2008年11月26日

初回から速効があった漢方薬が次第に効力を失うことがあるのはなぜか???

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 タイトルの回答は極めて明白である。
(但し、頑固に続く慢性疾患の場合の話であり、急性疾患や変化の激しいアトピー性皮膚炎などは除外っ!)

 服用開始初期には驚くほどの速効があって、あれほど喜んでいたのに、次第に効力が減退して10日も経たずして半分以下に下落することも珍しくない。

 ぬか喜びに終わって、ひどく落胆し、薬に慣れたから効かなくなったと嘆く短絡的な人もいるので、事前に警告しておく必要がある。
 漢方入門当初にもしばしば経験したことで、服用者のみならず当方も何故か理由が分からずに五里霧中に陥ったことも再々であった。

 ところが事実は何のことはない、併用処方が不足していることがもっとも多く、次には濃度不足かのいずれかであり、両者が原因であることもザラである。
 この厳然たる事実を事前に伝えておかないと、世の中には短絡的な人達が多い世の中だから、漢方薬の信用を落しかねない。

 蛇足ながら、短絡的といえば真面目な同業者に強くアドバイスしておきたいことは、この世には得て勝手で短絡的なエゴイストが蔓延しているので、客面(キャクヅラ)する不遜な人達や、あるいは逆に慇懃無礼な連中の漢方相談はなるべく避けることである。

 これらの人達をひとたび扱うと、後々まで祟られることがあるので、君子危うきに近寄らずっ!である。

 それらのクレーマー予備軍に無駄な時間を奪われていると、他の真面目な御相談者に結局は迷惑が及ぶのである。

参考文献:イヤな客には売るな!

posted by ヒゲジジイ at 23:44| 山口 ☀| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2008年11月25日

「本人を連れて来ないと駄目ですかっ?」という訪問者が同時に2名

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 同時に二人、男性と女性が来局した。だからてっきり同伴者と思い込んでいた。

 中年男性いわく「帯状疱疹でよかったという人に紹介されたが、本人(母)を連れて来ないと駄目ですかっ?」といわれる。
 言下に「モチンロンっ」と、その理由を言いかけたらサッサと出て行かれたので、てっきり同伴者とおぼしき女性に、帯状疱疹ならまずは病院治療が先でしょうっ、ご高齢者の場合、難しい時代ですので以前来られたことのある人でなければ、ましてや急性期に・・・と縷々説明してお断りしようとしていると、先ほどの男性とはまったくの他人さんとのこと。

 こちらの女性の場合も、母親のご相談とかで、足が冷えるので・・・やはりご本人を連れて来ないと駄目でしょうかっ?とのことで、足が冷えるのならカイロでもしてあげて下さい、ご本人を連れてこられたところで、漢方薬を服用されるよりもカイロやアンカででも温めた方が効果的ですっとお断りした。

 足が冷えるだけの問題で、ご高齢者を連れて来られても困るのであった。

 なにせ、村田漢方堂薬局の方針は、みずからの意志で積極的な人だけが対象であり、ご家族を連れて来る来ないの相談なら、正直言ってありがた迷惑なのであった。

 もちろん常連さんには80歳を超えられたご高齢者は多いが、そのような特別な常連さんたちとは異なって、80歳を超えてはじめて当方の漢方を求められるのは、十分な意思の疎通がはかれないのでなかなか難しい。

 若い頃からたまにでも何度か来られたことのあるご高齢者であれば、当方の流儀を心得ておられるので可能なことが多いが、まったくはじめてのご高齢者は苦手であり、ほとんどお断りせざるを得ない。

 但し、常連さんやお馴染みさんのご家族の場合はまったくの例外で、義理人情としても当然のことながら御相談に乗っている。

posted by ヒゲジジイ at 22:32| 山口 ☀| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2008年11月23日

珍しくヒマな土曜日だったので午後は勇んでっ!

 庭に出てカメムシ君たちと遊んでいました。
 マクロ撮影です。人間様と付き合っているよか、なんぼ気が楽か。

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 ちょっと最近の奇妙な傾向を記しておくと、アトピー性皮膚炎に葛根湯証が合併している例が久しぶりに続いている。不思議な現象です。これを鵜呑みにして体質を無視して真似すると悪化することもあるので、病名治療は絶対に通用しません。
posted by ヒゲジジイ at 02:52| 山口 | アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2008年11月18日

丹参製剤「生薬製剤二号方」について

お問い合わせ:内科医師

 当地域はだんだん寒さが深まってきまして、風邪の患者さんが増えてきました。幸い、漢方薬を処方しますと比較的短期間で直られますので一開業医としてありがたいことです。

 それから私の母ですが、2週間ほどまえに退院し(腰椎圧迫骨折)まして自宅でリハビリしたりゴロゴロしていましたが、昨日私の診療所へきました。それなりに元気そうで、左大腿部のしびれというか痛みも徐々に軽減しているようです。入院した当初のご助言に感謝します。

 本日はお忙しいなかを恐縮ですが、私の相談です。
 現在内服しているものは、杞菊地黄丸一日18丸、雲南田七一日1カキ、にがりを20テキ、とデイオバンを1錠で、血圧は良好にコントロールされています。

 最近気になることとして肩こり・左首筋のこり、全身の筋肉が硬い感じです。勿論肩こり・左首筋のこりは随分まえからの症状ではあります。
 ウチダさんが持参くださった和漢薬の論文を拝見しますと、丹参製剤とかイオン化カルシウムに興味が生じていますが、いかがなものでしょうか。
 運動をして体をほぐすように努力しないといけないとは思っていますが。

 一般的なことですが、心筋梗塞とか糖尿病の血管障害などに丹参製剤を使用するにあたって、注意することがもしあればお教えいただけますと幸いです。


お返事メール:先生の「肩こり・左首筋のこり、全身の筋肉が硬い感」が、温めると楽になる、風呂などで温まると緩和されるようでしたら、多くの場合、丹参製剤の「生薬製剤二号方」で治療効果が出る可能性は高いと思います。

 但し温めても無効な場合、過去の事例でもそのようなケースでは、地竜で速効ということが何例もあります。この場合は筋肉の熱性炎症のように思われます。

 肝腎陰虚証があっても杞菊地黄丸と併用されれば、生薬製剤二号方の温燥による傷陰を防御できますので、配合上のバランスはよいと思います。(稀に問題があるとしますと、脾胃気虚の傾向が強い人が、杞菊地黄丸と生薬製剤二号方の併用は脾胃の機能低下を招くこともあります。)

 心筋梗塞や狭心症の予防や治療的な作用は、もともと冠心二号方の系列方剤ですので、かなり有用性は高く、糖尿病による血管障害にも雲南田七とともに有用性は高いものです。
 但し、ワーファリンのような作用の強い合成医薬品を連用されてい人の場合は相乗効果?が出過ぎると困りますので、慎重に用いる必要があると思います。(他社の類似製品、●●●●のメーカーさんからの報告で、信頼性の高いアメリカの医療機関○○○○クリニックにおける検証によれば、ワーファリンとの併用による問題はないとの報告を得ていますが、それでも慎重であるべきだと思っています。)

 やはり常に弁証論治にもとずいて使用すべきで、丹参製剤「生薬製剤二号方」の諸注意は、和漢薬誌の513号(1996年2月号)の拙論の末尾に記載している通りです。
posted by ヒゲジジイ at 20:49| 山口 ☀| ウチダの生薬製剤二号方と丹心方 | 更新情報をチェックする

2008年11月16日

百聞は一見にしかず、とは漢方相談のためにある格言です

昨日の続き

折返し頂いたメール:ご返信ありがとうございます。●●の○○○○です。

 漢方はメールだけでいただいていました。
 30項目程をチェックするものを使い、証を判断していただき肝気鬱血が長期に渡る場合や興奮した状態を化火と言われていました。

1、気滞が存在して内臓の筋肉(平滑筋)に収縮が起こる
2、感情が乱れる(イライラやヒステリックや怒りっぽく、抑うつ感、緊張感が強い)
3、性ホルモンの周期によって体調が変化する

ということなので

 大脳辺縁系の興奮を鎮めていくので(サイコ、シャクヤク)
清熱剤で(オウレン、セッコウ、チョウトウコウ、オウゴン、サンシシ)などを合わせていただいているみたいなのです。

 今年の5月頃婦人科では当期芍薬を渡され1ヶ月ほどで生理痛がなくなりびっくりして漢方に興味を持ったのですが、その後体調も悪くしんどく病院へ行く気がなくなりました。それからまた生理痛が出ました。

 8月末から今の漢方を飲み始めて今月には生理痛がなくなったが生理前に不機嫌になり生理になると体調を崩すのが顕著になったような気がして効いてるのかよくわかりません。仕事を8月でやめたのも関係してるのかよくわかりません。

 やはりそのようなメールだけで診断は不十分ということなのでしょうか。。
 自律神経失調症みたいなのですが。。
 先生にみていただきたいのですが、山口県までは遠いので躊躇してしまいます。
 しばらく考えてみます。
 お忙しい中お返事ありがとうございました。



お返事メール: 前回のお返事でも書こうかと思ったのですが、メールだけで断定はできないので控えていましたが、肝鬱化火といわれるくらいなら、どうして加味逍遥散のような普遍的でオーソドックスな処方が出されてないのか不思議です。

 もちろん加味逍遥散だけで解決するはずのものではありませんが、肝鬱化火が事実なら、諸症状を総合すると、少なくとも加味逍遥散が主軸の処方であるべきであろうと思われます。
 但し、これもメールだけでの相談ですからアテになりません。

> やはりそのようなメールだけで診断は不十分ということなのでしょうか。。

 一定レベル以上の多くの疾患ではほとんど不可能です。商売のためには利益を得るために必要悪ということかもしれません。その理由の一つの詳細は次のページにも書いています。

http://www.canpo.biz/sisei.html

 メールや電話だけで済まそうとするのはとても安易な方法だと思っています。何度も書きますように、商売上は必要悪です。それをしないと食っていけない薬局もありますから(苦笑。


