2008年12月31日

アトピーに対する漢方基礎理論

年齢: 30歳〜39歳
簡単なご住所 : 九州地方
お問い合わせ内容 : 漢方薬でアトピーを治療するということは、具体的には胃腸を強くするということですか?もしくはIgEを下げるということですか?


御返事メール:「具体的」という言い方をすれば、アトピー性皮膚炎特有の症状、猛烈な痒みと赤みを消してしまうことです。付随する乾燥肌や滲出液の分泌も。すべてはこれに尽きます。

 蛇足ながら、
 これを行うためには漢方基礎理論⇒アトピー性皮膚炎と漢方基礎理論(中医漢方薬学) に基づく基本的な体質と、折々に変化する症状に応じた臨機応変の適切な配合を必要とします。

 胃腸が強くて痩せの大食いが原因でアトピーをますます悪化させている人も多い現実がありますので(胃強脾弱=胃熱脾虚証の場合が多い)、そのような人達に胃腸を強くするつもりで朝鮮人参入りの六君子湯や補中益気湯などを服用すれば逆効果になることがあります。

 このような人達の多くは、中医学的には胃熱を除去すると同時に脾虚を補強する必要があります。但し、こんな単純な方法だけで寛解する例は、軽症者に限られるようです。

 要するに胃腸ばかりを論じてもあまりにも視野が狭過ぎます。

 アトピーといっても中医漢方薬学的に観察すれば、個人差があまりにも大き過ぎます。

 失礼ながら御質問内容があまりにシンプルすぎて、ご質問の主旨がピンと来ません。

posted by ヒゲジジイ at 19:08| 山口 ⛄| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2008年12月30日

ヒゲジジイの毒舌を楽しみに通われる常連さんと挨拶も交わせなかった最終日

 隔月にまとめて漢方の常用薬を購入される常連さんご夫婦は、すでに二十年以上のお付き合いになるだろう。
 たたたま最終日の昨日29日に来局されたが、ヒゲジジイとはまったく挨拶すら交わせない混雑。

 いつもヒゲジジイの怪気炎を楽しみに長年通い続けた大の漢方ファンで、ほどほどご高齢ながらも現役で仕事を続けられている。
 残念ながら本日ばかりは、ほんとうに年末のご挨拶すら出来ずに、沢山の補充薬を購入して帰られた。
 こういう常連さんたちこそ、漢方薬の真の膂力を体感されている人達だから、「渡り鳥」さんたちとは対極の存在である。

 新しい人達の二度目や三度目の来局が重なり、その間にはお馴染みさんが常用薬の補充にも来られる。まったくの新人さんも二名続いた。
 ヒゲジジイの方は、待合の椅子に座られている人数を見ただけでも、ぶっ倒れそうな気分になっていた。

 生憎、本年最後の最終日が休み明けの月曜日と重なったため、例年なら最終日は比較的のんびりするはずが、そうは行かなかった。

 予約制にしないのも、常連さんたちが気楽にやって来られる体勢を崩したくないからであるが、その分、どうしても月曜日や土曜日は比較的混雑しやすく、みんなが月曜日の裏をかいて火曜日が混雑することもある。

 但し、月曜日や土曜日以外は、一日が長いから夕方以外は意外に好いていることが多い。最近は土曜日の混雑を皆が敬遠して、比較的空きす空きの土曜日も増えていたほどだ。

 ましてや無意識に仕事をしたくない深層心理も働いているのかもしれないが、HPやブログで本気の人しか来ないで欲しいと、気難しいことを繰り返し吼え続けている。

 実際には繊細デリケートなヒゲジジイであるから、客面する人やいい加減な医学薬学知識をひけらかす人、シロウト知識で実証や虚証だのと漢方処方を巻くし立てる人、駆け引きをするような人、思わせぶりな人、人に気を使わせるような人や、焦りまくる人たちに遭遇すると、頭の中が完全にプッツンして、オンボロコンピュータが作働を停止してしまうからである(苦笑。
posted by ヒゲジジイ at 00:05| 山口 ☁| 近況報告 | 更新情報をチェックする

2008年12月28日

漢方薬はこちらで手に入れるから一度直接伺えば相談だけ乗ってもらえますか?

