2008年03月14日

茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)と花粉症

おたより:東海地方の内科医師

 先日の花粉症にたいする茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の有用性のブログを拝見してから、当クリニックに受診なさっているアトピーの患者さんについて振り返ってみました。

 村田さんもご存知の通りアトピーのかたに茵蔯蒿湯を中核とした投薬を行っているからです。
 すると、やはり花粉症の症状が軽いか内服以前と比べて今シーズンは症状が現れていない、というかたが結構多いことに気が付きました。

 巷では抗アレルギ薬が数種類投薬されたりしているにも関わらず、花粉症状でお悩みのかたがかなりいますが、そのような患者さんの中には助けとなり得ることが確認できました。
 ありがとうございました。

お返事メール: 
 ちょうどさきほども、新たな花粉症の女性が、茵蔯蒿湯を服用する都度、明らかに症状が軽減しているとのメール報告を得ました。
 本日朝から始めて、夜の三度目を先ほど服用したら、また明らかに症状が軽くなるそうです。

 県外の遠方の人で、下関には昨年一度来られたことのある人です。
 藿香正気散(カッコウショウキサン)では効果がないので、当方のブログを読まれて茵蔯蒿湯はどうだろうかということで、ご家族が服用中の茵蔯蒿湯をもらって早速服用されたところ、本日朝から、上記の通りの明らかな効果を感じられるとの御報告でした。
 念のため、舌の奥に黄膩苔があることを確認してもらい、先ほど舌の写真を送ってもらったばかりでした。

 また本日も、地元のお馴染みさんのご家族の花粉症の相談を受けました。
魚類でしばしば蕁麻疹が出る体質を持つ重度の花粉症とのことで、あえて実験として、茵蔯蒿湯のみで様子を見てもらう約束をしました。
10日毎に通われている人のご家族ですので、黄膩苔の有無も確認してもらい、10日後にその効果の有無の報告が得られるはずです。

 西洋医学的に考えても、茵蔯蒿湯は、もともと一部の蕁麻疹の特効薬でもありますから、アレルギー反応という共通性を考えれば、花粉症に効果があっても当然のことかもしれませんねっ(笑)。


【編集後記】 茵蔯蒿湯の常用者で花粉症が治癒する例としては、以前にも2008年02月21日 アトピー性皮膚炎の漢方治療に欠かせない食事制限の中でご紹介したアトピーの男性の場合では、一時的に藿香正気散(カッコウショウキサン)の頓服が必要な時期もあったが、その後、花粉症も現在に至るまで頓服の必要もなく無症状のまま、アトピーともども9割以上の寛解状態を持続している。
 昨日来局されて確認済み。

 参考までに2月21日のブログの一部を以下に抜粋引用。
 以前、ブログでも取り上げた正月をきっかけに食事量を人並みの一食分に減らした男性の例では、昨年5月、村田漢方堂薬局に来るまで2年間、ステロイドを毎日塗り続けても暴れまくり、自殺を考えていたと語るほど全身に皮湿が蔓延していました。
 鼻炎も合併しており、漢方薬は黄連解毒湯・辛夷清肺湯・瀉火補腎丸・茵蔯蒿湯・猪苓湯・地竜・天津感冒片(2錠)・イオン化カルシウム、透明な鼻水が出るときだけ藿香正気散の頓服(注記:3月に入って不要となる)ですが、正月をきっかけに食事を人並みの一食だけに制限したお陰で、今年になってステロイドの使用が皆無となり、保湿剤としては紫雲膏がピッタリ効くようになり、見かけ上は全身、ほとんど完治の様子に見えるくらいになりました。