おたより:関東地方の内科医師
ご丁寧に私の愚問にお答え頂き感謝しております。
>肺熱の触診による診断方法
日本には腹診がありますが、胸部の触診まで詳しく触れていないものですから…
後は自分の感想ということになってしまいます。
自分の場合は始めに背部から観察します。
これは長年お付き合い下さいました鍼灸師の先生が背部から観察することを勧めておりましたので、自分も患者さんの背部からの観察することを最初にすることにしています。
背部からの観察が終わり、次に前部からの観察と言う感じになります。最初は触らないで大雑把な気の流れや停滞感を掴み、次に触診をして、問題の部分の温熱を調べたり筋肉の緊張度を調べることになります。
この様な診察から、その患者さんの体に必要な薬草をピックアップします。
これは自分だけの診察方法で他の人には役立ちませんね。ただ自分なりの診察の方法を確立していくことも必要なのではないか?と思います。
漢方診察も、色々なマニュアルが出回っていますが…それは例として覚えておいて、最後は自分が患者さんの体から感じるものを如何に系統付けて行くかということなのではないかと思いますよね。
偉そうなことは言えませんが…女性を口説くときも、マニュアルは使えませんよねぇ〜(笑
次に脈診や舌診で、体の力の強さや病気の位置、また血の充血度などを再検討したりもします。
ただ…何回も漢方薬を使っている方ならば…全身を大雑把に把握することで、大体の処方は決まるような気がします。
診察において、一番大切なのは自分が如何に多くの処方を頭にイメージ出来ているか?ということなのではないかと思います。
処方の構成を頭に描けていないと、診察したものを処方にフィードバックすることが出来ません。
ここいら辺は漢方薬を使う方であれば、きっと死ぬまで努力して行かなくてはならない所だと思いますよね。
これは医師でも薬剤師でも同じだと思います。もちろん自分はまだまだ未熟です。
ちなみに肺熱と言われる症状があれば…胸部に一定の気の停滞感が感じられます。逆に葛根湯の場合は腹部の気の停滞感が主になってくることから、葛根湯は肺熱の処方ではないということが分かります。
これはすべて自分の感覚的なものなので…残念ながら他の方の役には立たないかも知れません。
こんなことから自分には葛根湯には肺熱には禁忌という感覚を持っていますが、きっと村田先生の場合は多くの処方の構成を頭にイメージ出来ていることが強みになっていると思いますね。
患者さんの体を頭にイメージして、そのイメージに近い漢方薬を処方するという一連の流れが、漢方処方には必要だと感じます。
どんな分野でも同じですが…漢方も努力が必要な様ですね。
経営相談より努力ですよね、村田先生!(笑。
GOOD NIGHT! (-。_)。。o〇
お返事メール:とても有意義なご教示、ありがとうございます。
女性を口説くときにマニュアルは使えない、ということには全く同意ですっ!
書籍や他者の経験談などは重要な参考資料であることは当然としても、結局は最終的に、自分なりの理論とイメージをしっかり構築しないことには血となり肉とはならないように思います。
2008年07月01日
医師による肺熱の診断法
posted by ヒゲジジイ at 01:32| 山口 ☁| 日本漢方の情けない現状と限界
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