> 先生にみていただきたいのですが、山口県までは遠いので躊躇してしまいます。

 このような状況では来られるには及びません。無理に来られて旅行疲れで却って病を悪化されては逆効果です。(稀にはそういう場合も無きにしもあらず)
 もうすでに、この躊躇だけで当方に来られる迷いは断ち切られるべきです。

 昨今は関東よりも、関西地方から予告ナシに泊りがけで来られる男女が続いています。
 連泊できない人の場合、日帰りで毎月通われている人もおられるので、最初の頃は体力に影響しないか、ハラハラしていたほどです。
 
 躊躇があって、それを無理して来られてもよかったためしは僅少です。
 直接来られている人の多くは、最初から治りたいという気迫と熱心さが違います。前向きな姿勢が免疫力をよりアップさせて、どこへ行っても治らなかったものが一定レベル以上の緩解が得られるです。

 地元近辺で通える範囲の漢方薬局などで、足繁く通って正確な弁証論治を得ることが必須だと思います。何度も書きますが、

http://www.canpo.biz/sisei.html

 ここにも書いていますように、メールや電話だけの漢方相談ではどんなに詳細に行っても、効果が出ない場合はお互いに疑心暗鬼となり、その後の必要な配合上の微調整がスムーズに行えないことがほとんどです。

 百聞は一見にしかず、とは漢方相談のためにある格言です(苦笑。



折返し頂いたメール:早速のお返事ありがとうございます。

 今何をすればいいのか迷っていました。
 近くの漢方屋さんに行けばいいのかと思ったこともあるのですが、どこに行けばいいのかわからず。たぶん腕のいい方で信頼できる人を探していたのだと思います。

 昨日内科の先生にみてもらったのですが別に悪いところはないのではと言われ今一応血液検査はしているのですが、結果に異常なしなら心療内科を受けてみたらと言われました。

 先ほど、今いただいている漢方薬局に加味逍遥散をなぜ使用しないかを初めて電話して聞いてみました。
 胃が悪いので受け付けないから使用しなかったというお返事でした。

 次回の漢方では生理中に血流低下が顕著なので黄体ホルモン辺りへ的をしぼめるということです。
 自律神経失調症の専門の漢方薬局ということなのでやっぱり今のところであともう少しだけ飲み続けてみようかという気持ちになりました。

 勝手な相談をしまして申し訳ありません。
 貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。



【編集後記】 加味逍遥散は肝鬱脾虚に対する治療方剤である逍遥散に牡丹皮と山梔子を加えたものである。肝鬱脾虚に効果がある逍遥散を土台としているので、「胃が悪い」という情況にも効果を発揮することはざらである。
 もしも牡丹皮や山梔子、当帰などが胃に障りそうな不安があれば、適切な併用方剤でなんとでも調節可能である。

 メールだけで即断できないとはいえ、上記のような逍遥とした心の動きと迷いの情況こそ、逍遥散や加味逍遥散証を疑わせるに十分な条件が揃っている。

 思い返せば、ヒゲジジイがはじめてまともな原稿料を頂けた拙論が1978年に月刊和漢薬誌299号に掲載された「加味逍遥散加桂枝桃仁について」であった。

 日本漢方を信奉していた時代から35年、昨年からは異常なほど加味逍遥散証に遭遇する機会が増え、先日も頻繁にゲップを出すのにひどくえづいて、胃の調子が非常に悪く、食欲不振の状態の女性に、高濃度の加味逍遥散に茵陳蒿湯とガジュツを加えてあっさりと一週間くらいで治まっている。

 昨今のようなストレス時代に肝気鬱結はしばしばみられ、肝鬱火化には現実には様々なバリエーションがあるとはいえ、女性で婦人科の疾患が併発している場合の肝鬱化火といえば、加味逍遥散を使用するのが常識である。

 但し、何度も強調しているように一定レベルを超えるとメールや電話でどんなに詳細に情報を得ようとも、正確な弁証論治はほとんど不可能である。
 症状が複雑化すればするほど一処方だけで寛解できるケースはますます困難となりがちであるから、一度も足を運ぶことなく安易な道を選択するといつまでも病気が遷延しがちである。
posted by ヒゲジジイ at 01:19| 山口 ☔| とんでもない話や、信じられない困った話 | 更新情報をチェックする

2008年11月15日

病状に適した漢方薬の配合を手に入れるには・・・

性別 : 女性
年齢 : 30歳〜39歳
簡単なご住所 : 関西地方
お問い合わせ内容 : はじめまして。
 お忙しいところ申し訳ありません。私の症状が漢方で治るものかご判断をお願いしてもよろしいでしょうか?

 今現在、とある薬局から送ってもらって漢方を飲んでいます。一応、肝欝化火症ということで四逆散と強平胃食傷散を飲んでいます。8月末から飲み始めて殆ど切らすことなく飲んでいますが、体調がよくなったような面もあるような新たな症状が出てきたような感じでよくわからず不安な状態です。
 その不安を薬局に言いますと負荷(ストレス)がかかってるからではと言われています。

 最近東洋医学の名医を読みまして村田先生にみてもらいたい気持ちがあります。
 体調は4年程前から崩して1年程前よりさらに体調を崩しました。8月に退職をしていまは無職の状態です。

 8月末から漢方を飲み始めました。ためいきや感情の乱れや生理痛が酷く(チョコレート膿腫)胃痛、下痢があるということでその漢方だというなのですが、最近でも身体の冷えが部分的に強く、背中がこり、だるくしんどい時が多いのですが、微熱と目がショボショボする感じが不快な症状として加わった感じがしているのですが、このような症状も漢方で治すことも出来るのでしょうか?

 まずは、村田漢方堂薬局さんに行けばいいのかもしれませんが、遠く今の体調では不安もあります。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。


お返事メール:服用されている漢方薬は肝気鬱結に対する四逆散と寒湿困脾に対する平胃散ですので、肝欝化火に対する方剤ではありません。

 それはともかく、その薬局には直接足を運んだことが何度かあって、その後の通信販売で購入されておられるのなら不自然ではありませんが、もしも一度も足を運ばずにメール相談や電話相談だけで購入されているとしたら、適切な方剤が得られないのは当然です。

 一定のレベルに達した疾患を漢方薬で治そうとされる場合、正確な弁証論治にもとずいた適切な方剤を選ぶことが必須ですので、一定の時間をかけた綿密詳細な漢方相談を必要とします。

 子宮内膜症による生理痛も激しいようですので、当然、婦人科系統の適切な方剤も必須となります。そのような配合の配慮がなされているわけではありませんので、四逆散と平胃散の併用くらいでは治らないのは当然だと思われます。

 いずれにせよ、足を運ぶことなく漢方薬を求められたのなら、滅多なことで適切な漢方薬を手に入れることは出来ないことでしょう。
 慢性疾患を克服するには、その方面が得意分野の漢方薬といえども、個別性にフィットした方剤が必要であるだけに、何度か足を運ぶ苦労無しには、そうそう簡単にはゆかないものです。
posted by ヒゲジジイ at 01:36| 山口 ☀| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2008年11月14日

ときどきしばしば難儀すること(苦笑

 病院から出される医薬品はみな、抗生物質だと思い込んでいる人。ウイルスと細菌を常に混同して説明に難儀する人。合成医薬品を浴びるほど服用している癖に、漢方薬の副作用が心配だという不思議な人。

 とてもありがたいこととはいえ、自分が漢方薬で病気が寛解できたからといって、友人や知人を強引に連れて来られる人。
 連れて来られた人はいい迷惑で、こちらとてシブシブやって来られた人達と親切な漢方ファンを説得してお断りする苦労は並大抵ではない。
 みずからの意思で意欲的に来られた訳でもない人達に、本気でこちらも相談に乗る意欲はぜんぜん出ない。
 常連さんに限ってはヒゲジジイの性格をよく知っているので、そのような強引なことはされない。

 もっと難儀するのは、お邪魔虫電話で「ちょっとお訊ねですが・・・」は迷惑電話の代表的なご挨拶。

 メールによるお問い合わせでも、親切にお返事してあげても何の挨拶もないのはまだよいほうで、電話の問い合わせで頻発する客ヅラ連中と同様、顔が見えないのをよいことにピントはずれの切り返しや逆撫でメールが帰ってくるケースが多いこと。

 最後に最も難儀するのは、35年間毎年まいとし、必ず常に数名、なかなか漢方薬のピントが合わずに、ない頭を振り絞って数ヶ月に亘って試行錯誤しても不思議なくらいに反応がなく、良くも悪くもならない無反応に考え過ぎて時々不眠症になること。
 それがようやくピントが合い始めてホッとしたところで、また別の新たな患者さんで、しばらくは難儀しないといけないこと。

 ともあれ、昨日のように比較的暇な一日でも新しい人が3名。いずれも真剣・真面目な人達ばかり。
 電話やメールでシバシバ遭遇するクレーマー予備軍とは大違い。
posted by ヒゲジジイ at 01:08| 山口 ☀| とんでもない話や、信じられない困った話 | 更新情報をチェックする

2008年11月10日

邪の湊るところ、その気は必ず虚す

おたより:東海地方の女性薬剤師

 ブログを拝見いたしました。
 本当に、世の中にはいろいろな方がいるものですね。

 中医学に、”邪の湊るところ、その気は必ず虚す”というくだりがありますが、妙なクレーマーや、どれだけお話しても平行線で、徒労に終わる人などが続くと、自分自身がこの心境になります。
 やりとりだけで気をそがれ、確実にエネルギーが低下してしまいます。
 先生もそんなときは、香り高いコーヒーや、甘いお菓子で気分転換してくださいね。

 さて、ブログにあったカメムシですが、ヒメヘリカメムシ科の幼虫に似ていますが、どう思われますか?

 こちらで調べてみました。ヒメヘリカメムシ科(幼虫)

 カメムシ図鑑・・・・色とりどりのカメムシがいて、ちょっとハマリそうです。
 先生の昆虫や花のマクロの世界は本当に不思議な世界で楽しいです。写真部にいる娘は、先生の見事な撮影技術を絶賛していますヨ♪

 こちらでは、カメムシが大量に発生すると、その年は雪が多いと言われていますが、今年はあまりみかけません。

 雲の撮影は、夏場の積乱雲に魅力があります。
 どこまでも天高く発達し、次第に色を変え、スーパーセルを形成すると、稲光がはじまります。
 遠巻きに見るイナズマは、花火よりも刺激的です。

 周りの者は”また始まった!”とアキレ顔ですが、趣味なんだからとやかく言われなくてもよいですよね!

