています。

 尚、患者の体質を診ずに花粉症=小青竜湯という、いかにもMRの話しを鵜呑みにしたような病名投与に関しては、またかという思いなのであえて触れません(笑)

 それにしても多分に気づかされるのは、漢方薬はすべて体質改善につながると思われている方が多いことです。「小青竜湯も飲み続ければ花粉症になりづらいんでしょう?」と聞いてくるお客様もかなりいまして、そのたびに標治と本治について説明しています。

 また、村田先生が2月にブログで載せていた「お茶代わりの漢方薬」ですが、この手の方はドラッグストアにも来られます。こういった方々のほとんどは生薬が1つでも入っているお茶なら漢方薬と誤認している方がほとんどです。
 つまり、センブリ茶やドクダミ茶も漢方薬と思っているんですね(苦笑)

 長くなりましたが辛夷清肺湯証と小青竜湯証の鑑別について、勉強させて頂きありがとうございました。

 今後も先生の知識の一部を盗みに来ますのでブログの継続よろしくお願いします。

桜とヒヨドリ
桜とヒヨドリ posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:おたよりありがとうございます。
 北海道と下関では季節の推移が大きく異なるでしょうね。こちらは桜が満開で、そろそろ数日後に控えた雨が降れば散ってしまいそうな情況です。

 花粉症は一ヶ月前から症状が出ている人が多いようですが、当方には花粉症だけの相談で来られる人は稀で、他の重い慢性疾患のついでの相談ばかりです。

 ご指摘の辛夷清肺湯ばかりでなく、タイプによっては藿香正気散や玉屏風散や茵蔯蒿湯や猪苓湯などもしばしば使用する機会が多いことと思います。
 村田漢方堂薬局ではたとえ小青竜湯証に見える場合でも、適応する喘息でも合併してない限りは、藿香正気散を使用します。

 なお、数年前のブログにも記載したとおり、舌の奥に黄膩苔がある人には茵蔯蒿湯で目の痒みが速効で軽減する確率がとても高く、一部の人ではすべての花粉症がこの方剤のみで治まる人もおられます。

 現実的には蓄膿症で通っておられるような人には、やはり辛夷清肺湯合茵蔯蒿湯に猪苓湯というケースもよくあります。

 といっても花粉症だけの一時おさえでよい人達はほとんどお断りしていますが、さすがに一年中あらゆる花粉に反応する深刻な体質の人の御相談には必ず真剣に応じています(苦笑。
 そのような人にはもちろん正確な弁証論治によって次第に軽減していきます。

 ともあれ、北海道らしい珍しい写真の添付、ありがとうございます。早速ブログにも掲載させて頂きます。
 お陰さまでブログに気合を入れることが出来ます。

コゲラ
コゲラ posted by (C)ヒゲジジイ

おり返し頂いたメール:ご返信ありがとうございました。

 ご指摘の辛夷清肺湯ばかりではなくという点、先生のブログ拝見後は肝に命じています。可能な限り弁証に神経を使い、状態に応じてに茵陳蒿湯やカッ香正気散も使用することもあるのですが、北海道と言う寒冷地の特色とも言いましょうか、寒い外から暖かい店内にこられるとサラサラの鼻水になる方が多く四苦八苦しています(苦笑)

 自分の場合はまだまだ知識不足、経験不足ですし、ドラッグストアには風邪や下痢などの急性のもので来られる方が多いことから慢性疾患に対する体質改善などへの対応は追いついていない状態です。

 先生が言われる、「現実的には蓄膿症で通っておられるような人には、やはり辛夷清肺湯合茵陳蒿湯に猪苓湯というケースもよくあります。」

 これも自分の弁証力では未だ判断できないです。生兵法は怪我の元
なので、自分に知識がない分野に関しては、申し訳ない気持ちを持ち
ながらOTC薬や漢方薬局に行ってみることお薦めしています。

 それでも毎日、中医学や漢方薬の参考書を見ながら少しずつお客様
にも対応できるようになってきているので、これからも頑張ります(笑)

 それでは、またメールさせて頂きますね。

ヒヨドリと桜
ヒヨドリと桜 posted by (C)ヒゲジジイ

メジロとこれは桜ではありません(苦笑
メジロとこれは桜ではありません(苦笑 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 16:06| 山口 ☁| 小青竜湯の誤投与や乱用による不快反応や副作用 | 更新情報をチェックする

2010年04月09日

アトピー性皮膚炎?のスズメさん

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DSC09389 posted by (C)ヒゲジジイ

 もっとも人懐っこいスズメさんには腹部に皮膚病がある。我が家の庭で飽食の毎日だから、きっとアトピー性皮膚炎に罹ったに違いない。

 人間様と同様の漢方処方で対処できるかどうかは不明だが、考えてみれば村田漢方堂薬局のアトピーに対する漢方薬の運用方法はどの教科書にも載ってない。

 この世からおさらばする前には、アトピー専門の本を書き残しておこうと思った時期もあったが、そのヒマがあったら鳥撮に専念して憂さ晴らしをしておいたほうが精神衛生上、遥かに有益なことだろう(苦笑。

 消風散や越婢加朮湯、あるいは温清飲や荊芥連翹湯、白虎加人参湯など、医療用漢方でまったく無効なまま次第に悪化して来られる人達ばかりだから、これらの処方はまず滅多なことで出番がない。

 さて、このスズメさん、まず基本方剤とすべきは・・・夜も更けたので早朝にスズメさんに会って処方を提示することにしよう。

 下の写真のスズメさんのように早く綺麗なお腹に戻って欲しい。

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DSC01689 posted by (C)ヒゲジジイ

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DSC01704 posted by (C)ヒゲジジイ


posted by ヒゲジジイ at 00:27| 山口 | 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする

2010年04月06日

サザエの壺焼き

おたより:関東の内科医師

撮影者:関東の内科医師

こんばんは。いつもブログを拝見しております。
 最近の村田先生は、とてもよい感じで活躍されている様に感じます。
 素敵なことですよね。。。

 今年に入って福岡には1回だけしか行っていません。福岡では約10人の患者さんを診てきましたが、幸いに全員、緩解状態で約1名(笑)の患者さんから「身体のメインテナンスのためだけで良いから福岡に来て欲しい…」とか言われています。でも自分の開業 もあって福岡には隔月位が限界になってきました。

(良さそうなテナントが見つかると先約があって、なかなか開業に漕ぎつけません。写真は福岡県呼子の屋台の「サザエの壺焼き」で三個で500円でした。呼子の「サザエの 壺焼き」は美味しくて大好きです。)

 今日は、先生に是非聞いて頂きたい出来事がありました。昨年お話しした「喉の痞えが酷くて食事が出来なかった看護婦さん(ガスター嬢さん)」の続きです。

 彼女は転職して病院を辞めていった今でも、どういう訳だか自分を信じてくれて、自分 の漢方治療の患者さんです。昨年の彼女は「食べ物を飲み込むと、その食べ物が食道を下がっていくのが分かり、ハイネックス(流動食)以外は食べられない」と話していま した。でも今は乾燥した食べ物以外は食べられるようになって少し太ってきました。

 そして今日、そのガスター嬢さんは勤務先を早退して自分の診察を受けに来てくれました。診察の印象としては「良くなっている」のですが、相変わらず「咽頭部の違和感は軽くなった程度でしかない!」と訴えます。

 「病気の位置が深いかな?上焦???」と思いながら…「口を開けて喉を見せてごらん 」と咽喉部を診た時に唖然としました。扁桃腺が肥大しているのです。その肥大してい る扁桃腺の隣には、村田先生がニヤリと笑っている姿が見えたような…(;^_^A アセア セ…。

 村田先生、僕は先生に感謝しています。まだ、お目にかかっていませんが、自分に不足 しているものとして「温病条弁」を教えて下さった先生の存在は、自分に取って掛け替えのない大きなものとなりつつあります。漢方薬で治療する患者さんを診察するにつけ村田先生の文章が頭を過ぎります。

 ありがとうございます。これからも、ご指導を頂けたら幸いです。

撮影者:関東の内科医師

お返事メール:おたよりありがとうございます。

 おたよりを拝読しながら、もしかして食道癌かもっ?と疑ったりしました(苦笑。

 身内の消化器内科医(娘婿)が、常々、アルコールを嗜む人こそ食道癌になる確率がとても高いと言って、飲酒を一切しません。
 だからもしやその看護婦さんは、アルコールを嗜むのか???と邪推しながら・・・でも、扁桃腺だったのですね(笑。

>「サザエの壺焼き」で三個で500円

はとても安くておいしそうですねっ! あっ、胃が鳴っています。

 夜食をすると翌日は血圧が上昇しやすいので我慢すべきかどうか(苦笑。

アオサギの営巣
アオサギの営巣 posted by (C)ヒゲジジイ

折返し頂いたメール: 看護師さんの症状は、まさに食道癌の様で、内視鏡での精査後でなくては漢方治療をで きない病態ですよね。

 また、食道に器質的病変がなくても、そんな症状が出てくるのですから人間の身体は面白いものです。

 加えて、お医者さんであるお子さんの話されることを実行しているお父さんとしての先生も素敵ですよぉ!(笑。

アオサギの営巣
アオサギの営巣 posted by (C)ヒゲジジイ

ヒゲジジイの折返しお返事メール:
>お医者さんであるお子さんの話されることを実行しているお父さんとしての先生も素敵ですよぉ!(笑。

 といっても「哲学の煙」だけは、到底やめる気にはなりません(苦笑。

 哲学の煙を愛する殊勝な人間様たちがだんだん住みにくくなる日本には、次第に居場所がなくなりそうです。

 そろそろおいとますべき時期が近づいているような気がします(笑。

巣から飛び立ったアオサギ
巣から飛び立ったアオサギ posted by (C)ヒゲジジイ

巣から飛び立ったアオサギ
巣から飛び立ったアオサギ posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 08:26| 山口 | 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2010年04月02日

アトピー性皮膚炎が悪化する季節到来

ヒヨドリ
ヒヨドリ posted by (C)ヒゲジジイ

 春めいてくると、皮膚病関係の新人さんが一気に増える。とりわけアトピー性皮膚炎が悪化しやすい季節だから、病院治療や漢方治療に失敗して増悪のピークを迎えて背水の陣でやって来られる人も多い。

 ところで、思い返してみれば、過去にステロイドを乱用したツケが回ってぜんぜん無効となった人でも、適切な漢方薬を服用して順調に経過していた人が、突然ぶり返したように滲出液が流れ出ることがある。

 明らかにステロイド乱用のツケが回って来た証拠と思われるが、適宜黄耆を主薬とした方剤を追加するなどして適切な配合がなされると、多くは1〜3ヶ月で回復する。

 このようなリバウンドが見られた場合でも、適切な漢方薬の配合のお陰で流れ出ていた滲出液がピタリと止まったところで、一気に7〜8割近くの寛解が得られることが通例であった。
 
 最初から計算すれば半年から一年かかったことになるが、やはり漢方薬の威力は凄いなあ〜とその都度関心したものである(苦笑。

DSC_1702a
DSC_1702a posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 21:10| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2010年04月01日

アトピー性皮膚炎を克服した大学生らしい知恵と工夫

飛んでるスズメ
飛んでるスズメ posted by (C)ヒゲジジイ

 既に9割以上は安定した大学生のアトピー性皮膚炎。
 数年前に来られた当初は、二年間塗り続けたステロイドも効かなくなって「死にたいっ」と漏らすほどだった。

 10日毎に熱心に通い詰めて、その間にもメールで微調整の方法を習得しようと何度も症状の報告があった。
 その都度ヒントを与えて断定できない部分は可能性のある方剤を順次服用して体感し、適不適を判断せざるを得ないことなど、現実的な多くのアドバイスを与えていた。

 その当時のメールをしっかり保存して、折々に復習しているというから、いかにも大学生らしい。

 今年、めでたく大学を卒業して旅立って行ったが、勉強熱心な彼は、今後の体質改善兼予防にも、アトピーを克服する大きな助けになったこれらの往復メールがいつまでも役立つのだと喜んでいた。

飛んでるスズメ
飛んでるスズメ posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 18:54| 山口 ☔| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする