古文真宝(後編)に「秋声賦(しゅうせいのふ)」欧陽永叔(おうようえいしゅく)作がある。その中に
それ秋は刑官なり。時においては陰たり。また兵の象なり。行においては金たり。これを天地の義気といふ。常に粛殺をもって心となす。天の物におけるや、春は生じ秋は実る。ゆえにその楽にあるや、商声は西方の音を主(つかさど)る。夷則は七月の律たり。商は傷なり。物すでに老いて悲傷するなり。夷は戮なり。物盛りを過ぎてまさに殺すべし。とあるが、秋は一部のアトピーの人にとって鬼門である。
これまで比較的順調に経過していた人でも、黄連解毒湯などの清熱解毒薬が邪魔になり始めた人もいれば、急遽、黄連解毒湯を廃止して辛夷清肺湯が必要になった人もいるかと思えば、補中益気丸(補中丸T)の追加が必要となった人、実に様々であるが、六味丸系列の方剤の配合比率を上げる必要が生じることもしばしばで、臨機応変の微調整により、多くはこの鬼門を乗り越えつつある。
もちろん、秋燥の影響をほとんど受けることなく順調に経過している人も多い。