2007年09月02日

後鼻漏・耳鳴りなどの漢方薬の御相談

性別 : 女性
年齢 : 70歳〜79歳
ご職業 : 主婦
簡単なご住所 :近畿地方
お問い合わせ内容 : はじめまして一度は貴薬局へ伺わなくては 相談していただけないらしいということは、先生のホームページに書かれていられますね。
 しかし私は娘がつとめていて孫を見ていますので平日は出られません。娘は勤務を始めて2年ほどなので休むのも困ると思います。
 できるだけ詳しく書きますので ご判断いただけないでしょうか。お願いいたします。

 慢性的な鼻炎で困っています。
〈主訴〉1)後鼻漏 特に早朝 白い透明な鼻汁 微量 鼻の慢性的炎症感(口内上顎)、鼻づまりはない、
    2)数年前から風邪を軽く見ていると耳が響くようになり人の声も辛くなるほどの耳鳴り、
    3)今年の夏風邪のあと咳が出やすくなり微量だが咽に痰が絡む 〈経過 症状〉1)10年以上は鼻も耳も時々調子が悪くなったが、 04年秋黄色い鼻汁の鼻風邪から鼻耳の風邪を繰り返す(風邪を引くとめまい)

 2005年1月副鼻腔炎 ・・・・・病院CTでかすかに影があり副鼻腔炎と言われた。1月〜10月ルリット、ムコダインを服用10月 CTで治癒と診断。
 治癒といわれたあとも後鼻漏は続く(朝起きた時のみの場合もあるが) 風邪を引きやすく、風邪を引くと黄色い鼻汁、鼻(口腔上顎の炎症感 多分咽も赤かった)の炎症感。ひどくなると耳がボーンとなってきて 音が響き渡る 人の声も辛く ラジオなどもってのほか ・・・早めに消炎剤(レフトーゼ)抗生物質などを使ってしのぐ・杉花粉アレルギー(ひどくはない)・鼻づまりなし ・首がこる ユベラ

〈既往症〉1)10代 盲腸摘出  
     2)32才 帝王切開のあとの腹膜炎で2回手術
     3)アミラーゼ値高く(910〜300〜200 IU/L 50〜180) 膵炎の治療を2-3年続けたが今は何もしてない。アミラーゼ値は体質的なものかもしれないという結論。耳鼻科、婦人科の検査では何も出ない。
     4)1992.4 胆嚢摘出、十二指腸潰瘍あり5)1992年8月 疲労と吐き気 GOT,GPT高値 強力ミノファーゲン3ヶ月点滴 それ以後GOT GPTは安定していて30以下だが  C型ヴィールス 4.3MEg/ml はなくならない。
     5)一般血液検査:成人病検診 年一回と風邪などの時の血液検査で常に年2回ほど検査しているが特に異常なし   
     6)2〜3年まえから膝痛7)2007.8 骨塩量検査 若い人の63% 骨粗鬆症の薬ベネット錠を飲み始めた。

〈最近の風邪〉07.7月ひどい咽の痛みで目が覚め 一回分の銀翹散しかなかったが飲んだらひどい咽痛は収まったが 風邪症状がでてきた。黄色い鼻汁 咽痛 熱はない 36.5度( 熱を出す体力もない?)フロモックス レフトーゼ ムコダイン 3日では治らない 続いて咳風邪になり、 アベロックス+銀翹散(服用して3時間ぐらいだったか?を加えて楽になった)+辛夷清肺湯5日でやっと治った。

 銀翹散は先生のホームページで初めて知った。近所では売ってないのでネットで〇〇〇〇のを買った。風邪を引いたとき特に今回は鼻汁が後鼻漏として絶えず出る。はじめ黄色 あと白色透明 時に泡状。

 (身長1//cm //Kg 血圧128-80)冷え性 顔色は白い 年取ってやや日焼け黄色だが先生によって 中間証といわれる方と 虚証の薬を主に下さる先生あり。
 年齢から言って完全は期待できないかもしれませんが 風邪を引きやすいのと耳鳴り(?)がひどくなるのと 今唯一の楽しみ コーラスができなくなるのは悲しいので何とか改善したいと思います。

〈質問〉1)試してみたいと思っているが辛夷清肺湯が適応か?
2)銀翹散 辛夷清肺湯を使うとして量とだいたいどのくらいの期間
3)副鼻腔炎(?)がおよそ治ったと判じるときは?
4)そのあとの体質改善に必要な薬(先生の書かれているのではやはり銀翹散と辛夷清肺湯?と中草薬でしたね中草薬はどんなものでしょうか?)
5)副鼻腔炎の治療と体質改善の時の薬の量誠に厚かましいですが 教えて頂けませんでしょうか。
 さらにお薬も送っていただけたら有り難いのですが。よろしくお願い申し上げます。


お返事メール: 後鼻漏などで大変にお困りのご様子。
 副鼻腔炎にともなう後鼻漏は通える範囲内の人で、根気さえあれば寛解可能です。
もしも原因が副鼻腔炎ではなくカタル性鼻炎による後鼻漏で水溶性であれば比較的寛解しやすいのですが、粘りの強い後鼻漏であればかなりな難治性です。

 ところで、貴女は銀翹散製剤 と 辛夷清肺湯と中草薬で治るものと思われておられるようですが、それほど単純なものとは限りません。

http://ryukan.seesaa.net/article/36953954.html

ここにも書いていますが、副鼻腔炎が原因の場合でも体質と症状に応じて様々なバリエーションがあり、銀翹散製剤と辛夷清肺湯と中草薬などに限定できるほど甘いものではありません。
 また、失礼ながらご年齢のことも考えれば、地元で通える範囲の漢方専門薬局で気長くピントを合わせてもらうべきです。

 このようなメールだけで処方が決まれば苦労はありません。それが簡単に出来るのなら、メールや電話相談だけでバカスカ安易に漢方薬を売り付けて、荒稼ぎが出来ることでしょう!(それをやってるところも意外に多いようですが←・・・苦笑)

 冗談はさておき、是非、地元で通える漢方薬局を見つけて下さいませ。
 付随する症状から考えましても10日毎くらいに通って、様々な配合上の微調整が必須であることが目に見えていますので・・・


折り返し頂いたメール: 深夜遅く 早速のお返事ありがとうございました。

 銀翹散という薬は先生のホームページで初めて知って おどろきました。
 なんと有り難い薬!!!

 辛夷清肺湯は繰り返し出てくるので 副鼻腔炎と仮定して使ってみたいとメールしました。

 おっしゃるとうり簡単なものではないですね 焦らず良い漢方薬局を探 してみます。
 有り難うございました。


【編集後記】 銀翹散製剤は各社で製造されているが、効果に多かれ少なかれ優劣があるので注意が必要だ。メーカーによっては精油成分がほとんど消失しているものもある。
 村田漢方堂薬局で様々なメーカーを吟味して愛用しているのは、イスクラの天津感冒片涼解楽である。錠剤と顆粒の違いがあるが、それぞれに用途があって使い分けている。

 なお、漢方薬・漢方専門薬局薬剤師の憂鬱 でも更新しているのだが、こちらは訪問者の人数の割にはクリック数がまったくないのだった(苦涙)
ラベル:後鼻漏 耳鳴り