先月も一部を紹介した例だが、真珠腫性中耳炎によるフラツキと耳鳴りの女性。配合比率の優れた葛根湯製剤5日分の服用で超速効。次は耳鳴りを消して欲しいという要求で香蘇散(こうそさん)を追加。
その後、一ヶ月無音のまま、極端な速効があると人は往々にして病気を侮る問題点を感じながらも完全にこの女性のことを忘れかけた昨日、葛根湯製剤だけを求めてやって来た。
既に一ヶ月近く漢方薬の服用を中断していたので、耳鳴りの方はどうなったのかっ? という質問に対して、信じられないほど怪訝な顔をされる。
そんなもんあったんかいな〜〜という人を馬鹿にするかのような不審顔。
つまり、香蘇散を10日分服用する間には完全に雲散霧消してまったく再発の兆候は皆無ということで、こちらが質問するまでは本人も忘れていたというのである。(ボケた真似かっ?!)
ただ、フラツキだけが僅かに再発の兆しをみているらしい。
矛盾だらけの彼女は、一ヶ月近くも服用を怠っておりながら漢方薬で真珠腫性中耳炎の手術が免れないだろうかという強い要求を繰り返す。
将来的には手術すべしとの宣告をされているそうだが、その問題は主治医の判断に任せる以外にないだろう。
その猶予期間にあわよくば治してしまいたいという要求である。
要求が強い割には、その不真面目な服用態度を如何せむ。
それにしても35年間の経験上では、耳鳴りが僅か10日分の香蘇散で完全に雲散霧消したケースは無かったのではないか?
ひどく不真面目な人だけに、今後の再発の有無には興味深いものがある。
こんな安上がりな漢方薬で諸症状が雲散霧消する幸運に感謝すべきであろうが、真逆な態度を取られるのはどうしたことか。
将来、再発しても貴女自身の矛盾した言動が問題なのだから、再発しても決して苦情を持ち込まないように強く念押ししておいたが、こういう不真面目な人ほど、再発時には漢方薬をボロクソにこき下ろし悪態をつきかねない。
過去の超速効の類似例から考えても、ますますウンザリする遣り甲斐のない仕事である。
2008年08月19日
真珠腫性中耳炎によるフラツキと耳鳴、漢方薬による超速効の功罪
posted by ヒゲジジイ at 08:57| 山口 ☔| 中耳炎(滲出性中耳炎・真珠腫性中耳炎など)
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