 タイトルのような相談を昔からしばしば受ける。
 一度直接行けば、そちれで漢方薬を購入しなくとも(あるいは一度でも購入すれば)、後々まで相談だけ乗ってもらえるだろうか? というまことに手前勝手な問い合わせである。

 最近も同類の問い合わせがあったが、お客様は神様の国だから「お客に対して失礼ではないかっ!」と客でもない連中に客ヅラされて不快になること日常茶飯事である。

 ときには一旦、薬を販売したら最後、無理難題を吹っかけまわされて、うっかり販売したことを永久に後悔するような筋金入りのクレーマーもいる。

 それはさておき、タイトルに類似した質問が多いので、ここでまとめて紋切り型のお返事メールの内容を公開しておきたい。


お返事メール: 慈善事業ではありませんので、ご相談だけというのはすべてお断りしています。

 たとえ当方で漢方薬を一度は購入される場合でも、ご相談内容によっては薬の販売もご相談も乗れない場合があります。

注釈:一度購入されたのを免罪符とばかりに、二回目からは相談ばかりで貴重な時間を奪う筋金入りのお邪魔虫もいた。
 保険漢方で自分に合いそうな処方の相談や、他の治療方法の相談(整体や鍼灸など)、最も多いのは病院治療の不満や愚痴などナドっ!

※なるべく御遠慮願いたいのは、
 忍耐力がなく焦りが強い人や、各地の漢方病院や漢方薬局を数ヶ月ごとに転々とする「渡り鳥」。
 ウイルスと細菌を混同して区別もできないくせに、医学薬学知識や漢方知識をやたら振り回す人達は、ヒゲジジイの頭をプッツンさせるので気をつけて欲しい。

2008年12月27日

話の分かる医師からの贈り物

 JTに勤務する身内の医師から哲学の煙の元をプレゼントされた。本日のことである。
 これまでに味わったこともない素晴らしいものだった。

 世界中から迫害を受ける哲学の煙であるが、漱石の「三四郎」すら読んだことのない無教養人がヒゲジジイの薬局に出入りしている現実を知って愕然としている昨今である。
 哲学の煙の何たるかを知らずに出入りするべからず。

 来年からは「渡り鳥」および「三四郎」未読の人間、入るべからず の看板を掲げる予定である。

 
ラベル:哲学の煙
posted by ヒゲジジイ at 21:24| 山口 ☁| 哲学の煙(けむり)と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2008年12月25日

渡り鳥と留鳥

ジョウビタキの雄:日本では冬によく見られる渡り鳥

 慢性疾患に悩む人達を鳥に喩えるのは不謹慎極まりないが、昨今、デジカメによる小鳥達の撮影に夢中になっている最中、皮肉屋のクソジジイらしく、へんな喩えを思いついたのだった。

 今年一年間だけでも村田漢方堂薬局を渡り鳥さんたちが既に何名も素通りされている。

 いずれも各地の漢方医院や漢方薬局を数ヶ月ごとに転々としていた人達である。
 そのいずれの人においても、練りにねって考案した配合で初回に速効があっても不思議と直ぐに効果が激減してしまい二転三転、あるいは主訴以外のところにしか効果が出ないまま、そうこうするうちに決まって次々に自前で調査された漢方処方の提示攻勢が始まり、ヒゲジジイのおんぼろコンピュータの作働を停止に追い込む。

 本来、処方を指名したいのなら、そちらの地元の漢方薬局でも手に入れられたはずであるが、不思議と短期間で移動する渡り鳥さんたちの共通した特徴が処方の指名である。

 ところがさすがに留鳥さんともなると、各地の漢方医院や漢方薬局でそれぞれ数年近く腰を据えて頑張られている。
 それでもなおかつ好転しないために、意を決して遠路はるばる来られた人達である。

 だから、半年あるいは一年と頑張るうちに、明らかな効果がみえはじめて完全に定着されて既にお馴染みさんとなられている。
 留鳥さんたちは関西や関東方面はおろか、東北地方にも北陸地方にも九州各地にも、数えればたくさんの留鳥さんたちの多いこと。

 渡り鳥さんたちとは異なって忍耐力のある人達だから、同一医院や漢方薬局で一年も二年も効果がでない同一処方を一度も微調整されることなく、文句も言わずに真面目に続けらていた人も多い。

 さすがにあまりに長期間にわたって効果が出ないので、弁証論治だの微調整だのという当然の法則をヒゲジジイのブログで知るところとなり、はじめて移動することを考えた、という気の長い人達が多いのである。
 だから、自然に不屈の忍耐力が養われているのか生まれ持った性格なのかひたすら頑張ってくれるので、せっかちなヒゲジジイの繰り返しの微調整により、半年から一年もしないうちに明らかな効果がみえはじめて真の留鳥となっているわけである(笑。

