2009年03月28日

アトピーでもシンプルな配合でスムーズに寛解して行く幸運な人達

 最近、村田漢方堂薬局としてはとてもシンプルな配合で病気がスムーズに寛解に向かっている人達が目立っている。

 なかでもアトピー性皮膚炎の女性達に顕著で、2〜3処方の併用で長年のステロイド外用剤が無理なく減量し、スムーズに離脱に向かっている人が多いのである。

 一方では多種類の併用が必要だったとはいえ、かなりな速効があったのをよいことに、数ヶ月もしないうちに服薬を中断した根気のない人も目立つ。
 遠路はるばるやって来られながら、この不況下だから経費面に問題があったのかもしれない。

 別の例では、わさわさ遠方から二度も泊りがけで来られながら、少し効果が出かかったところで、わずかその20日間で中断した医療関係者もいる。
 やはり医療関係者は適切な処方が見つかりかけると、シメシメとばかりに直ぐに中断する。

 アトピーに限っては医療関係者は一部の例外を除いて根性が無い。どうせこれをヒントに自己治療を試みるのだろうが、臨機応変の配合変化が必要なのに、処方を固定できると思い込むのはチト考えが甘過ぎる。

 そのような幸運な人達とは別に、再発組みと来たら高濃度の多種類の方剤にも関わらず、遅々としたスピードとなるケースが多いのは、治せるときに油断して服用を怠ったツケが回ってきたのに違いない。

 それらの再発組みの人達こそ、初期に比較的スムーズに寛解して行ったことが油断を生み、半年もしないうちに服用量が激減したことと同時に、あれだけ注意しておいた食生活の乱れが起因しているように思われる。

 いずれにせよ、ステロイドが離脱出来なかった病歴の長い人達が、意外にシンプルな配合で、急速に緩解している事例が続くので、むしろこちらは唖然とするばかりである。

 極端な例では、●●●湯と○○湯だけの配合で面白いほど効果を上げるケースなどは最たるものである。

 ここで処方を伏せるのは、またぞろシロウトさんたちが弁証論治もないまま勝手に模倣して、効くとか効かないとかの苦情を聞きたくないからである(苦笑。


 追記:ブログの更新を怠っていると、お馴染みさんに窘められたので仕方なく書いた。

 ただ、せっかく過剰なほどたっぷりの相談時間をかけながら、少し効果が出かかったところで、シメシメとばかり数回も続かずに音信不通となった連中への警告にはなったかもしれない。

 つまり、処方は固定できるとは限らないということを・・・だから、そちらでうまく行かなくなっても、もはや受け入れるとは限りません。
 こちらもそこまでお人よしではありませんからねっ(呵呵。



posted by ヒゲジジイ at 00:13| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2009年03月26日

他者の質問の応答集はとても参考になったと書かれながら、自分の質疑応答はブログに転載を許可しない、という得て勝手な要求

 昨今、メールフォームを利用したご質問やおたよりが続いているが、いずれも「ブログへ転載しないで下さい」を選択される人や、明確な可否のチェックがないケースばかり。

 したがって注意書きに記載している通り(ギブ・アンド・テイクが成立し得ないので)いずれも、こちらからのお返事は御遠慮させて頂いている。
 だからせっかく面白い質問があっても、ブログで利用できない。更新が滞っている理由の一つがこれである。

 他者の質問の応答集はとても参考になったと書かれながら、ご自分の質疑応答はブログに転載を許可しない、という得て勝手な要求に同調することはできない。

 貴重な時間を潰してまで、このようなエゴに付き合ういわれはあるはずがないですからね〜っ。


漢方と漢方薬(医薬品)に関連したご質問フォーム


posted by ヒゲジジイ at 23:50| 山口 ☀| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2009年03月25日

食い意地の張った連中のお陰で仕事が尽きることが無い

 昨今の不況下でも食い意地の張った連中が減らないお陰で贅沢病が尽きることが無い。慢性疾患のかなりな部分が食い過ぎが原因となったり誘引となっているケースがとても多いからである。

 食事内容の問題や、健康食の積もりで積極的に摂っているものにも間違いだらけの認識が世間にはびこっているお陰でアトピー性皮膚炎を代表とする皮膚疾患や、そのほかのアレルギー性疾患も増え続ける。

 食の大きな間違いの例では、昨今ブームになっている生姜の過剰摂取や、昔から続くニンニク神話のお陰で、肺熱肺陰虚を引き起こしている例が後を絶たない。
  
 さいきんブームとなっている生姜の過剰摂取は、適量ということをしらないおめでたいマスコミによって先導され、それにあおられる女性達が信者となって、肺熱肺陰虚の病理現象を日本社会に蔓延させることになるだろう。ニンニクや唐辛子の二の舞である。

 それにしてもこれらの飽食病とは別に、心の病を抱えた人達も増え続けているようだが、こちらの方は昨今、気短になったヒゲジジイはもっとも不得意分野であることを自覚するに到っている。

 心の病はとてもデリケートであるから、ヒゲジジイのような野狐禅的人間には向かないものである。
 
 心の病とは似て非なる更年期障害や血の道症、真正の鬱病などは肉体的疾患の一つであるから、弁証論治が正確であれば、漢方薬の反応はかなりなものである。だから一部の例外を除いて、多少とも得意分野と言えるかも知れない。

 ところが神経症や心気症、あるいは統合失調症などは、個人的には不得手であるから、昨今、鄭重にお断りするケースがほとんどである。


posted by ヒゲジジイ at 00:39| 山口 | 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2009年03月18日

湿熱傷陰はアトピー性皮膚炎に限らず脊髄小脳変性症でもみられた

 湿熱傷陰の悪循環を繰り返している事例で最もしばしば日常的に遭遇するのはアトピー性皮膚炎である。しばしば六味丸系列の方剤が必要になることが多いのも、この理由からである。

 最近でも脊髄小脳変性症と診断されている難治性疾患でも遭遇している。茵陳蒿湯に沢瀉湯加白朮製剤に六味丸系列の方剤の併用により、明らかに一定の効果を上げている。
 実際にはかなり複雑な病態であるが、明らかに湿熱傷陰の兆候が歴然としているので、その時点における病機に応じた適切な配合によって計算通りの効果が得られたので、こちらのほうも気分が爽快である。

 ステロイドに嵌ったアトピーの新人さんがコンスタントに続いているが、それにもかかわらず最近では湿熱傷陰の度合いが少ない人が続いている。
 それゆえ、六味丸系列などの地黄含有方剤を必要としないケースが目立っている昨今である。

 例年とは違った不思議な時代を迎えたのかもしれない。



posted by ヒゲジジイ at 22:53| 山口 ☁| 脊髄小脳変性症 | 更新情報をチェックする

2009年03月16日

半夏が沢山入っている星火温胆湯も直接に皮膚を乾燥させる作用はあるでしょうか?

年齢: 30歳〜39歳の男性
ご職業 : 会社員
簡単なご住所: 関東地方
お問い合わせ内容 : 過去の質問の中で、藿香正気散(カッコウショウキサン)や桂皮が入っている漢方薬などは、直接に皮膚を乾燥させる作用があると書いてあるのですが、半夏が沢山入っている星火温胆湯も直接に皮膚を乾燥させる作用はあるでしょうか?
 お願い致します。


御返事メール:あり得ることです。
 たとえば陰津虧損(陰液欠乏)の体質者が間違って温胆湯系統の方剤を服用すれば、大いにあり得る反応ですし、たとえ痰熱が存在する適応者が服用する場合でも、他方で痰熱が陰津を虧損する悪循環を繰り返すような病態では、温胆湯系列の方剤に、その人にとって適切な滋陰剤も併用しなければ、バランスの取れた配合にならず、滋陰剤のバックアップが不足するために、皮膚が乾燥してしまうこともあり得ることです。

 要するに単方(一種類の方剤)だけを長期間続けることは素人さんのすることで、往々にしてバランスが悪いことが多いわけです。


折り返し頂いたメール:ありがとうございます。

 杞菊地黄丸などを、星火温胆湯と併用する事は、乾燥肌の防止になるでしょうか?


御返事メール:杞菊地黄丸が適応する肝腎陰虚が並存することが間違いなければ、併用することでバランスが取れやすく、乾燥防止になり得ます。

 それ以前にもまた星火温胆湯が貴方に適応することに間違いない、という条件も必要です。


posted by ヒゲジジイ at 19:28| 山口 ☀| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2009年03月14日

今月の21日(土曜日)は休業しますっ!

 今月は20日(金曜日)が春分の日でお休みであり、22日(日曜日)は当然休みだから、このようなカンチャンの土曜日21日も休みにして三日連休とします。

 このような多くの人が三日連休のときに、ほんの僅か三時間のために開けていると、連休に浮かれた連中が闖入してくる可能性が高い。

 いずれにしても、今後も前後が休業日になるようなケースでは休日とさせて頂きます。

 本来は下の写真の記載が原則ですが、今後もカンチャンだけ開けるということは避けたいと思っています。

 ですから多くの皆さんと同様に、村田漢方堂薬局も20日(金曜日)、21日(土曜日)、22日(日曜日)の三日連休となりますっ!

 もちろん本日14日(土曜日)は通常の土曜日だから午前中の三時間は頑張りますっ(といっても延長戦が当然のような土曜日ですが・・・)IMG_2526aaag.JPG
posted by ヒゲジジイ at 00:54| 山口 ☔| 近況報告 | 更新情報をチェックする

2009年03月12日

最初だけですよ、恐るおそるやって来られるのは・・・そんな殊勝な人たちもやっぱり最初だけっ!

 今年のアトピーの新人さんは引き続き女性たちばかり。不思議と今年は男性の新人さんは、アトピーに関する限りは、ない。

 当方の漢方薬で治った人からのご紹介では、そのようなことはないが、ネットで調べて来られたという人達に限っては、いずれも相当に緊張して来られる。まるで鬼の島にでも乗り込む決死の覚悟であるかのような面持ちである。

 それが2回、3回と続くうちには、お互いに化けの皮が剥がれ、つまりは相談者の猫かむりも取れて、互いの本性が露呈して来るころから、ようやく疾病の本質が見抜けるようになるので、多くは寛解の一途を辿ることになる。

 今年は真面目な女性達が多いので、とても順調な経過を辿っている人が断然多いのです(呵呵大笑。

 あんまりブログを更新しないでいると、ヒゲジジイが倒れたと誤解されても困るので、以上でお茶濁しっを終わる。



posted by ヒゲジジイ at 13:42| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2009年03月06日

ちょっとお尋ねですがの抑肝散の問い合わせは、例によってすべてお断りしている

 最近、阪大グループによるアルツハイマーの症状抑制に抑肝散が有効であると科学的に証明されたという報道記事が3月4日の読売新聞に掲載されて以来、「ちょっとお尋ねですが」の電話が続いている。

 もちろんお馴染みさんや常連さんのご家族のご相談以外は、すべてお断りしている。このような処方指名の場合、多々問題が生じやすいからである。
 もちろん、中医学的に抑肝散が適応する人には一定の効果があることは昔から漢方世界では常識ではあったが、熱証患者が間違って単独で服用された場合、配合中の当帰や川芎(センキュウ)などに反応して猛烈な痒みが生じたお年寄りの話も折々に耳に入って来る。

 だから見ず知らずの人達からの抑肝散の指名でうっかり販売した場合、多少でも効果があった場合はよいものの、もしも効果がでなかったり、あるいは適応を誤って黄連解毒湯が必要な場合のように、強い熱証の体質が並存している人が単独で服用して激しい掻痒が生じた場合の苦情が噴出した場合まで想定すると、石橋を叩いてお断りするに限る。

 いくら立派な阪大グループの発表といえども、弁証論治を無視した研究成果には同調することは出来ないのである。

 というより以前に、もともと「ちょっとお尋ねですが」の処方指名客こそ、もっともクレームが生じやすい前兆としてお断り対象の代表格であることは常々書いている通りである。

 患者さんご本人のことを純粋に考えてあげれば、これからがとても大事である。
 「主治医の先生に相談してみて下さい。もしも適応であれば、医療用漢方に抑肝散はありますから、きっと投与してもらえるはずですからっ!」
 とっ。

posted by ヒゲジジイ at 13:46| 山口 ☔| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2009年03月04日

メールが届かないのはすべてアナタの携帯の設定ミスっ!

お問い合わせ:2日程前に先生にメールを送ったのですが、返事を頂けなかった様なのですが…ずっと気になってたのですが、昨年の12月位から商品注文など何度かメールをしてますが、何の返信もないのですが(返信を頂く内容でもなかったですが…)もしかして、何か気分を害される様な失礼を私がしたのでしょうか…?気になりますので何らかのお返事頂けると幸いです。


お返事メール:一昨日直ぐにお返事を送っていますが届いてないのでしょうか?
 また、メールを頂いたら必ずお返事をお送りしていますが、そちらは携帯でしょうか?
 携帯では受け取りを拒否される場合があるようですっ!


折返し頂いたメール:すみません、届きました。もしかしたらと思ってましたが、変なメールが沢山来た時期があってのでメールフィルターしてました。ずっと気になってたのでホッとしました、お騒がせしてすみませんでした。


追記: 最近、このような問題が続いている。といっても数例しかないものの、携帯のアドレスを変えてからおかしくなったりしている。こちらはNTT系のgooメールで受信しているが、当方のアドレスまで拒否されているので、受け取れないのは当然である。
 問題は受け取り側のご自身の携帯にあることを自覚して欲しいっ!
posted by ヒゲジジイ at 14:02| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2009年03月03日

脾気虚がメインと考えるには、あまりにも矛盾する自他覚症状

年齢: 30歳〜39歳の男性
ご職業: 会社員
簡単なご住所 :関東地方
お問い合わせ内容: はじめて。○○○○と申します。

 西洋人参の帰経と脾気虚について、ご質問があるのですが、体質はとても暑がり、汗っかきで舌は赤く、黄色い舌苔もあります。

 風邪をひきやすいなどや疲労感、下痢などの症状は全く無いのですが、漢方の先生からは、脈診の診断で気虚や脾気虚があると言われました。
 下痢などの症状が全くなくても、漢方の症状では脾気虚がある場合はあるのでしょうか?

 暑がりで、のぼせがある脾気虚の体質改善には、西洋人参は適しているでしょうか?
 インターネットで調べたのですが、西洋人参の帰経は心肺腎になっており、脾には帰経してないと読んだのですが、西洋人参は脾を強くする効果はあるのでしょうか?

 また、イスクラ製薬から販売している香西洋参と西洋人参ではどちらが効果が高いのでしょうか?よろしくお願い致します。


御返事メール:脈診は医師や鍼灸師が行う範疇ですが、主観がとても入りやすく習熟度によってかなり診断能力に差が出やすいようです。ですから脈診ばかりでなく、舌診のほうこそ客観的に把握し、誰もが納得しやすい面があるようです。

 ご報告の様子では、舌が赤いということから、臓腑経絡系統の一部に熱証が存在する可能性が高いと思います。あるいは陰虚も存在するのかもしれません。
 また、黄色苔がある場合は、いずれかの臓腑経絡系統の一部に湿熱が存在する可能性が高いと思われます。

 それなのに、敢えて脈診から脾気虚を強調されるからには舌が大きく嬌嫩(きょうどん)であったり、歯型がくっきりとあるなどの現象が伴っているはずです。これらの状況が伴わなければ、脾気虚の診断もやや怪しくなります。

 もしもこれらの状況が並存するようであれば、上記の熱証あるいは陰虚証に加えてさらに脾肺の気虚が並存するやや複雑な体質ということになります。
 かなりバランスの取れた、上手な漢方処方を組み合わせる必要があることでしょう。

 自覚症状としては、とても暑がりで汗っかきということからは、脾気虚よりも熱証の存在や陰虚の存在の方がより重要だと思われます。

 なお、西洋人参は、中医学的には養陰、清熱、生津であり、また、ご指摘のとおり脾気虚とは無関係です。貴方に適切だとは言い切れませんが、あくまで部分的には当たらずといえども遠からずの部分もあのかもしれません???
 日本では食品扱いですので、効果云々についてはこれ以上書くことはできません。日本は恐ろしいほどの漢方後進国ですのでっ!・・・(苦笑


折り返し頂いたメール:お答えしていただきありがとうございます。

 乾燥肌と二の腕の角化症の治療で、白虎加人参油と少量の黄連解毒湯を飲んだ事があるのですが、ある程度、皮膚病には効果があったのですが、冷やす効果の高い白虎加人参湯や黄連解毒湯は、下痢などの症状がでなければ長期間のんでも大丈夫でしょうか?

 脾虚についてなのですが黄色の舌苔が厚いのですが、舌苔が付着するにはどんな原因があるのでしょうか?
 脾気虚がなくても胃熱や肝胆湿熱でも舌苔が厚くなると読んだ事があるのですが。

 舌苔があるからというだけでは、脾気虚が必ずあるとは限らないのでしょうか?

 また、西洋人参には補気の効果は無いのでしょうか?

 お願い致します。


御返事メール:実際に効果がある方剤こそ正解です。継続服用すべきかどうかは、身近に直接漢方相談を受けられている専門家と相談しながら、他の方剤との配合も絡めて臨機応変に専門家と直接ご相談しながら考えるべきです。

 それ以下の舌のご質問は、基礎理論をご存知ない方に説明するのは不可能ですので、あしからずっ(苔に関する質問のやや支離滅裂なご質問内容から、これ以上のコメントは無理だと判断しました。)


追記:苔の状態で脾気虚を判断するのではなく、主として舌体から判断されるものである。

 気虚があるとすれば、汗かきのことから、むしろ疑われるのは肺気虚の並存である。
 つまりアトピー患者でもしばしば遭遇する玉屏風散証である。黄連解毒湯などの清熱剤に肺脾の気虚に適応する玉屏風散の併用が必要な症例は決して珍しくない。

 なお、常々書いているように、五臓六腑それぞれの各臓腑経絡系統は一人の身体において、寒熱虚実が異なる現象が往々にして生じているので、想像以上に複雑なケースも多々見られるので、厳密に分析すれば、それほど単純に多少の脾虚証があるからといって、それだけをクローズアップすれば、往々にして逆効果の処方が出されるケースも多い。

 最近も、遠来者のアトピー性皮膚炎に、脾虚があるからといって人参湯を投与されて急激に悪化した経験を持つ女性が相談に来られたが、当方で初回に試験的に服用してもらっているのが茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)や猪苓湯や地竜などで、脾虚に対する薬物は猪苓湯に含まれる茯苓と猪苓くらいのものである。



posted by ヒゲジジイ at 19:22| 山口 ☔| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2009年03月02日

漢方薬のピントがなかなか合わない場合

前回の続き

折り返し頂いたメール:早急なお返事ありがとうございます。

 仰せの通り、素人療法は禁物だと思いますので、地元の専門家に見てもらうことにいたします。

 一言申し上げさせていただくならば、私の探し方が甘いのかもしれませんが、中医学派の腕の良い先生は、東京でも探すのが難しいのです。
 高い薬や水を売りつける悪徳な先生はいますが・・・

 2週間ほど前、●●●●先生(たぶん先生もご存じかと思いますが)のお弟子さんから診断を受け、処方してもらいましたが、初回でもあったのか全く薬が合わず、逆に症状が悪化してしまいました。  それで、自分で処方を考えてみようと思った次第です。

 まさに本日そちらに再訪し、前回の処方は、全く合いませんでしたと言ったところ、この処方で再度試してくださいとなりました。

 薬が1回でぴったり合うことは期待すべきでもないので、何度か試行錯誤をしないといけないのでしょうが、今まで、いくつかの漢方家にみてもらい最低3回以上は通っても症状がほとんど改善しないことばかりで、正直うんざりというか諦めの境地なのです。

 本当なら、実家が●●でもあり、○○にも住んでいたこともあるので、先生のところに行ってみたい気持ちが強いのですが、実家にも何年も帰省しておらず、そのついでにというわけにも行かないのが現状です。

 今通っている漢方家でしばらく試してみようと考えておりますが、もし症状の回復が芳しくないようでしたら、意を決して先生のところにご相談にお伺いいたしますので、その時はよろしくお願い申し上げます。

 以上 長々と愚痴を申し上げて申し訳ございませんでした。


御返事メール:
> 今まで、いくつかの漢方家にみてもらい最低3回以上は通っても
> 症状がほとんど改善しないことばかりで、

とありますが、
 当方とて初回から効果がある人ばかりではなく、予想外に数回通ってもらった程度では無反応のまま四苦八苦する場合があります。

 ところが難病系も含めた一定レベル以上のかなり重い疾患では、多くは初回から効果が出始め、遅くとも数回以内に歴然とした効果が出やすい傾向がとても強いようです。

 メールのニュアンスから想像するに、きっと当方に来られても同様に直ぐに効果は出ないだろうと思います。

 当方とて漢方相談の皆さんが常にスムーズに効果を発揮出来ているわけでなく、半年通い詰めてもらってようやくまともに効果が出だしたというケースも折々に生じています。それ以上かかったケースもあり、その多くは神経症や不定愁訴的な要素が強い場合のようです。

 また、既にご存知と思いますが、当方では病気の内容と過去の漢方歴の内容によってはお断りするケースが多く、たとえば短期間で転々とされる「渡り鳥」さんは、すべてお断りさせています。
 メールのニュアンスからは渡り鳥さんのようにお見受けしますので、当方に来られるのは残念ながらご遠慮願いたいところです。申し訳ありません。

 一度くらいは長期間、同じ場所に通い詰めることをお奨めします。うんざりするほど通い詰めれば、ようやく体質的な問題点の本質をつかんでもらえることと思います。



posted by ヒゲジジイ at 20:57| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2009年03月01日

素人療法は禁物です

年齢: 40歳〜49歳の男性
ご職業 : 会社員
簡単なご住所: 関東地方
お問い合わせ内容: 先生のブログを拝見させていただいております●●在住のものです。

 2007年05月12日の高血圧と肝風内動(肝陽化風)も参考にさせていただき天麻鈎藤飲を処方してもらおうと近くの漢方薬局に相談したところ、生薬が揃わないので処方出来ないと言われ、大きな漢方薬局に行くと、桑寄生がどうしても入手できませんと言われました。

 桑寄生の代替になる生薬を入れて処方してほしいとお願いするも、日本漢方の方なのか良く分からない様子でした。そこで、厚かましいお願いですが、桑寄生の代替になる生薬は何が適切なのかを教えていただけないでしょうか?

 ご多忙とは存じますが、ご回答いただければ幸いです。


御返事メール:お問い合わせの件ですが、素人療法は禁物です。

 あの当時のブログ2007年05月12日のご相談者は、中医学理論を一定レベルご存知の鍼灸師の男性だったので、突っ込んだアドバイスを行ったもので、専門化向けの内容です。

 常々書いていますように、適切な漢方薬を得るには、中医学に習熟した医師や薬剤師にジックリと相談して適切な方剤を求めるべきです。

 こんなことを書くのもなんですが、そもそも中医学は、西洋医学的にマニュアル化できるほど単純ではありません。専門的な弁証論治にもとづいて、微調整を繰り返しながら適切な配合を求めるべきです。

 これまでもネットなどで齧った中医学知識や日本漢方知識を振り回す男女が何人も訪れましたが、ピンとはずれのことがとても多く、こちらの冷静な判断を狂わせる素人知識にばかばかしくて付き合ってられず、相談をお断りしたことすらあるほどです。
そういう人に限って、細菌とウイルスの区別もつかず、病院で出される医薬品はすべて抗生物質だと信じ込んでいる人など、一般教養レベルさえ疑われるケースばかりでした。

 ともあれ、結局、当時アドバイスした鍼灸師の先生は直接下関に二泊三日の旅程で来られ、三日連続の漢方相談を行っております。
 現在も折々にメール相談を行いながら、複雑な配合方剤を継続服用中で、一定の成果を得ています。

 基礎理論は共通でも、漢方薬と鍼灸とそれぞれ異なる分野だけに、むしろ同じ東洋医学の専門家の方のほうが謙虚になれるものかもしれません。

 関東地方には日本流の先生が多いらしいですが、中医学派も沢山おられるはずですので、地元の専門家を見つけられて詳細な漢方相談を求めるべきです。

 以上、意に添えないお返事で恐縮です。


posted by ヒゲジジイ at 00:35| 山口 | 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする