2008年04月11日

今年の花粉症に対する漢方薬の総括

 まだ花粉症は続いているようだが、村田漢方堂薬局で花粉症治療用に漢方薬を利用された人の殆どは、終息に向っている。実際にはすでに症状が完全に消えてしまっている人が殆どである。

 もっとも多く使用して多くの人に有効だったのが茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)。但し、黄膩苔が存在する人に限られるはずだが、黄膩苔の兆候に乏しい人でも明らかに有効だったケースがある。

 茵蔯蒿湯はとりわけ目の痒みに有効で、同時に鼻水が止まる。但し、一部の人では鼻づまりにはまったく無効で、辛夷清肺湯や天津感冒片の併用が必要となった人もあった。

 従来は天津感冒片や涼解楽などの銀翹散製剤を主体に運用して早期に治まる人が多かったが、同じアレルギー疾患ゆえ、急性蕁麻疹に有効な茵蔯蒿湯を今年は頻繁に応用してみて、かなり高い有効性を確認することが出来た。
 医師や看護師さんや鍼灸師さんなどの医療関係者にも実験してもらってその有効性を確認することもできた。

 その他、あきらかにカッコウショウキサン単独で花粉症が治まる人がおられたのは従来通りであった。
 また従来どおり、村田漢方堂薬局オリジナルの体質改善三点セットは明らかに有効であったが、これだけでは不十分な人もあり、茵蔯蒿湯や天津感冒片の併用で治まっている。
 他の目的で体質改善三点セットの愛用者の花粉症がいつの間にか自然に根治したという報告は毎年必ず数人以上からの報告がある。

 また例年通り、世間で繁用される野蛮な方剤、小青竜湯を販売することは一度も無かったし、指名客も無かった。
 小青竜湯を花粉症に応用するのは野蛮であるというのは、花粉症患者さんに肺寒停飲の症候を呈している人をほとんど見たことがないからである。
 たとえこの方剤で効果があっても肺陰を損傷しかねないので乱用は慎むべきである。

 なお、常連さんやお馴染みさんたちの多くは、天津感冒片や涼解楽、参蘇飲製剤、葛根湯製剤、辛夷清肺湯、小陥胸湯加味方剤、大柴胡湯製剤、四逆散製剤、茵陳蒿湯、地竜製剤、猪苓湯製剤、カッコウショウキサン、五苓散、加味平胃散、胃苓湯製剤、芍薬甘草湯、大黄製剤、体質改善三点セット、板藍茶、白花蛇舌草、牛黄製剤、麝香製剤など常備されているので、ご家族がどのような急性疾患になっても直ぐに対処できるので、速効が得られている。
 これらの人こそ、漢方の計り知れない恩恵に浴され、健康で長寿生活をおくられている。