突然降って湧いたように香蘇散を指名した問い合わせが続く。しかも直接の来訪者ばかりである。
真面目な相談もあれば、お気楽な相談も混じる。
真面目な相談では、それほど気になる香蘇散なら一度服用して納得が行ってそれでも治らないなら、正確な弁証論治に基く方剤を見つけることにしましょう、ということになった。
お気楽な指名客には、送り状の発行と荷造りに多忙を極める最中だったので、危なくない方剤だから一度試したいなら、ということで製品を渡そうとすると、10日分の価格があまりにも安価に過ぎて却って不審を抱いたらしく、ごちゃごちゃと難癖をつけだしたので、逆にこちらのほうからケンモホロロに断りまくると、これを先途に話のための話を仕掛けて来るお邪魔虫。(こういう客に一度販売すると、後々まで祟られることになるので、絶対に販売しないっ!)
間違って服用しても極めて安全な部類に属する方剤だからといって、やはり特定処方の指名客の話には迂闊に乗るべきではないという年来の教訓をあらためて確認するだけのことで、無駄な時間を30分近くも奪われるハメに陥ったのだった(苦笑。
どうやら新聞の地方版で、どこかの病院の医師が香蘇散の宣伝を行った模様である。実にありがた迷惑なことである。