ある読者からのおたより(前略)正直に言いますと、今回の風邪についての先生の記事は、知らない単語が多かったので、細かい点が頭を素通りし、「風邪をひいたがいろいろな漢方薬をうまく使用して何とかましになった」という形に圧縮されて頭に残っています。
漢方については、父が悪かった時に、いろいろなサイトを読みましたが、基礎知識がまったくない状態だったため、弁証法のレベルでの理解は不可能で、対症療法的な情報のみの抜き書きレベルになってしまい、そこから抜け出せていません。(後略)
ヒゲジジイの思わず漏らした本音のお返事メール:少し誤解されているといけないので、はっきりお知らせしておきますが、当方のブログは一般の素人さん向けとはなっておりません。
訪問者の半数近くは同業者(医師や薬剤師)あるいはメーカー関係の人、あるいは当方に既に来られて漢方治療を熱心に行われている人達が対象です。
一般の方にまで理解してもらおうとは実は、思っていないのです。 専門家にしか解読できない内容も多々頻出しています。
正直言って、一般の不特定多数の人にまで親切なブログにするつもりはないのです。
蒼朮や白朮の問題などは、漢方行政および漢方製薬メーカの杜撰さなどを指摘しているもので、専門家筋に直言しているものです。
【追記】 実際の薬局店頭での本業が、誰彼ナシにお気軽なご相談を望んでないだけに、当然このブログも皆に理解してもらえる内容になるはずもない。
ヒゲジジイの将来は長いわけではないので、日本の漢方が堕落する一方であるのを見てられないので、ブログを借りて折々に直言しているつもりである。
将来はもっと激烈な問題も書く機会がますます出てくるかもしれない。我が愛する日本国への後味悪い置き土産を沢山残して逝きたいと望んでいる。
それだけに、一般の人が趣味的に漢方薬に興味を抱いているというレベルのお付き合いこそ、もっとも避けたいと思っている。趣味に付き合っている暇はない。
2008年04月04日
実は、このブログの読者対象は不特定多数の一般向けとはなっていませんっ
posted by ヒゲジジイ at 01:19| 山口 ☁| 中医漢方薬学
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2008年04月03日
消化器を主体にした不定愁訴に対する漢方薬
性別 : 女性
年齢 : 30歳〜39歳
簡単なご住所 : 関西地方
具体的な御職業 : 一般事務 兼 主婦
お問い合わせ内容 : 胃腸の働きが悪く、すぐにガスがたまります。おならが異常に臭かったり、足が常にだるかったり、下痢や便秘、肩こりなど、それ以外にも体調が悪いことが多く、今後の自分や家族のためにも真剣に体質改善をしたいと考えています。
今までに何度も病院にかかりましたが、『胃下垂だからしょうがない』と胃薬を出されたり、その場しのぎでガスを抜いてもらったりしたのみでした。
漢方薬を出してもらったこともありますが、その際の問診は15分ほどの簡単なもので、この短時間で自分の体質や症状を判断して処方できるのかなと疑問に感じました。
飲み始めましたがあまり変化が感じられず、2週間後に再訪し、もっと詳細な症状を聞いてもらおうとしましたが、もう少し様子を見ましょうと、やはり10分ほどで終わりでした。
結局2ヶ月ほど飲みつづけましたが、効果を感じることはできませんでした。
自分なりに漢方のことを勉強してみようと、書籍やインターネットで調べているうちに、村田漢方堂薬局さんのHPに出会いました。
漠然と、でも今までのもやもやが晴れたような感覚がありました。
ここなら、自分の症状をしっかりと理解してくれる、自分も本気で信じて任せられると感じました。
初めての人には、かかりつけの病院で見てもらうよう進めると書いてありましたが、今までかかってきて自分なりに考えた結果、やはり今の自分が体質を根本から変えていくには、その場しのぎの薬や療法ではなく、本当に信頼できる方の指導を受けて、生薬などのなるべく自然なもので治していきたいという思いが強く、できれば貴薬局に一度みていただきたいと考えております。
仕事も家事もある関係上、1泊もしくは2泊ぐらいしか伺うことができませんが、本気で健康になりたいと思っているので、一度お伺いできたらと希望しています。長文失礼致しましたが、ご返信をお待ちしております。
お返事メール;拝復
お悩みの症状は胃腸を中心とした不定愁訴症候群のようですね。虚弱体質の人によくみられる症状ですが、ちょうど昨年6月にも似た症状の方が来られています。
空気嚥下症?
