2007年08月31日

オルスビー錠が逆流性食道炎に効果があったとのご報告と質問

性別 : 女性
年齢 : 30歳〜39歳
ご職業 : パート・アルバイト
簡単なご住所 : 四国地方
お問い合わせ内容 : お礼とご質問
 こちらのHPを最近見るようになり、楽しみにしております。

 また、逆流性食道炎にオルスビーがよいと書いてましたので早速買いました。(実は3年前から苦しんでいます。)
 今二日目ですが、ものすごい楽になりました。
 教えて頂き本当に有難うございます。涙が出ます。

 また、過敏性腸症候群も兼ねておりましたが、それも和らいだようです。
 近くにパンダマークの薬局があるのですが気功でみていて、いつも加味逍遥散と開気丸をくれていました。(+シベリア人参・ボウユウカン(健康食品)・サメミロン等を状況によって加えていました。)

 加味逍遥は一番最初は、手足が温かくなり、便も出てよかったのですが・・・今は効かなくなっています。
 それでもそのパンダの薬局は加味逍遥を出すのです。

 体質改善にグロスミンがいいといわれ、買って飲んでいますがこのHPをみて、健康食品って・・と思うようになりました。イマイチ効果も感じられません。
 やはり飲み続けた方がよいのでしょうか・・・・? ※バナーの方はクリックさせて頂きました。


お返事メール:クリックありがとうございます。こんな楽しみでもなければ、ときどきブログの継続がウンザリしてきます(苦笑)。

 オルスビーで逆流性食道炎に効果があったとのこと、何よりだと存じます。これだけを続けておれば、ほとんど症状が起こらなくなったという人が多いものの、一部の人ではやはりオルスビーだけでは弱く、大柴胡湯や柴胡桂枝湯、あるいは柴朴湯や甘麦大棗湯など、その人の体質に応じた漢方処方の併用が必要な人もあります。

 でも、幸いなことにこの逆流性食道炎は、オルスビーだけでもかなり改善する人が半数近くはおられるように感じています。

 ところで、御質問の件ですが、以前効果があった加味逍遙散が現在では効果を感じられないとのことですが、続けても無意味に感じられるならしばらく中止して、より適切な方剤を選んでもらうべきです。
 なおさらご自分にとって意義を感じられない健康食品もご自身で疑問に思われるなら、奨められるからといってそれに応じる必要はないと思います。
 どのような意味で奨められるのか、しっかりその根拠も説明してもらう必要があると思いますが、やはりご自身で無意味と感じられるものは、やはり多くは貴女にとっては無価値なものに違いありません。

 以上、取り急ぎお返事まで。


折り返し頂いたメール:お返事有難うございました。
 少し、疑問に思う事が多いので違うところに変えてみようと思います。

村田様のような漢方薬局があればいいのですが・・・近くなら、絶対行ってますね。

 何故漢方に惹かれたかといいますと高校の時に出来たにきびが半年で劇的に治ったからです。
 ゼイジョウボウフウトウ?だったかな・・・でも8割方治りましたが未だポツポツ出来ております。これはセイジョウボウフウトウを
飲んでもなおりません。

 HPに書いていらっしゃる。ピントを合わせるという行為
何の世界も同じですが、ピントを合わせるのがはやい人がその世界で一流なのでしょうね。
 それには、一番に経験・あとは勉強でしょうか?

お忙しい中有難うございました。

2007年08月29日

内科医の先生から巨大な子宮筋腫の続報

おたより:東海地方の内科医

 村田さんいかがお過ごし手ですか。
 お盆の前後は40度近い日がつづき熱中症の患者さんが受診され、そのあとには夏ばての方がお越しになられ、清暑益気湯が活躍しています。
  気候もさることながら、世相的にもいろいろとヒートアップしているようでして過ごしにくさを痛感する昨今です。

 本日の本題ですが、過日ご相談した20台後半で巨大な子宮筋腫をお持ちのかたの経過について報告いたします。
 柴胡桂枝乾姜湯+帰脾湯+桂枝茯苓丸を処方し、婦人科ではホルモン療法を4ク−ル受けたところで腹部エコーによる評価が行われました。
 治療を始めるまえに10X9cmのサイズでしたが、治療後のサイズは6x5cmに縮小していました。

 婦人科の先生の感想ですが。「ホルモン療法のみではここまで縮小することは経験がない。すごいことです」との良い評価を頂いたそうです。そして、「ここまで小さくなったのでもう2クール追加しましょう」とおっしゃられたそうです。
 本人としてはホルモン療法中に人為的更年期障害にちょっとまいっていたようですが、効果がよかったことに励まされて継続する意を固めたそうです。
 個人的には以前、悪性リンパ腫を診療していましたが、そのときの評価法で言えば、ほぼpartial remission(不全寛解)に該当します。

 ”邪”と”正”の両面に焦点をあてることに寄与する中医漢方薬学的治療、まさにおそるべしという印象です。
 ほかの疾患の領域にも当てはまることを想像しますと最近の過ごしにくさが吹き飛ぶ感じです。
 このような示唆に富む経験をする機会を与えてくださいまして、村田さんにはあらためて深く感謝する次第です。
 今後ともご助言おねがいいたします。


ヒゲジジイのお返事メール:まだまだ暑い日が続きます。
 ご報告、とても順調な治療経過で何よりと存じます!
 総じて慢性疾患や難治性疾患は、中医学的には扶正と祛邪を同時に行ってはじめて優れた効果を発揮させることが可能であると思います。
 桂枝茯苓丸には薬味中に桂枝・茯苓・芍薬に扶正の性質を一部保有してはいますが、方剤そのものは明らかに去邪の性質主体の方剤ですので、桂枝茯苓丸単独で適応するケースはそれほど多くないものと存じます。

 小生の近況のご報告「予告」というのも奇妙な表現ですが、数日中に、某メーカーの製品開発部門の人が現実的な製品開発の相談に来られます。本当は料亭(苦笑)に招待されたのですが、小生にはそんな趣味はないのでお断りして自宅で秘密会議(笑)です。
 以前から提案している補気建中湯エキスが実現する話を期待しているのですが、それ以外の話なら興味はないので直ぐにお帰り願うことにしています。
 いよいよ実現することを本当に念じているのですが、ヤル気でやれば1年くらいで製造許可が取得できるはずです。

 ともあれ、ますますモラルハザードの日本社会、さいわいに小生の薬局内だけは古きよき時代の日本男児やヤマトナデシコだけを選別させて頂いていますので、まるで別世界です。(その分、責任重大で四苦八苦しております。)
 まだまだ残暑が続きます。ご無理のないようお祈り申し上げます。

【編集後記】 モラルハザードはもともと雇用関係や保険分野における話であり、「モラル」を日本語的な「倫理」として「倫理観の崩壊」とした意味で使用するのはあきらな誤用である(苦笑)。

2007年08月28日

真武湯証が疑われる高校生の御相談

性別 : 男性
年齢 : 10歳〜19歳
ご職業 : 高校生
簡単なご住所 : 北陸地方
お問い合わせ内容 : ご相談があります。名前は●●といいます。
 1?歳なんですが、12歳の時に携帯用ゲーム機で遊んでいたら急にフワッとした(エレベータで上に上がるような昇降感)めまいがしてから以下のような症状が起きるようになりました。

・一日中頭がボーっとしているような感じ(霞むような感じではないです、夢を見ているような感じに近いです)
・一日中頭(目)がクラクラしている感じ・時々寝ているとき沈むような感じ(谷底に引き込まれるような感じです)
・急にフワッとして(エレベータで上に上がるような昇降感)その症状が次の日まで続く(寝て朝になるとフワッとした感じがなくクラクラしたままです。

 そして一ヵ月後、二ヵ月後、三ヵ月後。といつ起こるかはわかりませんが、またフワッとなります)小児科、内科、耳鼻科、神経内科に行きましたが、自律神経失調症じゃないかと片付けられました。
 心電図やCTも撮りましたが異常なしでした。

 すいません以下の問題を回答?返答していただきたいです。
・何の病気でしょうか?
・視神経に支障でもありますか?
・漢方薬で治りますか?(あと、完全に治りますか?)

 以前に友人からもらった苓桂朮甘湯を飲みましたが効果なしでした。
 お返事待ってます。


お返事メール:御質問に対するお返事

何の病気でしょうか?⇒診断は病院の医師のする仕事です。
視神経に支障でもありますか?⇒上記に同じ

漢方薬で治りますか?(あと、完全に治りますか?)⇒漢方薬で治る可能性は充分にあります。可能性として真武湯(しんぶとう)が適応するかもしれない症状(フワッとする)があるようですので、地元の漢方専門薬局で御相談してみて下さい。

 間違っても素人療法は禁物です。指名買いすることなく、直接出向いて、詳しい症状を聞いてもらって、適切な漢方薬を選んでもらうと良いでしょう。
 その中の大きな候補として真武湯の可能性があるというだけで、お問合せ内容だけで迂闊に適切な処方まで断定することは不可能なのです。
 他にも条件によっては、半夏白朮天麻湯などの方が適切なのかもしれませんので、かならず地元の漢方薬専門のところで御相談してみて下さい。


折り返し頂いたメール: お返事ありがとうございます。

わかりました。
一度近くの病院でもう一度聞いてみます。


【編集後記】 漢方薬のことが近くの病院で分れば世話はない。
 一般病院の医師の多くは、漢方薬の知識がほとんど皆無に等しいことはあまり世間には知られてないのも不思議である。
 漢方薬の販売だけで生計を立てている漢方専門薬局で相談するのがもっとも無難なのだが・・・
 まるで噛み合わないお返事であるが、高校生だから止むを得ないのだろう。

2007年08月27日

刺激や環境に左右されるアトピー性皮膚炎の問題点

 今年の目立つ傾向として、相変わらずアトピー性皮膚炎のご相談者が増え続けていることと、若い年齢層(40〜50代)の転移ガンや進行ガンのご相談である。
 とりわけ後者はやや顕著であるが、ここで書こうとすることはアトピーの環境や刺激の問題点である。

 以前、まだ子供さんもよく御相談に乗っていた時代のことだが、たまたま高校生でピアノ科への進学を目指す二人が、両手の湿疹が顕著で、明らかに毎日のピアノ練習に明け暮れるために、鍵盤による直接的な刺激が災いしていることが推測される。
 それゆえ、ピアノ科への進学を諦めるようにアドバイスせざるを得なかったのだが、一人は諦めたお陰で、速やかに軽快し、一人は諦めきれずに苦労して漢方薬で治し、思い通りのピアノ科へ進学できた。

 最近も両手が重症だった二人の女性に、一人は緩解した時点で炊事や手料理?を再開して極度に両手を刺激した為が、他はすべて緩解しているのに、両手だけがやや再発気味である。
 もう一人は、徹底的にお姫様状態で、手を刺激することは一切避けているので、すべて順調に経過している。

 就職したり、職場環境が変わったために、アトピーが急速に悪化して来られる人も目立つ。明らかにその職場環境が体質に合わないのだから、転職するか、職場環境を元に戻すのが最善だが、思うようにならないのが世の常で、土日は軽快して、職場に行くと悪化することを繰り返していた人が意外に多い。
 この逆境に逆らって漢方薬で体質改善を行うのは、互いに相当な忍耐の要る仕事である。
posted by ヒゲジジイ at 00:19| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2007年08月26日

早朝高血圧の人に対する柴朴湯投与の問題点

性別 : 男性
年齢 : 40歳〜49歳
ご職業 : 自営業
簡単なご住所 : 関東地方
お問い合わせ内容 : 現在パニック障害の薬ルボックスの減薬のため柴朴湯を処方箋で1ヶ月前より飲み始めました。
 また早朝型高血圧の治療としてブロプレスを約2ヶ月飲んでいます。

 別の医師より安定剤を長い期間投与されていたためかスタミナもなく中性脂肪値がなかなか安定値に入りません。仕事もデスクワークが多く運動もままなりません。代謝が悪いようで体重も増加気味です(舌苔は中央奥に白く厚く・身長164・体重68)
 ここ2ヶ月で3キロ以上増えました。

 パニック障害自体はかなり治っています。ただ抗うつ剤の副作用らしくすぐに眠くなり運動もコンスタントにはできません。
 先月の血液検査でも中性脂肪320.総コレステロール233.ALT73.γ-gt89と出てしまいました。

 私のようなものに効果がある漢方薬をアドバイスいただければありがたいです。よろしくお願いいたします。


お返事メール:お問合せの内容だけで適切な処方を提示するのは困難ですが、すくなくとも現在服用されている柴朴湯にはやや問題があります。

 早朝型高血圧ということですので、柴朴湯は小柴胡湯と半夏厚朴湯を合わせたものですから、半夏厚朴湯は問題がないとしても小柴胡湯には朝鮮人参と甘草がタップリと含まれており、血圧を上昇させるに充分な配合量が使用される方剤です。
 血圧が正常な人には問題なくとも、すでに高血圧である人には、軽々しく使用すべき方剤ではないと思います。

 つまり貴方のような早朝型高血圧でやや肥満型の人には、柴朴湯は使用すべきではないだろう、まだ半夏厚朴湯単独の方が無難であろうと愚考します。
(より適切な方剤までは提示することは不可能ですので悪しからず。)
posted by ヒゲジジイ at 10:57| 山口 ☀| 高血圧 | 更新情報をチェックする

2007年08月22日

「院内暴力 信頼に傷」 と題した読売新聞記事           (8月19日の朝刊)

 タイトルのような記事が新聞に掲載される時代である。日本国民のすることとは到底思われない行為である。
 記事中で印象的な記載は
医師と患者の力関係が変化している・・・患者の診療費の負担割合が増えたことで、医療サービスを買っているという権利意識が患者側で強まり、「医師と患者は対等以上」という感覚を持つ人が増加している。
という日本看護協会の小川氏の説明である。

 各地の病院は医師不足で悲鳴をあげている上に、思い上がった患者やその家族による暴言や暴力に泣かされては踏んだり蹴ったりだろう。
 歯科医は歯科医さんで、日本全国のコンビニの四万よりも多い7万以上の歯科医院。過当競争に追われて凄まじいバトルといわれるから、一昔前とは隔世の感がある。ワーキング・プアの職種の一つとさえ言われる時代である。

 一方、我々漢方専門薬局はどうか? 意外にまだまだ希少価値があってですね〜〜〜、マナーの悪い連中や逆切れするような無教養な男女をあらかじめ選別して相談拒否することができる。
 ヒゲジジイの薬局ではその数、毎年膨大である(苦笑)。

 その点、病院では法律上、診療拒否はできないのでお気の毒というほかない。

 漢方薬局が相談拒否、販売拒否が出来る理由は何か?
 税制上、なんの優遇措置もなく、一般商業と同様な扱いをされている関係上「イヤな客には売るな!」でよいのである(呵呵大笑!)

2007年08月21日

お互いに苦労したアトピー性皮膚炎の最終的方剤

 地黄・牡丹皮・黄耆・防風・白朮・沢瀉・猪苓・茯苓・滑石・阿膠・山茱萸・山薬

 上記十二味の方剤に体質改善三点セットならぬ二点セットの併用でここ3ヶ月以上、まったく方剤の微調整の必要がないまま安定・改善をみて8割の緩解を維持し、今年中にはほぼ完全緩解の見通しがったった。

 本年1月以来の5ヶ月間はお互いに苦労の連続だった。変転めまぐるしい病状の変化に対応する為、毎週欠かさず一週間ごとに通い詰めてくれた甲斐あってここまで漕ぎ着けたのだった。
 とりわけ最初の4ヶ月間というもの、近年まれに見る苦労の連続だった。ここまで来るために途中で必要だった茵蔯蒿湯も白花蛇舌草も現在はまったく不要で、むしろ邪魔になり始めた時点で廃止している。
 初期には顔面の紅潮と痒みを取るのに必要だった茵蔯蒿湯も現在は不要になり、むしろ邪魔なのである。

 実は上記の十二種類の薬味から構成された方剤、な〜〜〜んのことはない! 衛益顆粒(玉屏風散製剤)・六味丸製剤・猪苓湯製剤を併用してもらってるだけのことだ。
 超重症だった割には、あまりにもチャチに思えるこれらの方剤の組み合わせが、仕事も家事も全く不能になり、病状も体力も気力も破壊的な最悪の状態から脱出させるのに素晴らしい威力を発揮したのである。

 完全に安定すること3ヶ月以上、こんなに互いに苦労が必要だったのは、あまりにもデリケートで繊細なアトピー性皮膚炎であったからに他ならない。


 蛇足ながら、まったく苦労せずに最初っから知柏腎気丸製剤と体質改善三点セットのみで初回からドンピシャリ、完全に安定して即効的な改善をみている人も昨日、報告と追加補充をされている。
 上記の例と比較すれば、同じアトピー性皮膚炎でも互いの苦労の度合が雲泥の差である。
 当方の能力的な限界に左右されているのだろうか。
posted by ヒゲジジイ at 00:06| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2007年08月20日

逆切れ女性の多いこの日本にもはや明日はないだろう

 昨日のような逆切れ女性の例はこのブログはじまって以来の初の椿事であるが、電話では毎年何例もある。実に女性達ばかりの逆切れである。
 男性では不思議と、ない!
 ヒゲジジイの筋力?が電話で見えるはずもないし、多くは女性薬剤師が電話の受付だから、男性の方が日本人的な感性を維持している割合が強いということだろう。

 先日の土曜日の午後、初老らしき男性からのお電話に、今日はお休みで月曜日からです、という女性薬剤の応対。
「相談だけでよいんだが・・・」という言葉に、
「当方はご相談だけというのはやっておりません」
「お宅は普通の薬局だろう〜〜〜?!」
「いいえ、普通の薬局ではありません、漢方専門でオブラートも体温計も置いてない薬局です」
 
 問い合わせの相手が女性だった場合、このような返事を同様に行っていたら、おそらく半数近くは逆切れであろう。これまでも、しばしば女性の逆切れには遭遇して慣れっこにもなってきたが、もはやヤマトナデシコも何もあったもんじゃない。

 男性だから素直に引き下がってくれたが、開局日の慌しいときに単なる相談だけで貴重な時間を奪われたくないので、感じが悪いと思われても、正直に当方の方針をお伝えしている。8月14日のブログにも
 一旦、直接お会いして漢方相談を経て後、お薬をお渡しする縁が出来たからには、そのご縁をとても大切にするかわりに、単なるお問合せなどの新しい人には、とても警戒心が強いということでしょうかね〜〜、いずれのお問合せに対しても、ほとんど反射的にお断り口調になってしまってるんですよね(苦笑)。
 と書いたばかり。

 つまり、逆切れするような女性は断じて受け付けないので、常連さんや最近のお馴染みさんにしても、すべて古きよき時代の日本の奥ゆかしい雰囲気の薬局であると、いつも誇っている通りである。

 ガラが悪いのはヒゲジジイだけ!
 村田漢方堂薬局のお馴染みさんにはヒゲジジイ特有の逆説やレトリックに一々腹を立てるような無教養で馬鹿な女性は皆無である。

 しかし、思い出してみれば一度だけ、15年前だが、男性に逆切れされたことがあった。糖尿病と心疾患の相談だったが、こちらが検査数字は如何ですか? と訊いたその訊ね方が癇に障ったらしく、

「お前が病院に電話かけて訊けっ!」と突然怒鳴りだすのである。見るからにコワモテムードの男性だから、勢い凄まじく罵りまくって止まらない。

 ヘビー級のフォアマンがリングに再帰して頑張ってた頃だから、まだヒゲがなかったヒゲジジイも昔を思い出して煽られ、サンドバックを再開していた頃である。血の気がまだまだ多かった。
 じっとオトコの喚く悪態を聞いていたが、とうとう我慢ならず、「フザケルナー!」と大喝を浴びせ、今にも張り倒しそうな勢い。(ボクシングって反射的に手が出る場合がある。)

 ひるんだ巨漢オトコは、「警察を呼べ〜〜〜!」と来た。警察には同級生が近くにおり幸いなことを言ってくれる、みずから豚箱に入りたいらしい・・・・・・・・この話はこの辺で止めときましょう。


 こんな話よりも、考えてみれば明日から9日ぶりに仕事である。明日こそ逆切れするような無教養な女性に遭遇しませんようにっ(祈願!)

2007年08月19日

真剣勝負の気合が全く通じない問答(噛み合わないとこのような事態に=無礼千万な逆切れメール)

性別 : 女性
年齢 : 40歳〜49歳
お問い合わせ内容 : 漢方について調べておりました所、先生のサイトを拝見いたしました。

 早速ですが、相談です。75歳の父が、血尿が出て、病院でAPS検査したところ、前立腺がんの疑いがあるので、詳しく検査をした方が良いといわれました。
 母が漢方を飲んでいて、何年か付き合いのある漢方の薬剤師の方から、漢方薬を買い(父の状態をどのように話したかは分かりませんが)父に漢方を飲ませています。
 何を処方しているのかは分かりませんが、血尿は止まりました。
 他の自覚症状は現在無いようです。
 地方のため、他の病院でないと精密検査が出来ないので、他の病院に検査を依頼しに行きまして、その時にもう一度APSの数値をはかりました。
 漢方薬を10日程飲んでいました。数値は前回より下がっていました。医者は不思議がっていました。漢方薬を飲んでいることを話さなかったのだと思います。

 それでも数値は高い方でしたので精密検査は受けることになりました。数値が下がっていたので、喜んだ母は、精密検査をする前にも漢方薬を飲んだまま精密検査をさせるつもりです。

 このまま漢方薬を飲んで、検査を受けていいものでしょうか?
 私としては、今の段階で検査前に漢方を飲むことは、検査に影響があると思い、飲まない方が良いのではと思っています。
 飲んでいることを医者には話すべきだと思うし、今現在、はっきり前立腺がんだと宣告されたわけではないので、どのような漢方の処方をされているのかもわからないので。

 しかし、母は聞く耳を持ちません。父もそれで納得しているので良いと言っています。
 このような状態で、検査を受けていいものなのでしょうか?
 
 長くなり申し訳ありませんが、このようなご相談ですが、アドバイスいただけたら幸いです。


ヒゲジジイのお返事メール:  結果的には明らかに効果が出ているらしい漢方薬を、検査のために服用を中止すべきではないか?とお考えの貴女の本末転倒した考えにはまったく理解に苦しみます。

 検査そのものは治療でもないのに、世の中には検査そのものがさも素晴らしい治療のように錯覚を起こされているオメデタイ人が多い現実には苦笑を通り越して絶句するのみですよ。

 明らかに効果が出ている漢方薬を、検査があるからという理由で止める理由がどこのあるのでしょうか? 
 もしも検査によい影響が出たらますます嬉しいことではないでしょうか?
 検査の為に治療を遅らせる〜〜〜それほど漢方はチャチなものではありませんよ。
 悪性のものであっても、初期癌などでは一部の医師は漢方薬の服用を禁止する同じ医師が、次第に進行して西洋医学的には手の打ちようがなくなると、今度は一転、漢方薬でも健康食品でもお好きにドウゾどうぞ!と180度発言が異なる現実をどう思われますか?

 以上は、あくまで個人的な見解ですので、すべては貴女様の自己責任で御判断下さいませ。


折り返し頂いたメール:早いお返事をありがとうございます。
 私は、漢方薬を否定しているものではありません。
 私自身も漢方を現在飲んでおります。
 効果が出ていることを認めております。
 漢方だから、やめたいといっているのではありません。
 先生もおっしゃっているように、きちんと検査を受けてから、病名や体の状態がはっきりとわかってからでも漢方を処方したいと思っていた次第です。

>  検査そのものは治療でもないのに、世の中には検査そのものがさも素晴らしい治療のように錯覚を起こされているオメデタイ人が多い現実には苦笑を通り越して絶句するのみですよ。

このようなことなど思ったこともありません。

>  検査の為に治療を遅らせる〜〜〜それほど漢方はチャチなものではありませんよ
 
 このようなことも思っておりません。

> 悪性のものであっても、初期癌などでは一部の医師は漢方薬の服用を禁止する同じ医師が、次第に進行して

はっきりと癌であるのか、そのステージがどの程度なのか、体の状態も現在分からない状態で、漢方を飲んで検査をしても良いかどうか、お聞きしたかっただけです。

 検査は2週間後です。前立腺がんは進行が遅いので、この間に、漢方薬をやめたら、手遅れになるのでしょうか?

> 西洋医学的には手の打ちようがなくなると、今度は一転、漢方薬でも健康食品でもお好きにドウゾどうぞ!と180度発言が異なる現実をどう思われますか?

 それは、私に対しての言葉ではなく、ご自分のブログにお書きください。
 このように人を、軽蔑したようなお返事をされるとは思っても見ませんでした。
真剣に相談をしたものに対してのお返事とはとても思えません。
漢方を否定でもされたとお思いになられたようですね。
とんだ、勘違いです。


【編集後記】:最後のお返事メールとしても送付済み 人が真剣に個人的な見解を送ってあげても、決まって女性なんである、自分に気に入らない返事が返ってくると逆に噛み付かれる。
 ヒゲジジイに質問すれば、真剣勝負の返事が返って来るくらい覚悟すべきはずだが、親切をアダにするのは決まって女性達である!
 質問してチヤホヤされると思ったらお門違いだ。本当の真剣勝負というものはこのように匿名でなく、堂々と本名でやってますけどねっ・・・・
 そりゃ〜〜多少は軽蔑もしますよ。匿名で来た質問に対して、しかも内容が内容ですからねっ!

 実に検査までの2週間を侮る気が知れませんよ。 せっかく効果が出ており、ましてや御本人夫妻がそれでよいと納得しているものを・・・!

 今後はご本人でもない身内やご家族からのお節介な質問に対するお返事はしないことにする。相手は匿名だ。こちらの回答が気に入らぬとこの通り、匿名で喧嘩を売られた日にゃ立つ瀬がない。


折り返しヒゲジジイの懲りない老婆親切メール:
 
  生死事大(生死事大)
  無常迅速(無常迅速)
  光陰可惜(光陰惜しむべし)
  時人不待(時人を待たず)


折り返しのメール:ご自分の2回目の返事だけはサイトに乗せるとはあきれましたね。

 散々人をこき下ろしておいていい気なものです。

 ご自分の言葉でまともに返事を返すことも出来ないとは

 このサイトを見つけたときに、先生が「漢方薬を考える前に、病院における「諸検査」「標準治療」を充分に受けてから、それでも不十分という場合に、初めて漢方薬の利用を考えられても遅くはないはず」とおっしゃっており、その考え方に私としても賛同しての相談だっただけに、残念です。


お返事メールを送るとしたら:原則論ばかりふりかざさないで、臨機応変さや融通性はないのでしょうか?

 すでに漢方を利用しておられてしかも効果が出ているというのに、こういうのを相手をやり込めるためのコジツケというものです。あまりに考え方が硬直していやしませんか? 
 だからやはり最初にお送りしたメールの内容は正解だったと思いますよ。やはり貴女の気に入るようなお返事とは断じてなりそうもありません。
 なお、金輪際、これ以上無礼なメールを受取るつもりはありませんので悪しからず。


(今回の匿名中年女性による不遜なメールを受けてはじめて受信拒否設定の存在価値がよく理解できた。)


関連参考ブログ: 漢方薬を止めさせようとする身内のお節介

2007年08月18日

25時間後に戻って来たメール(未着メール)

 こちらはパソコン、相手は携帯、これまで毎月、正常にメール交換が可能だったのに、昨夕に頂いた(1年以上のお馴染みさんの)御質問および補充注文に対して、いつものように詳細なお返事とともに確認メールを直ぐに返送していたはずが、25時間後の今になって送信失敗の報告がやって来た!
This Message was undeliverable due to the following reason: Your message was not delivered because the destination computer was not reachable within the allowed queue period. The amount of time a message is queued before it is returned depends on local configuration parameters.
Most likely there is a network problem that prevented delivery, but it is also possible that the computer is turned off, or does not have a mail system running right now.
 分ったような分らないような理由でサッパリ。再度、同文のメールを相手に送信してみたが、果たしてまともに着くのやら〜〜〜〜、携帯には長文のメールは送信不能ということなのだろうか???

 追記:以下の翻訳文、見るに見かねてAさんがメールで翻訳して送って下さった。
 このメッセージは、以下の理由から配達できませんでした。あなたのメッセージは、送信先のコンピューターに待ち時間内に到達できませんでした。
 そのメッセージが戻ってくる待ち時間は地域のパラメーターによって異なります。
 おそらくネットワークに問題があり、配達されなかったものと思われますが、相手のコンピューターの電源が切れているか、メールシステムが稼動していないのかもしれません。


後日談:19日からはスムーズに交信可能となり、互いの用件を済ますことができた。してみると関東地方で震度4の地震との関係があったのかもしれない。某関東地方のお馴染みさんの携帯メールだったので・・・
 ともあれ、一件落着。
ラベル:未着メール
posted by ヒゲジジイ at 20:29| 山口 ☀| とんでもない話や、信じられない困った話 | 更新情報をチェックする

2007年08月17日

「氷伏」の出典を調べてきたこと

 以前から気になっていた「氷伏(ひょうふく)」の出典をしらべてきた。
 以前、月刊「和漢薬」誌に拙訳で連載していた陳潮祖先生の『中医病機治法学』の「清熱法」のところで、清代の名医・葉天士の言葉として
 熱病は涼薬を用いるに、すべからく活血の品を佐としてはじめて冰伏の虞(おそれ)あるを致さざるべし。けだしおよそ大寒大熱の病の後は、脈絡中に必ず推蕩不尽の瘀血あり。もし去除せずんば、新生の血は流通することあたわず、元気ついに復することあたわず、甚だしきは転じて労損となるものあらん。
 というのを取り上げておられたことは判明していた。
 しかしながら、この葉天士の名言が引用された他の書籍や、名言集の書籍における解説文を読んだ記憶が確かにあったので、ここ数ヶ月、折々に書庫中を捜し続けていた。

 若い頃から中医学書を少々は読んできた割には、出典の保存をマメに行ってこなかった怠慢は覆うべくもないが、少なくとも読んだ本の気になったところは、コヨリなどを入れていたはずだ。
 また、すでに目を通した本は広島県の私設漢方薬研究所に移動させたものが多いので、もしやと思って急に思い立ち、15日〜16日にかけて行って見た。
 そして発見したのが、下記の画像にもあるように清代の周学海著『読医随筆』と1992年に中国医薬科技出版から発刊された『名医名言薈蕐』であった。


この『中医名言薈蕐』には中医名言の302番目として、

 熱病用涼薬、須佐以活血之品、始不致有氷伏之虞。

 を掲載している。その出典として清代の周学海著『読医随筆』病後調補須兼散気破血の項において葉天士の言葉として引用されたものとされている。
 解説も付されており、その解説中には
 熱病に涼薬を投与するのは正しいが、涼薬を過剰に用いると血を凝滞させて瘀血を形成させたり脾胃を損傷する。「熱病が治りきらないうちに涼病が生じる」ということになりかねないので、佐薬として活血薬を加えるべきなのである。
とあるが、初出の『読医随筆』に葉天士が述べた趣旨をさらに拡大した解釈がなされており、これらをヒントに、広義の氷伏と狭義の氷伏 に発展させた解釈も成り立つのではないだろうか。

 ともあれ、葉天士の名言としてはじめて記載された書籍は清代の周学海著『読医随筆』であろう、という結論である。すなわち「氷伏」論の出典は周学海の『読医随筆』であるということのようである。
posted by ヒゲジジイ at 01:44| 山口 ☀| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2007年08月14日

連休だからといって遊んでる訳じゃない・・・やっぱり仕事をしてるんですよ

 毎年、盆と正月は一週間前後休みを取っていることは数日前にも書いた
 でもね〜〜っ、毎年やっぱり休み中もかなり仕事をしてるんですよ。電話はポツポツかかって来るし、メールはかなり頻繁に入って来るし、既に薬をお出ししている人では、遠方で再々は来られない人には、連絡が入れば送って差し上げているし、とりわけ13日は開店日と同様に忙しかった。
 薬局の入り口を開けてないだけ気が楽というもの。

 近隣で休みと知らずにやって来られた人で、既に薬が決まっている人は例外的に入り口を開けて、無駄足にならないようにしてあげたし・・・結構、忙しい月曜日だった。
 但し、例によって電話によるストレンジャーからの依頼はすべてお断り。
 まず、親が代理で高校生の肥満を漢方薬で何とかならないだろうか、というお問合せ。肥満なんて、漢方薬でヤル気でやれば、比較的順調にスマートになれるものだが、そもそも子供は苦手だ。親が当方の漢方薬服用経験がない限りはお断りである。もちろん休み中には、一切、新人さんは受け付けていない。
 
 次の電話は、帰省中だが常用している辛夷清肺湯を分けてもらえないかというお問合せ。(見ず知らずの人に、製造元の違いなどでトラブルになるのがオチだから)これまで購入されているところでお求め下さいよ、と女性薬剤師がお断りしていた。

 本日14日はさすがに本業は暇になったが、やはり地元のまだ数回目の新しい人で、まさか休みだとは思わなかったというご夫妻に特別に入り口を開けて決まった配合をお渡しした。

 一旦、直接お会いして漢方相談を経て後、お薬をお渡しする縁が出来たからには、そのご縁をとても大切にするかわりに、単なるお問合せなどの新しい人には、とても警戒心が強いということでしょうかね〜〜、いずれのお問合せに対しても、ほとんど反射的にお断り口調になってしまってるんですよね(苦笑)。

 逆にそちらのほうもヒゲジジイに警戒心を持っているでしょうが、こちらだってというか、こちらこそ自己責任能力のない虚妄の正義がはびこるこの日本社会にあって、嫌な客には貴重な漢方薬を売りたくない、というのが本音かもしれないね。

 給食費も払わない非常識な連中が跋扈する日本社会だもの、こちらだって警戒しますよ。
 しかも、患者さんがいつの間にか患者様に昇格してしまったこの國だもの。いまにきっとカルタゴのように消えて無くなるでしょうよ、魑魅魍魎が跋扈するこのクニは・・・

2007年08月13日

病院の内服薬でも治らない爪水虫に効く薬はありますか?

性別 : 女性
年齢 : 20歳〜29歳
簡単な御住所 : 中部地方
ご意見やご質問をどうぞ : 爪水虫で悩んでいます。
 以前皮膚科のほうで内服を処方され一年ほど服用していましたが効果を感じられず今は飲んでいません。何か効果の期待できるお薬は無いでしょうか・・・?


お返事メール:漢方専門の薬局で、漢方系の水虫薬「華陀膏」や「土槿皮チンキ」を購入されて根気ヨク患部に塗布すれば、多くは治ります。前者は軟膏、後者は液体ですが、いずれもそれほど高価なものではないので、両方を購入されて、複数の爪だったら、どちらがより効果的かを比較実験するとよいかもしれません。
 詳しくは地元の購入先でも指導してもらうとよいと思います。


【編集後記】 漢方と漢方薬の真実 のお問合せフォームからの御質問である。
 このHPの平成17年6月1日の日録には、爪水虫に関する次のような記載がある。

大変よく効く水虫の薬は、全国どの地方でも売っています! 肝障害を生じる危険性のある内服薬を、医師に処方してもらう必要などありません!(使用するのは爪水虫でも重症者に限るべきでしょう)

 この日録で、再三再四書いているのが、水虫薬の「華陀膏」と「土槿皮チンキ」。

 テレビや新聞で派手に宣伝されている、例の医師が販売、じゃなくて、診断して処方してくれる内服薬を服用する必要が、どこにあるのだろうか?
 あそこまで執拗に宣伝するのは、どういうことだろう?
 本当に水虫患者?さんのことを親身に思ってやっている宣伝なのだろうか?
 村田漢方堂薬局では、医師の処方された水虫薬の副作用相談で、いい迷惑をしている。儲かっていいじゃないか、と卑俗なことをいうなかれ!

 そもそも、水虫くらいの疾患で、肝障害などのかなり深刻な副作用の危険をおかしてまで、どうして服用しなければならないのか?
 重症者に止むを得ず投与されるのとは訳が違う。ごく軽症の水虫患者にさえ投与するから、問題が大きいように思われるのだ!

 上記の中国から輸入された外用医薬品は、日本全国の漢方を専門とする多くの薬局で売られている。漢方専門でなくとも、薬局なら売られているところも多いときく。わずか、千円台の外用薬だけで、充分に軽快するものを、実に理解に苦しむ日本社会である。

posted by ヒゲジジイ at 23:54| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2007年08月12日

日本国中に蔓延している流行病「虚妄の正義」

 萩原朔太郎著のアフォリズム集『虚妄の正義』は題名通りの内容で、日本国中に蔓延している正義ヅラした卑劣漢をこきおろす内容ばかりというわけでもないのだが、実に共感するアフォリズム揃いである。昔も今もたいして変わることはない。

 しかしながら、明らかに間違った日本語を用いることの多い萩原朔太郎には、やや嫌悪感を抱かざるを得ない部分もある。
たとえば「伝統した」や「傾向する」など

 この元版は昭和4年が初版(第一書房刊)だが古書価が非常に高い。ところが、昭和五年に出された普及版以降のものは増刷する毎に装丁が微妙に異なり、しかも安価に入手できるものだから、いつのまにか何冊も集まってしまった。

 これらの書籍も含めて、いつの間にか本立てに収まらなくなった専門外の書籍の整理を休暇中に行う予定でいるが、手に取った本を読み始めるともう止まらない。だから遅々として整理がはかどらない。

「少壮いくときぞ、老いをいかんせん」という文が眼に入ったところで本を投げ捨てた。

posted by ヒゲジジイ at 23:45| 山口 ☁| 日本人としての自覚の問題 | 更新情報をチェックする

2007年08月11日

盆と正月に一週間休業する本当の理由

 盆と正月前後は決まって一週間前後は休業するようになって二十五年以上なるだろう。それ以前は三日くらいしか休暇を取らなかったものだが、どうして当時の二倍以上の休暇を取るようになったかと言えば、単に釣り三昧の日々を送りたかったからだけ、という訳でもない。

 この休暇中に時間をもてあました親子連れの物見遊山気分の連中がどっと繰り出して押しかけられるからである。
 皆がミナお気楽気分でもないだろうが、人に連れられて渋々来られる人も多くなるし、連中に真面目に付き合ってはおれないからだ。
 漢方相談というよりも、逆に質問攻めに合うことも多く、たとえば、ナニナニ病も漢方で治りますか? あれも漢方で治せるのですか? と、相談机の前にデンと座り込まれて、手前勝手な実に張り倒したくなるような時間つぶしをやられるのである。

 ヒゲジジイの性格上、こちらが納得行くまで相談時間をかけて、無い頭を振り絞るほうだから精一杯1〜2時間以上も時間をかけて、漸く暫定的に得た結論の漢方処方を提示すると、処方名をこそこそとメモに取って「今日は御相談だけとうことで、また出直しますよ〜〜〜」と来る!
 最初にヒヤカシだということを見抜けなかったこちらも愚鈍ではあるが、慈善事業じゃあるまいし、こんな無駄な労力を行うくらいなら休暇をタップリ取って逃亡するに限るのである。

 と、こうしてせっかく休暇を取っていても、必ず特別に御相談に乗ってもらえませんかというストレンジャーが必ず、電話のみならず直接やって来られる人もあるのが、この8日間なのである(苦笑)。でもすべてお断り。
 稀に特例があるのは、すべて常連さんの緊急の時だけですよ。

 なお、メールの送受信だけは世界中どこにいてもパソコンがあればこちらからも返事可能ですので、現在服用中の方は、ご遠慮なくどうぞ!

 ところで土曜日の今日までやっています。
 でも土曜日は昼12時までです。
 多少の延長戦になる可能性はあるでしょうけど・・・

2007年08月10日

玉屏風散証(衛益顆粒)の見分け方

 クーラーに弱い人、暑がりである反面、クーラーが嫌い、クーラに入っていると一枚羽織たくなる人の多くは衛気虚があって玉屏風散証の体質者に多い。
 もちろん同類の補中益気湯証の人もいるが、その区別を書いていたら大変だから端折る。
  これ、アトピー性皮膚炎の人に意外に多い。今年だけでもどれだけの人に遭遇したことか。そして多くは●●●証と合併している。

 これ以上書くと企業秘密?を明かすことになるから、これでやめておく。
 そのかわりに萩原朔太郎の名著『虚妄の正義[昭和4年が初版。但しヒゲジジイの所有は昭和5年の普及版(涙)] の一節をここに転載して人生訓の一つとして参考に供したい。
 流行は、たいていの場合、それの需要者によって作られないで、それの供給者によって作られる。即ち頭の好い商人たちによって創案され、頭の悪い婦人たちによって需要される。
 まあ〜〜、ありきたりな内容かもしれないが、納豆ダイエットやニガリダイエットに飛びついたり、トンデモナイブームに巻き込まれるのは多くはご婦人達だから、それは昔も今も変わらない。

 昨日も他の漢方薬に配合上、茵陳蒿湯を加えて服用した人が、20日間で2Kg痩せた。一昨日は一ヶ月で3Kg痩せた人が喜んでいた。村田漢方堂薬局の茵陳蒿湯はとびっきり安くてよく効くから評判が良い。
 貴女は信じますか?
posted by ヒゲジジイ at 01:54| 山口 ☁| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2007年08月09日

昨日は兼好法師の真似して自画自賛をやってみたけれど・・・

 昨日のブログでは卜部兼好(うらべのかねよし)さんのまねして自画自賛をしてみたものの、外見の豪華・豪勢なクリニックや壮麗な漢方薬局に対するコンプレックスの反動による漱石枕流・自画自賛に過ぎないのだろう。
 二泊三日以内に多少とも漢方薬の効果を感じてもらえることは、何度自慢しても自慢し過ぎではないほど(笑)実際に数多いのだが、もちろんヒゲジジイにも弱点がないわけではない。

 心(こころ)の病の御相談で来られた場合にはそうも行かない場合もあり、また一部の後鼻漏の悩み、蓄膿症が原因ではなく(蓄膿症が原因ならそれほどの苦労はないが)、鼻閉塞などをまったく伴わない透明で粘稠な後鼻漏の場合は、西洋医学は勿論、各地の漢方薬を歴訪して治らなかった人が多いだけに、流石にヒゲジジイも頭を抱えているケースばかり。

 その点、アトピー性皮膚炎の多くは三日以内に速効を得た場合も多いし、それほどでなくとも僅かな効果は三日以内に出していることがほとんどなのである(喜笑)。
 といっても、帰宅されて以後も、しばらくは複雑な微調整に頻繁なメール交換を必要とすることはほとんどだから、アトピー性皮膚炎は決して侮れないものの、互いの根気さえあれば過去の経験例は膨大であるから、完全緩解の確立はとても高い。

 実は現時点でのヒゲジジイの弱点は、一部の後鼻漏と心(こころ)の問題の御相談ということが言えそうだ。
 ただ、前者の場合、どこへ行っても治らないので、ヒゲジジイのところで治るまで頑張るとおっしゃる奇特な人達が複数おられるので、この方たちが治ってくれるまでは、この世にもあの世にも逃亡できない苦汁の日々が続くのだった(苦苦苦涙)。

 心の病については、漢方薬で一定レベル改善されても、一部の人は病院から出される向精神薬の減量や廃薬に困難な人がおられる。
 この点では、ステロイド依存の強いアトピー性皮膚炎の人が、比較的スムーズに離脱できるのと好対照である。
 アトピーでは順調にステロイド離脱が比較的短期間で可能になる人がとても多いのに比べ、心の病の向精神薬ときたら、一部の人では離脱がなかなか困難なのである。

 ちょうどヒゲジジイの哲学の煙のように!

2007年08月08日

本当はやさしい?!ヒゲ薬剤師

 HPやブログを見て来られる人の多くは、恐ろしく厳格な口うるさいヒゲジジイを想像して、かなり身構えて来られる人が多いのだが、実際には意外にズッコケジジイだったというので、ホッされる人の方が断然多いのが現実である。

 ところが、いつまでも恐怖のマナコで後悔の色が続くことが多いのが、20代前半の女性達。よほど先入観が災いしているのか、あるいは探偵のような眼光鋭く観察されるようで、蛇に睨まれた蛙の心境に陥るのか? 却ってこちらの方がハラハラして萎縮してしまう。

 遠方から来られる人では、時に初対面早々、明らかに落胆の印象と気落ちする様子が伺えて、その様子の反映でこちらの方が萎縮して急性鬱症に陥りそうになることがある。
 遠路はるばる来るには来たが、なあ〜〜〜んだ、こんなみすぼらしい単なる田舎の薬局で、これまで通ってた都会の豪勢なクリニックや漢方薬局に比べて、いかにもウラビレタ〜〜〜という眼差しには、内心泣きたくなる(苦涙)。

 被害妄想も甚だしいと言えばそれまでだが、初日に服用してもらった漢方薬が効を奏して、翌日には昨日と打って変わってやや信頼が芽生え始めたらしい明るい表情で、食欲も増したことに安堵の胸を撫で下ろしたことも数多い。
 初日にピントがずれていて、二日目に慌てて修正して帰宅する三日目に改善効果が目に見えて、面目をほどこしたこともある。

 というように意外に下関におられる三日以内に漢方薬の効果を発揮させたことは再三再四で珍しいことではない。
 この二行の腕自慢をする為の長い前置きを書いたみたいだが、前置き文の内容は、被害妄想でなければほとんど事実に違いないから情けないのである(痴苦笑)。

 二泊三日の間に、多少とも漢方薬の良好な反応を出すというのは、もの凄い神経を消耗するので、とても辛いな〜〜〜と思うときも多いが、翌日に効果が多少でも現れたときは快感なのである。
 但し、それですべての配合が決まった訳ではないので、帰られた後にも頻繁なメール交換による微調整がしばらくは続くことになる。
 また、これが出来ないような人は、わざわざ遠路はるばる来られても意味がない。

 結局、兼好法師のような自画自賛と毒舌に終わったのかもしれないネっ?!
posted by ヒゲジジイ at 00:53| 山口 ☔| 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする

2007年08月07日

ナンセンスな質問電話「保険はききますか?」

2007年6月22日のボクチン(3歳)
2007年6月22日のボクチン(3歳) posted by (C)ボクチンの母

 先月の7月18日に、このブログとメインサイトを更新して
※初めての場合はお電話やメールだけによる漢方薬の販売は行っておりません。
※お電話での漢方相談は、直接来局されて御相談後に漢方薬購入歴があれば、必要に応じて御利用できます。
という文言を挿入しただけで、ここ半月以上、奇跡的にナンセンスなお問合せ電話が激減した。

 その7月18日のブログは、大切な常連さんの電話を邪魔する不毛な電話攻勢の毎日 というタイトルで愚痴った後に、このブログと上記のメインサイトに同様の趣旨の文言を追加したお陰で、覿面に効果が出たのだった。(そのかわりにGoogleやYahoo!の検索順位が下落する附録が付いてしまったが・・・苦笑

 昨日は、ほんとうに久しぶりに、
 ネットでみましたが、冷え性に効く漢方薬はありますか? 保険はききますか? という電話での久しぶりの珍問。
 この「保険はききますか?」という愚問というか珍問といおうか、このようなナンセンスな質問をされること自体、一般常識の欠落した人として判断せざるを得ない。
 別の意味でならヒゲジジイも一般常識が欠落していると言えなくもないが(たとえばブログに本音を書き過ぎるという点など)それとこれとは別問題である。

 漢方薬局に向かって保険はききますか〜〜? はないだろう。
 これまでにも再三再四、説明して来たことだから、イマサラ書く気にもならない。
 みなさん保険のきく漢方薬で治らないから、止むを得ず出費覚悟で来られてるみたいですよ〜と、漸く抜歯の化膿が回復した女性薬剤師が、うまくかわしていたようですけどねっ。

 今回は逆切れされずに済んだみたいで、ホッとしてましたよ〜〜〜クワバラ、くわばら

2007年6月22日のボクチン(3歳)
2007年6月22日のボクチン(3歳) posted by (C)ボクチンの母

2007年08月06日

巨大な子宮筋腫に対する漢方薬の御質問

性別 : 男性
年齢 : 30歳〜39歳
簡単なご住所 : 近畿地方
具体的な御職業 : 鍼灸師
お問い合わせ内容 : いつもお世話になっております。
 子宮筋腫の患者さんがいて煮詰まってきているので先生にお知恵をお借りしたい次第です。35歳の女性で、左下腹部が大きく腫れています。左下腹部中心に右下腹部にかけて20センチほどあります。脈は左が渋脈です。治療3ヶ月、少し大きくなってきてる気がします。

 元々特に生理痛があるわけでもなく、桂枝茯苓丸を3ヶ月処方してから大量な月経量がなくなり普通量になったとのこと。たまに便が黒っぽいらしいです。これってオ血がきっちり出てることなんでしょうか?月経が少なくなってるのが気になります。桂枝茯苓丸は婦人科で処方されたものを使ってもらってます。

 ブログの巨大子宮筋腫のところにガジュツと三稜とあり、早くしないとガンになるかもしれないので使いたいです。ガジュツと三稜は漢方専門薬局で購入してもらうのが良いでしょうか。
 エキス剤でないのでどう使用すれば良いか困っております。ご指導のほどよろしくお願いします!


ヒゲジジイのお返事メール:文面を拝見して、少なくとも桂枝茯苓丸は適切だと思いますが、確かにこれだけでは20cmもの筋腫を小さくするには薬力不足だと思われます。
 但し、「早くしないとガンになるかもしれない」というのはまったくの迷妄だと思われます。そのような理屈は成立し得ません!

 ところで、貴方は鍼灸師の資格がおありでも、もしも医師や薬剤師の免許をお持ちでないのなら、それ以上の薬物治療に介入されるのは問題点なしとしないように思われます。莪朮(ガジュツ)や三棱(サンリョウ)などを加えるにしても、正しい弁証論治を必要とし、またそれだけを加えれば良いという筈のものでもありません。ソウジュツやヨクイニンなどを加える必要があるかもしれず、その販売方法にしても薬事法上の問題なども絡みます。

 また、全体的な弁証論治に基づいた扶正去邪を行う必要がありますので、メールでのアドバイスはこれが限界のように思います。

【編集後記】 子宮筋腫の場合、悪性の子宮肉腫と区別する事は必ずしも容易ではないという問題を抱えているらしいが、「早くしないとガンになるかもしれない」という論理は成り立たない。
 子宮肉腫の可能性が高いものなら、病院の方から当然、外科手術を勧告されるはずであり、優先すべきはそちらの方である。


折り返し頂いたメール:アドバイスありがとうございます。
 患者さんの中には病院や某有名漢薬局(全国チェーン)で処方された漢方を使って悪化したり、または治っていない現状を目の当たりにしています。
 鍼灸をやるのに傷寒論を避けて通ることができずに自分のできる範囲で患者さんにアドバイスしています。
 鍼灸治療をメインとして、資格の問題もあるのでそれ以上はやっておりません。
 難病を治すには鍼灸だけではキツイ現状もわかってきています。
 鍼灸・漢方ができる環境が患者さんも一番治るのではないかと思っております(理想ですが)。

 小便がきっちり出て脈が渋なので瘀血(オケツ)と思っています。
 沈静化した巨大な毒があるのでいつ発動するかと恐れています。
 それが焦って質問にでてしまいました。
 いつもご迷惑ばかりおかけします。