これまでしばしば取り上げたのは世間では意外に使用されないために、メーカーの回転率の悪さから製造中止になったら困るので、盛んに宣伝してきたのである。このような裏心があったからである。
つまり深謀遠慮があったという訳である(苦笑。
しかしながらいまや宣伝が行き届いたのか、その心配は無用となった。
せっかくだから打ち明け話のついでに、茵蔯蒿湯にまつわる話で、通常は舌の奥に黄膩苔を認めない限りは適応証とは認められないはずの人でも、以前医療関係者に実験してもらったところ、花粉症による目の痒みなどにはよく奏効した実験結果が出ている。
そのような人の中で、花粉症の時にも、浮腫が続いた時にも、いずれも大いに活躍した茵蔯蒿湯が、過食によるものか急性蕁麻疹に見舞われたので当然のごとく茵蔯蒿湯を使用されたが、一向に効果が出ないという報告があった。
蕁麻疹こそ茵蔯蒿湯の効果効能に大きく記載されるほど本命の症状であるはずが、これだけには奏効しないというのだから、何とも不思議な現象である。
もともと茵蔯蒿湯の応用範囲はとても広いもので、http://cyosyu.exblog.jp/i8/ ここにも取り上げているほどだが、先日もアトピーで一年以上続けられている遠方の女性の子供さんが、夏が過ぎて極端に疲労が出たのか、一日中ゴロゴロしていてムカムカが続いて時に嘔吐する。病院治療も点滴などでしばらくは元気になるが直ぐに元に戻ってしまうが、何とか漢方薬で治らないものだろうかとご相談があった。
夏場の冷たいものの取り過ぎが原因ではないかと

ところが舌の奥に分厚い苔が存在するというので、母親がアトピーで使用中の茵蔯蒿湯を飲んでもらったところ速効である。
大人では珍しいケースではなく、最近も子供の頃からしばしばむかむかと吐き気がしていたため成人して以後、重度の吐き気恐怖が続いていた人にもよく奏効している。

効くべきものに奏効しなかったり、突拍子も無い症状に効果があったり、漢方薬の難しさがここにある。