このような方が東北地方から遠路はるばる二泊三日で来られました。
その前年からメールでもアドバイスし、地元の漢方で治すことを推奨していたのですが、行き辛くなってとうとう当方に来られました。この頃までの事情はブログにも掲載しています。また病歴が長いだけに、既に貴女様以上に漢方服用経験も豊富な方でもありました。
結局、実際に直接来られてみれば、どこの漢方専門家のところでも発見されていなかった黄連解毒湯証の存在が重要でした。
この方にとって最も重要な方剤が欠けていたために、長年苦労されていたようです。
現在も何種類もの方剤を上手に併用され、来られた当初よりも一定の改善を得ておられます。とても勘のよい方でしたので、その後も折々にメールを頂きつつ、必要に応じた微調整を行っておられます。
もしもこの方のように様々な症状が輻輳している場合は、何種類かの常備薬を側において頂くことになるかもしれません。
但し、経費的な問題もありますが、自費の漢方の中では、漢方処方毎の単価の安さでは右に出るものがないと自負しています(笑)。
先ほどもご紹介したブログ 空気嚥下症?
に記載しているヒゲジジイのお返事メールをしっかり読んで頂ければご理解頂けると思いますが、一度来られて以後はメールの交信能力次第で漢方薬の微調整が左右されます。
もちろん電話でも構わないのですが、詳細な微調整を考え、アドバイスするにはメールの方が有利な場合も多いようです。
年齢 : 30歳〜39歳
簡単なご住所 : 関西地方
具体的な御職業 : 一般事務 兼 主婦
お問い合わせ内容 : 胃腸の働きが悪く、すぐにガスがたまります。おならが異常に臭かったり、足が常にだるかったり、下痢や便秘、肩こりなど、それ以外にも体調が悪いことが多く、今後の自分や家族のためにも真剣に体質改善をしたいと考えています。
今までに何度も病院にかかりましたが、『胃下垂だからしょうがない』と胃薬を出されたり、その場しのぎでガスを抜いてもらったりしたのみでした。
漢方薬を出してもらったこともありますが、その際の問診は15分ほどの簡単なもので、この短時間で自分の体質や症状を判断して処方できるのかなと疑問に感じました。
飲み始めましたがあまり変化が感じられず、2週間後に再訪し、もっと詳細な症状を聞いてもらおうとしましたが、もう少し様子を見ましょうと、やはり10分ほどで終わりでした。
結局2ヶ月ほど飲みつづけましたが、効果を感じることはできませんでした。
自分なりに漢方のことを勉強してみようと、書籍やインターネットで調べているうちに、村田漢方堂薬局さんのHPに出会いました。
漠然と、でも今までのもやもやが晴れたような感覚がありました。
ここなら、自分の症状をしっかりと理解してくれる、自分も本気で信じて任せられると感じました。
初めての人には、かかりつけの病院で見てもらうよう進めると書いてありましたが、今までかかってきて自分なりに考えた結果、やはり今の自分が体質を根本から変えていくには、その場しのぎの薬や療法ではなく、本当に信頼できる方の指導を受けて、生薬などのなるべく自然なもので治していきたいという思いが強く、できれば貴薬局に一度みていただきたいと考えております。
仕事も家事もある関係上、1泊もしくは2泊ぐらいしか伺うことができませんが、本気で健康になりたいと思っているので、一度お伺いできたらと希望しています。長文失礼致しましたが、ご返信をお待ちしております。
お返事メール;拝復
お悩みの症状は胃腸を中心とした不定愁訴症候群のようですね。虚弱体質の人によくみられる症状ですが、ちょうど昨年6月にも似た症状の方が来られています。
空気嚥下症?
このような方が東北地方から遠路はるばる二泊三日で来られました。
その前年からメールでもアドバイスし、地元の漢方で治すことを推奨していたのですが、行き辛くなってとうとう当方に来られました。この頃までの事情はブログにも掲載しています。また病歴が長いだけに、既に貴女様以上に漢方服用経験も豊富な方でもありました。
結局、実際に直接来られてみれば、どこの漢方専門家のところでも発見されていなかった黄連解毒湯証の存在が重要でした。
この方にとって最も重要な方剤が欠けていたために、長年苦労されていたようです。
現在も何種類もの方剤を上手に併用され、来られた当初よりも一定の改善を得ておられます。とても勘のよい方でしたので、その後も折々にメールを頂きつつ、必要に応じた微調整を行っておられます。
もしもこの方のように様々な症状が輻輳している場合は、何種類かの常備薬を側において頂くことになるかもしれません。
但し、経費的な問題もありますが、自費の漢方の中では、漢方処方毎の単価の安さでは右に出るものがないと自負しています(笑)。
先ほどもご紹介したブログ 空気嚥下症?
に記載しているヒゲジジイのお返事メールをしっかり読んで頂ければご理解頂けると思いますが、一度来られて以後はメールの交信能力次第で漢方薬の微調整が左右されます。
もちろん電話でも構わないのですが、詳細な微調整を考え、アドバイスするにはメールの方が有利な場合も多いようです。
posted by ヒゲジジイ at 08:41| 山口 ☀| 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群
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2008年04月02日
胸部全体から発する乾燥咳に伴う胸痛の恐怖体験←それでも「哲学の煙」だけは忘れない
おたより: 東海地方の美人女性薬剤師
ひげ先生
流石は村田先生
この季節の温病混じりの実に難しい風邪をこのように短期間で治され、敬服いたしております。
昨年の同時期に、私も全く同じような状態で、愚かにも麻黄湯を処方し、引邪入裏して、散々な目に遭いました。
あれ以来、この時期には風寒の症状があっても、麻黄湯は封印しています。
しかし、強い悪寒、節々の痛み等があれば、麻黄湯に手を出したくなるのが人情・・・
このような症状の方が多く、試行錯誤しておりました。
本日のご処方、誠に勉強させていただきました。
この季節、温かくなり徐々に腠理が開いているところへ、ここ2〜3日のような花冷えがございますので、真冬よりも衛気を傷めやすいのだと思います。
私は、銀翹解毒丸をベースに川芎茶調散(センキュウチャチョウサン)と桔梗湯などを配合していましたが、終わりがけが今ひとつスッキリしない感じでした。
先生の、参蘇飲、小陥胸湯、猪苓湯、藿香正気散(カッコウショウキサン)の使い方、とても感動し、興奮いたしております。
先生には、日頃の激務でお疲れがあったのでございましょう。
良薬がありましても、早めに休まれて、お体ご自愛くださいね。
ヒゲジジイのお返事メール: おたよりありがとうございます。
久しぶりに発熱を得て、当たり前のことですが39度近い発熱がいかに苦しいか、身をもって実感してしまいました。数えれば十数年ぶりですが、13年前はここまでの発熱ではなかったので・・・。
本当に苦しかったのは25年くらい前、以前にもご報告した2月に7度4分の微熱をおして海釣りより帰宅後40度の発熱時に、麻黄湯や大青竜湯を使用してもビクとも効を奏さなかった苦い経験がトラウマとなり、急性疾患時の傷寒論方剤を主方にするには頼りに出来ない気持ちです。
今回の症状こそ温病の要素である咽喉腫痛とともに、常に悪寒がして四肢の関節の疼痛、筋肉痛、強烈な暖房の要求などの傷寒の症状が並存していました。
それよりももっと恐ろしかったのはいきなり胸の中央(と言うより胸部全体)から発生する「乾燥咳」とそれにともなう胸痛でした。呼吸困難までは無いまでも間質性肺炎の前兆ではないかと一瞬恐怖に襲われたくらいで、このために小陥胸湯加減方剤に滋陰降下湯の配合こそズバリ的中してこの症状は一日であっさり除去できたことは快感でした。
といっても、こんな病態に陥るなんて、やっぱりロウジンになってしまったんですよね〜〜〜(涙)。先日58歳になってしまいました(涙・・・・・涙・・・)
最後に、自慢じゃないですが〜〜〜、病中、咳嗽と胸痛があるときも構わず「哲学の煙」定期的に決して欠かすことがありませんでしたっ!
ひげ先生
流石は村田先生
この季節の温病混じりの実に難しい風邪をこのように短期間で治され、敬服いたしております。
昨年の同時期に、私も全く同じような状態で、愚かにも麻黄湯を処方し、引邪入裏して、散々な目に遭いました。
あれ以来、この時期には風寒の症状があっても、麻黄湯は封印しています。
しかし、強い悪寒、節々の痛み等があれば、麻黄湯に手を出したくなるのが人情・・・
このような症状の方が多く、試行錯誤しておりました。
本日のご処方、誠に勉強させていただきました。
この季節、温かくなり徐々に腠理が開いているところへ、ここ2〜3日のような花冷えがございますので、真冬よりも衛気を傷めやすいのだと思います。
私は、銀翹解毒丸をベースに川芎茶調散(センキュウチャチョウサン)と桔梗湯などを配合していましたが、終わりがけが今ひとつスッキリしない感じでした。
先生の、参蘇飲、小陥胸湯、猪苓湯、藿香正気散(カッコウショウキサン)の使い方、とても感動し、興奮いたしております。
先生には、日頃の激務でお疲れがあったのでございましょう。
良薬がありましても、早めに休まれて、お体ご自愛くださいね。
ヒゲジジイのお返事メール: おたよりありがとうございます。
久しぶりに発熱を得て、当たり前のことですが39度近い発熱がいかに苦しいか、身をもって実感してしまいました。数えれば十数年ぶりですが、13年前はここまでの発熱ではなかったので・・・。
本当に苦しかったのは25年くらい前、以前にもご報告した2月に7度4分の微熱をおして海釣りより帰宅後40度の発熱時に、麻黄湯や大青竜湯を使用してもビクとも効を奏さなかった苦い経験がトラウマとなり、急性疾患時の傷寒論方剤を主方にするには頼りに出来ない気持ちです。
今回の症状こそ温病の要素である咽喉腫痛とともに、常に悪寒がして四肢の関節の疼痛、筋肉痛、強烈な暖房の要求などの傷寒の症状が並存していました。
それよりももっと恐ろしかったのはいきなり胸の中央(と言うより胸部全体)から発生する「乾燥咳」とそれにともなう胸痛でした。呼吸困難までは無いまでも間質性肺炎の前兆ではないかと一瞬恐怖に襲われたくらいで、このために小陥胸湯加減方剤に滋陰降下湯の配合こそズバリ的中してこの症状は一日であっさり除去できたことは快感でした。
といっても、こんな病態に陥るなんて、やっぱりロウジンになってしまったんですよね〜〜〜(涙)。先日58歳になってしまいました(涙・・・・・涙・・・)
最後に、自慢じゃないですが〜〜〜、病中、咳嗽と胸痛があるときも構わず「哲学の煙」定期的に決して欠かすことがありませんでしたっ!
posted by ヒゲジジイ at 00:17| 山口 | 新型コロナウイルス・風邪やインフルエンザ・咽喉痛・扁桃炎
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