性別 : 男性
年齢 : 40歳〜49歳
簡単なご住所 : 関東地方
具体的な御職業 : 内科医
お問い合わせ内容 : はじめまして、◎◎で内科勤務医をしております●●と申します。
本日、漢方書を探しに神保町を散策して村田先生の本(求道と創造の漢方)を見つけて買ってまいりました。
他の著作の方の本と比較して、真っ直ぐに漢方のことを書かれていらっしゃるのに好感を抱きました。
村田先生のことは前にホームページを見ておりましたので…本に書かれてありました住所の下関という地名から先生の顔写真も浮かびました。
私の漢方の経歴はたいしたことありませんがお話致します。中学から高校にかけて体を壊し大塚敬節先生に診ていただいていました。とても優しい先生でした。
医学部に進んでからは北里研究所のセミナーなどに参加しておりました。
そして卒業してから…半年位の間、矢数先生の所で外来見学もさせていただきました。
基本的に内科勤務医としての道で病院で漢方薬を使うことを許されなかったことから、病院では一般的な診療をし、自宅には150種類程度の薬草を置き家族や知人を漢方薬で治療しておりました。
自分が開業する時になったら…漢方薬を併用して患者さんを治したいと思っております(開業は近いかもしれません…)。東洋医学会には15年ばかり入っていますが…忙しくて専門医も取らないで今に至っています。
自分が一番興味を持つのが「病気とは何か?」ということです。医学部での授業も「病気の定義」なしに授業が進んでいきます。分からない点を調べようと教科書を読み、それでも分からなければ論文も読んで…最後にたどり着くところは、いつも「?」です。
すなわち病気が分からずに病気を診ているのが今の医学ではないかと思います。「日本漢方を中国漢方に取り入れたい」という村田先生のお気持ちは先生のお立場からすれば、至極当然のことだと思います。
一方、内科医としての自分の夢は「東洋医学と西洋医学を一つの医学にしたい」と思っています。偉そうなことは言えませんが、この作業に「傷寒論」が役立つ可能性が大きいと感じております。
日本の漢方では「傷寒論」に理論的な考察を入れず、経験を重ねることによって漢方を使う医師を育ててきました。徒弟制度が一般的だった、かつての日本文化なら十分に可能な医療教育だったのかもしれません。でも、これでは漢方が説明不可能な芸術的な学問になってしまいます。
しかしながら「傷寒論」の構成は理論的で病気の設計図を漢文で綴っている様に感じてなりません。また基本哲学は陰陽と三陰三陽だけで至極簡単です。それならば…「傷寒論」に書かれている病気の姿を理論化することが可能で、その理論的な病気の姿を参考にすれば西洋医学でも「傷寒論」を病気研究に役立てることが出来るように感じます。
自分が尊敬する先生方は、すでに亡くなってしまわれており…今日、自分が選んだ本を書いた先生が生きていらして自分の意見を話すことが出来ることに一人感激して、ぶしつけな文面をお送りしてしまいました。すみませんでした。
明日は村田先生の本を楽しみながら読んでみたいと思います。先生の今後の発展を陰ながらお祈りしております。
お返事メール:拝復
お便りありがとうございます。また、拙著を入手された由、なんだかとても恥ずかしい思いです。中医学理論の必要性に目覚めかける手前の思い出深いものではあるのですが、まだまだ没理論的な日本漢方の「術としての漢方」の修業時代だったように思います。
当時から関東とは遠く離れていても、しばしば矢数道明先生や藤平健先生ら大御所からお励ましのお便りを頂き、中医学にどんどん傾斜して行った頃にも、直接お会いする機会がなかったにもかかわらず、温かく見守って下さる旨のお便りを頂いたものでした。(追記:33年前、福岡で開催された東洋医学会の会場エレベータ内で偶然、大塚敬節先生と矢数道明先生と乗り合わせ、大塚先生がしきりに小生の顔を見つめながら「橋本行生君はどうしたのかなあ。来ているのだろうかなあ」と、矢数先生に向かって呟いておられたことが今も鮮明に覚えていて、忘れられないとても懐かしい思い出がある。)
ついには強烈な日本漢方批判を主体にした拙論、
日本漢方の将来「中医漢方薬学」の提唱(平成元年の提言!) ⇒ 日本漢方の将来「中医漢方薬学」の提唱 村田恭介著 を発表した当時にも、各地方の古方派の先生方から激しい批判が聞こえてくる中、矢数道明先生は、御みずから『漢方の臨床』誌上で、印象に残った二つの論説の内の一つとして、とても好意的に述べて下さったことを今でも大変光栄なことと思っています。
日本では消滅しかけていた漢方医学を昭和の時代に大きく復興された大塚敬節先生や矢数道明先生の学恩を裏切るような拙論にも、大家の懐の深さをつくづく感じ入った次第でした。
●●先生からお便りを頂きまして、その当時、大塚先生の御著作には人一倍のめり込んで、私淑者として追悼文集の末席に置いて頂いた立場でありながら、あの拙論を発表することによって「裏切り者の烙印を押される決死の覚悟」で認めた当時を思い出してしまいました。
先生も漢方医学を大御所にご指導を受けられ、実際のお仕事上では使用させてもらえなかったご事情は、同じ内科医の愚息や愚娘も現在、同様の嘆きを持っています。現在かなり流通しているはずの医療用漢方さえ、思うように投与できない事情は、大きな病院組織に属すると、意外に不自由極まりない事情も様々にあるようです。
漢方医学と西洋医学の結合問題では意外に困難が多く、本場の中国でさえ、中西医結合は失敗だという批判も多く、これがために本末転倒して伝統的な中医学の危機を迎えかねない大問題ともなっているようです。
のみならず、中医学廃止運動さえ勃発しているとか。
中国:漢方医薬存亡の危機、激化する存続論争
むしろアメリカやフランス・イギリスで中医学が盛んになりそうだという逆転現象も出て来ているような気配です。
拙論にも、かなり抽象的ではありますが、中西医結合論として 中医学と西洋医学 ⇒ 中医学と西洋医学 中西医結合への道 村田恭介著 を書いています。
マクロ的には西洋医学よりも中医学の方が科学的であるという主旨も含んでおります。
もう既にご存知かと思いますが、我儘なブログ 漢方薬専門・村田漢方堂薬局(山口県下関市)の近況報告 を続けております。最近、マンネリ化して惰性になりかけているところを、皆様のお便りによって、何とか続けることが出来ております。
この往復メールも恐縮ながら(もちろん匿名で)転載させて頂きますが、今後も折々に御批判、御指導賜れば、ブログの存続の励みとなりますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。
ありがとうございました。
【編集後記】 ヒゲジジイのお返事メールに対して見事な論点の医学論を述べられたメールを頂いている。続けて掲載させて頂くにはあまりにも勿体無いので、明日のお楽しみとして乞うご期待!!!
2007年12月06日
故大塚敬節先生の診療を受け、故矢数道明先生のご薫陶を受けられた先生からのお便り
posted by ヒゲジジイ at 00:08| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答
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2007年12月05日
風邪やインフルエンザに対する傷寒論医学の危うさについての貴重な御体験のお便り
ときどきご登場頂いている東海地方の漢方薬局経営の美人女性薬剤師さんからの貴重なお便り。
急性の発熱性疾患である風邪やインフルエンザにおいては、傷寒論医学にばかり頼ることは出来ないという見事な証明でもあるので、風邪とインフルエンザ専門のブログ
に掲載させて頂いた。
題して 傷寒論医学の危うさについて である。
posted by ヒゲジジイ at 20:24| 山口 ☁| 新型コロナウイルス・風邪やインフルエンザ・咽喉痛・扁桃炎
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アトピー性皮膚炎の代表的方剤、消風散(しょうふうさん)や温清飲(うんせいいん)を使用することは超稀
先日の防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)に続いて、さらに2つ消風散(しょうふうさん)も温清飲(うんせいん)も滅多なことでは使用しない。とりわけアトピー性皮膚炎には使用することはほとんどあり得ない。
消風散や温清飲は言わずと知れたアトピー性皮膚炎の代表的な方剤である。世間様では消風散を主体に運用してアトピー性皮膚炎を治すことが多いらしいが、村田漢方堂薬局ではこの方剤を一般の湿疹に使用することが稀にあっても、アトピー性皮膚炎に使用することは滅多にない。
だから店頭で両方剤を指名されても販売すること自体がほとんどあり得ない。
素人判断で使用され、後になって苦情を持ち込まれてはかなわないからである(苦笑)。
袪風作用や補血作用の生薬が配合された方剤は、一歩誤るとアトピー性皮膚炎を激化させる危険性がある。
あたるも八卦的な要素が多分にある方剤で、実際に二つの医療機関でツムラの消風散主体に処方されて、次第に悪化し六ヶ月間かけて最高潮に達したところでネットを調べて村田漢方堂薬局に来られた人があった。