 今夜も冷えそうです。
 お体ご自愛くださいね。


お返事メール:おたよりありがとうございます。
邪の湊るところ、その気は必ず虚す”はまことに言い得て妙ですねっ!

 さいわいに薬局店頭には滅多にクレーマーは来ないのですが、電話ですっ!
 電話によるお邪魔虫は毎日のようにかかります。
 しかも電話で見ず知らずの連中に理不尽で意味不明な難題を吹っかけられて客ヅラされるのには、もはや我慢がなりません。その点では既にプッツンしています(苦笑。

 世の中、脾虚気弱の参苓白朮散を使用される人が「強気」のメールを寄こしたり、という駄洒落を本当に理解してもらえるのは同業者だけかもしれません。
 そして先生の”邪の湊るところ、その気は必ず虚す”の喩えこそ最高級な洒落ですねっ!
 今後は素人さんからの揚げ足取りのメールには付き合わないようにしようと思っています。

 ところで早速の御案内ありがとうございます。さっそくヒメヘリカメムシなどご案内のサイト以外にも様々さぐってみましたが、やはり異なるもののように思えます。第一角(ツノ)の造作がまるで異なるようなのです。鎧(ヨロイ)部分は確かにそっくりですが、胴体部分の模様もやや異なるようです。

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 すでに、様々ネットで調べたのですが、似たものは見つかりませんでした。もしかすると村田家の荒庭だけに生息する珍種かもしれません(笑。以前からしばしば見かけるカメムシで、総じて村田家に生息するカメムシは、贔屓目かもしれませんが実に美しいのです(苦笑。

 写真部におられるお嬢さんに褒められるとはとても光栄です。レンズの先にクローズアップレンズを装着しただけの簡易マクロで、本格的で高価なマクロレンズを装着した撮影ではありません。でも、このおかげで別世界に逃亡できて救われています。

 雲の魅力についてのご教示、今後は地べたばかりでなく上空も少しは眺めてみようかと思い始めましたっ!

 ともあれ、実際の仕事では真剣で真面目な人達ばかりですので、いかに順調に寛解してもらえるか、そのことでいつも思案しているところへ、あのお邪魔虫電話の数々で集中力をいつも寸断されて歯がゆいばかりです。

 思い出すとまたむかっ腹が立つので、夜のマクロ撮影に裏庭に出ますっ! ↓↓↓

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(マクロでなくズームに終わったっ・・・苦笑)


【追記】 でも、あらためてご案内頂いたサイトを眺めてみると、ヒメヘリカメムシ科の幼虫の仲間であることは間違いないように思われる。
 この「幼虫」という点で、頑固ジジイだから(苦笑)異なるもののように勘違いしたのだと思う。

2008年11月09日

ブログやホームページを運営する目的の一つには・・・

 そもそもHPやブログをはじめたきっかけは、最初はHP制作会社の上手な勧誘に乗ってしまったのだが、その後はHTMLやCSSにおける記号学?の面白さに嵌ってしまった部分が最も大きい。

 しかしながら、無目的なHPやブログもなかろうし、真っ先に閃いたのは昨今増え続けるクレーマーの排除目的である。その目論見は多くの点で実現していると思う。
 これらのブログをまともに読んでいると、甘い考えでは行けないな〜と思ってくれるらしい。
 当然である。

 遊び半分や物見遊山、あるいはニキビに毛が生えた程度のあまりの軽症者が迷いまよい及び腰でやって来られれば正直、迷惑である。
 ジジババ薬局には人手が足りない。真剣・真面目なご相談者以外は御遠慮願いたい。

 とこう書くと、故意に揚げ足取るのか、大した病気でもないのに、病院や普通の薬局に行くべきところを、真剣真面目だと大見栄を切りながらたいそうな理屈が先走る意味不明な人も間違ってやって来られる。

 たとえば、蕁麻疹などで合成薬を長期服用しながら治らないからと、当方で漢方薬を服用されて一定の効果がありながら、しかもとても安価な10日分千円台と言う経費であっても、継続服用されずにタマにやって来ては、薬は怖いのであまり飲みたくない、副作用が心配で〜と、これまで効果が乏しい合成医薬品には入り浸りの癖に、その自己矛盾には気付かない。(といっても、こういう人はクレーマーではないので、まだマシですがっ・・・苦笑)

 ともあれ、多少はブログ類のお陰もあってか、総じて直接来られるような人達は、真剣・真面目な御相談者がほとんどで、この気難しいヒゲジジイを逆なでするような言動をする人はあり得ない。

 もしも逆撫でするような客ヅラされたら、オンボロ中古の頭は完全に思考停止、サヨウナラである。

 要するにクレーマーというのは、客になって欲しくもないのに勝手に客ヅラして意味不明な言いがかりや質問をぶっつけては、返事が気に入らぬと「客に対して失礼ではないかっ!」とクレームを付けるクレーマー連中である。

 これらの不遜な連中こそ、こちらの方から断固お断りする。

2008年11月08日

昨日の参苓白朮散の質問者の続き(素人さんの誤解)

折り返し頂いたメール:
 なにか意地悪っぽくなりましたね(汗)
 確かに「効果は出ない」とは一言も書いてありませんね(汗)
 でもあの書き方はそんな風に言ってるように受け取れますが…。

 参苓白朮散はレベルの低い漢方薬なんですか!
 いきなり強い薬を処方されるよりはいいですよね…?
 う〜ん…私のニキビは重症で苦しんでる人から見れば軽症になるかもしれません(汗)
 思春期からずっと続いていて、本人とってはかなりの悩みなんですけどね。

 ミルサーを注文したことだし、とりあえず散剤試してみますね。
 散剤で服用する場合は、煎じ薬の量の1/6くらいでよろしいでしょうか?
 あと、処方では党参になってたんですが、人参に変えてみます。
 いい香りで食べると甘くて好きだったんですけどね党参…。
 勝手に散剤に変えるとか生薬変えるとかとんでもないシロウトですね(笑)


御返事メール:
> でもあの書き方はそんな風に言ってるように受け取れますが…。

 素人にみせる文章ではなかったということでしょうっ。

> 参苓白朮散はレベルの低い漢方薬なんですか!

 なんだか、親切にお返事をしてあげても、逆撫でされているような気分になりますねっ。
 これだから中医学の基礎理論を知らない人には、教えるのにも一苦労するので、説明するのが嫌になるんですよっ。
 ニキビが重度になれば、多くは熱性炎症となるので、参苓白朮散では適応外になりがちである・・・これ以上説明しても基礎が無い人には無理かもしれませんね。

 そもそも参苓白朮散がニキビに応用できるのは脾虚気弱の条件下であることは承知とは思いますが、⇒ http://www.cyuikanpo.com/jinrei.html
 気弱の割には意外に気の強さがメールには現れているではないですかっ?

 正式な粉末薬を入手して、正しい使用分量を知りたければ、

http://murata-kanpo.seesaa.net/article/109202460.html

 ここに貴方の文面と共に、「追記」の欄に記しています。

 ネットで調べれば、杉原達二商店で製造販売されていることくらいは直ぐに知れることでしょう。
 書いた本人が忘れるような文面を拾い出せる能力がありながら、これくらいのことも調べがつかないはずは無いと思うのですが・・・

 なお、念のため、お問い合わせフォームに書いていたことですが、

ご質問の内容および当方からのお返事の内容をブログ
「漢方と漢方薬の質疑応答集と村田漢方堂薬局の近況報告」
または、「漢方と漢方薬の真実」サイト
で掲載する場合があることをご承知下さい。

 掲載にあたっては、当然のことながら、お名前やご住所・E-mailなどは全くの対象外であり、ご質問の内容だけを利用させて頂くものですから、ご安心下さい。
 御質問に対する応答が何度か繰り返される場合、その往復メールに関しましても上記のブログやサイトで、あくまで必要に応じて再録させて頂く場合がありますので、悪しからず御了承下さい。
 ブログ類への掲載をご承認出来ない場合は、その旨お申し出下されば、当方からのお返事も差し控えさせて頂きますので、悪しからず御了承下さいませ。 


 と記していますので、この往復メールも匿名のまま、転載させて頂く場合があります。

posted by ヒゲジジイ at 19:33| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

「お客に対して失礼ではないかっ!」だって〜? クレーマーの分際でっ!

 昨今、男までが図に乗って、電話で意味不明な難題を吹っかけて来る。
 自分の意に沿った返事がないと駄々をこね、挙句の果てに吐くセリフが決まって「お客に対して失礼ではないかっ!」

 バッカジャナイノ〜〜っ!⇒ お邪魔虫に電話で客ヅラされては堪らないっ!

 見ず知らずの輩が、何をのぼせ上っているのだろうかっ???

 忙しい時間帯に限って、このようなクレーマーが電話で人の仕事の邪魔をする。お客様は神様などと思い上がるのもホドホドにするがよいっ。

 クレーマーに限って「お客に対して失礼ではないかっ!」とくるっ(噴飯っ!

2008年11月07日

参苓白朮散は煎じ薬では効果がないのか?

性別 : 男性
年齢 : 30歳〜39歳
簡単なご住所 : 九州地方
具体的な御職業 : 家業手伝い
お問い合わせ内容: はじめまして。ちょっと質問があるのですが。

 現在、ある漢方薬局で処方された参苓白朮散を自分で調合して煎じ薬で服用しています。
 治したい症状は主に、冷え性とニキビでした。服用して2ヶ月ほどなりますが、効果があまり感じられません。

 煎じ薬を服用し始める前から参苓白朮散のことを調べていて、そちらのブログに「参苓白朮散は煎じ薬とすべきでない」とあったのが気になっていました。やはり参苓白朮散は粉末にして服用した方がよいのでしょうか?

 ちなみにその漢方薬局は「この処方の粉末製品はなく、煎じ薬でしか組み立てられない」と言っていました。

 
お返事メール:参苓白朮散は証が合っておれば煎じ薬で十分に有効です。
 きっとアナタの体質にぴったりとは適合してないか、あるいは参苓白朮散だけでは効果を出すには薬味や方剤が不足しているものと思われます。

 慢性疾患の場合、一方剤だけで病気が治るケースは現実には意外に少ないものです。
煎じ薬を二ヶ月服用してもまったく無効であれば、粉末製剤であっても効果は出ないと思います。

 ところで「参苓白朮散は煎じ薬とすべきでない」と書いていたそうですが、どこで書いたか既に記憶はありません。とうとう老人ボケしたものと思われます(苦笑。


折返し頂いたメール: なるほど、煎じ薬で効かないものは粉末製剤でも効かない可能性が高いのですか。

 粉末にするためにミルサーを注文したのですがどうしましょう(汗
たぶん証は合ってると思うのですが…
 慢性疾患は一方剤だけで病気が治るケースは少ないとは困りましたね…

 ご自分で書いたものを覚えてないんですか!
 気難しい頑固な方だと思っていましたが、意外に面白い方なんですね(笑

 ちなみに、参苓白朮散について書かれていたページはこちらです
http://ameblo.jp/kanpoyaku/entry-10017567133.html


お返事メール:参苓白朮散という方剤名は名の通り、散剤です。だから「本来、煎じ薬とすべきでない方剤」であるというのは当然!であって、煎じ薬にしたら効果は出ないとは一言も書いていませんよっ。

 といって、ニキビは病気の範疇に入れるのも程度問題ですが、病状がひどいのであればどうでしょうね〜〜参苓白朮散レベルの方剤で治るものでしょうか?
 もしも軽症であれば・・・軽症の人だったら当方に来られていたらケンモホロロにお断りしていることでしょう。

 漢方薬を飲んだら却ってニキビが増えた、などと言われたらかないませんからね(苦笑。


【追記】参苓白朮散の正式な粉末製剤は杉原達二商店から立派に製造発売されている。
 ウチダ和漢薬さんなどから簡単に仕入れ可能なはずだから、わざわざ素人さんが粉末にする器械まで購入するには及ばないだろう。

 医薬品として通用するような微粉末をシロウトで製造するのはほとんど不可能に近いのではなかろうか。
posted by ヒゲジジイ at 00:05| 山口 ☁| とんでもない話や、信じられない困った話 | 更新情報をチェックする

2008年11月06日

山本巌先生の漢方医学について

性別: 女性
年齢: 30歳〜39歳
簡単なご住所 : 関西地方
具体的な御職業: 薬剤師
お問い合わせ内容 : 村田先生
 お忙しいところ恐れ入ります。質問がありますので、お願いします。

 私は、漢方薬局に勤めている??歳の薬剤師です。職場の方から先生のHPを教えていただき、とてもおもしろく、唸りながら、読ませていただいております。
 私は10年前に漢方を始めたものの楽しさを見出すことができずに挫折して西式健康法や代替医療などを探求するものの、自分の芯がないため、結局中途半端な知識で、かえって混乱するというひどい状態に陥りました。

 2年半前に中国人中医師とご縁をいただき、その偏りのない学識の深さ、人間的にも懐の深い魅力的なところ、患者さんに対する真摯な態度からとても学ぶことが大きく、自分は全く話にならない存在だと痛感いたしました。
 反面、周りの方のその先生に対する執着や嫉妬うずまく状態に、自分の胃腸が悪くなり、身をもってストレスの恐ろしさを思いました。

 夫の転勤により、また新しい漢方薬局で働き始めましたが、書物や周りのことから謙虚に学び取っていかれる方もごくたまにおられますが、良い師に恵まれるということが、私のような凡夫にとっては、どれほど重要なことかも思い知りました。
 村田先生のHPのおかげで、助かっています。

 質問は、山本巌先生の漢方医学についての村田先生のご見解を教えていただきたい、ということです。私にとっては、漢方はまさに、日暮れて道遠しで、それでも諦めきれず爪の先でぶら下がっているのですが、山本先生の書物がとてもわかりやすくて好きなのです。
 山本先生のお弟子さんである先生方は、これぞ新しい医学で、中医の理論は素晴らしい部分と妄想の部分があり、妄想のところは切り捨てねばならないとされていますが、私もまだ全然わかっていませんが、中医理論の奥深さを知った上のことか、日本人に理解しがたいからそうなるのか、本当のところがわかりません。

 確かに解剖学や病理、病態に関して想像の部分はあるにしても、そんな安直ではないような気がするのです。山本先生は、慢性疾患や難病に駆お血剤をとても上手に使われたとのことですが、痰、気滞、食積などはどうなるのでしょう?と単純に思うのです。

 といいますのは、亡くなられた断食の甲田光雄医師に夢中になった時があり、色々と物議をかもされてはいますが、生菜食で難病を克服されている方々の体験を聞くことができたからで、漢方薬の使い方も、いかに身体にダメージを与えずに要らないものを出した上で、本来の健全な身体の働きを取り戻せるかが大切なのではと愚考するのです。

 結局は、村田先生のように、西洋医学の優れた点も取り入れつつ、古典や書物から原文で自分で読み取る力をつけるべく、地道に努力するしかないと観念しています。
 中国人の先生から、10年読まなければ読んだことにならない、とか、とくに中薬学の本は、ボロボロになるまで読み込むとか、教えていただいて、基本や古典を大切にした上で新しく改良してゆくという学問に対する姿勢をみることができました。この年になって知るのも悲しいですが、それでも、知ることができて、有難かったと思っています。

 ごちゃごちゃとまとまりがなく、申し訳ありません。お忙しいことと存じますが、山本漢方医学に対してのご見解を、お聴きかせ願いたいと思いましたが、愚問でしたら、捨て置き下さい。お願い申し上げます。益々のご活躍をお祈り申し上げます。

山本巌先生の著書

お返事メール:山本巌先生の後世に残した学識は、補中益気湯が幼児のアトピー性皮膚炎に有効なケースが多いことを最初に発表された先生として強く記憶に残っています。臨床家としてもウチダ和漢薬さんなどを通じて、とても評判がよかったことを伝え聞いていました。日本人向けの漢方薬を様々に工夫考案された先生として高く評価すべきだと信じます。

 翻って中医学については、基本理念はあくまで陰陽五行学説であり、五臓六腑を中心にした蔵象学説を重要視すべきであり、構造主義科学理論としての認識が必要だと考えています。⇒ 構造主義科学としての中医漢方薬学

 ですから、中医学理論は妄想があろうとなかろうとっ!・・・中医学そのものは優れた構造主義科学理論としての認識をもちつつ、あとは臨床実践の中から自身で肉付けしていくべき問題だと思います。

 中医学の基礎理論を構造主義科学理論として学ぶには、陳潮祖先生の「中医病機治法学」こそ、最高の書籍だと思っています。

 但し、このような書籍類はあくまで教科書なのですから、あとは学習者の応用力、応用実践力は、みずから思考して複雑な病態を分析する能力を身に付けなければなりません。
 多くの症例を経験しながらでなければ、現実に存在する複雑な病態に対応した適切な方剤を考案することはなかなか難しいものだと思っています。

 ですから、愚鈍な小生ごときはまだまだ毎日が右顧左眄の日々で、ようやく一人が解決しかかったと思ったら、また今日も新たな難問をかかえた新しい御相談者に悩まされる日々が続く、その繰り返しで一生を終わらなければならない、蟻地獄のような日々を送っています(苦笑。

 なんだかぜんぜんまともなお返事になってませんが、若い頃はまずは専門書籍の乱読と臨床実践の繰り返しで泥沼にはまらなければ、なかなか方向は見えて来にくいものかもしれません。
 少なくとも断定できることは、中医学は立派な「構造主義科学理論」であり、ある部分では西洋医学よりもはるかに科学的であるということも忘れてはならないと思っています。⇒ 中医学と西洋医学━中西医結合への道

陳潮祖先生著の「中医病機治法学」および「中医治法と方剤」など

折返し頂いたメール:お問い合わせ頂いた女性薬剤師のご都合により全文削除
posted by ヒゲジジイ at 11:51| 山口 | 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2008年11月04日

趣味が合わないっ

 昨日、毎度のことながら軍服を着た立派なカメムシ君に出会ったので写真をバチバチととって、それをブログに予定通り掲載した。

 ところが昼間、常連さんと愚妻にそのことでからかわれたばかりだった。誰がカメムシなんてっ、臭いくさいと嫌がられるだけですよっ、というのである。

 人に喜んでもらうためにブログに掲載しているわけじゃなし、嫌なら覗かなければいいんだっ放っといてくれ。
 蓼食う虫も好き好きというように、また徒党を組むのも大嫌いで独善的な男である。唯我独尊で一生を終わるつもりなんだから・・・っ。

 ここで唐突に思い出すのが、しばしば電話や店頭で遭遇する問い合わせで「何々病に効く漢方薬はありますかっ?」という返答不能の質問である。

 ひどいのになると、当方の漢方薬を利用しはじめるやいなや、ありきたりな病気の名前ばかりを挙げて「・・・病を漢方薬で治した経験がありますかっ?」とっ、この35年のキャリアの漢方専門家に向かって何とも不快千万な質問攻めである。
 お前っ、バッカじゃないの〜〜と何度繰り返したことかっ。

 こんな質問攻めが数ヶ月も続いたので、とうとう頭に来て他所を紹介して縁を切らせてもらったことがある。

 神経を逆なでされることが続けば、完全におんぼろコンピュータは作働を停止するのである。

 だからこのブログも作働を停止する寸前かもしれないっ。
 
 よってたかって正論を吐く人物に罵詈雑言を浴びせるテレビの報道番組を繰り返し見せつけられていると、とうとう愛着極まってこの国が大嫌いになりそうだ。
 同様に、色好みの源氏物語をNHKが連日取り上げてあれほど高く評価する価値観には到底ついて行けない。

 実のところっマクロ撮影のブログに凝り過ぎて、本命のはずのこのブログの更新を怠っていると、病気で寝込んでいるなどとあらぬ噂が飛びそうだから、厭々更新したまでのことっ! 

2008年11月03日

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posted by ヒゲジジイ at 11:00| 山口 ☁| 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする