2009年07月10日
重濁粘膩な湿邪が跳梁跋扈する梅雨
シジュウガラ posted by (C)ヒゲジジイ
おたより:同業の彼女(薬剤師)
ご無沙汰いたしております。
梅雨のうっとうしい季節、いかがお過ごしですか?
私の方は湿に弱くパワーが半減しております。
さて、例の魔除け・・・・素晴らしい額に入れていただき、輝いていますね。
この先、良いことがたくさんありますように♪
それにしても、今年の湿邪は半端でないようです。
毎日、湿邪の重濁性、粘滞性と悪戦苦闘しています。
それにひきかえ、陰虚の方の元気がよいこと・・・・。
先日も、夕食に、素麺を一人前普通に食べただけで、明くる朝、顔がむくみ、頭がふらつき、思考がまとまらず、四肢が抜けるようにだるくて仕事どころではない状況に陥りました。
舌をみると、湿に溢れてテラテラとしていて歯形があり、いやな黒ぽい苔がある・・・・。
おけつか、寒湿極まったか・・・脾腎陽虚か・・・・
いよいよお迎えが近いのかもしれない・・・と焦りました。(しかし、実は前の晩、血虚対策でポリフェノールの多い赤ワインを飲んだ染め舌であったことが、後に判明・・・まだ少しは生きれそう 笑)
もともと脾虚の上に、腎も肺も弱く、少し無理をしたり、過緊張が続くと、尿の出も便の出も汗の出も悪くなり、八方塞がりの体になってしまいます。
冬ならば葛根湯と五苓散でうまくとれてゆくのですが、この季節にはうっかり使用するとさらに悪化する経験をしています。
藿香正気散(カッコウショウキサン)と川芎茶調散(センキュウチャチョウサン)にヨクイニン茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)を足してみましたが、今ひとつ・・・。
もとは気滞があったことを考え、四逆散を使って、詰まりがとれてきました。
しかし、肺気が不宣で少量の越婢加朮湯と万寿霊茸の液を飲んだところ、一気に汗が出始め、解表成功。
今度は10分おきくらいにうっとうしいほどお小水にゆき、やっとこさ仕事ができる状態になりました。
先生なら、こんな回り道をしなくても、ビシッと処方されることでしょう。
自分のことになると、主観が入り、どうも迷いが生じてしまいます・・・ヤブですね。
夕方のツバメ posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:おたよりありがとうございます。
大きな魔よけ、ようやく掲げる場所が見つかりました。
薬局内を何度も検討したのですが、その面積が確保できず、結局自宅内の階段になりました。世間様のお目には入らない場所で残念ですので、写真をブログに掲載することで「魔よけ」の効果が上がることを期待しています(笑。
また、いつもながら鋭い分析、流石ですね。
>それにしても、今年の湿邪は半端でないようです。
>毎日、湿邪の重濁性、粘滞性と悪戦苦闘しています。
>それにひきかえ、陰虚の方の元気がよいこと・・・・。
非常に的確で、当方でもアトピー性皮膚炎の人達で顕著な違いが現れています。
陰虚火旺体質の人達は雨降りの毎日が続いて炎症と痒みがほとんど消失して喜んでいる人がいるかと思えば、これまで順調に推移していた人が、雨降りが続きだした頃から、急に発疹にともなう滲出液も増え、村田漢方堂薬局では滅多に使用しない消風散も追加せざるを得なくなった人もおられます。
一人ひとり、四季折々の配合変化のパターンを探りつつ、ご本人にもコツを習得してもらう必要があり、アトピー性皮膚炎には最も神経を使います。
しかしながら、実際にご相談者が増え続けるのは悪性腫瘍関連ですので、現代社会の悩ましい状況をそのまま反映している現状です。
赤とんぼ posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 12:17| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答
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