昨日の出来事だが、僅か20日足らずの服用後の検査で、クレアチニンが正常値になり、尿素窒素も上限から2高いだけのレベルまで下がった糖尿病患者さん。
元凶であるヘモグロビンA1cも限りなく5,8に近づいた。
足のシビレも速効で緩解し、この調子で白内障も治らないかな〜と強い願望を述べられるが、杞菊地黄丸などナドがどこまで改善してくれるかは今後の心がけ次第である。
糖尿病の影響で腎不全の兆候が見られ、いずれは透析の可能性も・・・と医師に告げられ、たまたま当方のおなじみさんに紹介されて来られたのが縁であった。
放物線を描いて数値が急に上昇して、短期間で透析になるケースも珍しくないといわれるが、「いずれは透析も・・・」と主治医に告げられるまでになって、はじめて漢方薬を求めて来られる地元近辺の人は以前から多い。
クレアチニンが5を超えたり、尿素窒素が50を超えるくらいになってはじめて来られるようなケースでは、状態を一時改善して透析までの期間を延期するだけに終わるケースもあり、このように一定レベルを超えれば、どんなにがんぱっても五分五分の賭けになる。
ところが早い段階であれば、ほとんどのケースでクレアチニンも尿素窒素も正常化するのが通例で、その多くは短期間で速効が出る。
だから初めて来られた頃の深刻さは直ぐに失せて無意識に病気を甘く見るようになる傾向が強い。
それゆえ、今後も当分は決して油断がならないことを懇々と説いたのである。
せっかく大喜びで検査表を持参されたご夫婦に、その喜びこそ警戒で、最初に超速効が得られる人ほど油断して漢方薬の連用を怠り、じわじわとしか効いてくれない人達よりも、却って中途半端に終わることも多いのだから、と過剰なくらいに警告を発するばかりであった。
実際のところ、どのような疾患であれ、漢方薬で超速効が出た人ほど、継続服用する根気が失せる人が目立つのである。
実際に数日前に、当初はIgA腎症がやや進行してクレアチニンや尿素窒素が上昇して、当方の漢方薬数ヶ月にして、まったく正常値に戻っていた人がいた。最近は延び延びの服用になっているので危ぶんでいたところ、他の用があって立ち寄ったときに、
最近は1回しか服用してないのです。薬に頼らず食事療法で治してますから〜〜〜
と嘯く厚顔無恥にあきれ果て、バッカジャジナイノ〜〜、その油断から35年間に何人の人が結局は透析するようになったか、せめて朝と晩の2回でも続けておかないと1回くらいの服用では屁のツッパリにもならない。
腎不全の現実を知ってってそんな暢気なことを言ってるのカイナ〜〜っと言わざるを得ないお馴染みさんがいたばかりである。
サボるも念を入れるも、ご自身の問題だからお好きにどうぞっ、とまともに相手すべきではないのかもしれない。
しかしながら、長く苦しまれた慢性疾患に超速効は歓迎すべきであろうとも、実際には却って大きな油断を生む結果になる現実を35年間、イヤになるほど見続けてきた。
だから、超速効例ほどますますキツク、サボり癖が着く前に事前に強く訓示を与えておくに限るのである。
2008年10月08日
糖尿病性腎症・腎不全の速効に喜ぶ患者さんを強く戒めたこと
posted by ヒゲジジイ at 00:22| 山口 ☁| 糖尿病性腎症・腎不全
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