2007年04月07日

1回目で速効を得ても同じ漢方処方でいいとは限らないのが中医漢方薬学の常識

 最初の1〜3回で効果がまったく見られないからといって早々に諦められる場合は(ヒゲジジイの腕が悪いことはチョット棚に上げて)、あまりに根気がなさ過ぎるので直ぐに記憶から遠ざかってしまう。
 本当は内心忸怩たるものが大いにあるものの、そんな短期間でギブアップするような方に多くの時間を割いたことの無力感は否定できない。
 今後も、以前にも増して根性ありやなしやの審査を厳重にしなければならないだろう(笑)

 現実には互いに苦労した人ほど、真の漢方の膂力を理解してもらえて、漢方ファンになった人も多いのだが、いつの時代も根気のない人の方が多く、速効を得て短期間で8割近くの効果が見えた人の中にこそ、次第に遠ざかっていつのまにか消え去っている。そして再発して、慌ててやって来る人の何と多いことかexclamation&question ところが同じ方剤で再び緩解するとは限らないのだから、頑固な慢性疾患というのは侮れるものではない。

 運の良い人は、例えば骨髄異形成症候群という白血病の前駆症状であることが多い疾患でも、牛黄製剤を主体にした最初の二種類の漢方製剤によって30日後の検査で血小板が1,5倍、白血球は2倍に増えたお陰でこちらのほうはあっさり正常化して、主治医が怪訝な顔をされているが、いつまでこの効果が持続するかが今後の問題である。
 すでにご本人は治った気分でおられて服薬を怠り勝ちなのだから、素人さんの無知なるがゆえの恐さを感じるばかりである。

 昨今、立て続けに葛根黄連黄芩湯(カッコンオウレンオウゴントウ)を使用することが多いが、初日から速効を得る人もあれば、途中から他方剤とのバランスがとりにくくなっている人もいる。かと思えば、明日から追加方剤として併用を開始する予定の人もいる。

 アトピー性皮膚炎では、初期に茵蔯蒿湯や猪苓湯の併用で順調に軽快して2ヶ月で8割以上の緩解の兆しが見えたと思ったところで、突然の再燃ならぬ全身重度のトビヒが生じても、托裏消毒飲の方意を上回る「玉屏風散製剤・荊防敗毒散加減製剤・白花蛇舌草」などでアッサリと即効的に緩解しているものの、この病気の油断大敵なることをあらためて認識させられる。

 以下、ロウジンの繰言的なマトメ、

 最近も相変わらず、初期から比較的順調に緩解している人ほど、真の体質改善を行わないまま、あっさりと短期間で服薬を中止する傾向が目立っている。

 効くように見えてなかなかピントの合わない人では、短期間でで諦める人もいるかわりに、辛抱強く根気勝負で頑張る人も多い。
 こういう互いに苦労して複雑な配合と臨機応変の配合変化を必要とする人達ほど、漢方の奥深さを真に理解してもらえることが多いもので、複雑な体質を持たれている人達だけに、もっとも深く熟考して力を注ぐ必要があるため、こうして深夜まで眠れずに考え込むのであった(笑)腕が悪くてアホだから〜
posted by ヒゲジジイ at 01:54| 山口 ☁| 骨髄異形成症候群 | 更新情報をチェックする