おたより:東海地方の女性薬剤師
梅雨の湿っぽい気候ですが、いかがお過ごしですか?
本日は、私事で恐縮なのですが、ご報告いたします。
先回の月経周期で、排卵を過ぎたあたりから、胸がパンパンに張り、乳頭が少し下着に触れただけでも、飛び上がるほどの痛みで、不快な日が続きました。(こんなことは若い頃以来、久々です)
舌は淡紅ですが、舌尖、舌側はいつも赤く、歯形があります。
舌全体に薄白苔があり、奥のみ、淡黄苔 表面(特に真ん中)は湿が多く光っています。
また、いつも気になるのですが、舌尖が、ハート型にへこんでいます。
若い頃、肝欝でよく胸が張りましたが、ここのところ特にイライラや胸の痞えなどはありませんでした。
それよりも、夢ばかり見て、熟睡できず、夜中に3回ほどトイレに起きる昼間、気力が萎えることがある、持病の坐骨神経痛が冷えて湿の多い日に痛む等の症状がありました。
若い頃の胸の張りが、加味逍遥散でとれていたので、服用してみましたが、全く変化無く、柴胡疏肝散を煎じて飲んだところ、かえって張りがひどくなる始末・・・・。
これは、肝欝でなく、肝気虚では・・・・と思い、黄耆建中湯を服用(黄耆をプラスして一日10グラム服用)したところ、半日で胸が柔らかくなって、痛みが軽減されてきました。
そういえば、ここ2ヶ月ほど、毎週水曜に、定期便で来られる患者さんがあり、大変に気と神経を消耗する方で、決まって帰られた後に、吐き気やめまいがしてしばらくフラフラになっていました。
あちらは元気になる。こちらはバテるという具合に・・・。
そこで今回、来られたとたんに、黄耆建中湯を服用したところ、まったくもって大丈夫でした。
やはり、歳とともに、虚してきているのですね・・・(淋)
月経の方もいつになく、ショロショロで終わってしまいました。
本格的に老化対策せねばならないようです(-_-;)
お返事メール:やっぱり流石に肝気虚証をご存知とは恐れ入りました。
中医学を学んだ専門家でも、肝気虚や脾陰虚などに疎い先生方が多い中、実に恐るべし・・・です。
実は、以前、「中医臨床」誌に翻訳連載していた当時、瞿岳雲先生著「中医理論弁」の連載として 中医学主要翻訳集 ここに転載している続きとして、「五臓にはいずれも気虚があり、肝も例外ではない」という原書で9頁に亘る詳細な肝気虚証の論説を翻訳する予定だったのですが、あることからプッツンして連載をやめてしまいました。当時からすでにプッツンジジイの面目躍如足るものがありました(苦笑。
また、日本では肝気虚や脾陰虚などについて現在では廃刊?となっている「THE KANPO」に神戸中医学研究会の先生方がしばしば取り上げられていた記憶があります。
神戸中医学研究会で思い出したのですが、2008年06月11日 活字の重複 この活字の重複をご指摘下さった先生は、当時の「中医学基礎」や一世を風靡した「漢薬の臨床応用」を翻訳されたメンバーのお一人です。
ますます話は飛躍しますが、活字の重複をご指摘下さったものの、原因が分からず、同じIE6のブラウザでありながら、http://mkanpo.exblog.jp/3531673/ の部分、当方での視認においても印刷においても⇒ http://www.mkdy.net/ka1.html のようにすべてすっきりと字の重なりはみられませんが、ご指摘下さった先生のブラウザで見える画像は⇒ http://www.mkdy.net/ka.html であるとファックスで送って頂いたものです。
設定をデフォルトにもどせば、すんなり解決するのでしょうが、それでは活字が小さくなるので思案しているところです。
それはさておき、先生が肝気虚にまで陥られた心労の原因は、まさか以前、当方からお願いして面倒を見ていただいた方が原因ではないかと心配しています。
>そういえば、ここ2ヶ月ほど、毎週水曜に、定期便で来られる患者さんがあり、大変に>気と神経を消耗する方で、決まって帰られた後に、吐き気やめまいがしてしばらくフラ>フラになっていました。
>あちらは元気になる。こちらはバテるという具合に・・・。
患者さんに精気を奪われて早死にする医療関係者も多いという変な噂を耳にしたことがありますが・・・精魂込めたお仕事もほどほどに、我が身をお大切になさって下さい。
折り返し頂いたメール:決して先生からご紹介いただいた方ではございませんので、ご安心ください。
あの方は素直で、また意外にもユニークな方でした♪
ガンが再発し、抗ガン剤とのいたちごっこをしているような患者さんには、
”何故、私ばかり・・・・”
”自分がこんな風になり、人は笑っているだろう・・・ああ悔しい”
というような毒を吐かれる方があり、薬局の空気も濁るほどです。
・・・・・・・・・・。
こちらも徹底的に衛気を固めねば、やられる感じです。
しかし、漢方と養生も必死で頑張っておられるので、放り出すわけにも行きません。(苦笑)
先生は、多くの難病の患者さんの弁証をされ、精力的にお仕事なさっており、流石です。
私はてんで、修行がたりません。
玉屏風散製剤をもっておらず、それだけを、とることもできないようなので、煎じで頑張ってみます(笑)
先生のブログ用ノートが2冊目に入りました。
勉強させていただき、感謝いたしております。
ヒゲジジイのお返事:繊細な男性には漢方の腕前はもとより「美しい」先生こそうってつけだったのでしょう。ご迷惑をおかけしているのでなければ安心しました。
つい先ほども、昨日来られた新人さんからのメールで、
>ブログで読んで想像していた『ヒゲジジイ』(失礼)さんよりも、
>実物はとても優しい先生と奥様でしたので、安心しました(^^;)
と書かれていましたが、これからするとやはり当方のブログやサイトは、よほど頑固ジジイ丸出しであることが、あらためて再認識させられた次第でした(苦笑。
悲しい編集後記:ヒゲジジイは精力的に仕事をこなしているどころか、毎日まいにち新人さんが続くので、緊張感が取れない毎日で、虫の息吐息の状態で、へとへとの日々が続いているのだった(涙。
2008年06月21日
肝気虚証について(五臓それぞれに気虚があり、剛臓である肝もその例外ではない)
posted by ヒゲジジイ at 07:16| 山口 ☔| 中医漢方薬学問答
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