幸い、この人は同じ6ヶ月間かけて8割寛解レベルには到達した。
35年間もとっぷり漢方薬に漬かっていると、どうしても好きになれない方剤というものが出てくる。臨床の実際においては、通説には断じて従えない部分が多々出て来るのである。たとえ、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)で優れた効果が得られたと証言する人があろうと、またアトピーが消風散(しょうふうさん)や温清飲で救われたという人がおられようが。
村田漢方堂薬局でも消風散や温清飲によって湿疹に著効を得た経験はあるにはあるが、再現性において心もとない方剤なのである。配合される当帰やセンキュウの怪しい作用には用心しなければならない。
アトピー性皮膚炎には右に行くか左に行くか、予測が付かない温性の川芎という袪風薬は信用がならないのである。
(以前にもどこかで記したが、温清飲加荊芥連翹の煎じ薬を用いて顔以外の全身がおかされた重症の尋常性乾癬を八ヶ月間の服用で文字通り根治させた経験がある。)
第一、川芎は日本人には使用上の注意が特に必要である。使用に当たっては他薬の三分の一に落として反応を見るべきであろう。
といっても村田漢方堂薬局ではアトピー性皮膚炎に川芎の配合された方剤を使用することは稀である。
もしあるとしたら、ヒゲジジイみずから医薬品許可取得を提案し推進したウチダの生薬製剤二号方と温経湯くらいのものである。
参考文献:
消風散(しょうふうさん):当帰・地黄・石膏・防風・木通・牛蒡子・蝉退・苦参・荊芥・甘草・知母・胡麻
温清飲(うんせいいん):当帰・地黄・芍薬・川芎(センキュウ)・黄連:黄芩(オウゴン)・山梔子・黄柏
posted by ヒゲジジイ at 00:14| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2007年12月04日
皮膚の痒みに漢方薬は有効ですか?
性別 : 男性
年齢 : 50歳〜59歳
ご職業 : 公務員
簡単なご住所 : 中国地方
お問い合わせ内容 : NHKきょうの健康12月号で「皮膚のかゆみを解消」で漢方薬が有効との記事を見ました。
冬になると赤い湿疹ができて強烈なかゆみに悩まされています。保湿クリームを塗ったりいろいろと対処療法で済ませています。
漢方でかなり改善されますか。
お返事メール:ご質問内容は、痒みに対する漢方薬の有効性についてのテレビの放送は間違ってないだろうか? との主旨と思いますが、確かにテレビ放送はしばしば間違ったことを放送されます。
さいわいなことに、皮膚の痒みに漢方薬が有効であることは確かです。
放送の主旨に間違いはありません。
蛇足ながら・・・それどころか、あらゆる西洋医学治療で治らない各種の激しい痒みを伴う疾患のほとんどを寛解することが可能です。重症のアトピー性皮膚炎や急性蕁麻疹や慢性蕁麻疹、各種の湿疹類など、貴方様が想像される以上の能力を持っているのが漢方薬です。
但し、その人の病状と体質に合った漢方薬の配合を見つけるのは、簡単とは言い切れません。弁証論治という漢方理論、正確には中医学理論に基づいた適切な方剤を考えなければなりませんので、漢方と漢方薬に相当熟練した専門家でなければ、なかなか容易ではない場合もあります。)
以上、取り急ぎお返事まで。
posted by ヒゲジジイ at 00:14| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2007年12月03日
寛解しても油断すれば再発することもあるのは当然です
人の一生は意外に短い。たかだか80年〜95年。男性の多くは85歳までもたないことも多い。
だから、一部の例外の人を除いて、寿命が尽きるまでには様々な病気に侵されても止むを得ないが、その都度直ぐに回復する人もいれば、慢性化して西洋医学治療では歯が立たないケースも意外に多い。
花粉症やアトピー性皮膚炎などは、悲観して自殺しない限りは生命を奪うことはないが、免疫系にも関連するのだから、まったく寿命と無関係とは言い切れない。
昨今は飽食の時代でダイエット・ダイエットと喧しい時代だが、食わなけりゃ良いのに皆がみな過食気味だから、血液成分がいびつになって胆石症や尿路結石が頻発している。
生活習慣病や悪性腫瘍の問題など、枚挙に暇が無いほど人間様の病気の種類は多い。
僅か80年前後の寿命だから、数々の病気に侵される人が多いのも当然である。一旦慢性化すれば文字通り持病となることも珍しくはないので、各医療機関を歴訪しても中々治らないことが多い。
しばしば聞かされる話が、どこそこの名医に診てもらったことが大変な名誉かのように自慢される人が来られるが、だったらそこで治してもらえば良かったじゃないか、といいたくなるほど世の中は名医だらけの現実である。
そのように各地で苦労されて漢方薬も「名医」の処方を飲み続けて治らないケースでも、多くは1〜2年も頑張れば、村田漢方堂薬局の漢方薬でかなり寛解するケースが多いが、それでも来訪者の1割弱は、なかなか思うように運ばない。
その1割弱の人の多くは半年から1年もしない内に去っていかれることは、止むを得ないことながら慙愧の念に耐えない。
どんなに頑張っても100人が100人全員を寛解に導くことが出来るわけではないので、本来完璧主義の性格上、これが原因で不眠気味な一生を終えなければならないのだろう。
本題の再発問題であるが、最初に述べたように人の寿命はたかだが80〜95年である。上記で述べたように漢方薬を服用して1〜2年でかなり寛解したからといってもそれで服用を中止すれば、再発率は低いとは言えないのである。
一生の短さから考えれば当然であろう。
成人して以後は、細胞は劣化し老化の一途を辿っているのである。
せっかく漢方薬で病気が寛解しても三年以上頑張れるのは一部の人に限られている。一生は短いというのに。
再発して初めて事の重大さに気付き、細く長く、あるいは太く長くのお付き合いが再開する場合は意外に多い。
なかでも漢方薬に嵌ってしまった常連さん達は、少しでも元気で長生き出来るようにと、一生涯どころかあの世に行っても漢方薬を続けるつもりだと皆が口を揃えて言われるのだから、半端じゃありませんよ(笑)。
そのお陰で村田漢方堂薬局は潰れずに済んでいる(苦笑)。
posted by ヒゲジジイ at 01:22| 山口 | 中医漢方薬学
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2007年12月02日
漢方薬は煎じ薬や無表示の調剤分包品が良いとは限らない
漢方薬は煎じ薬や無表示の調剤分包品が良いとは限らないどころか、時には危険ですらある。
村田漢方堂薬局に来られる人の多くが、既に漢方薬の服用経験者が多く、その半数以上が成分表示がなされてなかったり、配合された方剤名が不明である。そのかわりに見かけだけはオリジナル調合めかして実に立派である。
それに比べれば、村田漢方堂薬局で奨める漢方薬はメーカーが分包したエキス顆粒や錠剤類で分包器にかけてかっこよく分包して差し上げる訳でもない。(分包器械は4台あるが15年以上眠り続けている。)
だからバラバラに出される数種類の漢方製剤をご覧になって、わざわざ遠方から泊りがけで来て、こんなチャな製品を買わされに来たのか、とでも言わんばかりに明らかな落胆の色が顔に出る人も珍しくない。
しかしながら、綿密繊細な微調整の今後の方針を知れば、多くの人が納得し、実際のその疾(はや)きこと風の如く、縦横無尽に配合変化を行って微調整の効が一気に感じられた人では、心から納得されるのである。
ところが人サマザマで、その道理がどうしても理解できない人は、ムードに弱い、ムードで治りたいらしく、一見、カッコイイ無表示の調剤分包や煎じ薬に戻りたがるのだから、実に縁なき衆生と言わざるを得ない。
ムードに弱く物の本質と道理が理解できない人は、最初っからご免である。
村田漢方堂薬局はみずから打ち立てた中医漢方薬学派(苦笑)であり、既に漢方経験35年近く、他には決して影響されない頑固者である。
みずから打ち立てた流派を守り発展させる意欲は旺盛であるが、常に臨機応変の「孫子の兵法の如し」である。
漢方処方運用の極意は孫子の兵法の如し
実際にそれを実行するとき、一袋にすべてを配合してしまえば、臨機応変の配合変化は不可能。
貴方たちがこれまで経験されたように、たとえ合わない漢方薬でも二週間分や一か月分を延々と飲まされるハメに陥った苦い経験による学習効果が何も得られて無い証拠である。
この道理がどうしても理解できない人も少数おられるのだから話にならない。
さらに物事の道理に暗いもう一つの例を追記すると、たとえば難治性疾患による微熱のために就職することも出来ず、病院治療もステロイドを使用するには早いとて、当方の漢方薬だけで無事寛解し、就職することができたのは良いが、その後は折々に体調を壊すが、病院ではいずれもやっぱり治らない。
初期には熱心に通われていた人だが、仕事が忙しく当方に直接訪問する時間がないので、薬を送って欲しいという話が代理の人を通じて入って来る。
とんでもない話で、胃腸疾患など折々に病院に行くのはよいとしても、それでやっぱり治らないからと当方の漢方薬を利用されるのも尤もなことで良い。
だがしかし、病院には何度も足を運べる者が、仕事が多忙だから村田漢方堂薬局には行けないとは何事だろう!
その仕事が出来るようになったのは、初期にあれほど熱心に当方に通い続けた努力の成果が実ったからではないのか。
それならそれでメールを利用して詳細な現状報告を送って来るなら可能かもしれないので、そのことを何度伝えてもその努力すら怠る。
人間もノドもと過ぎれば熱さを忘れるのか、薬局だからと侮るのか、治らない病院には通い続けて、本命の疾患を寛解させた薬局には仕事が忙しくて行けないとノタモウのだから救いようが無い。
posted by ヒゲジジイ at 12:38| 山口 ☀| 繊細でデリケートなヒゲジジイ
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2007年12月01日
服用回数の問題について
通常ならこんな時間にコーヒーを飲んでいるところだが、飲まないでいたら眠気が差して来た。やはり飲まないほうが睡眠には良いのは当然だろう。今日は飲まないで頑張ってみようと思う。
幸い、本日は返信すべきメールも少なかったので・・・と言っても少なくとも二桁の返信は返している。15通くらいで済んでいるのは珍しい。
ともあれ、本題の服用回数の問題である
午前中に来られた人は、一ヶ月目くらいだが、すでに一日2回になることがあるが、十分に効果が持続していると言われる。病歴は長くとも速効を得た人ほど油断しやすいが、2回になるときがあっても効果が持続していると言われるので、ご自由にまかせた。(病気の内容から今後もしも効果が落ちたら服用回数の問題である。)
午後はデリケートなアトピーの子供さんのケース。親御さんが補充に来られたが、夏休みに真面目に服用した当時は殆ど完全に近く治っていたのが、服用回数が一日1回に落ちていたために、ひどく痒がるようになって手などは悲惨な状態に戻っていたそうである。
痒みがひどくなる夜間だけの服用になっていたので、親も見るに見かねて1週間前から一日3回服用できるよう食卓に準備してやるようしたら、この僅か一週間でひどかった手の症状も首の赤みも痒みも殆ど消失してきたと言う。(親が準備してやるのは当然だろう!)
親御さんも当方の漢方薬の愛用者だから、特例として御相談に乗った子供さんだから、薬用量が激減すると、どのような事態になるかよく理解しておられて話は早い。
これが親御さんが当方の漢方愛用者でなかったなら、効かなくなったと理不尽な抗議を受けていたかもしれない話だが、上記のように2回の服用で効果が持続して、体質改善の目的まで果たせれば上々であろうが、一日1回の痒いときだけの服用になったアトピーの子供さんでは効果がまったく持続出来ていない。
知柏地黄丸製剤・猪苓湯製剤・インチンコウ湯製剤・イオン化カルシウムの併用だから、上学年とは言え小学生には辛い服用なのかもしれない。しかしながら、かなりの速効が得られるのだから、親がしっかり服用させる義務があろう。
ともあれ、上記の2例とは無関係に、あくまで一般論の話だが、
最初に速効を得た人ほど、服用回数が減る傾向が強く、また往々にしていつまで服用すべきかを早い時期からとても気にすることが共通している。
少しずつ効果が出ている人の方が、比較的真面目に継続する傾向があるので、結局は最終的に治りがよいケースが多い。
最初に速効があった人ほど、その後の継続に問題無しとしないのである。この傾向は、何十年この仕事をしても実に理解に困しむ謎である(苦笑)。
posted by ヒゲジジイ at 01:16| 山口 ☀| 中医漢方薬学
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