2008年12月25日

渡り鳥と留鳥

ジョウビタキの雄:日本では冬によく見られる渡り鳥

 慢性疾患に悩む人達を鳥に喩えるのは不謹慎極まりないが、昨今、デジカメによる小鳥達の撮影に夢中になっている最中、皮肉屋のクソジジイらしく、へんな喩えを思いついたのだった。

 今年一年間だけでも村田漢方堂薬局を渡り鳥さんたちが既に何名も素通りされている。

 いずれも各地の漢方医院や漢方薬局を数ヶ月ごとに転々としていた人達である。
 そのいずれの人においても、練りにねって考案した配合で初回に速効があっても不思議と直ぐに効果が激減してしまい二転三転、あるいは主訴以外のところにしか効果が出ないまま、そうこうするうちに決まって次々に自前で調査された漢方処方の提示攻勢が始まり、ヒゲジジイのおんぼろコンピュータの作働を停止に追い込む。

 本来、処方を指名したいのなら、そちらの地元の漢方薬局でも手に入れられたはずであるが、不思議と短期間で移動する渡り鳥さんたちの共通した特徴が処方の指名である。

 ところがさすがに留鳥さんともなると、各地の漢方医院や漢方薬局でそれぞれ数年近く腰を据えて頑張られている。
 それでもなおかつ好転しないために、意を決して遠路はるばる来られた人達である。

 だから、半年あるいは一年と頑張るうちに、明らかな効果がみえはじめて完全に定着されて既にお馴染みさんとなられている。
 留鳥さんたちは関西や関東方面はおろか、東北地方にも北陸地方にも九州各地にも、数えればたくさんの留鳥さんたちの多いこと。

 渡り鳥さんたちとは異なって忍耐力のある人達だから、同一医院や漢方薬局で一年も二年も効果がでない同一処方を一度も微調整されることなく、文句も言わずに真面目に続けらていた人も多い。

 さすがにあまりに長期間にわたって効果が出ないので、弁証論治だの微調整だのという当然の法則をヒゲジジイのブログで知るところとなり、はじめて移動することを考えた、という気の長い人達が多いのである。
 だから、自然に不屈の忍耐力が養われているのか生まれ持った性格なのかひたすら頑張ってくれるので、せっかちなヒゲジジイの繰り返しの微調整により、半年から一年もしないうちに明らかな効果がみえはじめて真の留鳥となっているわけである(笑。

 渡り鳥さんたちはいずれも数ヶ月も続かないので、こちらも直ぐに忘れてしまうが、留鳥さんのなかには二十年近く、数年毎にそれぞれ一定期間各地で定着して頑張っても効果が出なかった人もいて、せっかくヒゲジジイの所に定着されても、さすがにまだ一向に明らかな効果が見えずに四苦八苦しているケースもある。
 でもその頑張りがあれば結局は体質改善に成功した例は枚挙に暇が無いので、未来は明るいのである。

 ところで昨日、腰痛によく効く漢方薬が欲しいと来られた六十代の女性は一年前、ヒゲジジイの奨めた●●湯製剤5日分で、数ヶ月続いたフラツキが速治したので、今度は腰痛が数ヶ月前から治らないので、フラツキのときのような速効が出る漢方薬が欲しいという依頼である。
 このように幸せな人はどこまで行っても運がよいもので、僅か5日分の●●湯製剤でフラツキが、その後一年間、二度と再発してないというのだからっ!!!

 ともあれ、渡り鳥さんの場合、多くは漢方知識が豊富で、その割にはどこへ行っても漢方薬の効果が出ないと嘆いておられるケースばかり。
 そこまで知識がおありなら、ご自身で処方されて治されればよいものを、さもなければ渡り鳥を止めて留鳥になりなさいよっとアドバイスしても、どうせ聞く耳持たない人達ばかりだから、来年からは「渡り鳥さんお断り」の看板を掲げることにした(苦笑。
posted by ヒゲジジイ at 19:51| 山口 ☀| 近況報告 | 更新情報をチェックする