2008年02月29日

食い意地に負けるか、痒みのない人生を手に入れるか━アトピーの食事療法

 一人前以上の食事を摂らず、甘いものやアルコール、インスタント食品やスナック菓子、清涼飲料水を避ける生活で、無駄な出費が抑えられる。
 その浮いた経費で漢方薬の購入負担が楽になるのと同時に、食事制限による食毒の減少により漢方薬の治療効果が発揮しやすくなり、アトピーの治癒スピードが倍加する。

 上記のことが実現できた喜ばしい報告が次々に舞い込んでいる! 
 やはり食事制限が実現できる人ほど、アトピー性皮膚炎の治癒スピードが向上することは間違いないのである。

 食い意地に負けるか、痒みのない人生を手に入れるか

 それが問題であろう。

 食い意地に負けながらも、漢方薬の配合を必要十分にしっかり継続服用すれば、病状は明らかに一定の寛解は得られる。
 但し、食事制限が行えた人ほどの完全寛解は望めないだろう。

 暴飲暴食を継続しながら漢方薬治療を行いたい人がおられれば、いくらでも御相談に乗るつもりである。
 恐らく一生涯、多種類の漢方薬が必要になることだろうが蓄積する大量の食毒に、どれだけ漢方薬が対抗できるのか、興味深いかなり深い研究ができることであろう。

 希望者がいたら是非、名乗り出て欲しいものである。
 過食に対抗する解毒系の漢方処方など複雑な配合となること請け合いであるから、かなりな経費の覚悟をして頂くのは当然の前提条件である。

 食い意地には負けるけど、治療効果は中途半端であっても現状より軽くなるのなら漢方薬の出費は厭わない、という奇特な方がおられれば、是非申し出て欲しいものである。
 絶好の研究材料だっ!

 ヤッパシ食い意地に負けてしまうアナタは、どうしても研究材料になりたいのですかっ?
posted by ヒゲジジイ at 01:09| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2008年02月28日

アトピーの食事療法の重要性について(カップラーメンもアトピーに悪いかとの関西からの御質問)

 昨日、関西からご質問を頂いていたアトピーの●●さん、返信メールが戻ってきます。すでに昨年、下関へ二泊三日の旅程で来られた人で、このブログも折々に読んでもらっている方です。このブログの内容に気付かれると良いのですが。いつもの二つのアドレス、いずれも返信が戻って来ますよっ!
 昨日の夕方に一度は届いていたのに、不思議です。


昨日最後の御質問内容
甘い物、私も止めて見ます!!!
少量でもアトピーに悪いようなので・・・・
がんばってみます!!!
ちなみにカップラーメンなどもよくないですよね?


【failure notice】で戻って来たお返事メール:
 カップラーメン類こそ、スナック菓子類とまったく同様でアトピーには甘いものに負けず劣らず最悪です。
 ヒゲジジイの子供の頃には、スナック菓子やカップラーメンはもちろん、インスタントラーメンなども存在せず、食糧事情は貧相でした。そのお陰で、アトピー性皮膚炎そのものがまったく存在しない世界でした。

 ところが、日本が次第に豊かになりはじめた40年前頃から、僅かに小児のアトピーがちらほら出始めました。インスタントラーメンは45年前頃には日清食品のチキンラーメンが爆発的に日本全国に流通し始め、高度経済成長を遂げる過程で、いよいよ食料は豊富になり、インスタントラーメン類やスナック菓子類も次第に盛んになり、食べ物が自由に誰でも贅沢に飽食の時代が続いていますが、この食糧事情と内容の変化に伴って、爆発的にアトピー性皮膚炎が蔓延しているという事実から、アトピー性皮膚炎は飽食病の一種であり、そのもっとも重要な悪化因子の一つが、スナック菓子やインスタントラーメン(カップラーメン類も同様)でもあるのです!!!!!!!!!!!

 結局は、昔ながらの古典的な食事(和食)やおやつに限ります。(例外は甘いものとアルコールで、これらも悪化因子です。)

posted by ヒゲジジイ at 00:26| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2008年02月27日

傷寒論医学では到底太刀打ちできない新型インフルエンザ

 鳥インフルエンザにおいては、肝臓、盲腸、直腸などに壊死性病変・出血性病変が見られるという。
 とすれば、人から人へ感染する新型インフルエンザに変異した場合、そのまま強毒性を保持したままであれば、当然、同様の症状が出現して生命に危険が及ぶことになる。

 中医学的には明らかに衛気営血弁証における血分証にまで進展するとても重篤な伝染病であることが分かる。脅威のウイルスである。
 これでは到底、傷寒論医学では太刀打ち出来るものではない。

 従って、温病学を頑なに取り入れようとしない日本漢方(日本古方派など)では、ほとんど役に立たないことが歴然としている。

 多少とも期待できるのは中医学であるから、中医学派の皆さんは、今から衛気営血弁証をしっかり復習しておいてもらいたいものである。
 相当に知恵を絞った方剤をあらかじめ想定して研究しておく必要がありそうですねっ!

追記: 弁証分析方法としては、むしろ三焦弁証の方が適切であろう。
 鳥インフルエンザが人から人へと感染する新型インフルエンザに変異し、世界的に流行するのは時間の問題だとされている。
 その時に最も期待される治療薬がタミフルであることは既に述べた。

 それでは漢方薬は役に立つのだろうか?という疑問であるが、少なくとも六経弁証の傷寒論医学では、あまり期待がもてそうにない。なぜなら、鳥インフルエンザに感染した人の症状から類推できる部分があるからである。

 咽喉腫痛を伴って急に高熱を発し、その後に下痢や嘔吐、そして各臓器から出血が生じて・・・

 これらの症状を弁証分析するには温病学における三焦弁証がもっともフィットする。
 病毒(新型インフルエンザウイルス)を上から受けると少陽三焦を通路として上から下へと縦方向の伝変形式とっている。

 温病学を取り入れようとしない日本漢方(日本古方派)にはあまり期待できないが、中医学派の先生方には三焦弁証を主体に、多少とも貢献してもらえるかもしれない。
 以上は、新型インフルエンザで漢方薬はどの程度有効だろうか? より引用