 渡り鳥さんたちはいずれも数ヶ月も続かないので、こちらも直ぐに忘れてしまうが、留鳥さんのなかには二十年近く、数年毎にそれぞれ一定期間各地で定着して頑張っても効果が出なかった人もいて、せっかくヒゲジジイの所に定着されても、さすがにまだ一向に明らかな効果が見えずに四苦八苦しているケースもある。
 でもその頑張りがあれば結局は体質改善に成功した例は枚挙に暇が無いので、未来は明るいのである。

 ところで昨日、腰痛によく効く漢方薬が欲しいと来られた六十代の女性は一年前、ヒゲジジイの奨めた●●湯製剤5日分で、数ヶ月続いたフラツキが速治したので、今度は腰痛が数ヶ月前から治らないので、フラツキのときのような速効が出る漢方薬が欲しいという依頼である。
 このように幸せな人はどこまで行っても運がよいもので、僅か5日分の●●湯製剤でフラツキが、その後一年間、二度と再発してないというのだからっ!!!

 ともあれ、渡り鳥さんの場合、多くは漢方知識が豊富で、その割にはどこへ行っても漢方薬の効果が出ないと嘆いておられるケースばかり。
 そこまで知識がおありなら、ご自身で処方されて治されればよいものを、さもなければ渡り鳥を止めて留鳥になりなさいよっとアドバイスしても、どうせ聞く耳持たない人達ばかりだから、来年からは「渡り鳥さんお断り」の看板を掲げることにした(苦笑。
posted by ヒゲジジイ at 19:51| 山口 ☀| 近況報告 | 更新情報をチェックする

2008年12月24日

タマには申し訳程度にチョッと塗っておいたらっ

 ステロイド外用薬の話である。

 アトピー性皮膚炎でステロイド外用薬を医師の指示通りに毎日塗布し続けても一時好転したのもつかの間、途中からは悪化の一途を辿り、保険漢方によりますます悪化。
 困り果てた末に、このトウヘンボクで頑固者の君臨する薬局に恐るおそるやって来られ、いつの間にかステロイド軟膏を必要としないほどの寛解状態に漕ぎ着けた人達。

 僅か数ヶ月でほとんど離脱できた人もいれば、一年以上かかった人も珍しくはないが・・・

 8〜9割の寛解状態が持続し、聞けばステロイド軟膏を既に半月、あるいは数ヶ月塗ることがないとのたもうのである。
 だから、口癖のように「たまには申し訳程度に塗っておいたらっ!」とアドバイスするヒゲジジイであるが、あまり急速にステロイド軟膏から遠ざかっていると、思いがけない忘れた頃にリバウンドが来ることがあるので、それを警戒するからである。

 人によっては痒くもないのに、どうしていまさらステロイドっ?!と怪訝顔をされるが、真意が分かる人はわかるのである。
 調子がよいからといって数ヶ月もやせ我慢したために、軽度とはいえ、突然のリバウンドに見舞われた人もいるのだから。

 急速に寛解したように見えても長年塗布し続けたステロイドだから、たまには申し訳程度に塗布するのもお愛想である(苦笑。

 ところで、昨今、困ったことが勃発した。
 行き場を失ったアトピーの重症者を一時抑えのためだけに適切なステロイド軟膏をもらって来るように信頼のおける皮膚科に御紹介していたが、ここへ来てとうとう逆鱗に触れたらしい。

 医師のプライド?とは、いやはやっ!

 それゆえもはや信頼が置けなくなってしまったのは言うまでもない。
posted by ヒゲジジイ at 21:32| 山口 ☔| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2008年12月23日

逆流性食道炎にオルスビー錠が合わなければ即刻中止すべきです

性別 : 男性
年齢 : 30歳〜39歳
簡単なご住所: 関東地方
お問い合わせ内容: 初めてご連絡させて頂きます。
 ご相談したいのは私ではなく私の義理の母なのですが、今年の春頃より逆流性食道炎に悩まされております。また十数年前には胆石による胆嚢の摘出もしております。医者から処方されている薬は胃酸を抑えるタケプロンですが、多少症状が緩和されるものの、すぐにまた再発するような状態が続いています。

 この他、朝方に強烈な不安症が湧き出るようで、安定剤も処方してもらっている状態です。これらの不安症や胸の痛みなどは逆流性食道炎の症状と推測していますが、すぐに再発するので薬では上辺だけの解決にしかならないと感じております。

 そして先般ネットで調べ物をしていると村田漢方堂様が紹介されていたオルスビーを発見し、早速これを試そうかと取り寄せたのですが、義母の不安症による警戒心が強く、オルスビーとタケプロンを併用しないと気がすまないようで、飲み始めて数日ですが気持ちが悪くなって食欲がなくなってきてしまったみたいなのです。

 薬との併用をやめるように話しましたが、どうしても聞き入れてくれません。この気分の悪さは薬との相性でしょうか。それともオルスビーの効き目が強いところから出ているのでしょうか。タケプロンは夜10時に一回飲んでいてオルスビーは食間ですが気分が悪いというので食事と一緒に摂るようにも変えてみましたが、やはり同様に気持ちが悪くなると申しております。

 胃酸を押さえる薬との相性など何か思い当たる点についてご指摘頂きたくご教示お願い致します。


御返事メール:

 オルスビーは皆に効くとは限りません。そのように書いていたはずです。合わないと思われるものは即刻中止されるべきです。

一度だけでも直接来られないことには漢方相談は不可能

性別 : 男性
年齢 : 40歳〜49歳
具体的な御職業: 医師
お問い合わせ内容 : この度はお世話になります。

 7年前に激務と精神的ストレスから「抑うつ状態」となり、心療内科に通院中ですが、完治しません。漢方で治療経験が豊富な御様子ですが、遠方のため受診できません。

 メールもしくは手紙で詳細な病状を報告しますので、漢方の処方をお願いできますでしょうか。よろしくお願いいたします。


お返事メール: 激務によるストレス反応、察して余りあります。
 真面目系の人達が陥る「鬱症状」には、適切な漢方薬によってよく奏功するように実感します。

 時に理解に苦しむ不定愁訴症候群や自律神経失調症とは異なり、真面目系の人達が陥る「鬱症状」には漢方薬はよく奏功するようで、その代表的な方剤が四逆散です。
 適応があれば重症でない限りはかなり有効です。但し、各社製剤による優劣は想像以上に大きいことも実感しています。

 四逆散だけでは効果不十分なケースも多く、弁証論治に基く適切な方剤の配合を駆使する必要があります。その場合は、ご本人に直接お会いして舌象など観察する必要があります。

 愚娘は神経内科医ですが、研修医時代に抗鬱作用のある四逆散や牛黄製剤あるいは麝香製剤などを常用して凌いでいましたが、うっかり四逆散の服用を忘れていたら落ち込んでしまい、いかに四逆散が有効に作用していたかを実感したといいます。

 体質にもよりますが肝気鬱結があきらかであれば、質のよい四逆散を常用するだけでも少しは違ったかもしれません。

 ともあれ、すでに四逆散などは利用されているかもしれませんが、一度も直接来られない方には(常連さんやお馴染みさんのご家族でもない限りは)漢方相談は不可能です。
 悪しからずご了承下さいませ。


【編集後記】
必ず一度だけでも来局して頂く理由⇒http://www.canpo.biz/sisei.html
posted by ヒゲジジイ at 18:06| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2008年12月22日

医療用の漢方エキスで十分な効果があるのでしょうか?というご質問

性別 : 男性
年齢 : 30歳〜39歳
簡単なご住所 : 九州地方
お問い合わせ内容 : はじめまして。ヒゲじぃブログ、いつも読ませていただいております。

 ネットで漢方に関する記事を色々読んでいたところ、このような記事を見つけました。http://ww7.tiki.ne.jp/~onshin/kan18.htm

 私は現在、医療用の漢方でアトピーを治療しておりますが、この記事を読むと医療用の漢方エキスで十分な効果があるのか不安です。やはり煎じ薬のほうが良いのでしょうか。


お返事メール:とんでもありません。

 煎じ薬やエキス剤云々を詮議する前に、体質にあった的確な弁証論治に基く真に効果のある方剤を手に入れることのほうがもっと重要です。剤形問題は二義的な問題です。

 アトピーなどでは最初から治りきるまで同一処方で済むケースは滅多になく、適宜、季節的に方剤を変化させる必要がありますので、なおさら剤形以前に重要な問題が正確な弁証論治です。

 煎じ薬については、保存方法に問題があり、虫が付き安かったり、カビの問題など、意外に品質管理には神経を使うもので、往々にして少々痛んだものを知らずに服用させられているケースをしばしば目にします。

 こういった意外に素人さんには知られないデリケートな問題が常に伴うだけに、信用のあるメーカーさんが製造したエキス剤の方が品質が安定して無難な場合も多いのです。

 ところでご指摘の成川一郎氏の「漢方製剤の偽装」の件では、既に各所で書いていますので、それをご覧下さい。

http://murata-kanpo.seesaa.net/article/84775048.html

http://ameblo.jp/kanpoyaku/entry-10015500974.html

http://murata-kanpo.seesaa.net/article/90073250.html

http://ameblo.jp/kanpoyaku/entry-10017567133.html

 要するに大きな問題は、成川一郎氏の真剣勝負のお陰で、氏の責任ではないのですが、厚生労働省の過剰防衛により、金太郎飴のようなどうしようもない画一的で時代錯誤の視野狭窄の漢方製剤規制がなされるようになったということです。

 お陰で、個性のある優れた漢方製剤がどんどん消されて行くという困った現象が止められなくなっています。

 日本の官僚は昔から国を誤った方向に導いてばかりいますが、この漢方製剤に対するマルカンといわれる規制も同様です。
戦時中、軍部が暴走したと言われますが、何のことは無い、あれは「官僚が暴走」したのであって、今も昔もまったく変わらない構図です。

 日本の漢方は間違いだらけと言っても過言ではありません。

 ちょっと専門的に走り過ぎましたが、
「医療用の漢方エキスで十分な効果があるのか不安です」とのご心配は尤もです。

 医療用漢方レベルで的確な処方があるのかどうかの問題と、それらの品質問題は成川一郎氏が問題にする濃度以上に、白朮であるべきところが蒼朮であったり、http://www.choshu.info/ ここに記しているような問題の方が遥かに大きいはずです。
posted by ヒゲジジイ at 21:43| 山口 ☔| 病院の漢方薬 | 更新情報をチェックする

2008年12月19日

漢方薬に嵌ってしまう若い人達

 若い年齢層で、しかも二十代で漢方薬に嵌るとは信じられない人もいるに違いないが、その多くはアトピー性皮膚炎で苦労を共にした人達である。
 いずれも最初の半年以上はお互いに大変な苦労をしている。先日述べた堪え性のない医療関係者のケースとは異なり、行き場を失って医療不信に陥り、最後の手段と思って辿り着いたこのトウヘンボクジジイのところで鍛え抜かれた人達である。

 治りたいが一心で、一つ一つの漢方薬の性質の説明に耳を傾ける熱心さのお陰で、自分でもある程度の調節のコツを覚えるようになる。

 ところが医療関係者の中には「自分は専門家ではないから分からない。先生にお任せするっ!」と投げやりな発言をしまくっていた馬鹿者がいたが、案の定、脱落宣言をした結果に繋がっていた。

 本当にやる気のある人達からは、疑問に思ったときには的確な質問が来る。
 互いに切磋琢磨して微妙な組み合わせの効果の良し悪しを客観的に報告する努力を厭わず、熱心に通い詰めた成果がようやく実り、半年以上経って明らかな効果が見え始める。

 最初っから順調に緩解して行くのは半数くらいのもので、残りの半数は数ヶ月以上の大変な苦労を強いられるが、そこで脱落しない限り半年もすればその成果が一気に出て来ることが多いのである。

 そんな体験をした人の中には、いつの間にか西洋医学にはない、中医漢方薬学特有の理詰めの運用方法を体感する。
 そのような勘のよい若者達が、漢方薬に嵌りまくって、いつの間にか風邪薬から胃腸薬まで、さまざまな領域の漢方薬を常備する習慣になっている。

 アトピーの方は、8〜9割寛解状態を維持し続け、あと一歩を何とかしたいものとあらゆる実験を好んでやりたがる人達でもある。
 それが意外にも二十代という若い年齢層に目立つのは、純真な素直さに伴う不屈の忍耐力のお陰であろうと思われる。

 最初っからトントン拍子に寛解している人達や、あるいは逆に数ヶ月も苦労できずにサッサと脱落した人達には遠く理解の及ばないことだろう。
posted by ヒゲジジイ at 01:01| 山口 ☀| 近況報告 | 更新情報をチェックする

2008年12月16日

医療関係者で長続きしないのはいつもアトピー性皮膚炎

 今年のアトピー性皮膚炎で来られた新人さんで、短期間で脱落された人は、記憶するところでは一人の例外を除いてほとんどが医療関係者ばかりであった。

 他の領域ではお馴染みさんになるほど漢方薬に馴染まれている医療関係者も多いのに、ことアトピー性皮膚炎に関する限りは皆さんいずれも堪え性がない。今年来られた医療関係者のアトピー性皮膚炎の男女いずれも全員、数ヶ月以内で脱落している。

 今後は医療関係者のアトピー性皮膚炎の御相談はお断りすることになるだろう。
 他の疾患と比べてはるかに神経を使い頻繁な微調整が必要であるが、誰が見ても分かる成果が得られた時の達成感を得るが為に、こちらも頑張っている。

 しかしながら堪え性のない人達や表現能力のない人達はお断りせざるを得ない。
 ひどい例では一回ポッキリで脱落した人もいる。アトピー性皮膚炎に関する限りは、医療関係者は要注意である。

 蛇足ながら、多くの医師から耳にすることは、病院を受診される患者さんの中では、意外にもクレーマー予備軍が医療関係者であることも多いという。
 このブログとは関係ない話ではあるが・・・。
posted by ヒゲジジイ at 21:40| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2008年12月13日

山茱萸(サンシュユ)の木に群がる小鳥たち

 山茱萸(サンシュユ)を含む代表的な方剤は、ご存知、六味丸系列の各種方剤群である。我が家の庭にはサンシュユがあり、そこにさまざまな小鳥達が楽しそうにやって来る。

 シジュウガラやジョウビタキ、あるいはメジロにスズメなどなど・・・

小鳥と山茱萸(サンシュユ)


サンシュユと小鳥


ジョウビタキ(H20_12_14の早朝7時39分撮影っ!)

2008年12月12日

一喜一憂するメジロ

 一喜一憂するのは人間様だけではない。

 その詳細は⇒ おどけたあとに考え込むメジロ
 ヒゲジジイを見つけると大いにはしゃいで歓迎してくれたメジロ君だけど・・・・・・

一喜一憂するメジロ
ラベル:桃源郷

2008年12月11日

四逆散証の人達に喜ばれる立体感のある自然の写真

 ここ数日、男性の四逆散証の人達にとっても喜ばれている写真がある。既に症状も安定して四逆散を主体にした配合方剤で順調な人達ばかりだが、この写真を見て浮世から離れられる気分になるのか、我を忘れて見入る人もいる。

 そしてデジタル一眼レフの購入を検討し始める人が多い(苦笑。

 釣りにしても自然相手の写真撮影にしても、人間関係に疲れた心を癒すのに最適なのかもしれない。

 なお、特徴的なこととして言えることは、四逆散証に陥る人達はいずれも真面目系ばかりで、焦ってわがままを言い募る人には殆どみられない。

 下記の画像をクリックするともっと大きな写真を見ることが出来ます。
立体感のある写真が撮れるPENTAX K20D
ラベル:四逆散 桃源郷

2008年12月10日

不眠の夜

 この二日間、過労が祟って却って眠れない。こんな時間まで目がカッカと冴えている。
 本業が忙しいのはよいが、新人さんが続くと無い頭を振り絞りに振り絞るので、休日にはあり得ないフラツキに見舞われる。

 それでも昨今は、頓服の牛黄製剤がシャープに奏功してくれるので、何とか倒れずにやっている。
 そんな多忙の日でも、寸暇を盗んで裏庭にカメラを持って昆虫やヒヨドリの撮影である。
 
 お馴染みさんが車をとめるのに気が付いて慌てて入ろうとすると、「先生いいよっ、今日は薬の補充だけだから〜〜」と労わってくれる気遣いには感謝。
 
 その短時間のストレス解消もあまり効果がないほど多忙で神経を使い過ぎて・・・自律神経関連の次は重大な器質性疾患、またその次は自律神経関連と続くいた日だが、むしろ重大な器質性疾患の方が基本方剤は直ぐにみつかるのに、不定愁訴症候群の場合は一発で見つかるとは限らない。

 命に関わる重大な疾患の人達の方が腹が据わっているのに、一部の不定愁訴や自律神経関連の人達の中には、焦りばかりが出てせっかちで数ヶ月ももたず頑張れない人が毎年何人もいる。(アトピーでも一部、諦めの早過ぎる人もいるが・・・)

 敢えて言えば、本物の病気の人達の方がしっかり頑張ってくれるが、自律神経や不定愁訴関連の人達の半数近くは腹が括れず、常に心がフラフラで、性根が座ってない。つまり根性が無い。

