もちろん、びっくりするほど単純な方剤の組み合わせでスラスラと緩解する人も少なくないが、上記のようなケースでは、服用者も利用する各方剤の基礎知識を知っておいてもらう必要があるので、当方からはくどいほどに繰り返しアドバイスすることが多い。
繰り返し説明するのも、ピントを合わせる過程で、あるいは状況変化に応じて、臨機応変に配合を変化させたり、適宜、使用分量を増減したり、様々な工夫、悪く言えば小細工、よく言えば高度な加減を行うのを服用者自身に行ってもらう必要から、かなりな理解力を必要としているのが現実である。
だから勘のよい人ほど、早くマスターされ、中途半端なピントの段階でも、状況報告や各方剤の反応について敏感に察知し報告してもらえるので、ますますいよいよピンと合わせの能率が向上するわけである。
多少は気心が知れる頃には、各方剤の使用方法のコツやヒントをマスターされ、ご自分に適した適宜の使用方法を考案されて優れた成果が出たとの報告が得られるようになればしめたもので、「とても良い勘をしておられるから、こちらのヒントを参考にされて、引き続きご自身でやって良い範囲内で工夫してみて下さいよ」と言えるまでになる。
要するに、小細工の多い中医漢方薬学治療が長続きする人というのは、観察力があって、しかも客観的および主観的状況報告を的確に行え、勘のよい人に限られるように思われる。
理屈っぽい中医漢方薬学派の村田漢方堂薬局の漢方で、1回目で効果が出なかったら直ぐに諦める人は問題外だが、初期に速効があっても2回で止めた人が今年になって目立つのであった。
まさか「よく効きました!」と喜んでいたのは、あれはお世辞だったのだろうか 実にまったく苦労のし甲斐のない話である。
ラベル:臨機応変にの配合変化