2007年05月29日

外装のリフォームがほとんど終わった村田漢方堂薬局

 外装リフォーム後の画像を各HPに差し替えなければならないが、仕事中にはなかなか撮影する時間が取れずに困っているところへ、ちょうどK社のW氏が来られたので、たくさん画像を撮ってもらった。(そろそろW氏が来ないかな〜〜〜と待っていたところへ、期待通り!)

    お気楽な来訪を拒むかのようなエントランス(笑)

入り口 村田漢方堂薬局

書庫↓        薬局↓         ↓自宅
書庫と薬局と自宅
posted by ヒゲジジイ at 20:33| 山口 ☁| 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする

2007年05月28日

柴胡剤の秘密

 昨日の日本漢方における口訣の価値について触れたことから、どこかで記録を残して置きたいと思っていた柴胡剤の興味深い秘密?を書いておこうと思った。
 本来なら 漢方専門薬剤師による漢方薬方剤漫遊記 に記録しておくべきことかもしれないが、あとでこのページを引用として転載してもよいだろう。

 不真面目な話に取られても困るから、あまり公然と書けなかった内容である。それは男性の精力減退の悩みに関連した事柄だからである。
 昨今ではこのような問題だけでお問合せや御相談があった場合はすべてお断りしているのだが、多少ともお馴染みになった方から打ち明けられた場合は例外なく御相談に応じて対処している。

 通常では精力減退となれば海馬補腎丸や至宝三鞭丸あるいは八味丸などが一般的にお奨めらしいが、現実にはこれらで奏効するとは限らない。
 この栄養過剰の時代状況を反映して、こられの温補過多の方剤が良いとは限らないのである。むしろストレス除去能力のある柴胡剤こそ適応する場合が多いのが現実である。

 すなわち大柴胡湯や四逆散、とりわけ大柴胡湯証の人には効果絶大であると言いたいくらいである。
 まあ、こういう内容はあまりダラダラとこれ以上続けない方が良いだろう。

 鼻の下の長いヒゲジジイなどと誤解されたら腹が立つ。
 こんな秘密を惜しげもなく公開するサイトやブログが、どこにあると言うんだねっ!?

posted by ヒゲジジイ at 01:44| 山口 🌁| 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする

2007年05月27日

不眠症に対する漢方薬と嗜眠に対する漢方薬

おたより:内科医師

 すこしご無沙汰していました。
 最近の近況について若干のご報告をしたうえで、ご教示ください。

 過日、気うつの患者さんのなかに補中益気湯+甘麦大棗湯が有効なかたがみえることをメールしましたが、有効な患者さんによく聞いてみますと、不眠がかなり改善する、とのことでした。
 もちろん、意欲とかやる気、億劫さなども改善し前向きになってゆくようです。
 さまざまな睡眠剤を処方されても不眠に悩まれているかたが多いですから、助かることだと思います。

 不眠に対する効果が私にとって明確になったのは、過眠傾向のある患者さんに、気うつが背景にあることを考慮して前記の合包を処方しましたところ、過眠傾向が悪化した、とのお話でした。
 「他の症状は改善したのに、いつまででも眠れる。しかし、仕事にならない」とのことでした。

 お伺いしたいことは、補中益気湯、甘麦大棗湯の睡眠に及ぼす影響について、すでに指摘されていること、あるいは、多数例の経験例のなかからお気づきのことがあればご教示くださいますと幸いです。


ヒゲジジイのお返事メール:拝復
 甘麦大棗湯は、欠伸が頻繁な人や、「泣き虫」で涙が直ぐにポロポロ出てしまうような女性に有効なことが多く、大学入学により親元を離れてホームシックにかかり毎日泣いてばかりの涙ポロポロ大学生に速効を得たり、また女性の精神異常やヒステリー(器官言語など)にはうってつけの場合が多く、催眠作用や鎮静作用があることは昔から知られているようです。
 しかしながら、嗜眠傾向が強い場合はむしろ催眠薬としてもシバシバ使用される酸棗仁湯にこそ、嗜眠傾向を治す力があると日本漢方では口訣が残っているようです。
 小生自身の経験では酸棗仁湯こそ不眠症の人に対症療法としてもシバシバ使用しますが、嗜眠傾向、眠り病の人に使用した経験はありません。

 補中益気湯には特別に強い催眠作用はないはずですので、ご提示された症例の方は、結果的に甘麦大棗湯を併用する必要はなく、もしかしたら酸棗仁湯で過眠傾向が治るのかもしれません。(日本漢方の口訣はとてもヒントになるケースが多いようですので。)

 不眠症の問題に関しましては、向精神薬的な作用がある方剤、たとえば抑肝散加減方・桂枝加竜骨牡蠣湯・柴胡加竜骨牡蠣湯・四逆散・帰脾湯・甘麦大棗湯・加味逍遙散・釣藤散など、証候に適合した場合はいずれも一定の不眠に対する効果を発揮できることが多いと思います。
 それでも、もう一つ催眠効果が弱い場合には、それほど証に拘らずに使用できるのが、イスクラ産業から発売されている酸棗仁湯です。癖のある川芎(センキュウ)の配合が僅少であり、その反対に主薬の酸棗仁がタップリ含有されているからです。
 もちろん保険漢方で使用される酸棗仁湯も同様に催眠導入剤的な使用が可能で、酸棗仁湯いずれの製剤でも、朝・昼の服用は省略して、就寝前に一回だけの使用でも有効な場合が多いようです。但し、一般の酸棗仁湯の場合は川芎がまれに胃に障るなどの不快症状が伴うことが皆無とは言い切れません。

 なお、甘麦大棗湯は適応者以外に使用した場合、甘草の配合が多い方剤ですので、他方剤との併用とも相俟って、浮腫みや血圧を上昇させる副作用が生じることもあり得ますので、その点には注意が肝要だと存じます。
 以上、取り急ぎお返事まで。
             頓首
     村田恭介拝


【編集後記的補注】 不眠関連の方剤としては、市販されているものに温胆湯や温胆湯の加味方剤および天王補心丹や柏子養心丸など、弁証論治によって使用すべき便利な方剤もある。
 しかしながら、上記にも指摘した養心安神の酸棗仁湯においては、とりわけ主薬の酸棗仁の配合分量が特別に多く川芎を減じたイスクラの製剤の場合はとても重宝している。特別な弁証論治を必要とせず体質を選ばずに安心して使用出来るが、効果に多少の個人差があるのは当然であり、止むを得ないことであろう。

 ともあれ、今回の書き方は日本漢方時代の名残であるが、中医学と日本漢方のダブルスタンダードが中医漢方薬学の出発点であり、またその本質の一角をなしているのだから当然でもある。
 一般的には「ダブルスタンダード」というのは批判されるべき「二枚舌」を指すことが多いようだが、いかにも頑固に見えて意外に柔軟な精神を有する(笑)ヒゲジジイであってみれば、中医漢方薬学におけるダブルスタンダードは、融通性に富む漢方薬学であることの表現に過ぎない。
 日本漢方の口訣(くけつ)には、中医学派が参考にすべきヒントがとても豊富だからでもある。


折り返し頂いたメール:いつものように、早速お返事くださいましてありがとうございました。
 嗜眠傾向の患者さんへの酸棗仁湯の使用、是非試みてみます。
 また、甘麦大棗湯の催眠作用や鎮静作用についてご教示いただきまして今後の参考にしたいと思います。
posted by ヒゲジジイ at 00:45| 山口 | 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする

2007年05月26日

電話で問い合わせるマナーの悪い女性達

 「態度が悪いですね!」という捨て台詞を吐く電話の女性。何を思い上がっているのやら。
 「アナタこそ態度が悪いですね」と女性薬剤師。

 ことの経緯は信じられない馬鹿馬鹿しい内容である。
「・・・の●●●●は置いてますか?」という、どこやらの健康食品らしい製品の問合せである。聞いたこともない製品だから、当然、置いていませんという返事に、
「漢字が分からないんじゃ〜〜ないですか。漢字を言いましょうか?」
「それには及びません。置いてませんから」
「上の人を呼んで下さい。アナタでは分からないから」
とどこまでも執拗である。
「私は管理薬剤師ですから、すべて分かります」
と女性薬剤師の返事に、ここで
「アナタ態度が悪いですね〜〜〜!」と来たのである。

 このような不遜極まりない思い上がった女性達の問合せ電話は、毎年数限りない。
 病院のような権威を維持すべき組織でさえ「患者」という錯誤・倒錯した敬語法が氾濫するこの日本社会である。今にこの国は滅びるだろう。
 
 雌鳥が鳴けば、國は滅びるのですよ。

参考文献:国家滅亡の原因
ラベル:患者様 無礼者

2007年05月25日

アトピー性皮膚炎に保湿を侮るなかれ!(紫雲膏の偉効)

片手のみに紫雲膏を塗って比較した画像

   ↑紫雲膏なし!           ↑紫雲膏を塗布

 悪化する一途を辿った医療用漢方を全廃して、自費の村田漢方堂薬局の漢方薬服用に切り替えて24日目、皆でよってたかって紫雲膏による保湿を説得。何時間もかけてようやく片手だけに塗布することに成功せり。

 最初は手が腫れ上がって濃い滲出液が多かったので、紫雲膏を塗布する必要はなかったが、漢方薬の効果が出始めた10日後からは明らかに瘡蓋(かさぶた)状に乾燥が目立ち始めた。
 そこで乾燥部分には積極的に紫雲膏を塗布することを勧めるも頑として受け入れない。

 その7日後の来局時には説得を受け入れて購入されたので使用しているものと信じていたが、ほんの手先に使用するのみで、相変わらずガキンコのイタズラのようにカサブタ剥がしを朝一番の日課としている。

 カサブタは自然に剥がれるまでは絶対に人為的に剥がしてはならぬと厳重注意するも、果たして聞き入れるかどうか?!

 上記の画像は昨日、長時間!かけて説得に説得を重ねてようやく片手だけに塗ってもらった結果である。塗布する時には痒い痒いと大騒ぎしていたが、その痒みは直ぐに消退してしっかり潤ってきた。
  この結果にようやく納得されたらしく、最終的には両手に塗布して帰宅された。

 デリケートなアトピーであるから、稀には紫雲膏が合わない人も例外的にいるにはいるが、殆んどのケースではアトピー性皮膚炎の乾燥部分に(一流メーカーの製品を使用する限り)これほど効果のある保湿剤はないぞっ!と思うのである。

 ただし!塗り過ぎは禁物で、うっかり分厚く塗ったり頻繁に塗ると皮膚呼吸を妨げ、皮下に水湿を蓄えている状態下では、せっかく漢方薬の内服により止まっていた滲出液が再び流れ出すこともあるので、塗り過ぎは禁物である。

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 このように雨天も重なり、同時に塗り過ぎて再度ぶよぶよになった状態では、部分的に亜鉛化軟膏類に戻さなければならない。

posted by ヒゲジジイ at 00:05| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2007年05月24日

漢方薬で腹痛を起こした2人が喜ばなければならない理由

 昨年に続いて今回で2例目である。しかも同一処方の配合で生じた腹痛である。
 四逆散・六味丸・猪苓湯の各エキス製剤である。これを服用して腹痛を起こし、腎臓結石が尿管に落ちた可能性を疑って即、検査に行くように強く勧めた。もちろん漢方薬は続行である。

 昨年の例では、もともと早朝の残尿感が続いていた人だから、他の主目的の疾患に対する弁証論治の上からも上記の方剤にさらに黄連解毒湯とイオン化カルシウムも併用していた。この配合で朝の残尿感はほとんど消失していたのに、暑い夏、クーラーが壊れた職場で過ごすこと数日、突然の腹痛に見舞われて連絡があった。
 もちろん即、尿管結石を疑い猪苓湯の濃度を上げ、早く泌尿器科に行くように勧める。

 土日がまたがっていたため、通院が数日後になったが検査の前日に突然腹痛と残尿感が消失した。検査では石は発見されなかったがその後に腹痛は二度と起こらない。

 ほんの数日前の例も同様の上記方剤で体質改善三点セットに四逆散・六味丸・猪苓湯。三点セットはすでに一ヶ月以上服用中で、上記の三種類の漢方薬の配合は今回が初めてであった。
 もともと多少頻尿気味であると言われていたのが、これ等を服用し始めて数日後、頻尿が顕著になるのと同時に腹痛が始まり、数日間便秘状態でもある。直ぐに病院に二軒かかったが炎症反応がありながら病名は確定しない。

 この時点で当方に連絡があったので、それはおそらく腎臓結石が尿管に落ちたのだろうから、泌尿器科に受診するように勧める。もしも石が発見されたら猪苓湯の濃度を上げるべきだが・・・とは言っていたものの、検査が数日後になってしまい、この人の場合も検査の前日には腹痛も頻尿も突然治まってしまった。
 こうなれば検査では石は発見することが出来なかったのは当然である。

 当然、お二人ともに六味丸と猪苓湯は他薬とともに真面目に連用中である。(ナゼだかお二人とも関東勢!

2007年05月23日

アトピー性皮膚炎の漢方薬失敗経験の悔しさから・・・

 アトピー性皮膚炎の新人さんはコンスタントに増え続けている。
 その分、軽症者は短期間で治ってサッサと止めてしまった人もいる反面、病歴が長期間にわたり10年〜40年というケースがほとんどである。
 その間には病院治療のみならず保険漢方や自費の漢方など、様々な治療歴を経て来られる訳だが、中には漢方薬は初めてという方もおられる。
 村田漢方堂薬局の漢方薬でアトピーが治って喜ばれたことは数知れないのは当然であるが、二十数年前には実に慙愧の念に耐えない苦い経験もある。

 皮膚科治療はもとより高名な医師による自費の漢方薬や健康食品および塗り薬(実はステロイドを隠して混入されていたと後に判明)などで一時は好転するもその後は悪化の一途を辿り、眼科疾患の手術も繰り返すほどに重症化。
 当時、重症の女性が村田漢方堂薬局の漢方薬で治ったことから、噂を聞いて下関に職を見つけて働きながら数年間、根気良く通い続けた人がおられた。
 3年以上かかって8割以上の緩解を得て、実家の都会に戻ったのは良いが、しばらくすると空気が合わないのか再発してしまった。その後は漢方薬を電話相談に切り替えて送り続けたのだが、下関にいるときほどの安定は得られず、いつの間にか音信が途絶えた。

 こういう苦い経験の悔しさと申し訳なさから湿熱傷陰にともなう肝腎陰虧(肝腎陰虚)に対する六味丸の応用や少陽三焦理論を応用した猪苓湯活用の開発、および体質改善三点セットの考案など、様々な工夫が生まれたのである。

 だからその後は、服用者に根気がある限りは滅多にドジは踏まない。たとえ初期に思いがけないものが合わずに一歩後退することがあっても、直ぐに修正がきくのも様々なケースを経験しているからである。(アトピー性皮膚炎というものは他の疾患に比べても極めてデリケートで敏感な体質保持者が罹る病気であることを忘れてはならない。

 アトピー性皮膚炎が緩解して美男美女、やはり男性も勿論だが長年苦しまれていた女性達が本来の美しさを取り戻すのを目撃するのが、この仕事の大きな楽しみの一つなのだった。

関連サイト:
   ※村田漢方堂薬局のアトピー漢方薬専門サイト
   ※漢方薬によるアトピー性皮膚炎治療薬研究論説集(中医漢方薬学派40年の歴史)

posted by ヒゲジジイ at 00:27| 山口 | アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2007年05月22日

根気がないために治るものも治らない人達のおはなし

 ネットサーフィンしていたら、漢方薬によって子供さんのアトピー全快までに平均的には3年はかかるのがアタリマエのように書かれているアトピーを専門とする自費診療の医師のサイトに遭遇したが、さもありなん。やはり「漢方薬の上にも3年」である。

 昨今、村田漢方堂薬局では昔と違って親御さんの小児化に付き合いきれず、滅多に子供さんの御相談に乗ることはなく、常に10名を超えることがない。
 大多数は自主的に御本人の意思で来られる成人のアトピー相談がメインである。ところがそれでも一部の方は、意外に諦めが早い。
 
 もちろん続ける止めるはご自由であるが、いかにも勿体無い。
 三十数年間のキャリアは伊達じゃない。過去にアトピーでは大いに苦労もし研究もしたので、根気さえあってくれれば、ほぼ全員を完全緩解状態に導けている。
 ホンの1〜3ヶ月以内、あるいは半年や1年以内に9割以上の緩解をみることは毎年多いことだが、一定レベル以上に進行している場合はそうは行かない。数年以上の長期戦の覚悟を要する場合もある。

 重症者で年余に亘って頑固に悪化してきた年季もののアトピーの場合、たとえ速効が出ずに運悪く数ヶ月経過し微々たる効果のように見えても、半年から1年後には複雑な状況がようやく把握され、本当の効果が次第に出せるようになる。

 とてもデリケートなアトピー性皮膚炎のことだから、思いがけないものが合わなかったり、微調整に手間取ることもあるが、どうせこれまで各医療機関や各地の漢方薬でも大した緩解が得られなかったのだから、そろそろ腰を据えてみたらどうかと思うのだが、腰が据わらない。重度のアトピーの人こそ腰が据わるべきだが、勿体無いことである。

 全身すべてに年余に亘って固定化している重症のアトピーこそ「漢方薬の上にも3年」は必要であろう。
 真の重症者はそれ以上かかることだってあり得るのだが、各医療機関や漢方薬局を転々とされるばかりで数十年、どこかで腰を据えるべきだろう。腰を据えれば数年も経たない内に大いに緩解出来ていたのではないかと思われるのである。

 追記: 本日も体質改善三点セットと活血化瘀作用のある製剤を併用すること4ヶ月、目の覚めるような美人に変貌したのを目撃した。

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2007年05月20日

2007年05月19日

5月16日の続き(信頼のおける漢方薬局を見付けるには)

5月16日 の続き!

関東より3度目に受け取ったメール: ブログへの公開ありがとうございました。長文乱文すぎて、公開されないだろうと思い込んでおりましたが、メールご返信とは別に、参考になるご指摘が多々ありました。
 その長文のわりに、説明不足な部分があったようで、要らぬ推測をさせてしまったようです。

というのも、昨年7月より
荊芥連翹湯 半夏瀉心湯 葛根湯加川芎辛夷 辛夷清肺湯 荊芥連翹湯 現在に至るまでのこの流れ、同じ漢方調剤薬局のエキス剤を使用しております。
 この1年弱の8〜9割の間、同一薬局のものを服用しておりました。ここが処方するのは、何がしか作用を感じた(反作用もあり・・)ので、品質の良いメーカーエキス剤を出すな、と感じていたからです。

 また、この間、決められた服用数、2〜3包を一日一度も欠かしたことはありません。
 ある意味、「漢方薬」自体には浮気をしていなかったし、改めて自分で思い返してみて、昨年6月にカビアレルギーを発症し、「絶対治す」という決意があったから続いたと思います。

 確かに他の何軒かの薬局を訪ねましたが、医療でいうセカンドオピニオン的に、方向性が間違っていないかの確認や、あわよくば、さらに信頼できる薬局が見つかればと思ったのですが、結局、、、

(1)「単方」のみ 最低1ヶ月単位でしか出さない店

が、(残念ながら・・・)地元で少しでも信頼できる唯一の店であったわけです。

が、そこにきて、

単方では難しく、『最低でも2〜3処方が必要である。』

と言われてしまうと、やはり、この近辺での限界を感じますし、地元で「専門家」を見つけなさい といわれてるのに、見つけるのに、「渡り鳥」をしなければならないこの現実・・・

 村田さんの、いくつかのご指摘・お言葉を、現状の私の周辺の漢方薬局事情にあてはめてみると、矛盾が生じてしまうのです。
 思考停止してしまいます。

 私なりではありますが、石の上にも1年弱ですが、真摯に漢方薬と向き合ったきたと思います。
 もう一アドバイスいただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。


ヒゲジジイのお返事メール:拝復
 この往復メールもそのままブログに掲載させて頂きたいと思います。

 今回のメールで、かなりご事情を理解することが出来ました。少なくとも石の上に3年ならぬ同じ薬局で1年近くは頑張られておられたのですね。
 慢性疾患というものは時として思うような効果が得られず、患者さんのみならず薬局側でも右顧左眄するばかりで、なかなか配合がうまく噛み合ってくれないときがあるものです。
 小生も過去に何度も経験していますし、現在でもそのような方を数名抱えています。
 
 過去、そのような場合でも、お互いに諦めずに切磋琢磨するうちに、意外なところから糸口が見つかり、弁証論治により打ち立てた仮説がそのまま現実に効果として発揮する時がやって来るものです。難航する配合も、お互いに長くお付き合いするうちに、気心も知れて来るうちに、その人の性格や体質がまるごとつかめるようになってはじめて、打開の途が開けたということもシバシバでした。

 それだからこそ、少しでも信頼できそうな専門家に出会えたら、同じ所に通い詰め、親しくなればなるほと気心も知れ、そうこうするうちに薬局側も治せない悔しさと申し訳なさで内心は苦渋に悶々としながらも、何とかして差し上げなければという思いが長期間続くうちに(そのために不眠症になることもありますが・・・笑)、試行錯誤しながらも様々な考えが浮かぶようになるものです。

 たとえ、少々経験が少ない専門家でも、勉強熱心でさえあれば、深夜こっそりと様々な専門書を取り出して勉学に勤しまざるを得なくなるはずで、事実、小生自身が若い頃から、そのような治りにくい人で、いつまでも頑張り通して下さった人達のお陰で、結局は8割以上の安定した状態に導けたことは再々のことでした。(そのように滅茶苦茶に苦労した人ほど大の漢方ファンとなられて、それこそ常連さんとなれているのは不思議なほどです。)

 そちらの地元で、多少とも頼りないな〜〜〜と思われる専門家であっても、勉強熱心で仕事にいい意味でのプライドを持っている方であれば、貴方がその専門家を内心では育てるくらいのおつもりで漢方薬局の上にも3年のつもりで、通い詰めるのが最善で最短コースのようにも思われます。急がば回れということになるかもしれませんが・・・。

 事実、ご相談者とはお互い様のことでしょうが、若い頃は相談者のマナーがなってない図々しい人もいて、内心地団駄を踏みつつも、プロ意識と血気盛んな負けず嫌いで、様々な妙案の配合を提示しても、なかなか聞き入れてくれない相手に手を焼いて、何度も険悪なムードになりながらも、それが何年も続くうちにお互いに気心が知れてくると、突然なにもかもうまく行き始めたという例も多く経験しています。

 長々と書きましたが、要するにやはり、少々相手がヘタクソ、知識不足などと思われる専門家であっても、貴方が相手を育てるくらいのおつもりで通い詰めて頑張ることも必要だと思うわけです。
 ただし、

> (1)「単方」のみ 最低1ヶ月単位でしか出さない店

という薬局や、処方を公開しない秘密主義の薬事法違反を平然と犯すような薬局だけは、絶対に避けるべきです。
 できれば定期的にじっくり時間をかけて相談に乗ってくれるところがよいのは言うまでもありません。

 貴方のこれまでのご経験は、同様な経験をして困惑されている人達の貴重な参考資料となるはずです。このメールを送信させて頂いた後、早速、ブログに転載させて頂きます。
 以上、取り急ぎお返事まで。
                 頓首

         村田漢方堂薬局 村田恭介拝


【編集後記】 最初から一ヵ月分まとめて出すのは無謀な投与としか思えないが、2〜3回目の配合調節の段階で、組み合わせる方剤の一処方の選定に間違いがないと確信される場合は、その方剤だけは徳用となる一ヶ月分を渡すことは村田漢方堂薬局ではシバシバあることだ。
 たとえば、最近の典型的な例では、濃い浸出液を伴うアトピー性皮膚炎の人で、二軒の病院の保険漢方により前後、合計六ヶ月間、様々な処方を微調整して頂いたのはいいが、常にツムラ消風散を土台として更に1〜2方剤を併用され、次第に却って憎悪し、消風散合越婢加朮湯に到って最高潮に悪化し、堪らず村田漢方堂薬局に来局。
 初回は例の体質改善三点セットと茵蔯蒿湯に猪苓湯製剤。
 ところが珍しいことに体質改善三点セットが合わないという不測の事故があったものの、茵蔯蒿湯と猪苓湯のみでも10日間に、波打ちながらも明らかに好転。
 次に六味丸を加えると波うちの振幅が小さくなった。今後は玉屏風散製剤や黄連解毒湯製剤を加えるか加えないか(この2方剤も既に購入され、いつでも使用できる態勢をとってもらっている)を思案している段階であるが、少なくとも猪苓湯と六味丸は確実に合っているので、徳用製品のある猪苓湯製剤だけは希望もあってこれだけは一ヵ月分を購入。
 しかしながら今後も安定した効き目が得られるまで7〜10日のペースでやや遠方から通ってもらっている状況である。

 また、効果がなかなか出ずに難航している一部の人でも、本命の主訴には効果が薄くとも、他の面で明らかに合っていることが間違いない場合、徳用サイズのある製剤では一か月分を購入してもらうことはシバシバである。
 当分は基礎方剤として使用してもらわねばならない方剤では一ヵ月分の徳用製品がある場合は、今後の長期戦に向けて経費的には断然有利だからである。

 もちろん1〜2回目でドンピシャで配合が合った場合は、調整がまったく必要なくなるので、直ぐに徳用サイズに切り替える人は大変多いことは言うまでもない。

posted by ヒゲジジイ at 00:35| 山口 ☁| 村田漢方堂薬局の徹底したポリシー | 更新情報をチェックする

2007年05月17日

耳鳴りが20日分の漢方薬で7年間再発しなかった例

4月27日の 膝関節部の水液貯留が漢方薬わずか一ヶ月の服用で10年間再発しなかった希有な症例 と同類の著効例の話である。

 今回の症例も8年前に来局された中年女性で、当時1年前から始まった耳鳴り難聴で、弁証論治により少量の葛根湯エキス製剤と香蘇散エキス製剤を10日分。著効を得て更に10日分お出ししたところでそのまま音信不通ゆえ、まったく忘れていた人である。
 その人が昨日来局され、10年前(実際は8年前)に耳鳴りが村田漢方堂薬局の漢方薬で治ったので、また今度も御願いしますとのことだが、まったく記憶にないお顔と名前なので古い相談カードを探してみると、確かにあった。
 その内容が上記の2方剤で、2回しか来られておらず、しかも合計20日分服用されただけの計算である。
 その後、やや聞こえが悪いのは残ったが、耳鳴りは完璧に消えていたというのである!

 ところが昨年、突然のメマイと吐き気で倒れて以後、耳鼻咽喉科で出された医薬品で却って猛烈な副作用に見舞われ、それ以後、7年ぶりに当時の同じ耳鳴りが再発して夜が眠れなくなったというのであった。

 ともあれ、このように1回目で著効を得た多くの人が、その後1〜2回続けて以後は直ぐに音信不通になったケースは毎年相当な数に上るので、多くはこの女性や上記の膝関節部の水液貯留が漢方薬わずか一ヶ月の服用で10年間再発しなかった希有な症例のように、短期間の漢方薬で当分の間再発せずにいる人は、決して希有な症例とは言えないことに気がついた。

 たまたま再発したから再来されるので、その後の経過が判明するのである。

 一回目から著効を得た人に限って直ぐに音信不通になるので、バカだな〜〜〜くらいに思っていたが、その多くは上記の人達のように(病根は残っていようとも)現象的には無症状となって根治したつもりでいるのかもしれない。

 こういう運の良い連中が多いから「石の上にも三年」という気合をかけても、運悪く直ぐすぐには効果が出ない人達は、

「あの人は直ぐ治ったのに、私はきっと漢方薬が効かないんだ〜〜〜?!」
 と勘違いして半年どころか一ヶ月も頑張れない人が出て来るのだろうか?

 実際、毎年マイトシ、一発目で著効を得た人に限って、数回も続かないことを長年不思議に思っていたが、ようやくその理由が分かったようなわからないような・?・!・?・!

ラベル:耳鳴り 著効例

2007年05月16日

副鼻腔炎で荊芥連翹湯連用中の男性から折り返し頂いたメール(地元の漢方薬局遍歴史)

5月9日のブログ副鼻腔炎(蓄膿症)と胃弱 ━ 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょとう)の効果と副作用? の続き。関東からお問合せされた男性からの折り返しのメール

 早速のお返事、また、ご教示まことにありがとうございました。
 調子の悪かった時により、思うままの乱文、推敲もせず失礼をいたしました。

 最近、荊芥連翹湯(エキス剤)の効きが甘くなってきており、また、毎年、梅雨の時期が一番調子が悪い(後鼻漏の量がひどい)し、昨年は、カビアレルギーを発症してしまいました。
 どうも、このまま荊芥連翹単方では、乗り切れそうもなく、ご相談さしあげた次第であります。

 ●●のこのあたりの大抵の漢方薬局は訪問しているのですが、村田さんのおっしゃる「常識」を持った「専門家」がいるのかどうか疑問なのです。

(1)単方のみ 最低1ヶ月単位でしか出さない店  荊芥連翹湯で効いていたのににきびが出る(正常な排膿作用?)というと、半夏瀉心湯単方1ヶ月に変えられ、ひどい胃痛・下痢。

(2)処方「名」を教えてくれと頼んで、やっと、生薬の羅列のみ教える秘密主義?の店

(3)他店の辛夷清肺湯を飲んでいるというのに、真武湯を処方され、ひどい下痢になった店

(4)花粉症だというと、全員に、「衛益+鼻淵丸」を処方して、星火健胃併用で飲み慣れてきたころに、五苓散(ごれいさん)に変えられ、手がしわしわ(正常なところから駆水?)になって、胃腸薬は必要だから、星火健胃or五苓散 どっちか好きな方飲んでと、それ以上微調整の提案がない店(この店は、市内の中医薬会員店では、一番期待していたのですが・・・・・・)

 このような感じで、この辺りの漢方薬局では、先行き不安なので、ご相談差し上げた次第です。

>  「荊芥連翹湯が一定レベル効果があるなら、それ相応の胃弱をカバーする方剤を併用すべきです。」

 こういうことを、わかっている「専門家」がいるかどうかということが、たとえ、●●近都県まで範囲を広げたとしても、見つかるか、ということが疑問だし、不安なのです。

 ただ、煎じ薬 なら自信を見せている店があるので、現状そこに賭けるしかないのかもしれません。煎じ薬 の効きを自分でも試したいと思っていたところです。
 当然、このあたりの「常識」では、「相応の胃弱をカバーする」合方はなく、単方になると思いますが。。

 ありがとうございました。
 今後ともよろしくお願いいたします。


【編集後記】=ヒゲジジイの感想文 (1)の方剤中、半夏瀉心湯の配合薬物中の乾姜には大いなる問題があり、
http://cyosyu.exblog.jp/i37 このページもあるように、正しい乾燥生姜を用いずに、ワイキョウやホウキョウもどきの飴色に蒸した乾燥生姜とは似て非なるものを使用する錯誤が常識化している日本国内の漢方製剤そのものに問題があり、これが原因による副作用ということも考えられなくはない。 

(4)のような薬局さんでも、服用者がもっと食い下がって熱意をみせれば様々な微調整をやってくれたかもしれない。もしかすると御本人の浮気性が半分は原因で、少しでも信頼出来そうな薬局さんで腰を据えようとされないことも問題なしとしない。
 現実にこのような渡り鳥の患者さんが回って来れられることが当方にもあるが、あまり定着できたケースは少ない。

 文字通り「石の上にも3年」というように、かなりこじれた一定レベル以上の慢性疾患が、真の意味の8割以上の緩解を得るまでには、村田漢方堂薬局では3年以上かかったことはザラにあるし、慎重な人達は、8割以上緩解の後でも3年以上あるいは5年以上も念を入れて続けた人もザラにある。
 このように慢性疾患の根本的な解決を行うには「石の上にも3年」という覚悟がない人は、真の意味の体質改善は行えないように思われる。(これを読んで落胆される人は、一定の経費を要する自費の漢方には手を出さないほうが良いだろう。
 もちろん軽症者の場合は、この限りではないが・・・

 とりわけ重要なことは、一定レベル以上の慢性疾患では、滅多なことでは単方(一つの漢方薬方剤)だけで8割以上の緩解あるいは治癒を得ることは、ホトンド不可能に近いということである。
 最低でも2〜3処方が必要である。
 その根拠は、
漢方と漢方薬の御案内 にあるように、
 『中医漢方薬学』では、病気を解決するための漢方薬の組み合わせの法則(配合法則)として、
 @病気の直接的な原因となっている「内外の病因」を除去する漢方薬。
 A五臓六腑の機能を調整する漢方薬。
 B体内に流通する気・血・水(津液)・精の疎通あるいは補充を行う漢方薬。

という三方面の漢方薬を配合することが鉄則となっています。

 一般的な病気では、この三方面の働きを2〜3種類くらいの漢方製剤でまかなえることが多いのですが、成人病や難病では内・外の病因が複雑化しており、五臓六腑の機能失調の状況や、体内を流通する気・血・津液・精の盈虚通滞(量的に過剰か不足か、流通が過剰が停滞かなど)における病理現象が複雑化していることが多いため、3種類以上の漢方製剤が必要となることがあります。もしも、この必要不可欠な配合を無理に節約すると、治せる病気も治せないことになります。
とある通りである。


2007年05月15日

病院で精神的なものが原因と言われた蕁麻疹は漢方薬では治らないでしょうね〜〜〜?という強く同調を促すお問合せの電話

 午後六時、薬局を閉じた後にかかったお問合せの電話。スタッフは全員(と言っても約2名だが)、1日の疲れがグッタリと出ている。

 この時間帯にかかるお問合せは、相変わらずいつものジンクス通りの内容だった。

「蕁麻疹で病院に通っても治らないんですが、精神的なものの場合は漢方薬では治らないでしょうね〜〜〜?」
「そうおっしゃる場合は、治らないかもしれませんね〜〜〜」

 治らないでしょうね〜〜〜という風に強く同調を促されれば、夕方6時以降の疲労の極限に達している時間帯である。思わず反射的に同調してお電話を早く切り上げてしまうのであった。

 実は、こういうお問合せ電話のやりとりは疲れてない時間帯であっても五十歩百歩の日常茶飯事。

 さらには!
「お宅の漢方薬は保険はききますか?」
 というお問合せはどこかから必ず毎日のようにかかって来る。病院と薬局の区別がつかない馬鹿な人達だ。病院の漢方と同列に置いて欲しくないもんだ。

 もう、今後はこんな役にも立たないブログしか書けないかもしれない。どうしてこんなにトウヘンボクなんだろう? これも一種の病気と言えば云える。(やっぱり今日は疲れている

 でもね〜〜〜っ、ひとつだけ断言できることは
「●●●は漢方薬では治らないでしょうね〜〜〜〜?」
 という類の質問を受ければ、強く同意を求めているものと受け取って、その意向に同調してあげるのが日本人的曖昧なマナーであるから、たとえどのような得意分野の病気であっても、相手の意に沿うように
「きっとダメでしょうね〜〜〜」
 と必ずや同調してしまうこと請け合いである。 
 何せどうしようもなく気が小さいんだから〜〜〜〜っ!


ラベル:奇妙な電話

2007年05月14日

漢方薬が頭痛とふらつきに速効を得ても高血圧の漢方治療は?

おたより:北陸地方の鍼灸師

村田先生

 拝復
 早速ご教示ありがとうございます。半夏白朮天麻湯と釣藤散を服用しました。昨日はずっと頭痛がでてひどかったのですが、今日の午後からだんだんすっきりしてきて今は全くふらつきも頭痛も治まっています。
 服用2日目にして治まるなんて改めて漢方の凄さを実感しています。自分で感じてみるとより感激です。
 今は首から肩にかけての凝りを感じています。

 もしかして先生ご自身が辛夷清肺湯をご使用されたのは凝りにたいしてなのかと思いましたが・・・
 最近デジカメを購入したので舌の写真を添付させていただきました。
 写真でみてみると赤味もあるような、舌先に瘀点もあるような?
 是非先生のご意見を教えていただけますでしょうか。よろしくお願いします。
                   頓首


お返事メール:拝復
 ブログには「編集後記」としてメールのお返事では書き足りなかった問題点も追記していますので、御覧下さい。
 ところで、画像には確かに瘀血の存在は歴然としています。滑苔も見えるようで寒湿の邪気が並存しているようにも見えます。
 自覚症状軽快とともに血圧も少しは下がったのでしょうか?
 瘀血に対する適切な方剤は、生薬製剤二号方と言いたいところですが、肝風内動の兆候がある時には使用しない方が無難だと思います。川芎(センキュウ)の配合がまずいと思います。
 小生が辛夷清肺湯を使用したのは、いつになく鼻づまり加減であったからです。
 首から肩にかけての凝りは、そこを冷やした方が気持ちがよいか、温めたほうが気持ちがよいかによって方剤がまったく異なります。冷やして気持ちよければ辛夷清肺湯、温めて気持ちよければ、やっぱり生薬製剤二号方か冠元顆粒の少量を加えるか(笑)、ですが、牛黄も併用しておいた方が無難だと思います。
                     頓首
   村田漢方堂薬局 村田恭介拝


折り返しの頂いたメール:拝復
 詳しいご説明有難うございます。大変参考になりました。
血圧ですが180/110です。上は下がってきているのですが下がなかなか下がりません。ちょっと今日は目の奥が重い感じがしております。手元に杞菊地黄丸がありましたのでプラスしてます。
やはり凝りは依然としてあり、朝起きると余計に凝っている感じがします。やはり瘀血の対処をしなければいけないのかと思っています。
例えば六味丸系列のものを用いて瘀血剤を使用する場合は牛黄の使用はどうなのでしょうか?
 それとも六味丸系列のものを用いず牛黄とセットで使用したほうがよいのでしょうか? よろしくお願いします。
頓首


ヒゲジジイのお返事メール:拝復
 やっぱり血圧の方はあまり下がってないのですね。
 ご報告の内容からはどうしても各臓腑経絡の寒熱の実体の推測が不可能ですので、アドバイスの手がかりがほとんどありません。あきらかな熱証がみられる風でもなく、かといって肝腎陰虧が明らかとは言えません。
 やや推測可能な問題は脾虚による水湿の停滞から発展した風痰が強く推測されるだけです。このような場合は、半夏白朮天麻湯や釣藤散を合方するにしても、配合中で重なる朝鮮人参が問題で、降圧作用にブレーキをかけるものです。少なくとも党参が使用されているものならまだしも、日本の製剤は何でも朝鮮人参を配合しているので製剤としての効果をワザワザ激減させているように思われます。それゆえ、開竅化痰の牛黄で補強するなり、猪苓湯を加えるなりして強力に補強しなければ風痰による高血圧には効果は弱いと思われます。
 オケツの問題は、痰湿阻滞による気機失調が発展して生じた気滞血瘀と推測されます。丹参と霊芝を加えるなど・・・

 これが常連の人なら、実際にあったことですが、当時80歳の婦人、一ヶ月も塩鮭に凝って毎日食べ続け、明らかな塩分過剰により血圧が200となった人に、直ぐにその食習慣を中止してもらい、同様の方法で一週間で150〜160に戻したことがあります。
 強引に病院に行ってもらい、せっかくアルダクトンをもらって来たのですが、もともとあらゆる合成医薬品がまったくダメな人で、1回服用しただけで却って頭痛がするので二度と服用しない、ヒゲジジイがちゃんと治せと命令(笑)するので、上記方剤と牛黄製剤に沢瀉湯製剤をしっかり併用してもらい、利水効果を高めて1週間で元にもどしてあげたことがあります。
 小生自身のことや常連さんの体質のことならよく分かっているので、即座の対応とアドバイスが可能ですが、これ以上のアドバイスやヒントを差し上げることは不可能です。

 あまり血圧が下がらないいようでしたら、上記をヒントにされるだけでなく、明日にでも病院に行って一時血圧を下げてもらった方が安心ではないでしょうか?
                          頓首    


折り返しのメール: 拝復
 いろいろご親切にアドバイスしていただき本当に有難うございます。牛黄を使ってやってみようと思います。 それでもだめなら病院に行きます。
  また今後ともよろしくお願いします。
                          敬具    

               

2007年05月13日

アレルギー性鼻炎の漢方薬

性別 : 男性
年齢 : 20歳〜29歳
簡単なご住所 : 関東地方
具体的な御職業 : 大学生
お問い合わせ内容 : はじめまして
 私は、ずっと前からアレルギー性鼻炎に悩んでいます。
 外服薬やレーザー手術を受けましたが全く良くなれませんでした。とうとう、治すことをあきらめるようになってしまいました。
 でも、来年から仕事に励むためには絶対に治さないといけないと思い今回相談させてもらっています。
 なんとか治す方法はないのでしょうか?
 お返事心よりお待ちしております。忙しいところすみません


お返事メール:もちろんアレルギー性鼻炎は漢方薬でしっかり治すことは十分可能です。むしろ得意分野と言ってよいほどですが、完全緩解の状態まで体質を変えるには相当な根気が要ります。
 さしあたりの症状を消すことも、うまく行けば一月もあればかなり軽くなります。
 昨年、漢方を始めて明くる日には症状がホトンド止まってしまった人もいました。
 運よく速効が出たからといって、直ぐに止めると、当然多くは直ぐに再発します。
 本当に体質を改善するにはとても根気が要ります。少々症状が軽くなっても根気良く続けて、おそらく数年以上は続けないと真の意味では体質は変えられないかもしれません。それほどアレルー体質のいうのは一朝一夕では変えることが出来ないようです。

 但し、何度も書きますが、症状自体はうまく行けばかなり短期間に改善することが出来るということです。
 何事も、石の上にも3年という言葉通りかもしれません。

 ネットで当方のサイトを見つけられたように、多くのサイトでアレルギー性鼻炎を「売り」にしているのをきっと貴方はご存知のはずです。
 以上、取り急ぎお返事まで。
                      頓首


折り返し頂いたメール:お返事ありがとうございました。
 是非、村田漢方の漢方で体質改善に取組みたいのですが
 どうしたらよいでしょうか?
 どうしても治したいので


ヒゲジジイのお返事メール:拝復
 関東はあまりに遠すぎます。まさか下関に何度も通うことも出来ませんので、お近くの漢方専門薬局に通い詰めるべきです。
 アレルギー性鼻炎はありきたりな疾患です。漢方では比較的得意分野でもありますので、地元の信頼できそうな専門家を探して、直接通い詰めるべきです。体質改善には数年はかかるつもりで頑張ることです。
 但し、自費の漢方は多少とも経費がかかるかもしれません。自費である分、必要に応じてかなり自由で豊富な漢方処方が使える筈です。
                頓首

折り返しのメール:はい!探してみます。
 色々とありがとうございます。


【編集後記】 まったく同様な悩みで春の就職前に、子供の頃からの鼻づまりと後鼻漏などに悩んで仕事に差し支えるからと来局された人に、辛夷清肺湯(体質によって方剤は異なるが)と体質改善三点セットでグングン改善して喜ばれているが、服用を1日朝晩2回に限定している為に、日よってはぶり返すこともある。やはりピントが合っていても服用回数を怠ると、効果が激減する日があるのも止むを得まい。

 また、同じことをどこかのブログで書いたかもしれないが、昨年、九州から関東地方に転勤になった人が、赴任して以後に発症し次第に悪化の一途を辿り、堪らず通院治療するも内服薬がもろに応えて、その割には一向に改善されず強度の鼻づまりとクシャミ・鼻水など、初秋の土曜日の午後、Jリーグ観戦中?に電話がかかり、苦しくて会社にいけそうもないひどい鼻声に、直ぐに体質改善三点セットを送ってあげると翌日にはピタリと症状は雲散霧消した。
 もともと他の目的で数種類の漢方処方を連用中の人であり、数年前には直接何度も通って来られた人であったから、運よく即座に対応できたのである。現在も体質改善を行うべく従来の方剤とともに連用中。

 九州から関東に赴任した途端にアレルギー性鼻炎になるなんてっ! よっぽど関東の空気は汚れているんでしょうねっ、きっと!

 ともあれ村田漢方堂薬局のヒゲジジイは悪趣味?だから、西洋医学治療はもちろん他所の漢方専門家に通い詰めても治らず、困難を極めて心底困り果てた人達の病気が治ってもらうのを最も得意というか、生き甲斐としているものである(笑)
 それゆえすべてがスムーズに解決出来るわけでもないが(時に四苦八苦して逃亡したくなる時もあるものの・・・)、服用者の不屈の信念と根気さえあってくれれば、ほとんどのケースを8割以上の緩解に導けたという過去の実績を頼りに日々奮闘しているのである。
 時に根競べになることも無いわけではないので、途中でアッサリ諦められれば万事休すというわけである。
 相変わらず9割以上は実現しているつもりであるが、残りの1割未満の人の中には、意外に短期間に途中でアッサリと諦め、ヒゲジジイの前から逃亡するのである(涙)

2007年05月12日

高血圧と肝風内動(肝陽化風)

御質問者:北陸地方の鍼灸師

 前略いつもご教示ありがとうございます。今朝先生のブログを見てビックリしました。実は私も昨日の朝起きてからふらつき感があり、血圧を測ると180/110と異常に高く気分が悪い感じでおります。
 偶然とはいえ何か気候的な影響もあるのかと考えております。

 最近忙しく連休中も徹夜の日もあり、甘い物が異常に食べたくなったり、おなかがいっぱいにもかかわらず食べてしまったり、ちょっとの空腹感もあまり我慢できないといった感じがしばらく続いており、太っているうえに更に最近増加傾向という悪循環を招いておりました。

 そこでお教えいただきたいのですが、まず舌なのですが白滑膩苔で舌質自体は赤みがないようにみえます。ただし薄く黄色味がかっております。
 そこで昨日の釣藤散などが考えられると思いますが、その場合肝陽化風なら舌質に赤味がみられないといけないと思いますが、苔の黄色味などは熱の反映とみていいのか、色も薄いので日頃の運動不足や仕事がら気虚の反映とみるべきでしょうか。
 そういうことから考えると単に風痰上優と考え半夏白朮天麻湯だけでいけばよいのでしょうか。 またそれに玉屏風散などをプラスして考えてもよいのでしょうか。
 それとは別に黄色味を湿熱ととらえインチンコウ湯を考えればいいのでしょうか。

 あと私ばかりでなくうちに来る患者さんにも最近共通して心下満や苦満がみられます。大柴胡湯も考慮してよいのでしょうか。
まだまだ貧弱な中医学もどきです。舌診もあまりじしんがありません。
ご指導よろしくおねがいいたします。


お返事メール:拝復
 舌象のご報告からは、ご提案どおり半夏白朮天麻湯を主方剤として釣藤鈎を粉末で併用する程度の方が無難ではないでしょうか?
 たしか、とても寒がりのようにおっしゃていたと思いますので・・・
 寒がりの人の場合のわずかな黄膩苔は、上記方剤の黄柏(オウバク)や沢瀉(タクシャ)などで対応できます。
 もしも、あきらかな湿熱による黄膩苔なら、茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)が効果的なことはご指摘の通りです。
 胃部に痞え(ツカエ)があり、脇胸苦満があれば当然大柴胡湯が考えられます。
 こちら中国・九州地方では、大柴胡湯証を用いる機会は柴胡桂枝湯証の人よりも遙かに多いものですが、どうも関西以北は、体格はよくとも見掛け倒しの虚証気味の人が多いように思いますので、どうも文面だけでは当方での繁用方剤、大柴胡湯や茵蔯蒿湯をお奨めするのは、ちょっと気が引けてしまいます。
 実際、こちらでは血圧には無関係で、痩せていようが太っていようが、大柴胡湯を用いる機会は滅茶苦茶に多いのです。

 但し、ご報告の朝のフラツキ症状はあきらかに肝風内動・風痰上擾的ですので、半夏白朮天麻湯に釣藤散の合方のほうが無難で、大柴胡湯を加えると疎肝の柴胡が肝風内動を抑えるのに邪魔になる可能性も高いと思います。(追記:明らかな大柴胡湯証が並存している場合は当然用いるべし)まだ茵蔯蒿湯の合方のほうが無難なように思います。

 小生の場合は、大柴胡湯も併用したのはいつもこの方剤によって胃の調子が良いので併用したまでのことでした。


【編集後記】 高血圧症に用いる時の釣藤散や半夏白朮天麻湯における人参は、本来なら党参(とうじん)であるべきだ。朝鮮人参を用いると、どうしても釣藤鈎(ちょうとうこう)などの降圧作用にブレーキをかけてしまう事が歴然としている。
 このような漢方製剤の規格そのものにも、日本の漢方レベルの低さが露呈している。
 そもそも党参が日本薬局方にも記載されないのだから、漢方後進国と言われてもしかたがないだろう。

 なお、質問中の肝陽化風と舌質の色調とは無関係の問題であろう。
 なぜなら!?
 肝陽化風は肝風内動の一種であり、一般的には陰津不足による肝陽偏亢から風陽上翔が生じるものを肝陽化風と呼んでおり、教科書的にもここまでで終わっていることが多い!。この場合は明らかに舌質は紅で鎮肝熄風湯(ちんかんそくふうとう)などが適応する。

 しかしながら、暴飲暴食などによる脾失健運による湿聚生痰や、あるいは肝陽旺盛でそれが脾に横逆してしまい、このために脾不運湿から痰濁が生じ、少陽三焦で阻滞する結果、肝の筋膜を障害する「風痰」の病変も肝風内動の一種なのである。半夏白朮天麻湯や導痰湯などが適応するが、釣藤散もこの範疇に属するものである。
 この場合には、肝風内動を引き起こす原因が脾不運湿によって生じた痰濁であることが大きなきな違いがある。それゆえこの場合は舌質は紅〜淡紅〜淡白など複合する証候によって様々である。


 なお、教科書的には肝風内動は病因の違いによって肝陽化風・熱極生風・陰虚動風・血虚生風の四つに分けられている。
 教科書的な肝陽化風の実体を探れば肝陽上亢の進展して生じるもので肝腎陰虚による陽の亢進の制御不能による生風を指している。
 しかしながら、風は肝木が主(つかさど)るのであるから、熱極生風であれ、陰虚生風、血虚生風であれ、実質的には肝陽化風の現象には変わりないのであるから、教科書的な分類というものは、イヤハヤ!もっと上手な分類をしてくれないかと、歯がゆい思いをすることがある。
  教科書的な分類のアヤフヤさをさらに指摘すれば、陰虚生風こそ代表的な肝風内動の原因であるはずが、少し前までは教科書的な分類には見られないことが多かったのである
 だから肝陽化風の中にこそ陰虚風動が含まれていた筈だが、最近ではいつの間にか肝風内動の原因の一つとして陰虚生風(動風)が堂々と記載されるようになっていた。
 つまり、以前は肝風内動の分類には陰虚動風は存在せず、肝陽化風・熱極生風・血虚生風の三つだけだった!のである。

 なお、半夏白朮天麻湯や釣藤散あるいは導痰湯などに関連した「風痰」、つまり脾湿生痰によって引き起こされた肝風内動の場合では、上記の教科書的な分類上では当然、肝陽化風であるはずだ。
 といってもやや不自然な感も無きにしも非ずであるから、肝風内動の分類をもう一つ増やすべきではないだろうか。
 つまり、五番目に風痰の病変を四字熟語でうまく表現して追加すべきではないか!?


posted by ヒゲジジイ at 00:39| 山口 ☀| 高血圧 | 更新情報をチェックする

2007年05月11日

高血圧と釣藤散

性別 : 男性
年齢 : 60歳〜69歳
ご職業 : 自営業
簡単なご住所 : 関東地方
お問い合わせ内容 : ある病院で漢方医であるという医者から、高血圧の薬として漢方薬の「チョウトウサン」を処方してもらい、約6ヶ月ですが、いまだに血圧はさがらないのですが、医者に下がらないというと今に下がるというのですが?
 このまま続けてもいいのでしょうか。
 他の漢方薬にしてくれというのですが、これでいいのだ。というばかりです。


ヒゲジジイのお返事メール:拝復
 頂いた御質問の文面だけでは、貴方に釣藤散が合っているかどうかまでは判断できませんが、たとえ釣藤散が適応する体質であっても、釣藤散製剤そのものの問題もあります。
 釣藤散製剤中の釣藤鈎(ちょうとうこう)にもっとも優れた高圧作用があるのですが、とてもデリケートな生薬で、煎じ過ぎると効果が一気に損なわれる性質があります。それゆえ、使用されている釣藤散の製造方法の杜撰さによる効果の激減ということも大いに考えられます。釣藤散の製剤を他のメーカーに変えてもらうだけで、効果が出て来ることも大いに考えられます。

 もう一つの問題は、しばしば遭遇するケースですが、たとえ釣藤散証があるにしても、同時に老化から来る腎虚も併発しているために、補腎薬を併用しなければならないケースです。たとえば六味丸系列の方剤の中から適切な処方を釣藤散と併用すべき体質であるということもあり得ます。
 たとえば、体質によっては釣藤散合六味丸あるいは杞菊地黄丸ということは往々にしてみられるパターンです。さらに降圧効果を高めるために地竜を加えるなど、様々なケースが考えられますが、すべては中医学理論に基づいた弁証論治を正確に行ってはじめて方剤の配合や組み合わせがなされるべきです。

 現実的には釣藤散証が歴然としてあるにしても、高血圧症などのような体質病のばあいには、釣藤散だけで解決できることは少なく、さらに体質的に複合している病機(病理機序)を正確に把握して、貴方に適切な方剤を複数併用することで、はじめて降圧作用とともに高血圧の根本治療が可能となるものです。

 言い換えれば、釣藤散証に間違いない場合でも、釣藤散証を呈するようになった原因を中医学的に遡って詮索することも必要であり、また同時に並存する五臓六腑のアンパランスな連係部分を追及し、それを改善する適切な方剤を見出すことが必要であるということでもあります。

 以上、やや専門的な話になりましたが、六ヶ月間も釣藤散を服用し続けても効果が見られないということは、使用される製剤の品質に問題があるのか、併用すべき方剤が不足しているのか、証がぜんぜん合っていないのか、のいずれかということです。

 上記のことから結論としましては、受診されている病院を変えたほうが無難なような気がします。

 以上、取り急ぎお返事まで。
                        頓首


【編集後記】 実を言うと今月に入る少し前から、ヒゲジジイ自身が釣藤散エキス製剤を服用中である。理由は、仕事が多忙を極めた日々が続き、しかも新人さんが続くので、無い頭を絞りすぎて、あるいは昨日もあったような家族に無理に連れて来られた意欲の乏しい御相談者をお断りする不毛な労力で疲労困憊、無駄な時間を奪われ続けたことから、急に高血圧気味になったようである。
 幸い、現在は130〜70に落ち着いているが、先月末には早朝に後頭部の鈍痛で目覚め、仕事中のいつもとはちがうふらつき感に、サテはと自動血圧計ではかると180〜100。
 乱暴な下げ方だが釣藤散・地竜・辛夷清肺湯・竜胆瀉肝湯・大柴胡湯・茵蔯蒿湯・味麦腎気丸・田七人参・牛黄製剤・麝香製剤を用いて一気に下げたら食欲が無くなった(笑)←こういう派手な配合は決して真似てはイケナイ!
 このまま食欲の無い状態を続ければ、腹部肥満も解消することだろうが、食欲不振は鬱傾向をもたらすので、現在は釣藤散・地竜・大柴胡湯・茵蔯蒿湯・味麦腎気丸・田七人参・牛黄製剤・麝香製剤として、辛夷清肺湯と竜胆瀉肝湯は省略したが、血圧は正常に推移して今のところ再発の兆しがない。

 ともあれ、釣藤散こそ猪苓湯のように各メーカー間によって優劣が大きく分かれる代表的な方剤である。その優劣の鈎(かぎ)は、釣藤鈎(ちょうとうこう)の扱いにあるということだ。


ラベル:高血圧
posted by ヒゲジジイ at 00:12| 山口 ☀| 高血圧 | 更新情報をチェックする

2007年05月10日

転々と腰が据わらない人々

 そもそも自他ともに認めるヘソマガリのヒゲジジイだが、このブログの毒舌?が大いに気に入ったと勇んでやってこられた奇特な人々が今年になって何人もおられたのにはビックリした!

 不思議とこういう奇特な人たちには明くる日から速効が出ているから実に面白い(笑)
 体質改善三点セットだけで吹き出物が明くる日には半減したスッピンでも目の覚めるような美人のお嬢さん。あとはどれだけ頑張って続けられるかの問題だけですよ。

 軽佻浮薄を好まないので、お気楽な相談や役人根性丸出し横柄な相談者も好まない。
不遜な態度で相談されてタマルか、というのが本音である。
意思の疎通と会話がなかなか成立せずに、イライラして仕事にならない。
苦労した挙句に適切な方剤を見つけてあげたのだから、他所で買ってくれと逃げた。

 今に始まったことではないが、気が多くて腰が据わらない人も多い。一定レベルの効果では満足できずに、転々と各地を渡り歩くのである。この連中には「石の上にも三年」という言葉は通用しない。お互いに切磋琢磨しようという根性もない。病気を甘く見過ぎている。

 今年も少数の人にピントがなかなか合わずにご迷惑をおかけしている反面、大多数の人には比較的短期間に速効をもたらせている。ところがその多くの人に速効が出ているからといって、頑固な慢性疾患が短期間で治ってしまうはずもないだろう!

 最初に速効があったからといっても複雑な慢性疾患や難治性疾患なのだから、今後も様々な紆余曲折だってあり得るくらいの想像力が働かないものだろうか。
 こんな当然の理屈が分からない人も混じるのだから、時に合わせ甲斐のない話である。
 石の上にも三年、というコトワザも既に死語となりつつあるのかも知れませんね。

2007年05月09日

副鼻腔炎(蓄膿症)と胃弱 ━ 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょとう)の効果と副作用?

性別 : 男性
年齢 : 30歳〜39歳
簡単なご住所 : 関東地方
具体的な御職業 : 事務職

お問い合わせ内容 : いつもSEO対策、もとい、漢方治療実例等参考にしております。
 「慢性副鼻腔炎(うすい 後鼻ろう) 7年」が主症状で、漢方治療に試行錯誤している関東人です。貴サイト・ブログ内、鼻炎関係ひととおり目を通していると思います。
 現在、「ケイガイ連翹湯」を主軸に、6〜7割程度緩解で止まっています。

 私の、体質・漢方履歴は下記のようになっております。もちろん、詳細な微調整が必要な時は、山口までお伺いする覚悟はありますが、今回は、一般的なご回答の範囲内で結構ですので、下記の質問をさせていただきたいと思います。

 1「荊芥連翹湯」   辛夷清肺湯 中心の例は貴サイト内でいくつか拝見しておりますが、カビアレルギー再発のため、私の体質にはあっていないようです。「荊芥連翹湯」を主軸にした経験がありましたら、合方例、症例、回復例などをお願いいたします。貴サイトへの掲載などもお願いします。

 2「板藍茶」   鼻風邪を繰り返しやすく、イスクラ「板らん茶」を勝手に併用しておりますが、適量がわかりません。常に調子悪いので、1日計4〜6方飲んでしまっている状態です。「板らん茶(ほか、適切な中草薬)」併用方法はどのようにしたらよいでしょうか。

 3「勝湿顆粒(注記:藿香正気散製剤:)」  辛夷清肺湯の時に、「勝湿顆粒」併用で、カビアレルギー回復という、成功体験があるので、湿気が出てきた昨今、「荊芥連翹湯」との併用が頭に浮かびます。 ただ、連用したときに、胃痛が出たので、慎重になっています。また、「ケイガイ連翹湯」に余計なものを併用した時(手持ちにあった、衛益 鼻淵丸 天津感冒 五行草)に、背中腰のあたり(腎臓?、大腸?、膀胱??)の不快感が出ているので、慎重になっています。
 「ケイガイ連翹湯」自体で、内臓系に負担がかかっているのかもしれません。 梅雨時等いざという時は、試してみたいとも思いますが。。。

 4「抗生物質」  ものの本によると、漢方薬と抗生物質の相性は良いとのことであり、漢方薬局により「荊芥連翹湯」、医師による「抗生物質」(+ネブライザー)との併用も頭にちらついています。処方箋を出してくれそうな医師は近隣におります。どうでしょうか。

 5 エキス剤・煎じ薬  荊芥連翹湯 のエキス剤をいろいろな薬局で試しましたが、効果にばらつきがあります(季節的なものもあるでしょうが。。 効果があった経験がないから、荊芥連翹湯自体処方しない薬局もある??)。煎じ薬 のほうが良いでしょうか。 (「信頼できるメーカー」って、マル秘 ですか・・・・ ちなみに、松浦?の荊芥連翹湯 使用中です)

 6 出身地(銀翹散・胃腸弱)  貴サイトを拝見していると、天津感冒片を多くの方に使われているようですが、私の場合、1錠で、胃腸にキテしまいます。参りました。素人療法は良くないという実践例のようです(アセ)。 貴サイトを拝見していると、西日本の人は体質が強い・胃腸が強い?ように感じますが・・・ 中国にも近いし、中国人の体質にも近い??

  また、胃腸薬系の漢方薬をいろいろ処方されたことがありますが、いつも、胃腸にキテしまいます。胃腸薬で生まれて初めて、「胃痛」を体験しました(汗)  (これは、質問ではなく、ボヤキというか、漢方って難しい と思わされる体験例です。)

7 その他、私のような体質の人へのアドバイス・見解等がありましたらよろしくお願いいたします。

 症状・体質・慢性副鼻腔炎 7年 後鼻ろう うすい色の鼻汁がのどにたれる(右だけ)。鼻づまりは無い。 この冬は、鼻風邪だけを繰り返してしまう。鼻の粘膜が極端に弱い? 鼻が風邪で悪いときは、腸の調子がおかしい(おならが出る。軟便) 西洋薬も下痢しやすい・花粉症(5年)・かび胞子orほこりアレルギー 昨年梅雨に発症(頭痛、鼻づまり、倦怠感)

 漢方薬 履歴:けいがいれんぎょう湯(4店ほど回ったが、品質(メーカー?)に左右されるようである。漢方薬局で効果あり、医療用ツムラに切り替えたが、効果が弱いか無かった。)・しんい清肺湯(鼻風邪が悪化した時に、鼻汁5割程度減。しかし、カビアレルギー再発のため中止)・葛根湯かせんきょうしんい(便通だけよくなった)・四逆散(効果なし)

 最近の漢方履歴:(すべてエキス剤)
H18.7〜2ヶ月  松浦?けいがいれんぎょう湯  効果あり(◎鼻汁減 8割減)↓にきび が出るため変更いろいろ変更したが×
 H18.11〜1ヶ月   葛根湯加川芎辛夷(便通だけよい)
 H19.1〜2ヶ月   辛夷清肺湯(△やや鼻汁減) × カビアレルギー再発 × 花粉症発症この間、中医薬研究会薬局に相談しんい清肺湯 に +衛益 鼻淵丸 星火健胃 天津感冒 板らん茶 五令散等いろいろ併用したが、鼻汁とまらず勝湿顆粒併用時、カビアレルギー回復
 H19.3中旬〜   松浦?荊芥連翹湯(+板藍根) 効果あり(◎鼻汁減 7割減)            ◎ 花粉症症状消える  ◎カビアレルギー消える × 鼻風邪の繰り返しが治らない(すぐ移される) 荊芥副作用   胃部不快(食欲減)・眼が重い
 4下旬〜   鼻汁増えぎみ(あたたかく、湿気も出てきたためか・・・胃がふくれる 食欲回復)



お返事メール:拝復
 胃弱の人には胃弱の人なりの配合方法があるのですから、荊芥連翹湯が一定レベル効果があるなら、それ相応の胃弱をカバーする方剤を併用すべきです。
 副鼻腔炎が明らかで胃弱とくれば、抗菌的には一般論として、板藍茶でもなく五行草茶でもなく、白花蛇舌草を考えるのが常識です。
 荊芥連翹湯についての治験例を問われていますが、たとえば、小生の30歳までの経験例の公表したものだけでも拙著「求道と創造の漢方」の中、
http://murata-kanpo.seesaa.net/article/40342712.html
には荊芥連翹湯による経験例が13例、そのうち副鼻腔炎1例を掲載しています。その時代から27年が過ぎておりますが、その後の症例数、推して知るべし(注記:荊芥連翹湯による実際の症例数は膨大ということ!

>信頼できるメーカー」って、マル秘 ですか・・・・ 

 これに対する答えは、同一メーカーでも処方ごとに異なるので一概に特定メーカーばかりを贔屓できない。つまり、某メーカーの製剤がすべて良いとは限らない。だから、貴方がいう「マル秘」ですか、というのに一々付き合っておれない。

>>山口までお伺いする覚悟はありますが

については、そういう覚悟はする必要はありません。地元で専門家を見つけて、その人に賭けてみること。

 今頃の若者は(笑・・・年寄りの口上丸出し!)前宣伝の多い人ほど根気が続かない。 遠路はるばるやって来て、観光を兼ねて無理を重ねた為に、帰宅後一時寝込んだ人もいる。3日連続集中相談した甲斐もなく、効果が直ぐに見えないと短期間で音信が途絶え、無駄な時間を浪費した空しさだけが残る。

 同じ関東の人でも、根気がある人も多く、例えば超美人の東京のオバサンは、既に1年半、ヒゲジジイに一生喰らいつくつもりでおられる。(既に2回下関を往復されている。ブログに出番がないと淋しがられるほど?!それほどまでの根性は必要ないが、長期に亘った慢性疾患を緩解させるには、数年はかかるくらいの心構えと実際の根気が伴わない若者が多いので、昨今大いに呆れ果てている。

 ところで幸いにも、貴方は6〜7割りも既に緩解しているのだから、ますます下関まで来られるのは無駄!地元で専門家に相談すれは十分間に合うはずです。

 出身地の問題に関しては、たしかに関東地方の人たちは、見かけよりも華奢な人が多く、繊細でデリケートという傾向は確かにあるが、同じ日本人だからそのようなヤワな体質の人は中国・九州地方にもいないわけではない。
 以上、取り急ぎお返事まで。
                    頓首
   村田漢方堂薬局 村田恭介拝

2007年05月04日

英国の漢方事情

英国の漢方鍼灸医さんより

ヒゲジジイの質問に対するお返事 : イギリスは、中国、香港から移住して、クリニックを開いている中国人が多いので(イギリス政府は、香港返還時に60万世帯にビザを発行しました。)、鍼灸、TUI NAとセットで湯液もという感じです。
 ですから、必然的に中医が中心です。
 また、中国の大学では、中国政府の援助のもと、西洋の留学生を受け入れて教育するシステムがしっかりしていますので、私のカレッジの同僚も卒業後、短期で勉強に行くケースが多いです。

 現在の問題点は、動物、鉱物が方剤の中に使用することができないことです。木通や、附子も使用できませんし、麻黄の使用量にも制限が設けられています。
 これは、現在では、漢方医に対する法的な資格が明確でないために、充分な知識がなくても、漢方を処方できるためです。
 ここ、数年のうちには、法的な資格も明確になり、上記の漢薬の使用を許可されてくると期待しているのですが。。。。

 漢方に対する認知度は、英国はじめ、ヨーロッパでは、まだまだというところです。


ヒゲジジイのお礼のメール:拝復
 新鮮な情報、ありがとうございます。
 お国によってそれぞれの問題もあるわけですね、当然でしょうけれども。
 ブログの継続にも大分厭きアキしている折柄、大変興味深い情報、感謝申し上げます。
                   頓首
posted by ヒゲジジイ at 19:57| 山口 🌁| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする