2009年09月29日
夏場に胃腸が冷えて不調を来たしやすい本当の原因
トンビ posted by (C)ヒゲジジイ
長年観察したところ、夏場に冷飲を好んで摂り過ぎ、胃腸を壊してしまう体質者の多くは肝胆系に湿熱を蓄えている。
暑さに負けて冷飲するのは肝胆系統を冷やしたくて冷飲するのである。
ところが、胃熱傾向にある人達ならそれほど応えないものの、そうではない人達では往々にして脾胃を損傷してトラブルの元ととなる。だから黄膩苔が舌の奥に鎮座しながら、胃腸の不調を訴えるのである。
不摂生の極み、年がら年中、冷たいアイスクリームや飲み物を好んで摂る人達も、意外にもあの寒い冬には応えないのに、夏場にはしばしば胃腸が冷えて不調となる人達が多いのである。
外気の温度と冷たいアイスとの落差の大小による影響は意外に大きく、外気温との差が少ない冬場は大丈夫なのに、相対的に温度差の大きい夏場の方が胃腸を冷やして機能低下を招きやすい。
さまざまな理由から肝胆系統に湿熱を帯びている体質者が多い時代、あらゆる病は冷えが原因などと、幼稚な考えは持たないに限る。(肝胆系統に湿熱を帯びやすい理由は多岐に亘るのでここでは述べない。)
多くの人達が藿香正気散(カッコウショウキサン)を数服も連用すれば、速効で治るのが現実であるが、多くの人は、性懲りなしにまたこれを繰り返す。
なかには頑固に慢性化してる人もあり、その場合は、肝胆系統の湿熱に配慮した方剤とともに、脾胃を適切に温める方剤を適量併用しなければならない。
こういう配慮こそ、バランスの取れた適切な配合の基礎である。
シジュウカラ posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 00:33| 山口 ☁| 温め療法や温補薬による弊害
|