2007年10月07日

風邪類縁のウイルス性急性疾患に対する御質問

性別 : 女性
年齢 : 40歳〜49歳
ご職業 : 主婦
簡単なご住所 : 近畿地方
お問い合わせ内容 : 風邪からウィルス性の発熱へ(はじめの二日は葛根湯三服で発熱させ39がつづき三日目で平熱に)。

 ところが再度発熱39〜40度仕方なくロキソニン服用三日間熱の上下繰り返し三日目のこの日首が吊ったように痛くなり四日目には締め付けるような、ぴりぴりするような頭痛耐えかねてクリニックへロキソニンといわゆる風邪薬抗菌剤一向に改善されずますますひどく夜間救急へ(ヘルペスに似た症状だがそれはないとのこと。手足口病かもと)ボルタレン座薬でケアをということに。

 ところが効果があるのは三〜四時間 このような場合漢方薬は効果期待できますか?
あればどんな?


お返事メール:お送り頂いた情報はあまりにも不足しており、たとえば咽喉腫痛の有無、初期症状としての悪寒の有無や、悪寒(寒気)があったとしてもその程度、寒気と同時に熱感もあったかどうか、などなど、細かな情報が不足したメールで急性疾患の弁証論治は不可能です。

 もしも咽喉腫痛が伴っていたとしたら、あるいはそれがはっきりしていなくとも悪寒が去った後に熱感ばかりが目立っていたとしたなら、風邪類縁症状でしばしば見られる温病であることが推測されるので、天津感冒片(銀翹散製剤)を主体に、中医学では必需品のウイルスに対抗する板藍茶(板藍根)の併用が基本であるかもしれません。
 以上はあくまで仮定に基づいた推論に過ぎません。

 少なくとも、中医学方剤を適切に運用すれば、多くの急性疾患に充分効果を上げることができるのが中医学の世界です。
 但し、西洋医学的な病名も大いに参考にすべきですが、現時点での一連の症候(証候)にもとづいて、方剤を確定しなければなりませんので、専門的な知識と技術を必要とします。
 お近くの中医学に堪能な専門薬局あるいは中医学専門医で直接御相談すべきです。


【編集後記】 手足口病の診断が間違ってなければ、水疱が必発のはずであるが、それについての病状報告がないので診断が当たっているとは限らない。
 もしも実際には水疱が伴っているのに、メールでの伝達が脱落しているとしたら、五苓散証も伴っていることは歴然としているので、五苓散あるいは茵蔯五苓散(インチンゴレイサン)のいずれかも必須の併用方剤となる。

 このようにメールでの短文の情報では、弁証論治が如何に不可能であるかという典型的なメール相談となっている。
posted by ヒゲジジイ at 10:27| 山口 ☁| ウイルス感染や細菌感染(痔瘻や各種歯科疾患など) | 更新情報をチェックする