@黄連解毒湯・A知柏地黄丸製剤(瀉火補腎丸)・B茵蔯蒿湯・C猪苓湯とDイオン化カルシウムで明らかに改善されているものの、臀部から背中近くの凸凹部分の激しい痒みと滲出液に対する効果が劣る。
4ヶ月の連用で見かけは5割、ステロイド使用量も半減程度だから、ややシャープさに欠ける。その間2度ほど黄連解毒湯を中止して実験してみたが、明らかに必要なことを体感してもらっている。
そこで最初に行った実験が、@ABCDの順で、もともと2:1:1:1:1の比率で継続していたが、2:1:1:1:2の比率に上げると、却って効果が落ちた。
次に行ったのが2:1:2:1:1では不変。
驚くべき改善効果を発揮したのが2:1.5:1:1:1の配合比率で、臀部から背中近くの凸凹部分の痒みと滲出液が一週間でほぼ完全に消退した。同時にステロイドの塗布の必要がなくなった。
つまり知柏地黄丸を他薬との比率を1.5倍に変更しただけで、このような好ましい効果の激変を見たのであった。
アトピー性皮膚炎ではしばしば微妙な配合比率の変化一つで、効果に雲泥の差が付くことが多い。
また状況が異なると、それに応じてヘコタレルことなく配合比率を工夫してあげなければならない。
このような面倒とも思える繊細な配合変化を繰り返すうちに、気がついたらステロイド漬けからオサラバできると同時に、見かけ上も9割以上の寛解が定着するようになるのである。
これもひとえに、御本人の観察と報告に依存する部分が大きいのであるが、同時に様々な配合変化や処方変化における体感を敏感に察知してそれを表現する意欲にかかわるのだから、ヒゲジジイの漢方指南は本気で自身のアトピー治療の為の漢方修業をされるくらいの意気込みがなければ成立し得ない漢方相談なのである。
痒いカユイという表現しかできない人には、ゴメンなさい、ヒゲジジイの漢方はアナタには無理ですので、ヨソさんを当たって下さい、とお断りせざるを得ないわけである(苦笑)。
また、そういう人を間違って漢方相談に乗って漢方薬をお出ししたところで、繰り返しのうるさいヒゲジジイの畳み掛ける様々な質問に真正面から真剣に回答する気力を失って長続きしないのが相場である。
結局はヒゲジジイの腕の悪さもさることながら、様々な微調整に対する客観的あるいは主観的な観察意欲と表現意欲の欠如が原因であることに他ならない。
実際のところ、アトピーを治したいという真の意味の意欲があるかどうかの問題に帰するのである。
金を出すからアナタマカセ、という人には全く不向きな漢方相談(漢方指南)であることに間違いない。
実を言えばアトピーに対する改善率が非常に高い理由は、観察と表現意欲のナイ人を事前に察知できた場合、すべてお断りしているという公然の秘密があるからだった。
例外があるとすれば、親御さんご自身がヒゲジジイの漢方利用経験者である場合の、その子供さんを依頼された時だけである。
2007年09月15日
処方が適切でも配合比率が異なれば効果が雲泥の差となるアトピー性皮膚炎の難しさ
posted by ヒゲジジイ at 00:37| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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