2008年09月07日

そちらの漢方薬で治った例がありますか? という愚問にはお返事する気にもなれない

折り返しのおたより:東海地方の女性薬剤師

 お忙しい折、お便りをありがとうございました。
 なるほど・・・・確かに地方性ですね。
 こちらは、もともとは比較的冷える地区なので、”冷え”に対して女性は特に敏感で、気をつかっています。

 お勤め先等では、この限りでないかもしれませんが、一般家庭では、昼間に自宅で過ごしている奥様方が、クーラーをかけることはあまりないようで、よしずや扇風機でしのぎ、男性陣や子供達が帰宅してから、クーラーが稼働する・・・というパターンのようです。

 これでは知らない内に、熱中症になる可能性もありますよね・・・。
 何にしても、この熱帯的な気候・・・・今から温病対策が必要ですね。


ヒゲジジイのお返事メール:そういえば先生のところは、内陸地方でしたね。
 もともとかなり寒い地方であれば、クーラーを使用する習慣があまりない場合は、この異常気象ですから、却って温熱の病邪を受けやすくなるかもしれませんね。

 こちらではむしろ職場でクーラーが強烈なために、しばしば葛根湯証の人が、この真夏に顕著でした。(自身もその一人っ!)

 日本は湿気が多いので、湿温病などに罹ると頑固ですが、幸い常連さんは用心がよいので大きな問題が生じることなく、藿香正気散(カッコウショウキサン)と猪苓湯の併用レベルで簡単に解決しています。

 ともあれ、ブログに利用させて頂けて嬉しいです。

 ところで、一般の人達から相変わらず様々な問い合わせメールを受け取っているのですが、「何々病がそちらの漢方薬で治った例がありますか?」という内容が多いので、うんざりしています。

 ブログに何度も取り上げたような疾患でもこの通りですから、返事するのもイヤになってしまいます。
 35年のキャリアの人間に向かって、しかもありきたりな疾患をあげて「前例がありますか?」という質問には不快感すら感じます。

「及び腰で微調整の根気が続かずに治らなかった例も結構ありましたよ」っと言ってやりたいところです。


【編集後記】 お問い合わせメールに対しては真剣・真面目なご相談である限りは、精一杯誠意を持ってお返事させて頂く気持ちに変りはないが、昨今目立って鼻に付く「・・・病がそちらの漢方薬で治った例がありますか?」という質問が入っているケースばかりが続くと、いっぺんでお返事の意欲を喪失する。
 
 その多くはブログで何度も取り上げた疾患であることが多いので、いまさらギブ・アンド・テイクでブログに利用させてもらうのだからと割り切ろうにも、ありきたり過ぎる疾患に前例がありますかも糞もないだろう〜という気分が先にたって、質問者の真剣味の欠如を疑わざるを得ない。

 案の定、その多くは罹患後、数ヶ月にも満たず、西洋医学治療を十分に受けたわけではないケースばかりである。
 それゆえ、まだまだ漢方薬を考えるには時期尚早であると判断してお返事は遠慮させて頂いている。
ラベル:無礼者 愚問