2010年03月16日

小青竜湯の長期連用による副作用の典型例

メジロ
メジロ posted by (C)ヒゲジジイ

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年齢 : 70歳〜79歳の女性
簡単なご住所 : 関東地方
お問い合わせ内容 : ご多忙のところお世話になります。
 私は、質問者の息子ですが本人入院中の為、代理でメールいたしました。母親は、77歳ですが元々持病は一切無く70歳過ぎまで一度も大病・入院もせずに過ごしてきました。心臓、血圧共に問題ありません。

 ところが、ここ3年ほどの間に、西洋薬の投与ミスによる被害に会いました。
 整形外科医が製薬会社の警告を知らずに鎮痛薬の14日長期連用を強いて急性胃穿孔、また、内科医から必要が無いのに最初から血圧降下剤の最高単位を無理やり投与され、服用1回で血圧が急激に低下して意識消失・階段から転落、大怪我しました。

 その後、もう薬害はコリゴリだから薬はできるだけ飲みたくないと相談していた最中に、かかりつけの内科医から、軽いアレルギー性鼻炎の症状に対して、『漢方は副作用がないから大丈夫』とのことで『ツムラ小青竜湯』を約1年半長期投与されてきました。(アレルギーを抑える西洋薬も、これは安全だからと、何種類かを色々試しながら断続的に併用投与されていたようです。)

 そして、この3月10日、起床時から突然冷や汗・眩暈・動悸が始まり、目の前が真っ暗になって廊下で転倒して骨折・頭部打撲、緊急搬送に至りました。現在のところ生命に別状はありませんが、脳神経外科・内科病院に精密検査入院中です。

 ちなみに、日常の血圧は高くても上が140台・下が70〜80台で、定期診断でも心臓不整脈を指摘された経歴もありません。
 救急搬送時の血圧は180/95に上昇していました。

 どうにも納得が行かないので、『小青竜湯』について調べていた所、麻黄を含む漢方では、血圧上昇/また、心臓に負担をかけて不整脈を起こして脳貧血を起こす、等の副作用の可能性がある事を知りました。

 『小青竜湯』の『長期連用』によって、このようなリスクが高まる事はありますでしょうか?

 かかりつけ医の投与についての判断ミスの可能性は考えられますでしょうか。

 ご多忙の所、恐縮ですが入院先の主治医からも、この薬では副作用は無い、との説明しかもらえないので、ご専門の方からのご教示を頂ければ幸いです。どうぞ宜しくお願いいたします。

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御返事メール:もう、既にご自身でご調査の通りで、

>『小青竜湯』の『長期連用』によって、このようなリスクが高まる事は

不必要に長期連用すると絶対にないとは言い切れません。

 もともと適応証があっても一部の例外を除いてあまり長期に連用すべき方剤ではありません。
 つまり、適応証があっても必要に応じて断続的に使用するなどが正解のことが多いという意味です。

 それゆえ、医療用漢方の誤投与を警告して4〜5年前から当方の付録サイトに書いて警告していたのですが、マイナーなサイトなのでほとんど見る人がいないようです。

病院からよく出される漢方薬の使用上の注意!

 医療用漢方を使用される医師でも、西洋医学には玄人でも、漢方医学に関しては素人レベルに近い人も多いようです。

 ともあれ、覚醒剤の原料にもなる麻黄含有成分の方剤は、適切に用いれば問題は生じないのですが、適応証でもないのに投与すれば、多かれ少なかれ問題は生じやすいものです。

 とりわけ医療用漢方で繁用される小青竜湯や芍薬甘草湯は、今後も問題が生じることは絶対にないとは言い切れない問題です。

 以上、取り急ぎお返事まで。

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折返し頂いたメール:早々に、ご丁寧なご連絡を頂き、感謝申し上げます。

 入院先のどの医師に尋ねても、『この漢方には問題はないから服用再開して良い』、としか言われません。

 西洋薬の副作用でさえ認めたがらない傾向が強いと感じていますが、こと漢方に関しては、やはりそのような状況なのですね。

 もちろん服用は私の判断で中止しておりますが、ご助言いただいて安心いたしました。

 この度は、お忙しい中、本当にありがとうございました。

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posted by ヒゲジジイ at 00:05| 山口 ☔| 小青竜湯の誤投与や乱用による不快反応や副作用 | 更新情報をチェックする