 迷いの多い人や焦り捲くる人達は、本来、村田漢方堂薬局に来るべきではない。
 焦ってせっかちな人は来なくいい。せっかちなのはヒゲジジイだけにしておいて欲しい(苦笑。

 こんなくだらんことを書いていたら、ますます眠れなくなってしまった(涙
posted by ヒゲジジイ at 02:30| 山口 ☁| 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする

2008年12月09日

胃腸薬の生薬製剤による腸管免疫に対する有益な作用

 最近、胃腸薬の生薬製剤による腸管免疫に対する有益な作用と思われる事例が増えている。
 典型的な例が、皮膚病への応用である。吹き出物関係に折々に有効に作用する事例を長年経験していたが、昨今、それが次第に顕著である。

 こうなったらいずれアトピー性皮膚炎にもテストしてみないてはないのだが・・・試してみたがる有志が多いので、今後はアトピー性皮膚炎でテストしてみる必要がある。

 アトピー性皮膚炎というのはとても奇妙なところがあって、昨今は理想的な配合バランスの葛根湯製剤が、かなり有効な事例を複数経験している。
 但し、せっかく苦労して葛根湯証を見つけて効きかけていたのに突然音信不通になった例もある。これだから世の中は分からない。

 以前は生薬製剤二号方が驚くほど効果を上げた事例を経験しているが、川芎(センキュウ)の配合量の多い方剤では、却ってアトピーを増悪させる場合があるので要注意である。

 腸管免疫に配慮した胃腸薬としての効能を持つ生薬製剤による広い分野の応用を様々に想像をめぐらしている昨今である。
 具体的な名前を挙げないのは、誰が読むかも分からないネット上だから、揚げ足取りのクレームを避けるためである。

 上記の葛根湯が一部のアトピー性皮膚炎に適応する場合があるという記載でも、必ず誤読する馬鹿者がいて、アトピーに誰もが葛根湯が効くものと敢えて誤解して勝手に使用して、悪化したではないかとクレームが舞い込む可能性が高いのである。
 どうしようもない馬鹿者というのは、クレームをつけたいがための行動を好んでしたがる暇人なのである。
 まともに日本語が読めず、葛根湯証という意味も分からないくせに、だから素人療法は禁物だと、口を酸っぱくして書き続けているのである。

 葛根湯がアトピーに奏功する例は極めて珍しいから書いたのである。ここまで書いても、わざと誤読する馬鹿者がいる。
posted by ヒゲジジイ at 00:26| 山口 ☔| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2008年12月07日

ポリゴナム・ビクトリーカーペット(別名)ヒメツルソバ

 タイトルは花の名前で、薬局の入り口付近に絨毯のように繁殖している花の名前。昨日、ようやく名前が判明したのでここに記す。

 村田漢方堂薬局の漢方薬利用者にも、この花の名前は知らないか、と多くの人に尋ねたが判明しないまま、ようやく愚妻が「サカタのタネ」のカタログ誌『家庭園芸 2005 春』の中で見つけたのだった。

ポリゴナム・ビクトリーカーペット(ヒメツルソバ)

 上掲の写真をクリックすると、拡大写真を沢山見ることが出来ます。

 同類の縮小版も⇒ヒメツルソバ(ポリゴナム)の1mmの花っ! でも見ることが出来ます。


ラベル:桃源郷

2008年12月06日

8〜9割の寛解状態であと一歩が・・・

IMGP2222zzza.JPG

 現在、8〜9割の寛解状態であと一歩が・・・という人がたくさんおられる。
 これからが根気勝負だが、半数の人は最初から極めて順調に経過した人。

 しかしながら、残りの半数近くの人は数ヶ月以上にわたる微調整の繰り返しで、なかなかしっかりとした効果が出せなかったケースであるが、その数ヶ月から半年の苦労が実って、一年経つ頃には明らかな改善がみられた人達である。

 そこで思い出すのが、新しく来られても数ヶ月も経たないうちに音信不通となるケースである。効果がでようが出まいが、その数ヶ月しか頑張れなかった人達である。そういう人達でも、当方に来られる前には、効きもしない漢方薬を延々と一年〜二年も継続服用されて来た人達である。

 ところが、こちらのやりかたは10日毎に、明らかな改善効果が見えるまで、微調整の繰り返しであるから、僅か数ヶ月にも満たないうちから一年以上も続けている錯覚に陥るらしい。
 あるいはその微調整の繰り返しに不安を覚えて「こりゃ〜ダメだっ」と思い込むのかもしれない。

 そのくせ、当方に来る前には、効果が見えない漢方薬をほとんど微調整のないまま、延々と続けていた人達なのであるから、やや理解に苦しむところである。
 
 根気のある人達では、運悪く最初の数ヶ月から半年間も明らかな効果がみえなかったにしても、その多くは数ヶ月〜半年も経過するころには、あの頻繁な微調整の苦労の甲斐あって、ようやく安定した効果が見られるようになり、1〜2年も経過するころには最初に述べたような8〜9割の寛解と言えるくらいに到達するのである。(しかしながら難治性の少数の人ではここまで到達するのに数年以上かかったケースも稀ではないのだが・・・結局は根気勝負である。)
 
 しかしながら、8〜9割以上の一歩を進めて限りなく10割に近付けるのが最後の大関門であるが、少なくともぶり返すことなく最低限このレベル(8〜9割の寛解状態)を維持し続けることが大切である。
 その頑張りがあってこそようやく真の意味で体質改善が行えるのである。
ラベル:体質改善
posted by ヒゲジジイ at 00:52| 山口 ☔| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2008年12月04日

メジロの早朝撮影

性別 : 男性
簡単なご住所: 関東地方
具体的な御職業 : 調剤薬局
おたより : こんにちはデジカメ写真 よく撮れてますね。私の好きな愛くるしいメジロでにっこりです。

 昨日のジョウビタキは今年初めて覚えた野鳥です。

 もっとも今年から始めたバードウオッチングですが。野鳥ファンとしては、来年ビデオ撮りを楽しもうかなと思ってます。


お返事メール:おたよりありがとうございます。まだまだなれないデジ一で焦点距離300mmで早朝の逆光が多い中で、手振れを防ぎようがありません。可愛いメジロですが、やっぱりちょっとピンボケです。

 今朝も、ネコのボクチンと庭に出て待ち構えていると直ぐに1mそばまで降り立ったメジロですが、あまりに近くてピントを合わせる暇もなく、向かい側の枝に飛んでいきました。その一瞬を何とか捉えて一枚だけ撮影できたのですが、やっぱり本日もちょっとピンボケでした。その写真のトリミングをブログに今から、この往復メールとともにアップさせて頂きたいと思います。

 ところで野鳥のビデオ撮りとは、大変な機材(or器材?)が必要なものと思いますが・・・その辺の事情をお教え下されば、当方のブログも辛気臭い話ばかりでなくなって息抜きになると思うのですが・・・ブログにご協力頂けるようでしたら、その辺の薀蓄を御開陳下さればさいわいです。

IMGP2097ass.JPG
posted by ヒゲジジイ at 20:51| 山口 ☔| 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする

2008年12月03日

ナンセンスな質問の数々

メジロ 

 ナンセンスな質問にはお返事できない。
 最近、とくに愚問メールが頻繁に入って来るが、お返事できない。

 そちらではお薬を売ってもらえないそうなので(←誰がそんなことを言ったのかっ!? )、こちらで手に入れるから、どの処方を買えばよいか教えて欲しい、というメールは愚の骨頂。

 新型インフルエンザに備えて予防的な漢方薬があったら教えて欲しい。こちらで手に入れるから・・・というのも新型インフルエンザに備える考えはまことに殊勝なことながら、見ず知らずの人に体質も分からないままうかつに教えることはできない。

 当方の常連さんやお馴染みさんたちの一部の人達は、ヒゲジジイと直接相談の上で、予防薬および常備薬を着々と備えているが、どれだけの予防力と治療効果が出るかは当然未定。
 通常のインフルエンザと同様の方法を伝授するのが関の山ではあるが、それでも無防備であるよりかは、はるかにマシであろうと相談されることが増えている。

 このようなデリケートな問題は、常連さんやお馴染みさん、あるいは直接来局される人にしか伝授できるものではない。

 ひどいのになると、ネット通販で漢方薬を購入したいが、どこの薬局が信用がおけるだろうか?という愚問が本日舞い込んだ。
 来年6月からは医薬品のネット通販は第三類以外は全面的に禁止される可能性が高いといわれる時代、何を考えていらっしゃるのやら???

 ネットを利用した買い物カゴ等による医薬品のお誘い販売が法的に禁止されようとしているが、まあ〜〜常に玉虫色の日本政府のやることだから、どのような方向で決着するかは想像もつかない。