2007年11月06日

当然のことながら慢性副鼻腔炎はすべて辛夷清肺湯で治せるとは限らない

性別 : 男性
年齢 : 60歳〜69歳
簡単なご住所 : 関東地方
お問合せ・ご連絡内容 : 慢性副鼻腔炎の治療についてご教示ください。
 症状:風邪を引くとすぐに喉を傷め、軽くても一進一退で治りません。
 耳鼻咽喉科の診断で慢性副鼻腔炎による悪い鼻汁の下降によるものとなり、鼻を治すことが必要とのことです。

 治療:漢方の辛夷清肺湯を服用することになりましたが、胃腸の調子を途端に悪くしました。それで分量を減らしたり、食後に飲む等の工夫で続けるか、全く別の漢方薬に替えるか迷っております。以上ご教示のほど、よろしくお願い申し上げます。


お返事メール:軽度の慢性副鼻腔炎のために細菌が蔓延した後鼻漏が常時、知らず知らずに咽喉部に落ちて、それが原因で年がら年中風邪を引いている人が意外に多いものです。この場合の風邪はウイルス性ではなく、鼻が原因の細菌性の風邪ということになります。(追記:咽喉腫痛を繰り返す原因が微量に降りる後鼻漏中の細菌だということ

 しかしながら、貴方にとって辛夷清肺湯が本当に適切なものかどうかは分かりませんが、服用量を減らして食後に服用しても、それでも胃腸の調子が悪いようでしたら不適切ということになります。

 但し、辛夷清肺湯とともに併用すべき方剤が欠けているために胃障害が生じているばあいもあり得ます。辛夷清肺湯が適切な場合でも、さらに他方剤も併用すべき体質であった場合には、辛夷清肺湯だけでは却って胃に障るということもあり得る、という意味です。

 どのように工夫しても辛夷清肺湯が胃に障るようでしたら、もっと適切な方剤に切り替えてもらったほうが無難です。

 なお、辛夷清肺湯が適切な場合ですら、辛夷清肺湯単独だけでは慢性副鼻腔炎を一定レベル改善するには覚束ない場合も多々あります。

 漢方薬の知識の深い専門家にご相談され、7〜10日毎に頻繁に通われて微調整を繰り返しながら適切な漢方処方の組み合わせを指南してもらうべきかと存じます。