2009年05月20日

焦り過ぎる人はうまくいったためしは僅少

 先日、某メーカーの社員の人が、同業の薬局さんがタイトルに類似した記事を書かれているというので、そのコピーをを見せくれたが、まったく同感である。

 昨今、チェックをやや厳しくして、神経症的に焦り過ぎる人を避けるようにしている。
 過去にこの種の人達の多くは数ヶ月も頑張れずに、いつの間にか消え去っているので、現在は、そのような人達は皆無に近いはずである。

 過度に焦っている人は、素直に中医漢方薬学の流儀に従おうとされず、種々の独自の調査による治療薬を提案されることが多いので、しばしば辟易させられたものである。
 こちらの冷静な判断を狂わすので、途中で投げ出してしまいたくなるのが必定である。

 今年に限って言えば、どうしたことか著効例が続出して気味が悪いほどである。最後までうまくいけばよいが・・・それはともかく、中でも驚くのは、近年珍しく、難治性の拗れた疾患ですら、単方や数処方の併用くらいで、初期に速効が出ているケースが目立つのである。

 先日の極め付きは、尋常性乾癬が六味丸単方10日分で著効が得られているのには驚いた。

 昨年のトップは、三種合併型の膠原病に疎経活血湯加減方の製剤一種類により、僅か半月で、微熱や関節痛など諸症状が雲散霧消して、今日に到るまで再発はみられないケースである。

 アトピーはアトピーで、ステロイド外用剤に嵌ってどうしようもなくなっているような人達が、僅か猪苓湯と茵陳蒿湯の併用くらいで速効が得られているケースが目立ち、これに六味丸系列の方剤が加わって、基本的な三種類だけで改善しているケースも目立つ。

 それとは別に、加味逍遥散を主方剤として他方剤を適宜併用することでかなり順調に経過しているアトピーの女性もかなり多い。

 他方では、すでに医療用などで加味逍遥散を服用経験済みの人たちが、当方で出す加味逍遥散製剤を主体に他方剤の併用により、著効が得られている血の道症関連の女性は、近年、際立って顕著である。

 蒼朮が配合された間違った加味逍遥散製剤と正しい加味逍遥散製剤との効果の違いがここまで出るとは、信じられないほどである。

 蒼朮を配合した加味逍遥散製剤が漢方処方の医薬品として承認される類の信じれらない馬鹿げた話は、この漢方界では五万と転がっている。

 これらの問題事例は、ヒゲジジイがあの世におさらばする前に、間違いだらけの漢方と漢方薬という遺言サイトに、もっともっと詳しく追加するつもりでいるが、これが日本漢方界の実情である。

 といって、ヒゲジジイは過度に焦る人や、純粋な心の問題関連の漢方相談は大の不得意である。
 物見遊山で来られたり電話で気楽に問い合わせるような人は、さらに御免であるが、ところが、人生一度の大きな賭けの積もりくらいの意気込みで、意を決してやって来られる真剣・真面目な人達では、運が良ければ、驚くほどの結果が伴うことも多い現実がある。

 今月だけでも二例、超難関の事例でさえも、CTなどの諸検査で主治医が「あり得ない珍しいケース」と賛嘆された事例が続いている。

 でもね〜、昨日などは一日中、店頭のみならずお馴染みさんや常連さんの電話による補充注文が殺到したために、午後には疲労困憊の末、本当にあの世に行くのではないかというほどの窮地に陥って、それを何とか救ってくれたのが牛黄製剤や麝香製剤の併用だった。
 
 歳は摂りたくないもんです。

 だから疲労困憊にならないよう、新しいご相談者は必然的に狭き門とならざるを得ない訳でしたっ。
 それでも連日のように新しい人が続いているのは、真剣で真面目な人達が意を決して来られているから放っておけないのである。

 でもね〜、今日みたいに新人さんがたまたま来られなかったヒマであってしかるべき日に、どれだけのお邪魔虫電話がかかったことかっ。

 「馬鹿じゃないの」と言いたくなる電話ばかりが一日中続いたのはどうしたことか。
 ほんとうに馬鹿馬鹿しくて書く気にもなれない問い合わせ内容ばかりであるが、たとえば、

 「鼻水が止まらないんですけど、どんな薬がよいか教えてもらえませんか?」などと見ず知らずの人間に、どうして電話くらいで教えることができるのか、こちらの方が訊きたいくらいだっ!

ぶんぶんぶん蜂が飛ぶ
ぶんぶんぶん蜂が飛ぶ posted by (C)ヒゲジジイ


posted by ヒゲジジイ at 22:48| 山口 | 近況報告 | 更新情報をチェックする