2007年08月06日

巨大な子宮筋腫に対する漢方薬の御質問

性別 : 男性
年齢 : 30歳〜39歳
簡単なご住所 : 近畿地方
具体的な御職業 : 鍼灸師
お問い合わせ内容 : いつもお世話になっております。
 子宮筋腫の患者さんがいて煮詰まってきているので先生にお知恵をお借りしたい次第です。35歳の女性で、左下腹部が大きく腫れています。左下腹部中心に右下腹部にかけて20センチほどあります。脈は左が渋脈です。治療3ヶ月、少し大きくなってきてる気がします。

 元々特に生理痛があるわけでもなく、桂枝茯苓丸を3ヶ月処方してから大量な月経量がなくなり普通量になったとのこと。たまに便が黒っぽいらしいです。これってオ血がきっちり出てることなんでしょうか?月経が少なくなってるのが気になります。桂枝茯苓丸は婦人科で処方されたものを使ってもらってます。

 ブログの巨大子宮筋腫のところにガジュツと三稜とあり、早くしないとガンになるかもしれないので使いたいです。ガジュツと三稜は漢方専門薬局で購入してもらうのが良いでしょうか。
 エキス剤でないのでどう使用すれば良いか困っております。ご指導のほどよろしくお願いします!


ヒゲジジイのお返事メール:文面を拝見して、少なくとも桂枝茯苓丸は適切だと思いますが、確かにこれだけでは20cmもの筋腫を小さくするには薬力不足だと思われます。
 但し、「早くしないとガンになるかもしれない」というのはまったくの迷妄だと思われます。そのような理屈は成立し得ません!

 ところで、貴方は鍼灸師の資格がおありでも、もしも医師や薬剤師の免許をお持ちでないのなら、それ以上の薬物治療に介入されるのは問題点なしとしないように思われます。莪朮(ガジュツ)や三棱(サンリョウ)などを加えるにしても、正しい弁証論治を必要とし、またそれだけを加えれば良いという筈のものでもありません。ソウジュツやヨクイニンなどを加える必要があるかもしれず、その販売方法にしても薬事法上の問題なども絡みます。

 また、全体的な弁証論治に基づいた扶正去邪を行う必要がありますので、メールでのアドバイスはこれが限界のように思います。

【編集後記】 子宮筋腫の場合、悪性の子宮肉腫と区別する事は必ずしも容易ではないという問題を抱えているらしいが、「早くしないとガンになるかもしれない」という論理は成り立たない。
 子宮肉腫の可能性が高いものなら、病院の方から当然、外科手術を勧告されるはずであり、優先すべきはそちらの方である。


折り返し頂いたメール:アドバイスありがとうございます。
 患者さんの中には病院や某有名漢薬局(全国チェーン)で処方された漢方を使って悪化したり、または治っていない現状を目の当たりにしています。
 鍼灸をやるのに傷寒論を避けて通ることができずに自分のできる範囲で患者さんにアドバイスしています。
 鍼灸治療をメインとして、資格の問題もあるのでそれ以上はやっておりません。
 難病を治すには鍼灸だけではキツイ現状もわかってきています。
 鍼灸・漢方ができる環境が患者さんも一番治るのではないかと思っております(理想ですが)。

 小便がきっちり出て脈が渋なので瘀血(オケツ)と思っています。
 沈静化した巨大な毒があるのでいつ発動するかと恐れています。
 それが焦って質問にでてしまいました。
 いつもご迷惑ばかりおかけします。