真剣勝負の身体を張った学問的な批判とはいえ、本名でここまでやれる日本人がどこまでいることやら〜〜〜、村八分が好きな日本社会ですからねっ。
日本漢方を堕落させた吉益東洞より引用。
江戸期の漢方医である吉益東洞は、陰陽五行学説を基礎に発展・発達した中国の伝統医学の最もエッセンシャルな基礎概念=陰陽五行を完全に否定した。要するに、漢方医学に西洋医学流のエビデンス概念を取り込むことばかりに血道をあげるようでは、日本漢方の将来は暗い。
この本来の中国の伝統医学の最もエッセンシャルな部分を、空論臆説と退けるという自己矛盾を犯したのである。
陰陽五行を否定した時点で、もはや日本漢方はその自己矛盾の自縄自縛により、没理論の泥沼に埋没する方向へまっしぐらに進んでしまった感がある。
東洞は「親試実験」という実証主義の旗印を掲げて没理論の方向へ突き進んでしまったわけで、それは現代の医療用漢方における「漢方の科学化」と同類の考えに他ならない。
現代のこの一見実証主義的な「漢方の科学化」という名目は、単に病名漢方的な西洋医学化にすり替わり、ますます本来の漢方医学の本質を見失いつつある。
この批判的な見方は、日本国内でも多くの漢方家が指摘する所であるが、それらの声は不思議なことに、ほとんどかき消されて、マスコミにすら取上げられることがない。
江戸期の吉益東洞の行なった「親試実験」は、それがそのまま現代における「漢方の科学化」ということに重なるものである。