2008年02月25日

アトピー性皮膚炎を悪化させる秘訣

 アトピー性皮膚炎による痒みを増大させるには、まず最も効果的な方法は飲酒、つまりアルコール類を毎日真面目に嗜むこと。

 次に、甘い西洋菓子や和菓子を沢山楽しむこと。アルコール類に負けず劣らず、アトピー性皮膚炎を悪化させる絶好の食品である。

 もちろんスナック菓子類や清涼飲料水を毎日の習慣にすることは、アトピーを悪化させるには絶好である。

 ギャル曽根ちゃんに見習って「大食」こそは、アトピー性皮膚炎を体質病として頑固に治りにくくする食生活習慣上の重要な基礎である。
 なかでも焼肉類やキムチ鍋などで悪化するケースは日常茶飯事のようである。

 以上、食生活に限定してアトピー性皮膚炎の悪化因子を思いつくまま書いてみた。
posted by ヒゲジジイ at 21:19| 山口 | アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2008年02月23日

病気に再発は付き物です

 当然のことながら、慢性疾患ともなれば一旦寛解したようにみえても、不養生が続いたり、予防的服用を怠っていると再発は付き物である。

 様々な悩ましいい慢性疾患で悩まれる方が、わざわざ一定の出費を免れない自費の漢方薬を求めて来られるからには余程の決心と覚悟が必要だったに違いない。
 だからこちらも真剣勝負で、無い頭を振り絞って全力を尽くしているつもりである。

 ブログ類を読むと、あまりに本音が書かれ過ぎているので恐怖におののき、こんな薬局はヤバインジャナイノ〜と直接の来局は遠慮していたものの、怖いもの見たさにブログには折々に訪問していたという人も多いらしい。

 あるいは既に当方の漢方薬を服用中の人でも、まさか自分のことが書かれているのではないか?ととなり、気分を害されることもあるらしい。

 その点では些かデリカシーに欠ける点がないでもないが、その罰が当たったか、数日前に十数年ぶりのぎっくり腰が再発してしまった。
 県外から二度目の訪問の同年代の女性の前で、立ち上がろうとした瞬間、ギシッと来た。目の前の女性はたいそう心配されて「大丈夫ですかっ?!」と声をかけられるが、こちらはあまりの痛さに「大丈夫ではありませんよっ!」と八つ当たり気味(苦笑)。

 その日は痛みの為に食欲も落ちるほど。歳を取るとカクノゴトクして足腰が悪くなり、次第に朽ちていくのかっ?! と悲惨な思いで暗い気分になっていたが、適切な漢方処方、疎経活血湯の加減方剤を服用すると氷が解けるように日ごとに回復して、5日もしないうちにほとんど快癒した。
 
 しかしながら、これで服薬を怠ると再発は付き物であるから、年齢も考えて、あの世に行くまで予防的に継続服用すべきだろうと考えている。
 数十年来の常連さんたちに学ぶことは、一生涯漢方薬を継続服用する信念の固さである。

 常連さんたちに言わせれば、大食したり嗜好品や贅沢品に手を出せば限りがない。そんな無駄ものに使うくらいなら、健康に金を投資する方が人生に取って遥かに有益だ、という考え方が納得できるというものである。

 一瞬、再起不能かと思うような激痛に見舞われたヒゲジジイであったが、5日間でほとんど快癒しているので、毒舌に対する罰だったとは一概に言えないかも知れませんよねっ(呵呵大笑)。

2008年02月22日

頻繁に受ける「新型インフルエンザが上陸したら漢方薬で治りますか?」という難問

 本当に新型インフルエンザの脅威が迫っているのだろうか?
 昨今、タイトルのような難問を頻繁に受けるようになった。
 同類の御質問に一々お返事しておれないので、新型インフルエンザが日本に上陸したら漢方薬で治せますか? に書いておいた。
 次にそのまま転載する。
 鳥インフルエンザが変異して人からヒトへと伝染するようになったら、日本へ上陸する危険性は極めて大きくなる。
 ひとたび上陸した場合には3200万人が感染し64万人の死者が予測されると発表されているが、これに多少とも対抗できるかもしれないのが例のタミフルだといわれる。

 それゆえ、タミフルの備蓄が急務とされているらしいが、今年は通常のインフルエンザがそれほど流行しないので巷にはややだぶついている?と噂される。
 「いつ発生してもおかしくない」といわれる新型インフルエンザであるが、タミフルが有効に作用してくれることを祈るばかりである。

 ところで、この新型ウイルスには漢方薬は効かないのだろうか?という質問を昨今しばしば受けるので、それらのご質問に対する予測を書いておきたい。
 
 まず、西洋医学でも治療に難航を極めることが予測される、このやっかいな伝染病を漢方薬がそれほど容易に通用するとは考え難い。しかしながら、一般のインフルエンザ程度なら、タミフルに負けない実力を発揮している漢方であるから、多少とも通用するのではないか、と考えても僭越すぎることはないだろう。

 つまり、中医学の弁証論治を正確に行い、温病学系統の知識と技術をフルに発揮すれば、あるいはかなりな成果が得られる可能性も十分に考えられる。
 正確な弁証分型の把握と、適切な漢方薬の配合があれば、タミフルに負けない貢献ができるのではないかと期待したいところである。

 温病系のパターンであれば、やはり主薬は銀翹散製剤(天津感冒片や涼解楽など)を主体に、辛夷清肺湯や結胸散、あるいは高熱に備えて地竜(ミミズ)、牛黄製剤など。吐き下しを伴うようであればカッコウショウキサンや猪苓湯や五苓散など。付録として板藍茶や白花蛇舌草も役に立つことがあるかもしれない。
 傷寒系の方剤、葛根湯や麻黄湯、あるいは参蘇飲も必要になることもあるのかもしれない?

 現実に新型インフルエンザが上陸した場合を恐れて、昨今、頻繁に問い合わせを受けるのみならず、常連さんやお馴染みさんたちに限っては、漢方薬を買い被ってか?風邪関連の漢方処方の備蓄(苦笑)に余念がない。

 もしも、我々漢方専門薬局の人間が真っ先に新型インフルエンザに斃れては面目ないので、今からあらゆることを想定して頭の訓練をしておく必要がありそうだ。

2008年02月21日

アトピー性皮膚炎の漢方治療に欠かせない食事制限

おたより:東海地方の内科医師

 久しぶりにメールさせていただきます。二点ほど感謝のご報告です。
 まず個人的な報告から。血圧・頭痛などに対して釣藤散・補腎薬を服薬しています。一昨年から花粉症になってしまいましたが、今シーズンは1週間でやり過ごすことができました。ありがたいことで感謝しています。

 自分の周囲にもいままで花粉症とは全く縁のなかったかたが、突然鼻水・くしゃみで花粉を発症してしまったとのお話をよく耳にします。ある知人のかた(山歩きが好きなかた)のお話では、「近場の手ごろな山に登ってこの地域を見渡しとときに、驚いた。以前では見受けられなかったことですが、都市の上に濃い雲のようなものが乗っていた。空気が汚染されているのは間違いないようだ」とのことです。

 私の父親もたまにその都市に出かけますと、帰宅した夜には必ず咳が悪化するそうです。この地域にもしっかり大気汚染が進行していりるようです。個人的な見解ですが、大気汚染が花粉とか喘息などの症状に関与しているのではと愚考した次第です。まったく住みにくい状況になってきたものです。

 もう一点はアトピーの患者さんについての感謝の報告です。12歳の男の児童ですが(数年の経過でステロイドを使用して軽快しては悪化の繰り返しだそうです)、それはひどい全身性の病変を抱えて母親とともに悲惨な表情で受診なさいました。お母さんによりますと、夜間のあまりのかゆさのために、一緒に寝ているおばあちゃんが掻いてくれているそうですが、毎晩のことで不眠になり調子がおかしくなってしまったそうです。

 詳しくは記しませんが(一応企業秘密かもしれないので、笑)、清熱剤・猪苓湯・茵蔯蒿湯(インチンコウトウと)補腎薬を処方しました。一時ステロイドの減量にともない、発疹はかなり悪化しました。悪化したときにはステロイド外用薬を適時必要な部位に塗るように説明しました。

 約1ヶ月して、やや発疹が落ち着き始め、2ヶ月目にはかなりかゆみが軽快し、発疹もキレイになってきました。この時点でステロイド外用薬は離脱できたそうです。そして、3ヶ月目には初めて診せていただいた発疹はウソのように改善し、本人は余裕の表情でした。

 何よりお母さんの喜びようがすごかったです。くわえて、おばあちゃんの不眠も解消し、お元気になったとのことです。おそらく、お父上とかおじいちゃんも心配なさっていたと想像できますので、漢方薬がアトピーを劇的に改善させ、このご家族に福音をもたらした印象です。

 注目できることとして、初診のときに食事にも十分注意してください(スナック菓子とか清涼飲料水を控えるように)とご説明したのですが、この児童はスナック菓子と清涼飲料水を絶ったそうです。よほど症状がきびしくつらかったものと思われます。
 しかし、見上げた根性です。脾と腎の手当てが極めて重要であることを改めて認識させられました。
 教科書的には皮膚の炎症(熱・湿)などに焦点を向けた方剤が有名ですが、本治的にはその背後にあるバランスの乱れを修正することの重要性をご助言くださった村田さんに深く感謝し、患者さんご家族に代わって御礼申し上げます。


お返事メール:おたよりありがとうございます。
 この度ご報告頂きましたアトピーの児童さん、漢方処方の配合もさることながら、嗜好品の制限がいかに影響力が大きいかを証明された典型例のように拝察しました。

 食糧が過剰な飽食社会で増え続けるアトピー性皮膚炎患者さんは、小生の観察するところ、相対的に痩せの大食い、ギャル曽根ちゃんモドキの男女がその8割以上を占めるのではないかと見ています。
 村田漢方堂薬局でも、大食を止めたアトピーの成人男女がともにかなりな成果が出ている人が目立ちます。

 以前、ブログでも取り上げた正月をきっかけに食事量を人並みの一食分に減らした男性の例では、昨年5月、村田漢方堂薬局に来るまで2年間、ステロイドを毎日塗り続けても暴れまくり、自殺を考えていたと語るほど全身に皮湿が蔓延していました。
 鼻炎も合併しており、漢方薬は黄連解毒湯・辛夷清肺湯・瀉火補腎丸・インチンコウ湯・猪苓湯・地竜・天津感冒片(2錠)・イオン化カルシウム、透明な鼻水が出るときだけカッコウショウキサンの頓服(一週間1〜2回のみ)ですが、正月をきっかけに食事を人並みの一食だけに制限したお陰で、今年になってステロイドの使用が皆無となり、保湿剤としては紫雲膏がピッタリ効くようになり、見かけ上は全身、ほとんど完治の様子に見えるくらいになりました。(この派手な配合の上に、さらに治療を徹底したいと体質改善三点セットまで所望するくらいのファイトマンですが、せっかく安定しているので、これ以上、加える必要もなさそうです。
 但し、菓子パンなどでも一つ食べただけで一時的に痒みが出てくるので、甘いものは敵だとして、菓子類を一切断つほどの勇者でもあります。

 ご報告頂いた児童さんも、

 注目できることとして、初診のときに食事にも十分注意してください(スナック菓子とか清涼飲料水を控えるように)とご説明したのですが、この児童はスナック菓子と清涼飲料水を絶ったそうです。

という勇気ある者だけが、真の改善が得られることを世の中のアトピー性皮膚炎で悩まれる多くの人に知ってもらいたいものです。

 そのほか、女性達も大食を止めることによって明らかな進歩を得ている人が続いていますが、甘いものが止められない人も多く、少し治りかけると変に洒落っ気が出て、茶髪を再開して、せっかく消えていたアトピーを真っ赤に再燃させる馬鹿な人もいます。

 茶髪による遅延型アレルギーの問題を強く指摘しても、馬耳東風の◎◎が後を絶ちません。実に困った女性達です。

 先生のご経験では、茶髪とアトピーの問題はどうとらえられているでしょうか?
この点についてもご見解をご教示願えればさいわいです。


折り返し頂いたメール:ご指摘の茶髪の件ですが、個人的にはあまり注意していませんでした。当クリニックには私の記憶の範囲ではあきらかな茶髪のかたが受診なさっていない感じです。もちろん、かるく脱色なさっている患者さんはみえますが。今後すこし注意して観察してみたいと思います。

 関係あるのかどうかよくわかりませんが、美容師のかたにおかれましては、接触性皮膚炎、これは遅延型のアレルギーを理解していますが、ほぼ99.9999・・・%の方が手から前腕部にかけて皮膚を荒れしておられます。
 シャンプー、使用するものの影響があるのかもと愚考しています。最近では黒い髪の毛のかたをお見受けすることがめっきり少なくなりました。

 かえって黒髪のかたのほうが目立つ印象です。世俗的な注目を希望なさっているのでしたら、黒髪を考慮してみるのもひとつの方法かもしれません。
 このようなアカデミックなブログの内容としてはふさわしくないかもしれませんでした(笑)。これも世相というものでしょうか。


折り返しヒゲジジイのお礼のメール:大変貴重なご見解を提示して頂き、ありがとうございます。

 確かにご指摘の通り美容師さんたちに多い接触性皮膚炎、看護師さんや介護師さんたちにも見られる接触性皮膚炎、手から前腕部にかけて・・・そういえば古方派時代には温経湯を用いて様々な手の湿疹類を治した経験例を拙著「求道と創造の漢方」(絶版)に掲載していますが、不思議なことに最近は手の湿疹に温経湯を用いる機会が激減しているように感じます。

 黒髪については、これこそヤマトナデシコの象徴、猫も杓子も茶髪で何の個性か、本当のオシャレを知らないおめでたい日本人ばかりが目立ちます。
 ご指摘の通り、昨今では黒髪こそ斬新なオシャレとなってしまいました!

 アカデミックどころか、結局はヒゲジジイの毒舌に終わってしまいそうで恐縮です。
 ありがとうございました。


【編集後記】 ブログに転載することも忘れて、本音のメールで「馬鹿」という言葉を連発してしまったが、馬鹿なヒゲジジイは、過去、タバコを止めずに喘息を治してくれと依頼する男性に、そういう条件なら根治は難しく期間もかかることを覚悟で、中途半端に終わるかもしれないが、という条件で、タバコを止めないまま喘息発作がでない体質に改善できた例がある。90歳を超えるまで、二度と発作も起こらず天寿を全うされた。

 最近でも、四十代の男性が、喘息発作が起こらなくなった途端、タバコを再開したが、既に二年間以上発作がでず、自己責任だから多めに見てあげている。

 タバコは「哲学の煙」だからといって理解を示しているわけではなく、無理な条件を提示された場合は、不十分な改善しか得られないことを覚悟の上なら、依頼者の自己責任で、あとあと苦情を言わない条件で行っただけのことである。

 アトピー性皮膚炎の場合でも、大食や甘いものを止めたくないので、漢方治療が不十分に終わっても自己責任で、あとあと苦情を言わないという約束が出来る人なら、漢方薬をお出ししてもよいのである。茶髪の場合も同様である。

 但し、通常なら半年から一年もあればかなり寛解するであろうところが、きっと3年以上の期間はかかるのではないかと思われる。

 当然、一定の寛解を得ても、徹底的な体質改善を要するので、上記のタバコを止めずに気管支喘息の漢方治療が成功した人たちのように、いつまでも延々と漢方薬を続けざるを得ないことになるだろう。
posted by ヒゲジジイ at 00:41| 山口 | アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2008年02月20日

八味丸と海馬補腎丸の併用の可否について

性別 : 男性
年齢 : 60歳〜69歳
簡単なご住所 : 東北地方
お問合せ・ご連絡内容 : お忙しいところお世話になります。よろしくお願いします。

 私は現在69歳になりますが、64歳の1月に脳梗塞にかかりまして爾来3食後脳梗塞の薬を飲んでおります。と同時に小水が悪くなった為八味地黄丸も飲んでおります。
 又先日は精力をつけるため海馬補腎丸を中国から取り寄せましたが、これと八味と一緒に食前に飲んでよいものかお教え願います。

 更にもう一つお聞きしたいのは日本より中国の方がはるかに安いのですが成分上違いがあるのかどうか教えてください。


お返事メール:失礼ながら素人療法をされておられるのなら、ちょっと怖い部分を感じます。
 八味丸も海馬補腎丸も強烈に腎陽を温補する漢方薬です。屋上に屋を重ねる危険性大です。
 地元の専門家に直接お会いして、ご相談すべきです。

 ところで中国から安価な海馬補腎丸を直接取り寄せた由!、厚生労働省の監視が最も厳しいはずの医薬品です。
 当方にはアンタッチャブルな領域ですので、地元の保健所に持参され、ご相談されるべきです。

 といっても購入者の自己責任の問題ということになるのかもしれませんが・・・。
posted by ヒゲジジイ at 00:04| 山口 ☀| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2008年02月19日

発展性のない時代錯誤だらけの日本の漢方

 ※生姜と乾姜と煨姜(わいきょう)モドキの錯誤問題。
 
 ※漢防已と清風藤の混同問題。

 ※桂皮と桂枝の錯誤問題。

 ※人参と党参と竹節人参の問題。

 ※蒼朮と白朮の錯誤問題。

 ※浜防風と漢防風の混用問題。

などなど、日本漢方医学における錯誤問題を取り上げれば由々しき問題ばかりだが、平成18年8月6日にも同様な問題を取り上げて書いているので、以下に一部修正して抜粋引用する。↓
 西洋医学に対する東洋医学、中医学や漢方医学における漢方薬の聖典、傷寒論や金匱要略を嚆矢とする膨大な過去の漢方と漢方薬の書籍類。

 なかでも絶対不滅の傷寒論・金匱要略ではあるが、ここ数十年の日本、国民の殆どが当時の王侯貴族以上の豊かな生活をおくっている。
 温暖化現象も凄まじく、冬は暖房設備が充実したこの日本国においては、この時代に応じた漢方医学理論の改変および方剤の改良があってよさそうなものだが、さて?

  各社の漢方製剤は画一的な金太郎飴のような個性のないエキス剤に統一化される動きがないだろうか?
 傷寒論や金匱要略などの原典になるべく忠実に作られたものが最も優れていると思うのは、完全なる錯覚ではないだろうか?
 その時代時代に相応しい匙加減によって漢方製剤も作られて当然だと思うのだが、以前はあれほど各社で個性を競っていた漢方製剤が、どこのメーカーの製剤も金太郎飴のように次第に統一されて行く動きを感じるのは、思い過ごしなのだろうか。

 もしかすると成川一郎著「漢方製剤の偽装」をはじめとする氏の長年の漢方製剤のエキス量に対する疑問の解明作業という優れた業績が、却って思いがけない不幸な出来事を生む結果になっているとしたら?!
 実際の所、各社漢方製剤のエキス濃度の問題よりも、各社が競って傷寒論や金匱要略の原典を変方した豊富なバリエーションで許可されていた優れた漢方製剤の数々が、まるで金太郎飴のように統一化されてしまうことのほうが、遙かに重大問題なのではないだろうか!?

 金太郎飴のような個性のない、なるべく傷寒論や金匱要略などの原典に忠実であろうとする漢方エキス製剤に統一化されようとする動きの方が遙かに重大で、こういう由々しき事態を招来した大きな原因の一つが、成川一郎氏の一連の研究が大いに影響しているであろうことは想像に難くない。

 小生に言わせれば、エキス量の問題などはそれほど重大だとは思われない。(量よりも質の方がはるかに重要だ!!!)
 むしろ、氏の研究の余波を受けたのであろう?原典の方剤を変形した様々な特長を持った漢方製剤が、何度も言うように金太郎飴のように統一化されて行くことの方が、遙かに由々しき問題なのである

 しかも、原典に忠実である筈の中には大きな錯誤が伴ったまま、たとえば半夏瀉心湯や柴胡桂枝乾姜湯、人参湯などの「乾姜」に、我が国この日本国においては、ワザワザ飴色になるまで蒸して加工したワイ姜(わいきょう)モドキを使用して、原典に記載どおりの乾燥生姜を使用しないという重大な錯誤を犯したまま、錯誤を伴った金太郎飴エキス製剤に統一されようとしているのである。
 乾姜に対する錯誤によって、本来の方剤の効果を激減させている事実を知る人は少ない。


 まだまだ挙げればキリがないが、まったく理解しがたい現実が次々に出現するこの漢方界は異様としか言いようがない。

 漢方製剤のエキス濃度の問題如き低次元の議論しかなされず、このような真に由々しき事態には不感症でおられるのも、結局は中医学のような高度な基礎理論に無知なまま、吉益東洞以来の没理論の漢方医学を信奉してやまない怠慢の結果に他ならないだろう。


重要参考文献:間違いだらけの漢方と漢方薬

posted by ヒゲジジイ at 12:44| 山口 ☀| 日本漢方の情けない現状と限界 | 更新情報をチェックする

2008年02月16日

日本国内における乾姜の錯誤問題についての御質問

性別 : 男性
年齢 : 30歳〜39歳
簡単なご住所 : 東京都
お問い合わせ内容 : 拝啓
 こちら東京よりは暖かいとは存じますが、寒中いかがお過ごしでしょうか。

 当方漢方とは無縁の素人ではありますが、折にふれ楽しく、また興味深く記事を拝見しております。
 拝読していて半夏瀉心湯の項の乾姜の件が気になりました。この正しい乾姜を使用する良心的なメーカーというのはどこなのでしょうか。

 先生は結胸散や銀翹散の項のように良心的な薬剤、メーカーを折にふれ紹介されており、素人ながら胸のすく思いでしたが、乾姜の件ではメーカーをお書きになってお出ででないのはやはり何か差し障りがあるのでしょうか。

 素人療法は禁物とは重々承知ですが、風邪がまず咽喉に来たというときの銀翹散など、やはり助かる便利な常備薬もございますし、具合の悪い時漢方薬店で相談すると複数社のものを提示される場合もあります。

 ならば「正しい乾姜を使用する」ような良心的なメーカーのものを求めささやかながら支持したいと思うのです。

 つまらぬ質問で本当に恐れ入ります。
 ご多忙とは存じますが、先生の記事に度々登場する歯の件など読者としても心配でなりません。

 どうか先生もご自愛の程よろしくお願い申し上げます。敬具


お返事メール:残念ながら、ご指摘の奇特なメーカーを明かすことは出来ません。
 それは以下の理由からです。

 日本国というものは、昔から出る釘は打たれるし、「悪化は良貨を駆逐する」たとえ通り、立派な肩書きの先生方が間違ったことでも正論として指示されれば、嘘も真として置き換えられる。

 永遠に錯誤したまま、その考えが暴力的に強制され、いずれは遅かれ早かれ、煨姜(ワイキョウ)や炮姜(ホウキョウ)もどきの間違った「乾姜」に改悪される宿命にあるからです。
 その改悪を少しでも遅らせるためには、奇特なメーカー名を挙げるなどして、これ以上刺激するのは得策ではないからです。たとえ内密にでも貴方様にお教えすることも出来ません。

 幸い、錯誤した「乾姜」が使用されても、まったく無効ということではないようですので(といっても人によっては無効に等しい場合もあるのですがっ!)。

 現在もたまたま、手術待ちの胃癌患者さんが、さいわいにも正しい乾燥生姜を用いた半夏瀉心湯製剤で超速効をえて自覚症状を完璧に消せており、その人達のためにも、改悪される時期が少しでも遅れて欲しいのです。

 いずれにせよ、「乾姜」と表示される生薬原料は、あくまで乾燥生姜、つまり日本薬局方の「生姜」でなくてはならないのは厳然たる事実です。 

 いかに立派な肩書きのある先生方が、「乾姜」が蒸して加工した煨姜(わいきょう)もどきであると強弁したところで、ひどい錯誤であることに間違いはないのです。

 日本人は肩書きと言う権威に弱い人種が多いので、何をかいわんやです。

 まともに中医学を学べば、常識中の常識なのですが・・・何とも不思議な国の日本としか言いようがありません。

参考文献:日本漢方における生姜と乾姜の錯誤
      意外に重要な!漢方製剤および煎薬の品質問題
      生姜と乾姜の錯誤による無効経験
      日本国内における生姜と乾姜の錯誤問題
      半夏瀉心湯 (はんげしゃしんとう)



折り返し頂いたメール:早々のお返事に恐縮しております。
 記事を拝見した際何か事情があるように感じ引っ掛かっていたのですが、「裏話」を明かして頂き、なるほどと納得した次第です。

>いずれは遅かれ早かれ、煨姜(ワイキョウ)や炮姜(ホウキョウ)もどきの間違った「乾姜」に改悪される宿命

慄然としました。専門領域である以上先生のような志ある専門家のさらなる出現を期待するしかありませんが、何とも歯がゆい話です。

 最後になりましたが、丁寧なご説明心よりお礼申し上げます。これからも興味深い先生の記事を楽しみにしております。

posted by ヒゲジジイ at 17:39| 山口 ☁| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2008年02月15日

今月の超速効例の快感

 慢性疾患や難治性疾患が、短期間の服用で速効を得る時の快感は何ものにも換えがたい。
 中医漢方薬学の精華がフルに発揮出来たものとして幸せの絶頂感を味わえるのである。

 折々にウンザリするほど辛気臭い仕事(苦笑)に逃亡したくなる時もあるが、これがあるからこそ廃業できないのである。

 深刻で重度の月経前期症候群が、四逆散と加味逍遥散の併用で一ヶ月以内に手のひら返すがごとく雲散霧消。

 パーキンソン病による震顫(しんせん=ふるえ)が抑肝散加陳皮半夏と六味丸の併用、わずか10日間で急速に軽減。

 激しい鼻炎症状(クシャミ・鼻水・涙目など)が藿香正気散(カッコウショウキサン)の1回の服用だけでピタリと止まる。←これは実に日常茶飯事で、継続服用の必要を認めない。
 弁証論治により、たとえば例の体質改善三点セットを用いるか、あるいは辛夷清肺湯や八仙丸などで体質改善を行いつつ、発作が出ればまた藿香正気散を頓服で1回使用すれば止まり、次第にその必要もなくなる例は多い。
 もしも藿香正気散が効かない人でも、例の体質改善三点セットのみの服用で激しい鼻炎症状が一発で止まった例も多い。


 以上、敢えてブログ継続の為に、些かの自慢話を記して終わる(苦笑)。
 
posted by ヒゲジジイ at 00:47| 山口 ☀| 漢方薬および生薬・中草薬・漢方の即効例 | 更新情報をチェックする

2008年02月14日

肝硬変による腹水

性別 : 男性
年齢 : 30歳〜39歳
ご職業 : 会社員
簡単なご住所 : 関東地方
お問い合わせ内容 : 父(7?才)が肝硬変で腹水を患ってます。
 昨年11月頃までは普通に生活しておりましたが、12月頃から急に体の調子が悪くなり現在、食事もろくにできず(点滴です)、日々衰弱しています。

 B型肝炎から来ているので、今まで知らずに放置していたのが悪いのだと思いますが、よく言われる腹水の症状でだるい、食欲がない、胸も痛い(胸水もあるのでしょうか・・)という状況です。

 寝たきりで動くことも辛いので、下関まで行くことも適わないため先生のお知り合いで大阪又は関西圏で信頼の置ける漢方薬剤師の方はいらっしゃらないでしょうか?もしご存知であれば、ご教示頂きたく。


お返事メール: かなり状況的に大変なご様子と拝察申し上げます。

 それだけに、たとえお父上様が当方のお近くであっても代理の御家族からのお問い合わせの場合、当方の方針としては常連さんのご家族でもない限りは御相談にお乗りできない病状です。

 なるべくお近くで漢方専門で永く経営されている漢方専門薬局でご相談されてはいかがでしょうか?
 漢方専門で永く経営が成り立っているということは、一定の知識と技術があるに違いないと思われます。

 まったくお役に立てずに申し訳ありません。


折り返し頂いたメール: 早速にご返信頂きありがとうございました。
近くで探してみます。


【編集後記】 腹水が生じる重篤に近い状態の場合には、残念ながら、過去に当方の漢方薬の利用経験者であるか、あるいは常連さんやお馴染みさんの御家族でもなければ、ご相談に乗れない事情は、補気建中湯 に述べている通りである。
posted by ヒゲジジイ at 01:06| 山口 ☀| 肝臓癌・肝細胞癌・肝硬変・ステージ4 | 更新情報をチェックする

2008年02月13日

様々な症状が複合する場合の漢方薬

性別 : 女性
年齢 : 40歳〜49歳
御職業 : 会社員
簡単な御住所 :中国・四国地方
ご意見やご質問をどうぞ : ダイエットの問い合わせなのですが・・ここ数か月で仕事上のストレスからか、それまでケーキなんて滅多に食べなかったのですが異常に甘いものが欲しく食べ続けてたら、めっきり太ってしまって・・肩こり、片頭痛持ちで、婦人科系も弱く2年前に卵巣のう腫の手術も受けてますが、最近不正出血がしばしば・・それと別に脳下垂体の腫瘍も薬でほとんど小さくなってますがあります。
 毎日、薬が手放せない状況なのですがダイエットも含め漢方で症状がよくなりますかね?
 肩こり、片頭痛はつらいです。・・・時間が取れればお伺いしたい気分なのですが・・


お返事メール: 脳下垂体の腫瘍でも「副腎皮質刺激ホルモン産生腺腫」というのであれば、この疾患そのものが肥満の原因にもなりますが・・・。
 肥満問題以外にも肩こりや偏頭痛がおありのようですが、10日毎に通えるかどうかの問題です。

 漢方処方のピントを合わせつつ、お互いに根気の要る仕事です。服用者のやる気次第です。

 
 来られない時はメールでの詳細な微調整などをする必要があります。
 やはり脳下垂体の問題は無視できないと思います。


後日談:たしかその後、何の音沙汰もなかったと思う。

posted by ヒゲジジイ at 00:10| 山口 ☀| ダイエットや肥満症 | 更新情報をチェックする

2008年02月12日

生理不順の漢方薬

性別 : 女性
年齢 : 20歳〜29歳
簡単なご住所 : 関東地方
お問い合わせ内容 : 高校生の時から生理不順で、生理が月に2回あります。

 生理が終わっても1週間以内にまた軽い生理がきます。それが1週間強続きます。その後は正常になり、定まった本当の生理がくるのですが、たまに、本当の生理までだらだら不正出血が続くこともあります。体温は高温低温がなく、ほぼ一定です。

 これはおかしいと思い高校のから定期的に病院に行ってるのですが、生理が月に2回あるのはおかしいことではないと言われます。
 でも治したいので、去年から漢方薬局に行っていろいろ飲んでみましたが、効き目が全くありません。

 そこで相談です。何かオススメの漢方薬はありますか?


お返事メール:お訊ねのような生理不順を治すには、弁証論治にもとづいてしっかりピントの合った漢方薬を長期間連用する必要がありますが、体質によっては数年以上の服用を必要とすることも珍しくありません。

 つまり、相当な根気を必要とすることも多いので、去年からはじめた漢方くらいで直ぐに治らないからと諦めてはダメです。

 また、このようなメール程度で「何かオススメの漢方薬はありますか?」というご質問はナンセンスです。

 現在、お近くの漢方薬局に通われているのであれば、そこで根気よく頑張れば、微調整しながら、しっかりとピントの合った漢方薬を出してもらえるはずです。
 頑張って下さい。
posted by ヒゲジジイ at 02:31| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2008年02月11日

帰り来れば別事なし

白雲自去来

廬山の煙雨 浙江の潮
至らざれば千般の恨み消へず
到り得て帰り来れば別事なし
廬山の煙雨 浙江の潮

         蘇東坡

2008年02月10日

2008年02月09日

意志力と信念

 漢方相談の仕事の中でも最も緊張感が張り詰める御相談は、癌や悪性腫瘍のご相談である。
 手術後の免疫力向上に漢方を利用して少しでも再発の確率をゼロに近づけたい人たちから、転移癌による苦痛除去を含めたクオリティ・オブ・ライフ向上目的など、様々であるが、アトピー性皮膚炎患者さん以上に多いのがこの分野の真剣なご相談である。

 先日も手術が決まるまで、胃癌による諸症状が、正しい生姜が配合された半夏瀉心湯製剤と体質完全三点セットなどによって速効で胃もたれが雲散霧消して手術までの体力を養っている人。
 
 また、肺ガンや大腸ガンあるいは胃癌、婦人科癌など、様々な臓器や器官に生じた悪性新生物摘出後の免疫力向上目的で御相談に来られる人は例年絶えることがない。

 中にはとてつもない信念のもと、絶対に手術も放射線も化学療法も、西洋医学治療はすべて拒否する困った人もいる。
 ご自身の研究と信念のもと、あらゆる方法を講じて癌を消したいという希望で、100冊近い書籍を読破されて来られる人もいる。

 主治医のみならず、ヒゲジジイも強く手術を奨めるものの、自己責任でやることだ、あらゆる西洋医学治療はお断りして東洋医学的な方法や自然療法にすべてを賭けるというのである。

 それら書籍による知識と、当方の弁証論治による様々な漢方薬類その他とともに、免疫関係に強いクリニックを尋ねて定期的に診断と治療(放射線や化学療法は一切なしの自然療法のみ)も受けつつ、数ヶ月にしてほとんど消失するに至ったとニンマリされている豪傑サンもいる。

 精神一到何事か成らざらん、ということなのだろうか・・・

 顔を合わす度に手術を奨める意欲が完全に失せた、というよりも、その必要がまったくなくなってしまったのだった。


【追記】 体質改善三点セットには様々な組み合わせのパターンが多種類ある。
 代表的なものに牛黄製剤と麝香製剤と・・・・・を加えた三点セットや、ササヘルスに○○○と△△△△△を併用するものなど実に様々な村田漢方堂薬局で確立した三点セットの数々である。
posted by ヒゲジジイ at 01:57| 山口 ☀| 悪性腫瘍・癌・ステージ4の進行癌や転移癌 | 更新情報をチェックする

2008年02月08日

A型インフルエンザ流行地方からのおたより

おたより:東海地方の女性薬剤師

 ご無沙汰いたしておりますが、いつもブログを読ませていただき、すかさずクリックしております。

 こちらでは、A型インフルエンザがとても流行しています。
先日、いやいやながらも、薬剤師会の当番で、休日救急医療センターに当直した折りの感想です。

 A型インフルエンザが流行っており、狭い待合室の密閉された空間は、何だか臭いまでム〜とウイルスの存在を感じさせるようで、いつインフルエンザを引いてもおかしくない、イヤな状況です。
 毎年、この時期の当直で、体調を崩すことが多いので、この日は完全防備ででかけました。

 前日の夕食を、一汁一菜の和食で腹七分、当日の朝は、韮の温裏粥を少々食べました。

これは、先日、安保先生にお逢いしたとき、インフルエンザを吸い込んでも、発病する人としない人の違いは、マクロファージの段階で処理できるか否かの問題で、飽食によりマクロファージがその処理に疲弊していると、ウイルスを食べられず、リンパ球等を動員してくると、熱が出て、発病に至る・・・とのお話をされていたためです。
 村田先生が、いつもおっしゃるように、腹七分は万病の予防です。

 急患センターに到着すると、相方の薬剤師、ドクター二人と顔合わせし、皆さんインフルエンザをもらわないように、全員マスクをして、気合いを入れました。
ちなみに、朝の体調は全員良好でした。

 私は、患者さんと話をするたびに、タンポポ茶でうがいをして、時折、銀翹解毒丸を飲んでいました。昼は、自宅から玄米のおにぎりを持参。
 相方の薬剤師は、にぎり寿司、ドクター二人はトンカツ定食を食べておられました。

 ところが、夕方4時を回るころ、相方の薬剤師は、激しい悪寒、頭痛、節々の痛みを訴えました。どうみても傷寒証の症状です。舌をみると、胃腸も冷えていました。
 私は、ポケットに、麻黄湯、麻黄附子細辛湯、銀翹解毒丸を忍ばせていたので、相方に麻黄湯を一服渡しました。

 時を30分くらいずらし、トンカツを食べておられた1人のドクターが、”麻黄湯なんてないよね?”
 と言ってこられるので、”どうされました?”とお聞きすると
”2人とも(ドクター)喉が痛く、熱感がしてきてるから・・・やられたみたい。薬剤師さん、麻黄湯ってどうよ?”
 とおっしゃるわけです。(ちなみに、この日は患者さんにはタミフルがバンバン出てました)

 漢方の真髄をご存じないドクターに、弁証論治がどうの・・といってもラチがあかないので、私からみて、お二人とも、まちがいなく温病の証で、湿熱体質とみてとれたため、持っていた銀翹解毒丸を飲んでいただきました。

 こうして、2時間後の終了時には、相方もドクターも回復に向かっていました。
 このとき、私が思ったのは、同じインフルエンザに暴露され、体内に取り込んでも、その人の体の状態(寒、熱、湿・・・など)により、反応が違うのでは?ということです。
 体に湿や熱をためていれば、ウイルスの増殖も早く、温病型の証を呈してくるのかもしれないし、体が冷えていれば、傷寒証を呈してくるのかも・・・?
 同様に、内湿が多ければ、湿邪にやられやすいし、乾燥した体質であれば、湿邪は有り難い・・
 当たり前ですよね・・・。

 要するに、村田先生がブログに書いておられるように、その土地の気候、そして各々が摂った食事の内容や七情の変化による内傷等による体の状況に応じて、同じ邪気を受けても出てくる反応(証)が変化してくるのだと思います。
 ですから、インフルエンザであれば、即麻黄湯、とか皆銀翹散といった考え方は全くナンセンスなんですよね♪

 先生、ブログを止めないでくださいねっ(^_^;)


ヒゲジジイのお返事メール:
 貴重なおたより、ありがとうございます。
 大変興味深い内容で、流石に先生の本領発揮、素晴らしい腕前でお見事です!

 ご指摘の通り、個人個人の体質によってインフルエンザに感染した場合の反応は様々ですが、また地方性も大いに関係あるのではないでしょうか?

 下関近辺では、と言ってもあくまで村田漢方堂薬局でご相談を受ける範囲内でのことですが、麻黄湯証を呈する人に遭遇したことは久しくありません。

 一般の風邪においても地方性の問題では、
風邪で発熱して最初から治るまで葛根湯証が継続するケースもある
 このようなことを最近、経験していますが、先生の地方では寒さが厳しそうですので麻黄湯証もしばしば見られるのでしょうね。

 ところでここ1〜2年、常連さんやお馴染みさんの風邪予防対策(天津感冒片や板藍茶、白花蛇舌草などの常用)の徹底により、インフルエンザはおろか一般の風邪すら引く人が激減してしまい、風邪専門のブログが継続できなくなったほどです(苦笑)。

 とっても興味深く貴重なご報告、折々にウンザリしがちなブログ継続の励みになります。ありがとうございました。早速転載させて頂きたく、お願い申し上げます。

 なお、クリック問題はGoogleのPage Rankに多少とも影響することが、HPやブログをやる人には常識でも、一般の人には無縁な話のようです。


折り返し頂いたメール:地方性は本当に大切ですね。
こちらは、今年、初の気 立春に入ってから、麻黄湯、麻黄附子細辛湯の証の方が現れるようになりました。それまでは殆どなかったのですが・・・。
今年は五運六気で、初の気 の客気が太陽寒水なので、しばらくは寒いのかもしれません。
こちらは、底冷えがする毎日です。(足を湯たんぽに置いて仕事をしています)
人間の気質も、神経質で、陰の気が強い方が多いですね。
下関の方は、熱血漢で、討論が好きで、豪快・・・陽の気が多いイメージで、傷寒証の方が少ないのも頷けます。

こちらも、日頃の予防策で、インフルエンザに苦しんだり、風邪に悩まされる方が少ないので、急患センターに行って驚いた次第です。

PS・・・ボクチン、最高に可愛いですね(*^_^*) 


ヒゲジジイのメール:折り返しのおたより、ありがとうございます。頂いたメールでちょっと気になったことがあります。

>人間の気質も、神経質で、陰の気が強い方が多いですね。

というのはやはり本当でしょうか。先生ご自身はその逆の性格のようにお見受けしますねっ、きっと。
 現在、そちらの方面から来られた人もおられ(テリトリーを侵して恐縮です…苦笑)、消化器系統には大柴胡湯が合うのに実に「神経質」で、後ろ向きにばかり物事を考えて困ります。

 いつも気合を入れてあげるのですが、どうしてそんなにくよくよするのか、ヒゲジジイのような禅的な性格では、対処にほとほと困惑することがあるほどです。
 同じそちらの地方でも、海側の人たちは性格も比較的陽性で、違和感はないのですが・・・

 やはり土地柄、自然環境による影響が強いのでしょうか・・・といっても北陸地方から来られた人の中にも比較的陽性の性格の人も多いし、東北方面の虚弱で寒がりな方でも意外に黄連解毒湯合補中益気丸・四逆散などを主方剤として消化器系統が丈夫になりつつある人もおられるのですから、東北でも北陸でも海に近ければ陽気が勝つのでしょうか?

 関西の人たちはせっかちな人もおられますが、九州や山口県の体質と似ているので、弁証論治にあまり違和感も感じません。

 ちょっと余計なことまで書いてしまいましたが、久しぶりに膨大な量のブログになってしまいますね。

 当方のボクチン、去勢をしてないので、遠い旅に出ないか、いつも心配しています(苦笑)。

2008年02月07日

食事を一人前で我慢し、お菓子を食べなければ痒みが消える

 現在、村田漢方堂薬局で実際に漢方薬を利用されている人にとってはこのブログは意外に効果がある。

 とりわけ「食い意地」問題を扱った大食がいかにアトピーに悪影響するかということも実証できた。

 次に問題は、いかに菓子類、甘いものを止めることができるか、という難問が控えている。
 あと一歩が微妙な人たちは、まず甘いものを減らすのではなく、実験的に数日間だけでも糖分の多い菓子類を一切とらないで過ごしてみるべきだ。

 その効果は絶大であることを保障するexclamation×2

 この保障ができるのは適切な漢方薬を服用中だからである。
 今までの漢方薬の微調整の繰り返しの苦労が報われるのは、正常な食生活に戻せばすぐそこです。
 いかにこれまでの食生活が尋常ではなかったかを自覚するべきなんですね。
ラベル:食事制限
posted by ヒゲジジイ at 01:37| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

クリックの画面が出ません(←見落としているだけですよ!)

おたより:先日は●●についての質問をさせていただいたものです。
 あの時は、丁寧にお答えいただき、また・・・・をいただき、ありがとうございました。おききただけるのをいいことに、・・・・・・・・・・を言いそうだったので、遠慮していましたが、前から言いたかったことがあります。

 私は村田様のブログに検索で出会いました。
 過去記事にはクリックの画面が出ません。だからあちこち読んでいる間一度もクリックはしませんでした。

 またサイトの構成が複雑なので、トップ画面に私が行き着いたのは、メールでご相談をして、その相談が記事になるということなので探してからです。
 村田様のサイトにアクセスなさる方の中には、クリックボタンが存在することを知らない方、知っていても探し当てられない方もいらっしゃると思います。

 できたらブログ更新は続けていただきたいと思い、乱筆ながらお便りさせていただきましたがお許しください。


お返事メール:あまり真面目に受け止めないで下さい。
 ときどきブログの継続が面倒になることがあって、絶好の口実を見つけてゴネているわけです(苦笑)。
 当方のブログは、未知の人達ばかりでなく、既に当方の漢方薬をご利用中の人が沢山おられ、それらの人達に対する広報的な意味あいも強いわけです。たとえば、痩せの大食い問題など。

 既にヒゲジジイと直接会っている人達の多くは、ヒゲジジイの暴言だらけのブログのアイロニーとユーモアーを理解される人たちばかりですので、面倒がってクリックを怠っている人たちに活を入れているわけです。

 それでも頑固にクリックしないお馴染みさんも多いので、まあ〜〜〜互いにブログでゲームしているようなところもあります。
 但し、ときどき本気でブログを投げ出したくなることがあるので、ブログに八つ当たりして鬱憤を晴らしているわけです。その点では大いにガキンコです。

 ところで、当方のブログはどのページの過去記事にもどのページにもすべて一番頂上のタイトルの真下にもクリック用のバナーが掲げてあります!かなり目立つはずですが、きっと見落とされているに違いありません(苦笑)。


追記:平成24年現在はタイトル真下のランキングサイトのバナーは既に撤去しており、新しい記事だけに貼っています。
ラベル:痩せの大食い
posted by ヒゲジジイ at 00:23| 山口 ☀| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする