2007年07月31日

意外に多い甘麦大棗湯証

 28日のブログのご挨拶に、東海地方の先生(医師)からのユーモアに富んだお返事!
 早速の示唆に富むお返事ありがとうございました。
 ”涙もろさ”を一度患者さんに確認し、”涙もろさ”があってもなくても甘麦大棗湯を一度試していただきます。

 よく考えて見ますと、自分も生あくびがよくでるようになってきましたし、TVとか映画でもやけに涙もろさを昨今感じることがあるものですから、自分も試してみます。年齢的な涙腺の機能の問題かとも思っていましたが(苦笑)。
 後半は勿論、ヒゲジジイと同様、やや高血圧気味の先生であるから甘草の多く含まれた甘麦大棗湯は適応しないことが多いので冗談であろうが、現実的な問題として、ストレスの多い現代日本社会では、四逆散や柴胡加竜骨牡蠣湯証のみならず、意外に甘麦大棗湯が適応する人がビックリするほど多い現実に遭遇して、些かどころかトテモ大変に驚愕するほどオドロイテイル。

 次第に好転しつつある各種の疾患が、甘麦大棗湯一つが足りない為に、もう一歩のところで足踏みしていたケースが多いのである。そのような状況の人で、涙もろかったり生あくびが多い人には、試験的に甘麦大棗湯を併用してもらうと、ビックリするほど効果が上がるケースが矢鱈に目に付くのである。

 甘草が多く含まれているので浮腫み防止を兼ねて、必要に応じて半夏厚朴湯や猪苓湯などの利水系の方剤でバランスを取る必要がある場合もあるが、低血圧気味の人で、舌苔が少ない人なら安心して使用できる。
 但し、明らかに高血圧や浮腫みっぽい人には使用しないほうが無難である。

 ともあれ、意外な状況で甘麦大棗湯がプラスアルファで適応した具体例は沢山あるが、このブログのデリケート?な読者にも多く、遠慮があってチョット書けないのでゴメン!

タグ:甘麦大棗湯
posted by ヒゲジジイ at 01:09| 山口 ☀| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2007年07月30日

アトピー性皮膚炎のデリケートさについて

 今日もまたアトピー性皮膚炎の問題を取り上げる。

 昨日の御質問者こそ、これが遠方でなく地元の人であれば、7〜10日毎に通い詰めてもらえば、ご自身でも漢方運用のコツを覚えてもらうことが出来るし、季節的な変化に応じた対処法も共に研究してマスターしてもらうことも出来るのにと、歯がゆいばかりである。
 同様な期間真面目に通い続けてくれていたなら、今頃はきっと少なくとも完全寛解に近い状態には持ち込めてたはずである。
 但し、それが可能となるのも、自由自在の自費の漢方薬だからこそ使用できる漢方処方が豊富であるという面も無視できないだろう。

 現実に複雑多変な様相を呈していたアトピー性皮膚炎の人達、自宅療養を余儀なくされた重症の人たちこそ、7〜10日毎に真面目に通って来られることによって次第にピントが合ってくると同時に、時に応じた臨機応変の配合変化を互いに切磋琢磨するうちに、自然にご自身が修得されるようになるのである。

 つまり、効果が中途半端な段階では、あれこれの工夫をご自身でも実験してもらうことになるから、微調整の方法や工夫を互いに研究し、アナタマカセではない自分自身でアトピー治療を行っているという実感も得られるはずである。

 これを読まれた地元の常連さんこそ、ヒシヒシと感じ取ってくれている人が多いはずである。だからバナーをクリックね!

 これら地元近辺の人と同様のことを遠方の人で行うには当然一度は直接下関の村田漢方堂薬局まで来て頂いた後、しっかりピントが合うまで、頻繁なメール交換と必要に応じて電話も利用され、細かな微調整を行うために不屈の忍耐とメール交信能力を必要とするのである。メールでの表現能力勝負でもある。
 その面倒な努力を耐え抜くかどうかで、その後の人生が大きく変わるのである。

  但し、半数はマンガみたいにスムーズにピントが直ぐに合ってしまい、あとは頑張って漢方薬類を飲み続けるだけという仕合せな人も多い(笑)。

posted by ヒゲジジイ at 01:40| 山口 🌁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2007年07月29日

保険漢方を3年以上、相変わらず治らないアトピー性皮膚炎の女性から久しぶりの御質問

性別 : 女性
年齢 : 40歳〜49歳
お問合せ・ご連絡内容 : 1年ほど前メールでアトピーの相談をさせていただいたものです。
 その時のアドバイスどおり、地元の医師にかかり治療しておりました。
 なかなかピントが合わず、苦しい思いもしましたが、今年の2月頃より、桂枝加竜骨牡蠣湯と茵蔯五苓散と荊芥連翹湯の処方で調子が良くなってきておりました。

 ところがここ1ヶ月前位から、痒みが増してきて、医師に相談すると、汗が原因だからということで、黄耆(オウギ)を追加したり、茵蔯五苓散を五苓散や湯防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)に変えたりしました。
 しかし、悪化する一方で、五苓散を再び茵蔯五苓散に戻しましたが良くならず、試しに荊芥連翹湯を止めてみるとひどい痒みが収まってきました。

 そのことを医師に伝えると、そんなことは有り得ない、と言われました。
 今まで良かったものが、急に悪化の原因になることはないのでしょうか。
 以前に温清飲が合わず、痒みと動悸に悩まされたことがあったのですが、それと同じような症状で、自分の体感としては荊芥連翹湯が合わないのではないかと思います。
 もちろん、季節的に、長雨から高温多湿が続いたりして、そういう季節はいつも悪化するタイプのアトピーではあります。

 今回ご質問させていただきたいことは、ピントがあっていた漢方薬が急に合わなくなるということがあるのかどうか、ということです。
 村田先生の患者さんは、ピントが合った後はずっと同じ処方で完治まで行けるのでしょうか。

 私が感じているのは、漢方薬はピントがピッタリ合うととても調子が良くなるのですが、ちょっとずれるとだんだん調子が悪くなり、それでも飲み続けるとアトピー悪化はもちろんのこと、不眠や生理不順などに悩まされるようになる気がします。
 それが私の場合、頻繁すぎるのでしょうか。

 2月から6月まで5ヶ月というのは短すぎるでしょうか。そうだとすると、神経質すぎて漢方薬を服用するのは向かないのかと落ち込む今日この頃です。
 ちなみに今回の処方は十味敗毒湯と温清飲と桂枝加竜骨牡蠣湯です。


ヒゲジジイのお返事メール: 当方のブログの昨年5月、貴女との交信記録が3分の1近くを占めているのをざっと見直してみて、些か驚いている次第です。
 当時でも既に漢方治療を2年間受けておられ、こうして今回メールを久しぶりに頂いて、この時点で既に3年以上が経過している訳ですね!
 それでも一進一退で、あまり進歩が見られないご様子。ご苦労が殆んどみのっていないようでお気の毒です。

 御本人に直接お会いして親しく漢方相談を受けたわけでもないのに、言いにくいことではありますが、これまで受けられている漢方処方の配合の数々は、我々中医漢方薬学派からみれば、滅多に使用しない十味敗毒湯や荊芥連翹湯、あるいは桂枝加竜骨牡蠣湯など、考えられない配合です。
 とりわけ、今回ご報告の「桂枝加竜骨牡蠣湯・茵蔯五苓散・荊芥連翹湯」という三つの処方を配合されるべきアトピー患者さんの体質や病状のイメージを想像することすらまったく不可能です。

 つまり極論すれば、かなり支離滅裂、ヤケクソの配合ではないかと言いたくなるほどです。
 これが保険漢方の限界なのだと言えばそれまでですが、根本的にアトピー性皮膚炎に対する漢方医学的な考え方、あるいは知識や技術の点で、些かの疑惑を持たざるを得ない、と言えば言い過ぎかもしれませんが・・・

 さらには、現在服用中の「十味敗毒湯と温清飲と桂枝加竜骨牡蠣湯」、この配合でアトピー性皮膚炎が治癒するケースがあるとしたら、よほどの名医か、まったくの初心者のいずれかでしょう。
 このような三方剤の配合を必要とするアトピー患者さんを想像することすら不可能に近いのですが、これは小生の想像力の無さゆえかもしれませんが、貴女の過去の配合例をず〜〜〜と眺めて来ても、このような支離滅裂に近い配合を繰り返される限りは、あるいは永久に治らないだろうとさえ思ってしまいます。

 但し、これに類似した漢方投与は日本全国で常識的に行われており、十味敗毒湯や荊芥連翹湯、温清飲・消風散などはアトピーの漢方治療における代表的な治療薬であるとされ、一般教科書的な書物であれ、ネット上の案内でも、さらにはそれぞれの処方の効果・効能にも当然のように湿疹に有効であると記載されています。

 ところが、まったくの少数派意見に過ぎないかもしれませんが、中医漢方薬学派においては、これらの処方は、原則としてどのようなタイプのアトピー性皮膚炎患者さんであっても滅多に使用してはならない方剤の代表格なのです。
 アトピーを寛解させるどころか、悪化させる危険性の高い温性の祛風薬が多く配合されているからです。川芎(センキュウ)などは最も危険な生薬として警戒しています。

 過去には、荊芥連翹湯を御姉妹の子供さんにお二人ともに同一処方をお出しして、一人は有効で一人は悪化という事態、見かけも体質もそっくりさんでもこの通りで、あたるも八卦的な処方は、既に中医漢方薬学派では危険な処方として排除しております。(あくまでデリケートなアトピー性皮膚炎に限定した話ですが!

 昨年のメール交信を再読してみて、自費の漢方には無理がおありとのことですので、残念ながらこれ以上のアドバイスが不能な状況です。
 お役に立てずに残念です。


折り返し頂いたメール:お忙しい中、お返事いただきありがとうございました。
 医師も匙を投げているのかもしれません。下手に漢方薬を使用すると却って症状を複雑化してしまうようですね。
 ほんとうにこの3年で実感しました。
 いつもお忙しい中、親切にご相談にのっていただき本当にありがとうございました。


【編集後記】 ヒゲジジイとてあまり大きな口はきけないが、ことアトピー性皮膚炎に関しては、今回の女性のように地元で熱心に通い詰める状況にある人では3年以上も一進一退を繰り返すなどということはあり得ない話である。
 アトピー性皮膚炎は、中医漢方薬学派にとってはそれほど困難な病気ではない。

 細心の注意を要するものの、熟練すればそれほど難しい病気ではなく、真面目に通われる内に、むしろ一般の人よりもアトピー性皮膚炎の人たちの肌は、本来とてもキメ細かい美しい肌であったことが良く分る。
 それほどデリケートで繊細な肌であったからこそ、体質的な素因と相俟って外部因子に対する影響をデリケートに受け安かっただけで、正統な漢方治療によって正しく体質改善を行えば、本来の美しいキメ細かな肌が取り戻せる現実に、仕事が楽しくなるほど、中医漢方薬学にとってはかなり得意分野であることを長年実証してきたとの自負がある。

 ところが今回の御質問者のように、地元でせっかく熱心に通われていても、中医漢方薬学派からみれば、温性の祛風薬の配合された方剤や、腎陽を強く温補してしまう桂皮の配合された処方を重ねて使用するなど想像を絶する世界である。
 流派が異なるといえばそれまでだが、教科書漢方がそのような記載をされるからなのか?
 (よく調べてみると、この方から初めて御質問を頂いたのは、昨年4月21日掲載のブログ アトピー性皮膚炎の漢方薬の御質問 からであった。

 こういう事情から、頂いた御質問に対するお返事は困難であり、つまり、当方から見れば信じられない漢方処方の組み合わせを服用されている状況では、最早コメントのしようがないのである。

 現実には村田漢方堂薬局には、上記の女性のように保険漢方であれ自費の漢方であれ、各地で漢方薬を何年続けても好転せずに困惑され、結局はヒゲジジイの臨機応変の対処が可能な自費の漢方を求めて、毎月何人もの新しいアトピー性皮膚炎の方が二泊三日の旅程でやって来られ続けている。
一定期間の紆余曲折があるにせよ、ほとんどのケースで1〜6ヵ月以内に明るい未来が見え始めるので、やや自信過剰の表現さえ出てくるのである・・・笑。
 昨日も三日目のアトピーの漢方相談を終えて遠方に帰って行かれたばかりだが、これまでのジンクスでも下関に宿泊された翌日からそれとなく効果が出た例がほとんどである。

 石の上にも三年とは言っても、現実には目に見えた効果というものは意外に短期間で得られることも多いのである。比較的速効が得られた人の場合、こちらがいくら石の上にも三年だと吠え続けても、1年から1年半も経たぬうちにいつの間にか廃薬される。
 そして何年後かに再発して、慌ててやって来られる人もおられるので、しっかりと体質改善を行う上での石の上にも三年という意味も含まれているが、長年のアトピーの炎症に苦しまれて懲りた女性達は、完全寛解後も体質改善三点セットを延々と継続される人も多い。

 但し、自費の漢方薬は高くて続かないという人にはどうしようもない世界である

posted by ヒゲジジイ at 01:31| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2007年07月28日

あくびの頻発に対する漢方薬

おたより:東海地方の内科医師

 いつもお世話になっております。先日ご相談した方(脳梗塞)ですが、担当医にお会いして病状を伺いましたところ、ガン(胆管がん)の腫瘍塞栓である可能性が濃厚であるとのことでした。
 脳にび慢性に転移を示唆する所見を認めることからかなり厳しい状況にあるようです。

 最近受診なさっているかたで、30台前半の女性ですが、職場で受付をしています。普段から睡眠は良好ですが、午前中の仕事開始当初から‘あくび‘の連発で困っているそうです。
 よく聞いてみると、かなり若いころからあくびが常時あったそうです。最近、仕事の性質から支障を感じているとのことです。

 身長は1??位、体重は普通、舌は淡紅で、脈はやや弦で、腹直筋緊張あり、臍上悸を認めます。
 補中益気湯と柴胡桂枝乾姜湯で経過観察していましたが、今ひとつインパクトがない、とのことです。
 西洋医学的にはあまり治療の対象とはならないかもしれませんが、ご本人にとってはおそらく重大な事態だと想像しています。

 示唆に富む中医漢方薬学のなかにアドバイスがあればと思いメールしました。
 ご助言をお願いできれば幸いです。


ヒゲジジイのお返事メール:今年になって、当方では若い年齢層40〜50歳前後の胆管がんや膵臓がん、食道がん、あるいはスキルス胃癌などで転移のある人たちが、気丈にも御本人みずからの意志で、不屈の精神を持して直接やって来られています。
 胆管がんや膵臓がんあるいは肝臓がんには、通える段階で牛黄製剤などを中心にした漢方薬(医薬品)の配合を中心にすれば意外にクオリティー・オブ・ライフの向上に多大な貢献が出来ることが多いものです。
 保険適応外の漢方薬類ばかりが中心になり、どうしても高額な出費を強いられる難点がありますが、牛黄製剤などは脳梗塞にも有益ですので、あるいはという気がしないでもありませんが、病状が一定レベルを超えてしまえば、一時的な効果に終わることもあります。


 本題の「あくび」ですが、思い当たるのが先生もしばしば?使用される甘麦大棗湯です。本来は、
 7月10日のブログ
小麦と棗(ナツメ)、甘草の三味からなるお菓子のような甘麦大棗湯は・・・ で書く予定が、面倒になって中断したままになっていました。

 甘麦大棗湯の日本漢方的な口訣では、涙もろく生あくびが頻発するような男女にしばしば奏効する面白い処方です。舌に苔が少なければ可能性はあると思いますが如何でしょうか?
 配合中の甘草のむくみやすさを防止する目的からも、もしもエヘン虫など半夏厚朴湯証があれば、これと合方する方法もあり得ると思います。

 最近の甘麦大棗湯単方での著効果例として、唾液が飲み込めなくなって、常時、痰壺ならぬ唾液ボトルを下げて、常時唾液を吐き続ける中年女性。
 自費の漢方専門薬局を渡り歩いて当方が三軒目でしたが、甘麦大棗湯単方5日間でさしもの奇病がピタリと止まり、10日分服用して自己判断で廃薬。5日後に再発気味となりそれに懲りて現在常用中です。

 さらには、泣きべそや生あくびを目標に、パニックやストレス性疾患のみならず咽喉などの粘膜疾患など様々な領域に応用しており、現在、当方で甘麦大棗湯を実験?されている人達がたくさんおられますが、咽喉が塞がって唾液が飲みにくい人にも応用したところ、咽喉が広がって悲観的な人生観が明るく開けたなど、面白い報告をされるかたもおられました。

 はなしは逸れましたが、甘麦大棗湯は、泣きべそで生あくびが頻発する人の様々な症状に有効な場合が多いようですので、もしもその女性がとても涙もろい性格の方でしたら、適応する可能性が高いように思います。
 この処方が適応すると時に、驚くべき疲労回復効果が得られます。

posted by ヒゲジジイ at 00:10| 山口 ☀| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2007年07月27日

脳梗塞後遺症に対する漢方薬のヒント

御質問者:東海地方の内科医師

 いつもお世話になっています。今回のご質問はちょっと重症の方です。
 59歳のご婦人ですが、胆管がんのかたで、再発に対して抗がん剤の治療を受けられ、ずいぶん消耗してしまったそうです。体重減少も著しく、最近になって食欲も回復してきたそうです。
 7/21に午後自宅の畑で収穫中に転倒(ご主人が帰宅して異常な気配を感じて周囲を探し、畑にご婦人が倒れているところを発見、5時間くらい雨天のなかでのざらしだったようです)、救急車にて近隣の病院へ搬送。

 脳梗塞と診断され、左の片麻痺と言語障害を認めるそうです。主治医からはかなり悲観的な説明を聞いてご主人も気落ちしておられます。当然のことでしょうが、普段はかなり意欲的なかたですが、ショックに陥ってみえるとのことです。ご主人も当クリニックへ通院(胃がん)しておられまして、相談を受けました。

 どこまでお役にたてるのかよくわかりませんが、中医薬学流にすこしでも出来ることがあればと思ってメールさせていただきました。この数日ご本人を拝見していませんが、過日の診察の所見としては、体格小柄、体重やや少なめ、舌:抗がん剤の副作用(血管障害)と思われる黒色の斑点・微黄色苔です。
 この患者さんは当クリニックへ通院され(漢方で体力を補いたいとの意向があり)、十全大補湯合補中益気湯を処方していました。

 個人的には瘀血(オケツ)への対応が必要と思いますが、お知恵を拝借できれば幸いに存じます。


ヒゲジジイのお返事メール:一般処方で脳梗塞後遺症を改善するには、気虚血瘀に対する中国で有名な補陽冠五湯の方意を体現できるのは、補中益気湯に芎帰調血飲第一加減に丹参エキス(あるいは粉末)を加えることでかなり効果的です。

 丹参がない場合でも、気虚血瘀に対する効果は、十全大補湯を使用するよりもはるかに効果的です。
 芎帰調血飲第一加減に丹参エキスを加えれば、小生が製品開発を提案・指導したウチダの生薬製剤二号方の成分をそのまま含有することになります。またイスクラの冠元顆粒も同様の成分です。


折り返し頂いたメール:すみやかなお返事いつもながらに感謝いたします。
 早速患者さんに手配したいと思います。


【編集後記】 ウチダ和漢薬発行の『和漢薬』誌513号(1996年2月号)の巻頭論文に、「丹参製剤 生薬製剤二号方 と題してヒゲジジイが9ページに亘って書いており、その中には脳梗塞後遺症の対処法を2ページを費やして書いている。詳細はこの記事を読んで頂いたほうが、より突っ込んだ記載がある。

 医師や薬剤師などの有資格者であれば、ウチダ和漢薬さんに直接申し込まれれば、きっと喜んで別刷りやコピー版をわけてもらえるはずである。
 それを利用していまだに、医師や薬剤師に「生薬製剤二号方」の売り込みに余念がない事実を把握しているから(苦笑)。

posted by ヒゲジジイ at 00:17| 山口 ☀| 脳梗塞、脳出血、蜘蛛膜下出血、脳幹出血などの後遺症 | 更新情報をチェックする

2007年07月26日

何の為の主治医か? 主治医に相談や質問を遠慮する必要がどこにあるのか?

7月24日の7月22日:筋肉のピクツキの漢方薬の続き の続き

その7月24日の7月22日:筋肉のピクツキの漢方薬の続き の編集後記を御覧になって頂いたメール
 お忙しい中、詳しくありがとうございました。勉強になりました。メールを読んで、自分でも漢方薬がわかったらいいなーと思いました。(数冊、漢方薬で治すとかいう系統の素人向けの本は買って読んでみました)

 村田先生のメールを読んでから、昨日医者へ行きました。この一週間で出た症状の変化(ぴくぴくの他に朝、顔がむくみ指がこわばった感じが出てきたことや、体にかゆみが出てたこと、汗が少ないこと等)を話すと、今までの処方から

びゃくし、金銀花、山梔子、菊花、せんたい、夜交藤、

を抜いて、

おうぎ、黄柏、ぼうい、車前子、蒼朮、いかりそう

が入りました。

 2点お聞きします。
 これは、村田先生がおっしゃる痰飲水湿にも効きますか。
 医師に聞けば良かったのですが、時間がなかったのと聞きづらさと相まって 聞けませんでした。

 私がこの症状で漢方薬をもらい始めてからはもう1年半になります。煎じ薬になってから7ヶ月です。もうすぐこの症状が出て2年なので、不安です。

 漢方は、すぐに効かないと聞きました。だいたい、どのくらいの期間飲んで、この漢方薬はきくのかきかないのかを判断すればよいのでしょうか。教えてください。

> 筋肉のピクツキは、痰飲水湿が筋脉を阻滞して生じた病変であるケースが非常に多いものである。

 私は、確かに水分の代謝は悪いようで、舌も昔から歯形がついています。6月から9月の暑い時期は、朝、指や顔がむくむことが多いです。
 真武湯は飲んでいませんが、苓桂朮甘湯の薬味は煎じ薬の中に入っている形で2週間ほど飲んだことがあります。そのときの日記を見ると確かに少しは良かったような感じでした。(ぴくつきは完全に止まりませんでしたが、少し減っていたように思う)

 村田先生が教えてくださったように、医師の先生が桂枝加竜骨牡蠣湯を基本にして処方をしているのがわかったので、そこにプラスされているのがどういうものかを今度聞けたら医師の先生に聞いてみたいです。


ヒゲジジイのお返事メール:すでに1年半も同じところで頑張られているのですか!
 そろそろピントが合っても良さそうなものですが、それにしても貴女も主治医に遠慮が過ぎるのではないでしょうか?
 1年半も通いながら、言いたいことも質問すら遠慮するなんて、信じられません。

 これについては医師のみならず患者さんのほうにも責任があるように思います。
 病気に苦しむ患者さんが、あまりにも遠慮しておられると、とりわけ漢方や中医学の世界では、患者さん御自身の表現能力によってもピント合わせの能率が大きく左右されるのです。

 ましてや、

> 私は、確かに水分の代謝は悪いようで、舌も昔から歯形がついています。6月か
> ら9月の暑い時期は、朝、指や顔がむくむことが多いです。
> 真武湯は飲んでいませんが、苓桂朮甘湯の薬味は煎じ薬の中に入っている形で2
> 週間ほど飲んだことがあります。そのときの日記を見ると確かに少しは良かった
> ような感じでした。(ぴくつきは完全に止まりませんでしたが、少し減っていた
> ように思う)

 この事実があるのなら、患者さんがその事実を医師に申告しておれば、苓桂朮甘湯の部分が有効に作用しているものとピンと来ていたはずです。(もしもこのことに気がつかないようでしたら中医師失格かもしれません。
 その時の方剤に戻してもらったほうが良いのではないでしょうか?

ましてや、

> 私は、確かに水分の代謝は悪いようで、舌も昔から歯形がついています。

 という事実があれば、常に痰飲水湿の病邪の存在を想定した配合を意識的になされるべきであるはずですが、今回の処方の変更においても、明らかに茯苓の配合が足りません。つまり、苓桂朮甘湯中の茯苓が足りないということです。

 貴女の場合は、基本方剤を苓桂朮甘湯として処方を組むべき体質なのかもしれませんね。案外、苓桂朮甘湯加沢瀉 くらいのシンプルな方剤で効果がはっきりするのかもしれません。

 自覚症状が明らかな場合には、漢方薬はピントが合ってくれば、なんとなく僅かでも効いているかな、と感じるのは早ければ数日以内、遅くとも15日以内にはそれとなく感じるものです。
 ですから、その時の処方に戻してもらったほうが良いのではないでしょうか?


折り返し頂いたメール:アドバイスありがとうございました。
 同じ所で1年半通っていますが、そのうち、前半の10ヶ月の先生と後半の8ヶ月は先生は別の方です。
 後半の先生が中医師の先生です。その先生には、自分としては、症状を伝えているつもりですが、ぴくぴくが主症状でも、そのほかに頭痛やら、胃やら色々と不定愁訴があって、そういったことも伝えていたのですが、ぴくぴくしていてそれが気になる、とにかく止めたいということをすごく強く思って言っていたので、うまく言えてなかったかもしれません。

 それで、茯苓ですが、今回の処方の他にツムラの加味帰脾湯もいただいています。(耳の違和感の方で)加味帰脾湯に茯苓が入っているのでぬけてるのかもしれません。この前のメールに書き忘れました。すみません。

 ちなみに、私の症状は、肝血虚ではないのでしょうか。はじめは、産後なので肝血虚の処方だったのですが、(1年前に産後10ヶ月で生理が来てからしばらくもそうでしたが)、生理もきちんと来ていて色も悪くなくて貧血もなく、この頃は肝血虚の処方なのか、よくわかりません。気虚もあるようで。

> 貴女の場合は、基本方剤を苓桂朮甘湯として処方を組むべき体質なのかもしれません
> ね。案外、苓桂朮甘湯加沢瀉 くらいのシンプルな方剤で効果がはっきりするのかも
> しれません。

 次回医師の先生にお話ししてみます。先生も患者さんが納得いくようにみていきたいのでといって下さったので・・・。

> 自覚症状が明らかな場合には、漢方薬はピントが合ってくれば、な
>んとなく僅かでも効いているかな、と感じるのは早ければ数日以内、
>遅くとも15日以内にはそれとなく感じるものです。

 わかりました。
 2週間位を目安にすればよいのですね・・・。
 村田先生のおかげで、疑問がいくつか解決しました。
 丁寧なお返事を本当にありがとうございました。
 今後また疑問があるときには、お忙しいとは思いますがどうぞよろしくお願いします。


言わずもがなのヒゲジジイの本音のコメント:現在でも基本方剤が完全に隠れてしまい兼ねない薬味の多さの上に、更に加味帰脾湯を併用され、それに茯苓が入っているからと言っても、ここまで薬味が乱雑に加わり過ぎると、苓桂朮甘湯の方意としての効能は、最早発揮することが出来ない可能性が高いと思います。
 もしも貴女が苓桂朮甘湯証が主体であった場合は、もっと配合内容を整理してもらわなければ、あまりにも薬味が多過ぎて、支離滅裂と言っても良いくらいの極めて乱雑な配合内容と思います。

 あくまでこれは個人的な見解です。
posted by ヒゲジジイ at 00:48| 山口 ☀| とんでもない話や、信じられない困った話 | 更新情報をチェックする

2007年07月25日

アトピー性皮膚炎の中医漢方薬学療法の精髄?

 アトピー性皮膚炎は他の疾患と異なって、極めてデリケートな皮膚病なので過剰なほどに神経を使う取り扱いに厳重注意の疾患である。
 温和な漢方薬治療においても、多剤併用すべき時が多いので、それぞれの方剤の配合比率の問題はトテモ重要である。
 ピントが合っているつもりでも、各方剤の配合比率の配慮がなされてなければ、不十分な効果しか発揮できないことも多い。常に細心の注意を払って、各種方剤は一部は多めに、一部は微量でと様々な配慮が要求される。
 その繊細微妙な配合に対する反応を微妙に感じ取ってアトピーに対する効果の優劣を報告できる能力が高い人ほど、よりピントの合った配合比率や適切な方剤の入れ替えがスムーズに行えるので能率が良い。
 すべてアナタマカセでボケーとしている人ほど、ピントの微調整が行いにくい。

 しばしば必需品の六味丸系列の方剤だが、足のホテリを感じる人には、六味丸そのものでは効果が弱く、知柏腎気丸製剤でなければならない。
 六味丸に黄連解毒湯の組み合わせで代用できるときもあるが、これに頼っていると、時にトンデモナイ失敗をしでかすことになる。

 例の体質改善三点セットを基礎に知柏腎気丸製剤でシャープに奏効している人に、さらなる治療効果倍増の要求に気軽に応じて黄連解毒湯製剤の通常の半量を加えたところ、せっかくの効果が激減した。
 結果論とはいえ、理由は明らかだった。その人の舌質が紅ではあっても全くの無苔であった。いくら舌が紅であっても無苔の人に黄連解毒湯はないだろう!

 足のホテリの聞き取りは重要である。体質改善三点セットを基礎に六味丸と猪苓湯で順調とはいえ、もう一つパンチに欠けるので、足のホテリにこだわって六味丸を知柏腎気丸製剤に切り替えてもらったところ明らかに治療効果が向上した。
 どこかのブログで日本漢方では六味丸はアトピーには使用しませんと書いている薬剤師さんがいたが、これが日本漢方の限界かもしれない。

 中医漢方薬学においてはアトピー性皮膚炎には効果・効能に湿疹が治ると記載される漢方処方は使用しない。
 その理由は、それらの方剤には温性の去風薬が多く配合されているので、却って痒みを増強し悪化させる可能性が高いからである。

 例外的に銀翹散製剤(天津感冒片など)は涼性の去風剤だから多くの場合は無難である。

 アトピー性皮膚炎がありながら髪を茶色に染めている女性が多いが、理解に苦しむところである。この問題を指摘すると実にイヤ〜〜〜な顔をする人もあるが、困るのは自分の方だろう。

 なお、シバシバ言われる漢方薬によるメンケン、いわゆる好転反応は否定的である。
 治癒機転が働く証拠として一時的に皮膚病が増悪するのは良い反応であるとされるが、これは結果でしか判断できない。だから、疑わしきは罰するのである。
 湿疹治療の効能が記載された温性の去風薬配合の消風散や十味敗毒湯などでアトピーが増悪するケースは日常茶飯事であろうが、あれは好転反応ではなく、多くは悪化させているのである。(だから中医漢方薬学派ではこれらを絶対にアトピーでは使用しないのである。

 配合上で治療効果にブレーキになるような方剤が見つかった時にも即、中止してもらう。上述の瀉火補腎丸(知柏腎気丸製剤)を増強するつもりで追加した黄連解毒湯のケースもその典型である。
 最近、茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)と黄連解毒湯とイオン化カルシウムに粉末大黄で好転しつつある人に、ゴツゴツと隆起した部分の水湿を除去するために猪苓湯製剤を追加したところ却って効果を激減させたので、珍しく猪苓湯製剤を中止してもらった。
 希有のことであったが、アトピー性皮膚炎においては疑わしきは罰しておいたほうが無難なのである。

 なお、実火知柏腎気丸証の熱は虚火であり、黄連解毒湯証の熱は実火であり、似て非なるものであることは常識であるが、一人の身体で混交していることも珍しくないから、その区別を見分けるには綿密な漢方相談を必要とするのである。

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2007年07月24日

7月22日:筋肉のピクツキの漢方薬の続き

7月22日:筋肉のピクツキの漢方薬 の続き

折り返し頂いたメール:早速のお返事ありがとうございます。助かります。
 お忙しいところ申し訳ありませんが、もう少し教えてください。

 甘麦大棗湯は、医師の煎じ薬の処方に入っていて2ヶ月ほど飲みました。
 「涙もろく、しばしば生あくびが出る体質」ですが、この処方で不随意運動は解消しませんでした。甘麦大棗湯加芍薬ですが、やはりそのときの煎じ薬の中に芍薬も含まれていました。(煎じ薬は中国で医師をしていた中医師の方がこちらの心療内科で処方してくれていますが、いろいろな薬味がはいっていて、その時々に応じて加減してくださっています。でも、なかなか、効きません。)

 実は、別のサイトでちょっと相談をしたときに、「薬味が多いと効き方がマイルドになり効き目が出にくい」と言われ、「婦宝当帰膠 か 参茸補血丸、芍薬甘草湯、桂枝加竜骨牡蠣湯」をすすめられましたが、そこに入っている薬味が、医師の処方の中にも入っているので、婦宝当帰膠 か 参茸補血丸のみ医師の処方に足して併用するのはどうかと聞きましたら、医師か薬局かどちらか選ばないとうまくいかないと言われました。
 そうゆうものなのでしょうか。(医師には併用しても良いか聞きましたら、婦宝当帰膠は血虚によいが、美容でよく飲まれているもの、私の症状には、参茸補血丸の方がよいと言われました。)

 患者としては治れば何でも試したいのですが、どう考えていいものかわからなくなっています。

 現在飲んでいるものは 桂皮、芍薬、川芎、麦芽、白芷、金銀花、釣藤鈎、竜骨、牡蠣、甘草、香附子、ぼうすう、山梔子、牛膝、菊花、当帰、山楂子、蝉退、杜仲、夜交藤、神曲、合歓皮、鶏血藤 です。

 これで1ヶ月続けて飲みました。
 漢方は、すぐに効かないと聞きました。だいたい、私のような症状の者は、どのくらいの期間を目安に考えて、きくきかないを判断すればよいのでしょうか。

 まとまりませんが申し訳ありませんが。近くに、相談できる漢方薬局がありません。お忙しいと思いますがよろしくお願いします。
(管理者注:実際のメールに記載された薬名のひらがなの一部を漢字になおしています。


ヒゲジジイのお返事メール:やはり、いかにも甘麦大棗湯証が基礎にあるように思える体質のようですね。
 「涙もろく、しばしば生あくびが出る体質」という特徴的な体質がおありなのですから。

 でも、甘麦大棗湯加芍薬まではされても厚朴までは配合されてない
のでしょうか? 厚朴の筋肉痙攣に対する効果も、可能性として捨て切れません。
 例えばシンプルには甘麦大棗湯と半夏厚朴湯と開気丸などの併用です。
 甘麦大棗湯を主軸にした配合が様々に考えられると思います。

 それでも思わしくない場合は、自律神経発作症的な解釈から、柴胡桂枝湯という日本漢方で好まれる方剤が適応する場合もあり得ることだと思います。

柴胡桂枝湯

 なお、病院漢方のみならず、ネット上で見つけた漢方薬局でのメール相談?によるお奨め漢方薬の併用を考えることは、効を焦るあまりの支離滅裂な結果に終わることが多いので、統一の取れない漢方薬のチャンポンは行うべきではありません。

 まだ、漢方治療を始めて六ヶ月ということですが、やや難治性の疾患ではしっかりピントが合うまでに、それくらいの苦労は止むを得ないこともあります。
 綿密な御相談の上で、あれかこれかを工夫して頂いているのなら、治るまで頑張るという不屈の精神で根気良く、ピントが合うまで頑張るべきだと思います。
 時に担当の先生がギブアップされる弱気な先生もおられるようですが、通常はプロ意識のある先生でしたら、治せない自分が悔しくてなんとしても治ってもらいたと日夜悩みぬいて試行錯誤して下さるはずです。

 貴女の治りたいと言う情熱を担当の先生に向け続けることで、長く通えばそれだけ見えないところも見えて来て、最終的には適切な配合が見つかろうというものです。(このことは、小生のシバシバ経験したことだから言えることです。)

 ただ、これはあくまで個人的な見解ですが、現在服用されている配合を拝見しますと、基本方剤をベースにされてないことがやや気になるところです。

追伸:基本方剤がベースにないようだと書きましたが、どうやら基本方剤は桂枝加竜骨牡蠣湯をベースに加減しているようです。前言を訂正します。


【編集後記】 上記の説は、先入観からストレス性の疾患に違いないと言う前提で考えるから上述のようなお返事になっているが、もう一つ大事な考察が欠けていたので以下に述べる。

 《素問・至真要大論》には「諸痙項強は、みな湿に属す」と指摘しているように、湿濁が筋脉を阻滞すると硬直を呈するという古来からの定説がある。
 筋愓肉瞤(きんてきにくじゅん)〔筋肉のピクツキ〕は、少陰陽虚で気化機能が失調し、水気が内停するために生じることが多い。陽虚によって筋脉は温煦されなくなり、水停によって筋脉は困阻されて肉瞤筋愓が生じるのである。
 《傷寒論》における真武湯証の「心下悸、頭眩、身瞤動(じゅんどう)し、振振として地に擗(たお)れんと欲す」や、苓桂朮甘湯証の「身(が)振振として揺を為す」などがこの例である。
筋肉のビクツキは、湿熱阻絡によって生じる場合もあるが、多くは陽虚が多いので湿熱阻絡の病機は省略する。

 いずれも少陽三焦の病変であり、臓腑の機能が失調したために、水液が停滞して痰飲水湿に変性し、少陽三焦を阻碍した病変である。

 水液が正常に運行されるには、@肺気の開宣粛降、A脾気の運化輸布、B腎陽の気化蒸騰、C肝気の疏泄調節の四者が必要である。
 それゆえ水液は、どの一臓の機能が失調した場合でも三焦で壅滞〔壅阻停滞〕し、痰飲水湿に変性して疾患をもたらす。痰飲水湿は、気に随行して全身各所に到達して各種様々な病変が出現する。

 それゆえ、筋肉のピクツキは、痰飲水湿が筋脉を阻滞して生じた病変であるケースが非常に多いものである。

 すなわち上記の女性は、真武湯や苓桂朮甘湯など、日本古方派が好んで用いる基本処方でも充分に治せる可能性があるのだが、何せメールだけでの詮索ではこの辺までの類推が限界であろう。
 すなわち、この女性は傷寒論医学を地で行っている可能性も高いのである!?
posted by ヒゲジジイ at 00:33| 山口 ☀| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2007年07月23日

麻黄剤=麻杏甘石湯の継続使用の問題について

おたより:東海地方の内科医師

 最近この東海地方は急に蒸し暑くなってきせいか、アトピーの新規の患者さん(児童が多い)が受診されます。
 村田流の中医漢方薬学的治療ですこしでも改善していただければと思い、暑さゆえに思考力の低下してきた(笑)脳にカツを入れております。でも、着実に改善してゆかれる様子を見ることが多く胸を撫で下ろしています。

 近況報告でしたが、本日のご助言いただきたいことは、漢方薬を投与して改善し症状が全く消失してしまったあとの投薬の継続あるいは中止についてです。

 具体的には喘息の患者さんです。78歳の男性と16歳の女性です。いづれも炙甘草湯合麻杏甘石湯と補中益気湯合六味丸で症状は完全にコントロールされています。両名とも冬に増悪するようですが、現在は夏ということもあってか落ち着いています。
 78歳のかたはともかく、16歳のかたはできれば中止したいとの意向をお持ちです。

 継続にあたって注意することはどうでしょうか。とくに、麻杏甘石湯の場合、石膏がちょっと気になります。

 それから以前ご相談いただいた子宮筋腫の女性ですが、定期的に処方してフォローさせていただいています。触診の範囲では、治療開始当初観察されていた下腹部の腫隆はあきらかに縮小しているようです。婦人科でもホルモン療法を受けておられますが。現時点では正と邪を指向した治療(中医漢方薬学的治療合ホルモン療法)が効果を現している模様です。


ヒゲジジイのお返事メール: 最近、同年代の友人や注目していた学者さんが倒れられたことを知る機会が続き、人生の短さについて考えさせられています。
 チヌ釣り場での友人、同年の男性が3年音沙汰が無いので心配していましたら、3年前にたおれて再起不能であるとのお手紙を代筆の奥様から頂いて落ち込んでいます。昨日のことです。

 もう一つは、戦争続きの大長編で・・・・・・・・・サンスクリット原典語訳の「マーハーバーラタ」をちくま文庫が完結しないので不思議に思いっていたところ、遅れて入手した8巻目の巻末で、訳者の上村勝彦氏が58歳の若さで4年前に急逝されていたことを知り、身近?なところで五十代でたおれる人の話が続くと、明日は我が身かと覚悟を決めているところです。
 先生も既に五十代?、診療には無理をなさらぬよう・・・と、ちょっと暗い話で恐縮です。

 本題に入りまして、喘息体質は短期間で根治できるはずもありませんので、16歳の方も更に長期間、たとえ断続的にでも継続すべきだと思います。

 但し、ご指摘のとおり麻杏甘石湯のみ、寛解期には休薬しておくべきだと思います。理由は石膏の問題よりも、麻黄の問題です。エフェドリンを主成分とする麻黄は、長期連用によって効果が激減すると言われています。それゆえ、寛解期には中止しておくべきだと中医学でも指摘されています。
 そしてその寛解期には本治法として、麻杏甘石湯以外の方剤を継続使用されるべきです。

 中医学的には、喘息の場合は六味丸のところをさらに五味子と麦門冬を加えた肺腎陰虚を治療する味麦腎気丸(製剤では八仙丸)を使用するのが通常ですが、もちろん六味丸でも充分体質改善が可能です。併用されておられる炙甘草湯にも麦門冬が配合されていますので、杓子定規に味麦腎気丸を使用する必要も無いと思います。アトピー性皮膚炎の場合も同様です。

 麻杏甘石湯は、標治法の方剤ですので、まったく発作が起こらなくなっているのでしたら、麻杏甘石湯だけを一時休止し、運悪く発作が再発するようでしたら、その時にはすかさず再開されるというのが、一般的な公式見解だと思います。

 麻黄剤については以上が中医学の教科書的な公式見解なのですが、小生も標本同治法が好みですので、小生自身のやり方(中医漢方薬学流)では、麻杏甘石湯の配合分量を少量に落として継続使用してもらった方が安心であり、体質改善もスムーズに行えるように感じています。


折り返し頂いたメール:早速のお返事、いつも感謝しております。昨日メールをしたところですが、今朝、78歳のかたから。冷房が良く効いた部屋のなかで調子を崩していまった、と連絡がありました。結果として麻杏甘石湯を逆に増量しました。
 16歳のかたは標治薬を次第に減量してゆきたいと思います。
ありがとうございました。

2007年07月22日

筋肉のピクツキ・吐き気・アトピー 三名の御質問へのそれぞれのお返事

筋肉のピクツキ
性別 : 女性
年齢 : 30歳〜39歳
ご職業 : 公務員
簡単なご住所 : 関東地方
お問い合わせ内容 : 平成17年9月出産後から、寝入りばなとか起きがけに体が大きくびくんと動くようになり、11月からはまぶたのけいれんでその後なったり止まったりしていました。その頃は微熱も出たり下がったり、のどが痛かったりもしていました。
 
 平成18年5月より体の色々な所(ほほや口、手、おしり、にのうで、首筋、ふくらはぎ、背中など)がぴくぴくします。
 手の親指が一日中毎日1ヶ月以上続くこともあります。毎日どこかしらぴくつき気持ち悪く、急に出るので精神的にも本当に参っています。
 先日は風邪をひき熱はほとんど出なかったのにのどの痛みがひどく、咳、最後は鼻水がすごくなり1ヶ月近く長引いてしまいました。
 その後片側の耳の鼓膜がつばを飲んだりあくびをする度ぽこっと動いて大きな音が聞こえます。これも気持ち悪いです。

 近くの漢方薬を出す心療内科でみてもらっていますが、効いてきません。足先の冷えもあります。半年前からは煎じ薬にして余計な物が重ならないようにしていただいています。
 低血圧、時々頭痛、身体動揺感、耳鳴りもあります。平熱は36、5分位、汗は出にくく少ないです。

 ぴくぴくや耳の違和感を治したいです。心療内科では、脈診や舌診もしています。
 今までに抑肝散陳皮半夏や芎帰調血飲、半夏百白朮天麻湯、桂枝竜骨牡蠣湯、加味帰脾湯等他にも多くの種類の種類をためしてもらいましたが、症状が良くなりません。
 こういう私のような症状に合う漢方薬はないのでしょうか。

 周りにこういう症状の人がいなくて家族にも理解してもらえず、治らないことへの焦りや不安でいっぱいです。顔に出るときは本当に嫌で、仕事復帰できるのか心配です。
 また、育休中なのに7歳と1歳の子の育児に集中できず、周りの元気な母子を見ると切なくなります。合う漢方薬があれば何かアドバイスをお願いします。長文ですみません。


ヒゲジジイのお返事メール:甘麦大棗湯はすでに使用されたのでしょうか?
 もしも貴女が涙もろく、しばしば生あくびが出る体質であれば、この処方で不随意運動(ピクピク)が解消する可能性が高いのですが、それでも効果がない場合は、甘麦大棗湯加芍薬です。体質によっては甘麦大棗湯に半夏厚朴湯を併用すべき場合も大いにあり得ます。

 もしも抑肝散が適応するイライラ眉間に皺がよるような短気な性格であれば、抑肝散加厚朴芍薬などが充分に考えられます。

 甘麦大棗湯を既に使用していたとしても、これに半夏厚朴湯を併用すべき体質であったとしたら、それが不足していたために効果がなかったのか、さらには芍薬を加えるべき体質だったのかもしれません。

 抑肝散加陳皮半夏は使用されておられるようですが、厚朴や芍薬が不足していたということも考えられます。

 多少とも難治性に見える疾患では、通常の方剤の運用ではなかなか効果が出せないことも多いものです。煎じ薬の場合も却って途中で配合比率の変化が行いにくかったりということもあります。

 上記の方法でも効果がない場合は、牛黄製剤を使用することで初めて効果が得られることもあります。

 中には様々な処方を少量ずつ、かなり繊細微妙に複雑に組み合わせないと効果が発揮できない方もおられます。(注:多くの疾患で一定レベルこじれると、そのような繊細微妙な配合が必要となることはシバシバ

以上、僅かでもヒントになれば幸いです。


吐き気
性別 : 女性
年齢 : 40歳〜49歳
御職業 : パート・アルバイト
簡単な御住所 : 東北地方
御意見や御質問をどうぞ : 高校3年(16歳)の息子のことで相談します。
 朝方、ほとんど毎朝吐き気を訴えます。実際に吐いたことはありません。先日、感染性胃腸炎にかかり、本人もそれがトラウマになっていると言うので、精神的なものかと思うのですが、漢方薬で治るなら、飲ませてみたいと思いますが、効果はいかがなものでしょうか。

 今は、具合が悪くなったら、すぐに迎えに行くからと行って、学校に送り出しています。学校で、吐いてしまったということは一度もありません。学校でも、軽い吐き気は、1、2回あるらしいですが、辛くて学校にいられないほどではないようです。
 病院を受診するほどではないけれど、毎朝辛そうな姿を見るのも心配なので困っています。


お返事メール:そのお考えは逆だと思いますよ。
 まずは病院で診察を受け、本当に精神的なものかどうか、実際に内臓に疾患がないかどうか正しい診断を受け、適切な治療をされてからのことではないでしょうか?

 たしかに状況的に考えれば、書かれている通りトラウマになって吐き気が続いている可能性は高いと思います。
もしもその場合は、安易に合成医薬品の安定剤などに頼らず、適切な漢方薬を利用された方が、今後のためにも遙かに有益です。
体質に応じた漢方薬が得られれば、次第に回復していくものですが、地元近辺でシッカリした漢方の経験を積んだ専門家に御相談されるべきです。

 といっても、まずは近くの漢方専門薬局で御相談されれば、案外簡単に手軽で適切な漢方薬が得られるかもしれません。可能性としては、柴朴湯・半夏厚朴湯・小半夏加茯苓湯・六君子湯・苓桂甘棗湯など、体質によって様々な可能性がありますので、しっかりピントの合ったものを選んでもらうべきです。


アトピー性皮膚炎
性別 : 女性
年齢 : 30歳〜39歳
御職業 : パート・アルバイト
簡単な御住所 : 関西地方
御意見や御質問をどうぞ : こんにちは。私は3?歳の主婦です。アトピーで悩んでいます。
 小さい頃から、ステロイドを使い湿疹を治していました。季節の変わり目に、関節の内側が痒くなり、手の湿疹は年中消えません。

 子どもが出来てから、ステロイドは良くないと思いやめて漢方薬を飲んだり、沸かしてお風呂に入れたりしていましたが、近所の人に化粧水を教えてもらい8年前からは、そちらを使い治療していました。完全に治ることは無く、良くなったりひどくなったりの繰り返しです。

 最近、兄に会い私の手を見て驚き先生を紹介してくれました。
 今は首や指先から脇の辺りまで痒く湿疹から赤く火傷の様な湿疹ができています。過食症になっておりピーナッツを山程食べたり、ご飯やお菓子やパンを腹一杯食べる習慣になっているのが悪化させる原因の一つなんですよね。
 最近は紫外線に当たるとてき面に悪化します。

 まず、私が今すべきことは、食生活を直し、紫外線対策をして外出し規則正しい生活を送る事だと思っています。湿疹を悪化させる食べ物などはあるのでしょうか?白砂糖や刺激物は良くないことはしっています。私のような湿疹にはどのような漢方薬がよいのでしょうか。教えてください。宜しくお願いします。


お返事メール:貴女の場合、アトピーを悪化させる悪い条件が揃い過ぎているので、現在の食生活を続けられる限りは不可能だと思います。
 暴飲暴食はアトピーの敵です。それらの食生活を改善することを前提に、そちらにも漢方専門の病院や薬局は多い筈ですので、直接出向いてご相談されることです。

 また、漢方薬でアトピーを治すには、その人の体質と病状に合わせた綿密な配合と微調整を常に繰り返すなど、臨機応変の配合変化を必要とすることもあり、このようなメールで簡単にかけるほど簡単なものではありません。服用者も漢方をお出しする側も、お互いの根気良い苦労を必要とします。

2007年07月21日

ナンセンスなメールであれば没にすれば済みます

性別 : 男性
年齢 : 30歳〜39歳
簡単なご住所 : 関西地方
具体的な御職業:鍼灸師
お問い合わせ内容 : いつもお世話になっています。
 ブログが7月15日から見ていなかったのでそれ以降のをさきほど見ました。
 自分の質問もかなり失礼だったと反省しております。自分は鍼灸師2年目でアトピーなど難病が増えてきて、何とか治したいとネット検索していたら先生のページを見つけました。

 先生が心無いメール・電話(自分も含まれると思います)で傷ついているのを見たので、先生の助言のおかげで自分の周りで起こっている真実を報告します。
 本当にアトピーが軽減して、人生を楽しんでいる人が出てきています。つい難病になると先生に頼ってしまい、自分も反省しております。
 先生のおかげで助かっている人が自分の周りで多いのでそれだけお伝えしたくてメールしました。
 すみません、失礼します。


ヒゲジジイのお返事メール:メールのお問合せの問題を論じたものではありませんので、ご安心下さい。

 仕事中に毎日のようにかかる不躾で営業妨害に等しいロクデモない問い合わせの電話を問題にしているのです。
 それこそ大事なだいじな常連さんやお馴染みさんの電話がたくさん入るのに、それらの大事な電話の妨害にもなるから、ブログで吠えたまでのことです。

 その点、メールでの質問は、こちらが気が向いた時間にお返事できるので、楽なものです。
 電話と違ってメールで仕事中の貴重な時間を奪われることはありませんので、ナンセンスなメールであれば没にすれば済みます。

 お気遣いは無用ですのでご安心下さい。
posted by ヒゲジジイ at 00:16| 山口 🌁| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2007年07月20日

桂枝茯苓丸の単独使用は思わぬ副作用をもたらすことがあるのは本当か?

性別 : 女性
年齢 : 40歳〜49歳
ご職業 : パート・アルバイト
簡単なご住所 : 中部地方
お問い合わせ内容 : 初めてメールさせていただきます。私は4?歳で二人の子供を持つ母です。

 10代のころから生理痛が重く、又出血の量も多くありました。その為、鎮痛剤で紛わしていました。当時は子宮内膜症という病名は聞いたことがなく、単に生理が重のだという認識しかありませんでした。
 35歳を過ぎたあたりから、出血の量が非常に多くなり、血の固まりが出るようになると同時に貧血になりました。ところが地元の産婦人科で事情を説明しても異常が無いとの事でした。鎮痛剤で痛みを抑え、貧血になると貧血の薬を飲むという状態が続きました。

 ところが40歳を過ぎたあたりから痛みが激しくなり、出血の量も増えてきたため、産婦人科へ行ったところ、突然、子宮筋腫が二つあるという診断でした。(毎年ドックのたびに問診に記入していたのに異常なしでした)医師からは「注射で6ヶ月間、生理を止めるか、手術で筋腫を摘出するか」との話がありました。

 悩んでいたところ、夫が他県に有る産婦人科のホームページに子宮内膜症について詳しく書いてある記述を見つけました。内容が私が10代から悩んでいた症状と同じであったため、わらをもつかむ思いでその医院を尋ねてみました。先生の診断は子宮内膜症と子宮筋腫でした。内膜症は広範囲に広がっているため子宮を摘出しても痛みはなくならないだろうということでしたし、私自身も更年期の事も考え子宮を摘出することには抵抗がありました。
 先生は、1日の服用としてダイナゾール100mg1カプセルとオースギの桂枝茯苓丸料1.5g2袋の処方をしてくれました。
 薬を飲みだして痛みも取れ、出血の量も極端に少なくなり又、貧血がおさまつたことによって頭痛も無くなりとても改善されました。ただ、生理は1ヶ月に2回くることは多々ありました。

 こうして現在にいたるまで2年近く服用を続けていますが、今年に入ってから一回の生理期間が長くなり回を重ねるごとに出血の量が増えてきました。(痛みは薬のおかげだと思われますが改善されたままです。)また、貧血になるのかもしれないと悩んでいたところ村田先生の「桂枝茯苓丸の単独使用は思わぬ弊害をもたらす」の記述を夫がネットで見つけ二人で「これだ!」と声を出してしまいました。

 ただ、産婦人科の先生はエコーで見ると「筋腫がはっきり写らなくなった」といっていることから桂枝茯苓丸の使用は必ずしも間違いではないように思います。ただ、体質に合っていないのかもしれません。
 私は身長158cm、体重42kとやせすぎています。又、胃腸が弱いためか食が細く、くどい物(肉類)などが苦手で太ることができません。(夫には又やせたんじゃないのと最近言われます)
 胃の事について言えば寝ているとよく「ゴロゴロ」と鳴り、気持ち悪くて目が覚める時があります。

 このような体質である私にとって攻撃性の有る桂枝茯苓丸の単独使用は良くないのでしょうか?
 又、胃腸が弱く、太れない体質は漢方によって改善されるのでしょうか?

 村田先生の記述を読んで産婦人科への通院等(生理や胃弱)今、真剣に考えるときではないだろうかと思い、長々と書いてしまいました。
 差し支えありませんでしたら、先生のお考えをお聞かせいただけると幸いに思います。 


ヒゲジジイのお返事メール:体質虚弱な人でも、桂枝茯苓丸が適応する場合があります。文面を拝見していますと、貴女の場合は、検査では明らかに有効性が示唆されるようです。
ですから、桂枝茯苓丸は引き続き連用されるべきだろうと思われます。

 しかしながら、これからがとても重要なのですが、虚弱体質の人に、桂枝茯苓丸を単独で用いるのは、中医学的には誤りです。中医学には「扶正去邪」という法則があり、不足するものは補い、存在する邪気(病邪)は除去するべきで、多くの慢性疾患は両者が同時に併存するのが通常ですから、それを同時に行うべきであるというものです。

 桂枝茯苓丸は去邪専門の方剤ですから、桂枝茯苓丸が適応する病邪が存在するからといって、不足する体力のことは配慮せずに、こればかりを連用すると、次第に体力・気力や胃気などを次第に損傷・損耗して、たとえ病邪(貴女の場合は子宮筋腫など)が縮小しても、肝腎な生命力をどんどん損なってしまう副作用を生じてしまい兼ねないのです。
 それゆえ、必ず補中益気湯など、貴女の体質に応じた補剤(体力を支え養う漢方処方)を併用しなければなりません。
 もしもそのまま桂枝茯苓丸だけを続けていくと、ますます体力を損ない、免疫力を低下させ兼ねないのです。早急に主治医に相談して、補中益気湯などの適切な漢方処方を出してもらうべきです。

 もしもそれが叶わないようでしたら、そちらに多少はお近くになるのではないかと思われます●●●の//////////クリニックで御相談なされば、補中益気湯など、あるいはもっと適切な方剤を処方してもらえると思います。
 それらもすべて出来なければ、直ぐにでもお近くの漢方専門薬局でご相談され、適切な補益方剤を相談してご購入して必ず桂枝茯苓丸を服用するときに併用されるべきです。

 文面を拝見しましても、貴女の場合は桂枝茯苓丸単独で使用すべき体質ではありません。必ず早急に貴女に合った補剤を手に入れて併用して下さい。
 文面だけではどの処方が良いかまでは断定できませんが、適当な専門家が見つからない場合は、次善の策としては補中益気湯や補中益気丸を入手されるのが無難かもしれません。


折り返し頂いたメール:早々の返答ありがとうございます。
 この世の中にあって、このように丁寧にご回答をいただき とてもうれしい限りです。

> ですから、桂枝茯苓丸は引き続き連用されるべきだろうと思われます。

 とのことですが、今年に入ってからの生理の長期化とそれに伴う出血量の増加は体力の低下が要因にあるのでしょうか?
 又、前回のメールには書き込まなかったのですが、私は低血圧で93/63ぐらいが標準です。

> ●●●の//////////クリニックで御相談なされば、補中益気湯など、あるいはもっと適切な方剤を処方してもらえると思います。

 夫に相談して//////////クリニックへ行ってみようと考えています。
 先生の質問コーナーで「巨大な子宮筋腫」ということで東海地方内科医師が相談されていますが、もしかして「//////////クリニック」の事でしょうか?そうであったらとても心強いと思いまして。

 私は筋腫や内膜症はもちろんですが、胃弱ということもあり、そちらに関して相談に乗ってもらいたい気持ちも強くあります。仕事の都合がついたら必ず行きたいと思います。
 ところで、村田先生の名前をお出しして問題ないのでしょうか?

 先生、本当に丁寧に教えていただきありがとうございました。


これに対するヒゲジジイのお返事メール:御質問の

> とのことですが、今年に入ってからの生理の長期化とそれに伴
> う出血量の増加は体力の低下が要因にあるのでしょうか?
> 又、前回のメールには書き込まなかったのですが、私は低血圧
> で93/63ぐらいが標準です。

こそ、補中益気湯が適応する一連の症候のように思えます!

> 夫に相談して//////////クリニックへ行ってみようと考えていま
> す。先生の質問コーナーで「巨大な子宮筋腫」ということで東
> 海地方内科医師が相談されていますがもしかして「//////////
>クリニック」の事でしょうか?そうであったらとても心強いと思
> いまして。

 これについては、ブログ上の固有名詞は、たとえ個人的にでも公開することは出来ませんのでノーコメントです。

> ところで、村田先生の名前をお出しして問題ないのでしょうか
> ?

 これについては問題ないと思います。
 それ以上に大切なことは、昨今、基本的なマナーが守れない日本人が増えていますので、その点だけは充分にご注意下さいませ。


折り返し頂いたメール:回答、ありがとうございます。
 時間が取れ次第、//////////クリニックに行ってみます。
 色々ありがとうございました。


ヒゲジジイのメール:頂いたメールを再度しっかり目を通してみましたが、もしも筋腫が殆んど消退しているのでしたら、そろそろ廃薬すべき時期が来ているのかもしれませんね。
 とはいえ、補中益気湯などバランスの取れた補剤と組み合わせると、

>生理の長期化とそれにともなう出血量の増加(←桂枝茯苓丸による軽度の副作用です!

 を改善して、この桂枝茯苓丸の副作用を完璧に消してしまうことも可能です。
 そうなれば、引き続き桂枝茯苓丸を継続することも可能です。(但し、体重と体調に合わせて桂枝茯苓丸の用量をもっと少なめにすべきです!

 念を入れて別の産婦人科で筋腫などの状況を検査してもらって、ほぼ消滅しているのでしたら、桂枝茯苓丸は中止しても良い時期かもしれません。

 もしも現在も体調がすぐれないのでしたら、補中益気湯など適切な補剤を処方してもらうまでは、一時的に桂枝茯苓丸を中止して、なるべく早急に御紹介したクリニックなどで御相談された方がよいかもしれません。

参考文献:
桂枝茯苓丸料 (桂枝茯苓湯)
桂枝茯苓丸料
補中益気湯
posted by ヒゲジジイ at 00:00| 山口 🌁| 桂枝茯苓丸の有用性と副作用 | 更新情報をチェックする

2007年07月18日

大切な常連さんの電話を邪魔する不毛な電話攻勢の毎日

 連休明けの二日間もやはり不毛な電話攻勢に泣かされる。
 大切な常連さんの電話も連続入ってくる中、お気楽な数々の迷惑電話は毎日尽きることがない。

 くだらぬ問い合わせや、人をおちょくっているような舐めた物言いの問い合わせに、誰が真面目に答えてあげますか?
 ここまで薬剤師は舐められる存在か?
 ま〜〜〜、近頃は病院でさえ「患者様」などと倒錯した敬語法を用いるようになったから、医師が患者様から暴言や暴力を振われるという信じられないツケが回ってきたようだ。
 
 医師に対してもそうであれば、巷の漢方薬局風情はさぞや石コロくらいの蹴飛ばしたい存在でもあるのだろう。
 それにしてもあまりにも人を舐めた物言いの女性が多すぎる。
 電話の応対をする女性薬剤師に「そんなクダラン電話なら切ってしまえ!」ど怒鳴ることも珍しくない。

 こちらは大事なだいじな常連さんやお馴染みさんの、トッテモとっても大切な電話が次々に入って来るので、馬鹿げた質問やお高くとまった連中の電話に付き合っているヒマなどないのである。

 中には子宮内膜症・卵巣嚢腫等の改善の目的で極めて順調に経過していた人が、いつの間にか音信不通になっていた人から(後で相談カードを見ても顔すら思い出せない)突然の長距離電話で、その後めでたく結婚して妊娠したものの現在、切迫流産のおそれアリと安静中の身であり、当方から勧められていた安産用の漢方は、医師から漢方薬にも副作用があるからダメだと禁止されたので、飲まなかったのを後悔しているとのお話し?

 ところが、話の気配からはその後はネット通販で各処方を手に入れていた模様である。一年半もブランクがあれば、当方ではチンプンカンプンになっているから、緊急を要する状態になって遠方からトヤカク質問されてもピンと来ないので、現在購入されているところで相談して欲しい、いまさらアリガタ迷惑なことだと内心思っていたが、そちら近辺に転勤になったから直接伺いますと一方的な話に何がなんだかハトが豆鉄砲を食らっているような女性薬剤師の惚け面(ボケヅラ)がいかにも漫画チック。

 これなども多忙な時間帯では、ほんとうにおとしか言いようがありませんね。

2007年07月17日

両足の浮腫と下腹膨満に対する漢方薬

性別 : 女性
年齢 : 40歳〜49歳
簡単なご住所 : 関西地区
具体的な御職業:臨床検査技師
お問い合わせ内容 : 初めまして、現在私自身が持ついくつかの症状に関してご相談申し上げます。
 @両足の浮腫(左右差殆ど無く上下腿通してあります。去年の6月初めに東京での5日間に渡る研修会出席時に発症、少々ハードに行動し帰宅後両足のだるさと両踵がまるで象の足の様に肥大していることに気づき、これは単なるむくみではないことを自覚し、自分の勤める病院にて血管エコーをはじめいくつかの検査を行ってもらうも、腎性、心性、静脈性は否定され、残るはリンパ浮腫...しかしその原因となる骨盤内病変はないし両足に最初から左右差無く発症していることより原発性リンパ浮腫も考えにくいが、とりあえず重大病変ではないので弾性ストッキングとリンパマッサージするくらいしかないと言われ、それを実行してきました。しばらくはそれでしのいでいたのですが、昨年暮れ頃より急に浮腫の状態がひどくなり体重増加もあり現在に至っています。)

 A腹部膨満(浮腫発症よりかなり前からありましたが痛みはなく、最初はそれほどひどくなかったので放置していました。元来便秘気味ではありましたが排便直後でも膨満しているし、食後明らかに食べた量に比して下腹部の膨満がひどいことを自覚しており、この膨満の原因が何なのか気になっていたところ、浮腫が急にひどくなったのと時期を同じくして膨満も明らかに異常にひどくなり、また回盲部付近にも少し圧痛を感じていたためエコーと大腸内視鏡を施行してもらいましたが、腸管内部はポリープもなく問題なしと言われ、回盲部は高校生の頃虫垂炎を抗生剤でちらしていることより若干の癒着があるだろうけどそれは便秘や膨満とは関係ないということでした。)

 B便秘(子供の時から毎朝排便する習慣はなく便意を感じた時にトイレに行く状態でしたがそれほど不都合を感じたことはなく排便後は膨満感もなかったのですが、ここ数年間は乳酸菌や食物繊維を意識的にとることにより毎朝あるいは1日おきに便意を感じほぼ便秘は解消されたと思っていたのですが先に述べた腹部膨満がひどくなる少し前から便秘状態が現れだんだんひどくなり、便意自体を全く感じない、これほどひどい便秘はいまだかつて経験したことがないというほどひどくなりました。)

 C冷え(ここ数年夏場の冷房と冬場の過暖房が辛い状態でしたが、今年の夏においては明らかにそれがひどく、扇風機の風があたっても神経痛のような鈍い痛みを感じたりします。だからといって汗をかかないわけではなく暑い屋外に出るとそれなりに暑さは感じます。汗はかいていても冷風にあたりたくない感じです。)

 D口渇(口のかわきやのどのつかえを感じますが、水を沢山飲みたくはない、少しの水を口にふくむと満足するけどすぐにまた口がかわく感じです。)

 E不眠(今年にはいって急に夜寝つけなくなり、夜中2時3時やっと眠れても5時頃目が覚めたり...)

 Fコレステロール値上昇(今年初め220位だったのが4月250、5月270と短期間に上昇しています。元々HDLの割合が高くLDLは基準値内におさまっていたのがLDL値も異常値になってしまいました。) 以上が主な症状です。

 更年期障害も疑いましたが、今のところ女性ホルモン量低下はなく、生理も元々順調なほうで、現在も特に乱れてはおりません。消化器内科、循環器内科、婦人科を受診しましたが、症状の改善はみられません。そこで漢方外来を受診し、これまでに桂枝茯苓丸、半夏厚朴湯、六君子湯、桃核承気湯、五苓散、柴苓湯を出してもらいましたが、桃核承気湯で便秘は解消されましたが、他の症状には効いていません。
 今は柴苓湯のみを1週間飲んだところですが特に変わりありません。6月より鍼にも通っているのですが、それにより寝つきが少し良くなりましたが以前のような熟睡はできません。それと口の渇きが少しましになりました。尿量は症状がひどくなる前と比べると若干少なくなっています。
 食欲は以前より旺盛になり逆にコントロールできない感じです。体重も今年にはいって4キロほど増えてしまいました。食事量はそれほど増えていないと思うのですが・・・。
 現在1?0cm00Kgで、体格は日々のダンベル体操により筋肉質になっています。腹筋もかなりついています。また毎日通勤に片道30分は歩いており、結構体力はあります。血圧は100くらいです。アレルギー性鼻炎(特に杉やひのき)があり、風邪をひく時はまずのどの痛みからきますが、熱が出ることはあまりありません。

これらの自分の症状と仕事上の過大なストレスにより、毎日を楽しく過ごせず、週一回カウンセリングを受けているような状況ですが、まだ仕事に対する責任感や意欲は保っていると自分では思っております。今飲んでいる漢方薬や、これから試してみるべき漢方薬がありましたらぜひとも教えていただきたく思っております。宜しくお願いいたします。


お返事メール: 瘀血(おけつ)が介在していても桃核承気湯では下肢の浮腫に効く可能性は殆んどあり得ません。
 もしも下腹部に圧痛などがあればむしろ大黄牡丹皮湯の方が、多少とも浮腫に効果を示す可能性があるものです。

 現在、柴苓湯を使用されているそうですが、貴女のようなケースに小柴胡湯を配合するなんて、実にナンセンスです。

 下腹部の膨満と便秘に下肢の浮腫を伴えば、シンプルに大黄牡丹皮湯証なのではないでしょうか?
 これ以上のことは、もっとも重要な舌象と合わせて考慮しなければならず、文面だけでは大黄牡丹皮湯証を類推する以外には推測不可能です。
 まずは医療用漢方ででもお試し下さい。

【編集後記】 大黄牡丹皮湯に午車腎気丸を併用するケースも大いにあり得ることだが、あとはやはり舌象次第ということになるだろう。
 仕事上のストレス等による肝鬱気滞の並存は十分に考えられることだから、微量の四逆散を加えることも大いにあり得る。(こういう小細工は中医漢方薬学派の特徴である・・・笑

 なお、大黄牡丹皮湯には浮腫に逆行する甘草の配合はなく、処方中の冬瓜子(とうかし)には清肺化痰・消癰排膿・清熱利湿の効能がある。
posted by ヒゲジジイ at 00:43| 山口 ☁| 浮腫(むくみ)・腹水 | 更新情報をチェックする

2007年07月16日

膵臓癌末期、善意が逆恨みとして帰って来るなど、過去に経験した多くのトラウマ

 このブログではここ数日、安易な電話相談をいかに警戒しているかを書き続けている。
 過去の苦い数々の経験知によれば、安易な電話相談こそ最も警戒すべきであるから、ここに記すのも自衛策である。
 先週はあまりにも理不尽な電話相談の要求が多かったので、無理難題を吹っかける人々に警告の意味から記している。
 既に休み明けの混雑必至の17日にも再度電話をかけると威嚇めいたFaxさえ入っている。

 昨日のブログにも書いたが、各医療機関では医師に対する患者の暴言や暴力の頻発が大問題となっている。とりわけ女医さんに対する暴言や暴力は目に余るものがある。
 勤務医の過重労働に何の理解も示さず、そのツケはすべて国民に跳ね返って来ることだろう。

 そのような困難な時代だからこそ、巷の漢方薬局風情でも様々な防衛策を必要とするのである。


 過去には末期癌を含めた各種難治性の疾患に、遠方なるがゆえのご家族からの電話相談で、たっての依頼に応じてしまい、運よく驚くべき効果を発揮して喜んでいたのもつかの間、高価な配合(牛黄製剤や麝香製剤など)であったからか次第に注文が遠ざかっているのを心配していたところ、最近急に効果が無くなったが薬がオカシイのではないかと疑惑の電話。
 ハテはそのご家族間の意見の対立も強く、その板挟みにあって電話でそれぞれから怒鳴り込まれる始末。

 これに類似した例は枚挙に暇がなく、末期の膵臓癌で少しでもクオリティ・オブ・ライフ向上の目的でご家族からの依頼でお送りしたところ、これまた運よく速効を得たものの、心配性の別のご家族から神経質にもホドがある本末転倒した漢方薬の副作用問題をウルサイほどに質問攻め。

 あれだけの驚くべき効果が出ているのに、出てもない将来の副作用の可能性を述べよと気味が悪いほど異様で執拗な要求である。
 神経過敏で警戒心過剰の付き添い家族のお陰でドンドン服薬量が落ち込んでくる。

 大して飲んでもないのだから、それほどご心配なら服用を止めてくれと思わず言ってしまったために、水戸黄門の印籠とばかりに、癌患者の家族を抱える皆の苦衷が分らぬ残忍な薬局であると、それぞれのご家族から凄まじい暴言を交えた抗議の波状攻撃を受ける破目に陥ったのだった。

 日本国中に八つ当たりと責任転嫁の風潮が蔓延しているのである。

 だからこそ、安易な電話相談なんぞで見ず知らずの御家族の要求に負けて漢方薬を販売することは断じて出来ない。
 
 特に重大な疾患であればあるほど、御本人みずからの意志で通える範囲の近隣で、早目からお互いの気心が知れるよりよい人間関係が築ける条件下でなければ、迂闊に請合う訳には行かない困難な時代である。

 もちろん気心の知れた常連さんやお馴染みさんの御家族の場合は例外で、互いに長期間の信頼関係を築いているから可能であるので、むしろ当然の義務であると考えている。

2007年07月15日

すべてを受け入れていたら一週間以内に機能不全を起こすことは目に見えている

 昨日のブログを読まれたお馴染みさんが心配されてメールを下さった。ありがたいことであるが、既に村田漢方堂薬局に通われている人や、一度でも遠方から来られて薬をお出して、お互いに切磋琢磨している人たちには無縁な話なのである。

 皆さんに出来るだけの時間が取れるようにしているのも、当方では受け入れきれない内容のお問合せは悉くお断りしているから捻出できる貴重な時間である。
 当然、最低限のマナーすら守れない人のお問合せは悉くカットしている。

 我が愛すべき日本國は、既に過去の日本ではなくなっている。

 信じられないことに、各医療機関では医師に対する患者の暴言や暴力の頻発が大問題となっている。とりわけ女医さんに対する暴言や暴力は目に余るものがある。
 勤務医の過重労働に何の理解も示さず、そのツケはすべて国民に跳ね返って来ることだろう。


 このような地に落ちてしまったニホン社会において、各医療機関が防衛策を講じる中、村田漢方堂薬局では逸早く徹底した防衛策を講じている。
 その徹底した防衛策をもってしても、様々な暴言を受けることまでは完全には防ぎきれてないのが実態である。

 ケツメイシを求めて来られた三十代の女性、期待したメーカーの製品ではないといって、信じられない暴言を吐き散らして逃げる凄まじい形相は、先週あったばかりである。
 自分の気に入らないことがあれば、所構わず当たり散らす女性達のヒステリックな振る舞いは平成になって加速しており、村田漢方堂薬局内においては男性で目撃したことは皆無に近い。

 まったく見ず知らずの代理人に、もしも要望通りに安易に電話相談だけで緊急を要するからと情に負けて高価な高貴薬などを含めて複数販売した場合、そこでもしも効果が出なかった場合にどのような目に会わなければならないか?
 たとえ一時効果が出ても、状況から直ぐに効果が途絶えた場合など・・・お相手がまったく見えないだけに想像しただけでも空恐ろしい。
 善意が仇になった過去複数のとても苦い経験から、断じて応諾する訳には行かないのである。常連さんによる御家族の依頼とは全く事情が異なる。

 幸いなことに受け付けの女性薬剤師が徹底して家訓?を守ってくれるので、当方の常連さんはもとより、遠近を問わず新しいお馴染みさんもすべて紳士淑女揃いである。
 もちろん女性達こそ、皆さん大和撫子揃いであるからこそ、互いに腹を割って切磋琢磨出来るのである。
 こればかりは、大いに自慢出来ることで、男女ともども日本的な奥ゆかしさと品性に恵まれておられる方達ばかりだから、邪念なく漢方相談にのめり込むことが出来るのである。

 最も問題が頻出しているのは、日々連発してかかって来る一部の無遠慮な電話でのお問合せということである。

2007年07月14日

切迫した状態で半ば強引に依頼されても不可能なものは不可能

 薬局だからこそ絶対に出来ない相談もある。
 切迫した進行した状態で、突然に電話で依頼されてもまったく不可能である。
 ご病人は到底足を運べる状態ではなく、しかもまったく初めての患者さんで超遠方の御家族からのご依頼である。

 このような緊迫した状態の御相談が、今週には常日頃以上に驚くほど多かったが、すべてお断りせざるを得なかった。もちろん深刻な状態だけに、お断りせざるを得ないのは慙愧の念に耐えないが、不可能なものは不可能なのである。
 
 突然、薬局に来られて御家族のお一人が末期状態で西洋医学治療の限界を迎えている苦衷を訴えられる。しかも御家族それぞれのお考えも右と左に分裂して意見が異なる状況下である。
 当方にはもっと早い段階から御本人みずからの意志で、みずからの足で来られている人以外は、漢方薬局という性質上、切迫した状態の「藁(わら)でも掴む」おつもりの状況では、すべてお断りせざるを得ない。
 当方は救急病院ではないし、ましてや断じて藁(わら)ではない。

 直接来訪されるご家族ばかりではない。電話攻勢の夜討ち朝駆けもある。電話相談だけではどのような事情があろうとも、断じてお薬はお分けできないと事を分けてご説明しても、涙ながらに訴えられる。
 ましてやそこまで急迫した状態で、しかも関東方面の患者さんをどうしろというのだろうか?
 
 このような深刻な電話に混じって、耳鳴りを電話相談で治して欲しいなどど、実にお気楽な電話相談まで混じる始末。
 仕舞いには土曜日の閉店後にも、切迫した涙ながらの電話相談依頼のまったく不可能な要求をなされるこれまた関東地方からの依頼である。
 ここまで来ると、当方とて心身ともに臨界点に達して、永久に薬局を止めてやろうかという気になってしまう。

 皆さん深刻な状況だからといって、そのような切迫した状況下で病院でもない漢方薬局に、しかも関東方面から本州最西端に電話相談だけで、しかも主治医の紹介状もなしに、まるで過去に何のご縁もなかったご家族に、どうして魔法のような奇跡を起こせと言うのだろうか!?
 追い討ちかけて今度は上記のご家族の別の人から、混雑必至の17日に再度電話をかけると書かれた主旨のFaxが入る始末。

 病状が深刻であればあるほど水戸黄門の印籠を得たとでも言われるのだろうか?
  このような理不尽な要求に、こちらの方がノイローゼになって寝込みそうだ。何と物の道理の分らない人々の多いことか?

 「お宅で親戚の者がプロポリスを買って・・・」というトンでもない言いがかりをつける電話がまた閉店後にかかる。
 「とんでもない、当方にはプロポリスなんて置いてもいませんぜ〜〜っ!」
 ゴネられる前に先手を打って答えるや否や、バシャン!と無言のまま電話を切られる。これが、我が日本国の現状である。
 学校の給食費も払わない不遜な親達が跋扈する平成のニホンは、もはや日本ではナイ。
 今にカルタゴのように滅びるだろう、亡びるがよい。

 今度、アガリクスを買ったなんぞという言いがかりをつけられたら、きっとプッツンするだろう。
 プロポリスもアガリクスも体温計もオブラートでさえも、まったく取り扱いなし。

2007年07月13日

消えた手の水疱(アトピー性皮膚炎に合併する手の水疱) 6月27日と28日の続報

 6月27日:アトピー性皮膚炎に合併する手の水疱 の続報である。

 ちょうどブログを途切らさずに済むように配慮されたか、一昨日、御本人自身による撮影で、患部の写真をメールで送付してくれた。
 そして昨日には現物(笑)を確認させてもらった。直接ご本人が来られたからである。

 村田漢方堂薬局の漢方薬服用開始後の72日目。
 それまでの六ヶ月間は二つの医療機関における保険漢方により、アトピーの教科書的な処方、消風散を主体にした配合が出され続け、もっとも悪化を招いてトドメを刺したのがツムラ消風散とツムラ越婢加朮湯の併用だったようだ。
 アトピーにおける教科書漢方の恐さをまざまざと見せ付けられたものである。

 中医漢方薬学派においては、湿疹の効能が記載される漢方処方こそ、アトピー性皮膚炎には使用すべきでない、というのが鉄則となっている。例えば十味敗毒湯・消風散・当帰飲子さらには温清飲など

 ともあれこの人の場合、何度も書いているように村田漢方堂薬局に来られた当初は両手とも見るも無惨に腫れ上がって亀裂と膿汁の分泌を伴って悲惨な状態だった。そのときの写真が無いのを皆で残念がっている。









6月27日:アトピー性皮膚炎に合併する手の水疱 のページの写真と見比べて比較してみれば、水疱が殆んど消退しているのがよく分るはずである。

 その6月27日のブログの写真時は梅雨に入って急に水疱が増え始めたのだが、配合方剤は同様に「猪苓湯・茵蔯蒿湯・六味丸・衛益顆粒(玉屏風散エキス製剤)と大黄、微量のイオン化カルシウム」というものであったが、このうち猪苓湯の比率を従来より1.5倍に増量しただけで、一昨日の上記の写真のように約二週間経つうちに水疱は殆んど消退したのである。

 このように方剤の組み合わせは全く同じであっても、配合比率が異なれば、微妙に効果・効能の能力を向上させたり、効果の方向を変化させたり、かなり自由に操ることが出来ることが多いものである

 但し、この人の場合、ステロイド軟膏使用歴が僅かであったことが大いに幸いしたことも事実であろう!
posted by ヒゲジジイ at 00:01| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2007年07月12日

飛蚊症の漢方薬

御質問者:東海地方の内科医師

いつもお世話になっています。
 本日は自分の件でご教示ください。つい先日飛蚊症が悪化(視野のなかを飛ぶ蚊のサイズが巨大化)しまして眼科を受診しました。
 硝子体剥離との診断を頂きました。眼科医のご説明では年齢的な生理的変化だそうです。いいかえれば、”年の成せる業”ということでしょうか(苦笑)。

 そこでご相談ですが、何かお勧めのものはございませんでしょうか。診療中に眼が疲労します。
 ちなみに、自分の所見としては、舌は淡紅で微黄色苔がわずかにあり、胸脇苦満、脈:弦でしょうか。
 腰痛、風邪のあとに痰の絡んだ咳がでたことがありまして、炙甘草湯と八味丸を頂戴しています。
 そして、通常は便秘気味かと思います。それから天候の悪化するまえには頭痛があります。しかし、五苓散は全く効きません(ある文献では有効であるとするものがあり試しましたが)。

 年齢は一応自覚していますが、漢方薬のお助けで診療に耐えられるようにしたいと思っております。


ヒゲジジイのお返事メール:早朝の床の中での後頭部の重さを感じることはないでしょうか?
例の釣藤散証に関連する一連の症候の有無についてです。
胸脇苦満および弦脈を考慮すればなおさら考えられるのは釣藤散の出典である本事方・眩暈門にある「肝厥頭暈」の系列の病症ではないかと推測できるように思います。
胸脇苦満や弦脈は、柴胡剤ばかりが専売特許というわけではありません。
舌は淡紅で微黄色苔からするとますますそれらしく思われるのですが、如何でしょうか?
 ところで小生も愚妻も以前から気になる飛蚊症があったのですが、二人ともに最近はほとんど意識にまったくのぼらないほどに薄らいでいます。先生のメールを頂いて、そういえばと白紙に向かって捜して、ようやく僅かに発見できるほどです。

 愚妻の場合は耳鳴りや眼圧が上昇気味だったことから、釣藤散を主体に細かな弁証論治にもとづいて知柏腎気丸製剤・生薬製剤二号方・茵蔯蒿湯など等、ここに書ききれないくらいの方剤を連用していますが、釣藤散を加えるようになって、明らかに飛蚊症がほとんど消えていると言います。

 小生は二ヶ月前に一時血圧が上昇したことがきっかけで釣藤散・大柴胡湯・茵蔯蒿湯・八仙丸・地竜・板藍茶・白花蛇舌草を比較的真面目に連用して血圧が正常化するのに併行して、長時間のパソコンや読書という過酷な眼精疲労を強いられているにもかかわらず、飛蚊症が全然気にならなくなっています。

 また肝腎陰虚がベースにあることや、血瘀が伴っていることも多いので杞菊地黄丸などの六味丸系列の方剤や生薬製剤二号方などの活血化瘀方剤を併用すべきケースが多いようにも感じています。
 過去の仕事上では、杞菊地黄丸と生薬製剤二号方の二種類の併用のみで寛解した女性や加味逍遙散と杞菊地黄丸の併用で寛解した女性などもおられました。
 しかしながら20年前くらいのことですが、一例だけ慙愧の念に耐えない例として、某合成医薬品系の製薬メーカーの社長さんの重度の飛蚊症を何とかして欲しいと依頼され、真面目に通い詰められたにも拘らず、僅かの改善しか得られず、今から思えば高血圧も伴っておられただけに明らかに釣藤散や地竜が不足していたのではないかと、悔やまれる苦い思い出があります。

 ともあれ、先生は八味丸を使用されておられますが、あくまで個人的な経験から言えは、附子剤というものは明らかに経絡に冷えが巣食っていたり明らかな全身的な陽虚がない限りはあまり使用しない方が良いように感じます。

注意が必要な漢方薬(肺陰を損傷しやすい漢方処方)

このページの後半部分にも書いていますように、辛燥大熱の附子はうっかり不必要に使用すると肺陰を損傷し兼ねないからです。
 ですから確実な附子の証がない限りは、杞菊地黄丸あるいは六味丸の方がふさわしいのではないかと愚考します。これに適当な活血化瘀方剤があれば、生薬製剤二号方でなくとも医療用漢方では当帰芍薬散の少量を適宜利用するなどの方法もあるかもしれません。

 もしも釣藤散証がおありのようでしたら、あるいはこの方剤だけでもかなり効果が出るかもしれません。また当帰芍薬散に釣藤散の合方が適応するようでしたら天候に影響される頭痛にも効果を発揮する可能性も高まると思います。
 
 以上、もしもピンと外れの類推でしたらお許し下さい。


折り返し頂いたメール: 早速、大変詳細で親切なご助言ありがとうございます。
 ”早朝の床の中での後頭部の重さを”をときどき感じていましたし、本日もありました。
 血圧もやや高めですので、釣藤散を試みてみます。
 杞菊地黄丸はエキス製剤がありませんが、どこかご推奨のものがありましたらお教えください。


折り返しヒゲジジイのメール: あえて杞菊地黄丸を使用されなくとも医療用の六味丸でも間に合うのではないかと愚考しています。
 たとえば、愚妻が使用している六味丸製剤は、飛蚊症以外の目的もあって六味丸に知母と黄柏が加わった製剤を使用しています。
 小生の場合は、哲学の煙の関係から、六味丸に五味子と麦門冬が加わった味麦腎気丸製剤を使用しています。
 頂いたメールのご様子では、明らかな釣藤散証がおありのようですので、これまでの八味丸のかわりに六味丸製剤に切り替えるので良いのではないかと思います。

 最近、折々に感じるのは釣藤散証の人こそ、この釣藤散によって飛蚊症が寛解できるように思っていますので、是非、先生を実験台(笑)と考えられて釣藤散+六味丸から始められては如何でしょうか?


お返事メール: 実験の結果で良い成績が得られることを期待して釣藤散と六味丸で試してみます。
 そういえば、つい最近の患者さんでひどい頭痛に釣藤散を中軸とした投薬で著効したかたがみえたことを思い出しました。

 カルテを見ますとやはり、起床時の頭重感から頭痛に至る症状でした。そのときは意識して処方していなかったようです。いわゆるビギナーズラックというものでしょうか(笑)。今回の結果を参考として頭痛の患者さんの選択枝を増やしてゆきたいものです。


再びヒゲジジイのメール:杞菊地黄丸は六味丸に菊花と枸杞子を加えたものですので、釣藤散の配合生薬中には菊花が含まれておりますから、なおさら釣藤散を主体に配合する場合には敢えて杞菊地黄丸を使用しなくても六味丸の合方でもかなり有効性が高いように思われます。


返信メール:いつも時宜にかなったご助言に深く感謝いたします。
 釣藤散と六味丸に期待します。
posted by ヒゲジジイ at 01:02| 山口 ☁| 飛蚊症 | 更新情報をチェックする

2007年07月11日

よくある遠方からのお問合せ=アトピー性皮膚炎の漢方薬

 のお問合せフォームより
性別 : 女性
年齢 : 30歳〜39歳
ご職業 : 会社員
ご住所 : 関西地方
お問合せ・ご連絡内容 : 今晩は。 はじめてメールさせていただきます。
 20年間(現在3●歳)アトピーでステロイド軟膏を使用しております。
 数々の病院に行き、漢方薬も何度か飲み続けましたが変化はありませんでした。
 現在 漢方専門の病院に通院し出した所で、清ウン敗毒飲、芎帰調血飲を処方していただき10日間のんでおります。

 最初の3日間は驚くほど痒み、湿疹などがひき 喜んでいましたが、その後はまた痒みや湿疹が出てきました。
 これでいいものか・・・と不安になっております。

 何をどのようにお話したらいいのか わかりませんが とにかく私はアトピーを治したいのです。
 遠方のため 時間をつくって2泊3日でお伺いしたいと考えております。
 ご相談にのっていただけますでしょうか?
    どうぞ宜しくお願い申し上げます。


ヒゲジジイのお返事メール:ステロイド軟膏使用歴が長いようですが、毎日塗布しているのでなければ、離脱できるようになるまでにはそれほど苦労は要らないことが多いものです。
 ステロイドもあまり効果がなくなって、塗布するのも諦め加減で、見かけはかなり重症にみえる場合でも、ステロイド依存傾向が減っているだけに、多くは比較的スムーズに寛解していくケースが多いものです。

 しかしながら、毎日塗布している期間が長い場合、とりわけ今年だけに絞って、最近の数ヶ月以上は毎日塗布していて、見かけ上はそれほど重症に見えない、むしろ軽いように見える場合こそ曲者で、ステロイド依存が極度であれば離脱までの期間は相当かかる場合があります。
 バカと鋏は使いようというように、ステロイドも正しい使い方をするように上手に利用すれば、その間に漢方薬で寛解に導きつつ、併行して無理のない離脱が可能です。

 しかしながら、いずれの場合も「石の上にも三年」の覚悟が必要です。
 貴女の場合、お勤めもされておられるようですので、見掛けはそれほど重症ではないのでしょうか?
 当方には女性の場合、多くは会社を辞めざるを得ないほど外見が重症化し、漢方治療に専念するつもりで通われている地元や隣県の方が目立ちます。さいわいなことに、いずれのケースも、(途中で紆余曲折があった場合でも)半年以内に一定レベルの寛解まで落ち着いています。

 遠方の方では貴女と同様、関西方面の人もおられれば、関東方面からはもっと多くの男女が来られています。
 しかしながら、いずれの遠方の方も、相当の覚悟と不屈の信念を持って来られるからこそ良い結果が伴っている訳です。

 遠方の方は、何度も来られにくいので(といっても八ヶ月間に3度来られた方もおられます)、その後はメールでの情報交換を詳細に行ってもらう必要があります。メールでの情報交換能力如何が、その後の経過に大きく左右するといっても過言ではありません。

 ところで、現在服用されている「清ウン敗毒飲、芎帰調血飲」についてですが、まだ貴女の体質も分からない段階でコメントすべきでないにしても、あくまで個人的な見解からは、当方では絶対に使用しない温清飲に毛の生えたような配合ですから、サモアリナンという感想を抱いてしまいます。

 アトピー性皮膚炎に関しては、当方ではかなり自信を持っているものですが、初期にはどうしても一時紆余曲折を経ざるを得ないこともあり、それでも互いに根気良く7〜15日毎の詳細な情報交換を怠らない限り、常に臨機応変に漢方薬の配合の微調整を行い、またそのコツを御本人にしっかりと学習してもらいますので、早くて一ヶ月、遅くとも半年以内には明らかな改善効果と将来の明るい兆しに自信を持てるようになることが多いものです。

 但し、最終的には「石の上にも三年」の覚悟が要るのは間違いないと思います。
 貴女はまだ三十代の後半ですが、当方には40歳を超えられたアトピーの男女も多いのです。
 多少の紆余曲折があってもそれに耐えられるだけの不屈の精神があるかどうかの問題です。
 以上、取り急ぎお返事まで。


折り返し頂いたメール:昨日メールさせていただいた●●と申します。
 早速のお返事 ありがとうございます。
 先生のおっしゃる通り 見掛けはそれなりに保っておりますので どの病院に行っても「きれいですけどね・・・」と言われ 悲しい思いをしてきました。
 20年間 ずっとステロイド軟膏を塗り続けていた訳ではありませんが、この3〜4年前から状態が悪く 今年に入ってからは 塗らない日より塗った日の方が多いと思います。
 曲者かも知れませんね(涙)

 しかしながら、覚悟は出来ており 時間がかかっても良い方向に向かうことを願っています。
 メールでの状態のご連絡もきちんと致します。

 さて、お伺いする日程ですが ・・・・・・・・・で段取りをしたのですが 時間は営業時間内なら いつお伺いしてもよろしいのでしょうか?(終了時間ぎりぎりなどとは考えておりませんが・・・)
 また、何か持参した方が良いもの(使用中の薬など)はありますか?
 お返事をいただけると有難いです。よろしくお願い致します。


ヒゲジジイのお返事メール: ちょっと想像した状況がピッタリ当たっていたようです。一番の曲者(笑)タイプのようでしたね。
 会社勤務を続けられているので、きっとそうだろうな〜〜と予想していました。
 見かけが良いだけに、目に見えた効果が感じられにくい部分があって、その割にはお互いの苦労が最も強いられるパターンです。
 外見が重症な人ほど、眼に見える効果が誰の目にも客観的にわかるので、漢方をお出しするこちらの方も楽しめるくらい遣り甲斐を感じれるわけですが、外見はひどくなく、その分、ステロイド漬けに近い場合は、服用者の不屈の精神を必要とします。(こちらはこれが仕事ですから梃子でもへこたれない不屈の精神を持しております。)
 それだけのお覚悟があれば、半年もすれば一定レベルの成果が出てくると思います。

 といっても繰り返し延べましたように、貴女のようなケースこそ、本当に「石の上にも三年」の覚悟が絶対に必要です。

 来られる予定日はもちろん構いません。到着日と二日目は出来る限りの時間を取るつもりです。帰られる三日目も出来るだけ時間を取りますが、最も混雑しやすい曜日ですので、大方は到着当日と二日目に今後の方針等も含めて詳しくアドバイスできると思います。とりわけ二日目は朝から来られれば、相当に時間を取ることが出来ます。

 なお、これまでの貴女のアトピーに関するアラユル情報や資料はすべてもって来てもらったほうが能率が良いです。現在使用中のステロイド軟膏類も勿論ご持参下さい。(血液検査等の資料もあれば、たとえばIgE値や好酸球の数値など)あらゆる情報は能率向上の為に有益です。

 (なお、今後の通信はそのままこのメールの返信でご通信下さい。今回までの往復メールはブログに利用させて頂くかもしれませんが、今後の交信はすべて公開はありませんのでご安心くださいませ!)


後日談:2012年現在も漢方薬を利用されておられ、ステロイド軟膏は既に4年前に完全に縁を切ることが出来ているっ!!!
posted by ヒゲジジイ at 00:48| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする