2008年08月26日

季節の変わり目における漢方薬の配合変化

 そろそろ秋の兆しが感じられる。だから体調変化が微妙に生じやすい季節でもある。

 真夏の暑い時期こそ、常用方剤とは別に、炎暑の季節だからこそ涼を求め過ぎたために生じる異変には折々に葛根湯系列の方剤や、藿香正気散(カッコウショウキサン)、あるいは補中益気丸や五苓散、胃苓湯系列の方剤など、様々な温性の方剤が飛び入りで必要になった人も多い。

 秋は肺の季節であり、乾燥の季節である。秋燥のみならず肺の季節でもあるだけに衛気の調節に異常を来たしてオウギが活躍する季節でもある。
 また肺熱肺陰虚に対する辛夷清肺湯や肺腎陰虚の八仙丸が必要になる人も多い。

 四季折々に配合変化が必要な過敏な体質の人達は、常用方剤だけで安定した効果を発揮できるとは限らないので、この中医学の本質に沿ったお互いの努力が出来るかどうか、つまり折々の必要に応じた微調整に積極的に協力されるかどうかで、体質改善のスピードが異なって来る。

 これまで大活躍した黄連解毒湯の服用量を減量したり、不要になる人すら出てくるが、逆に寒さに向えば却って必要になる人もいる。
 一人ひとりの体質傾向を個別的に検討すれば、意外に法則通りにはゆかない場合もあるので、「常と変」に対する見極めは重要である。
posted by ヒゲジジイ at 08:39| 山口 ☀| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする